NCWG設立九周年 年度報告会・特別講演会 開催報告
皆様のご支援、ご協力のもとにニッポンクラウドワーキンググループは、2020年11月1日より10年目の活動を開始しました。10年目の活動開始に伴い、9期の活動報告および10期の活動計画の報告会を2020年11月18日に開催しましたのでご報告いたします。
今回の「ニッポンクラウドワーキンググループ設立九周年報告会、特別講演会」開催にあたり、多方面の多くの方々の温かいご支援により盛況のうちに開催することが出来ました。さらに、みなさまから心のこもったお祝いの言葉をいただき、十年目の活動に向けて大変励みとなる周年イベントとなりました。重ねて深く御礼申し上げます。誠にありがとうございました。
また、今回も報告会開催に伴い特別講演会としてサムライクラウドサポーターで次世代宇宙システム技術研究組合代表理事の山口耕司氏に「ドローンとセンサー技術、その先に繋がるクラウドの有用性」のタイトルでご講演いただきましたので、ご講演内容の一部を本報告書に掲載させていただきまましたので、是非ご一読くださいますようお願いいたします。
今回の報告会は、リアルタイムでの動画配信は行いませんでしたが、ご参加いただけなかったニッポンクラウドワーキンググループの関係者の方々向けにFacebookのグループ内にて動画の公開を行っていますので、関係者の方は、是非ご視聴いただければ幸いです。
『ニッポンクラウドワーキンググループ設立九周年報告会及び特別講演会』
【テーマ】「ドローンとセンサー技術、その先に繋がるクラウドの有用性」
【日 時】2020年11月18日(水)17:00~19:00(受付:16:30~)
【会 場】市ケ谷健保会館 F会議室(2階)
【参加者】メンバーおよびご協賛各社
新型ウイルス感染拡大防止のため参加者を極端に絞り、会場内ではフェイスシールド着用、極端な消毒作業等のもとで開催したため、ご参加された方々には、かなりのご不便をおかけしました。ご協力ありがとうございました。
<設立九周年 年度報告会・特別講演会>
<第一部> NCWG活動報告及び本年度の活動計画
【NCWG 2020年度活動報告および2021年度活動計画】
会長 小堀 吉伸
小堀会長から、2020年度の活動報告、および2021年度の活動計画の報告をいただきました。
2020年度の活動スローガンが、
『Beyond the Clouds!「強みをシナジーにクラウドビジネスを昇華させる!」』のテーマで、活動を行ってきました。
ニッポンクラウドワーキンググループがシナジーの場となり、参加者個々の強みを掛け合わせることによる相乗効果で、クラウドの利便性の向上と日本のクラウドビジネスのマーケットの拡大、そこから新たな価値を創出し、成果が出せるような活動を行ってきました。
今期、2021年度の活動スローガンとしては、
『Beyond the Clouds!「クラウドケイパビリティをスパイラルアップさせて、新たな価値を創る!」』のテーマで活動を行ってゆくことになりました。
新型ウイルス感染の負の影響が重くのしかかる今だからこそ、ニッポンクラウドワーキンググループが、新しい日常での新たな価値を生み出す気づき誘発のコミュニケーションHUB(ハブ)となり、参加者相互が、各社の強みをより深く知り合い、各社の強みを掛け合わせることで、各社それぞれが持つ「クラウドケイパビリティ」をスパイラルアップ(強相乗効果)させることを目的とする。結果としてクラウドサービスの利便性の向上と日本のクラウドビジネスのマーケット拡大に繋げ(結)、日本から発出するクラウドビジネスモデル=サムライクラウドの質(実)を高め、スパイラルアップさせることで新たな価値創出(結実)を目指す。と言うことで、10年目の活動を行ってゆきます。
また、サムライクラウド部会(部会長 野元 恒志)、クラウドアプリケーション部会(部会長 尾鷲 彰一)、クラウドビジネス部会(部会長 藤田 浩之)、宇宙クラウドサービス部会(部会長 小堀 吉伸)の4部会の2020年度の活動報告、2021年度の活動計画の報告をいただきました。
詳細は、こちらの資料をご覧ください。
2020年度NCWG報告会資料
また、ニッポンクラウド関係者のみ視聴可能な報告会の動画を配信しています。
是非ご覧ください。
第一部動画はこちら
<第二部> 設立九周年 特別講演会
『ドローンとセンサー技術とクラウドの有用性』
サムライクラウドサポーター
次世代宇宙システム技術研究組合
代表理事 山口 耕司氏
ドローンに関する市場は、今や約4.65兆円規模になっており、2018年ころでは1.6兆円程度だったので世界規模で相当な市場の成長がうかがえます。
ドローンのイメージといえば、プロペラが4つほどついた姿がメディアなどでも取り上げられますのでご想像されると思います。最近では空飛ぶ自動車なんていうものもかなり実用段階に入ったようで、あれも実はドローンの技術が発展したものなんです。
本日は、登場から数年たってドローンとその周辺の展開や今後についてお話ししようと思います。
私個人の活動としては、初めはラジコン飛行機の延長のような感覚で趣味半分で始めたようなものですが、ドローンの他にも無人航空機(UAV)や、係留バルーンを作ったりなんてこともしております。
こういうものは例えば米国の国防企業が作っていたりしますが、防災無線(5GHZ帯)の中継器として利用が見込まれています。
そのほか、モンゴルへ行って気球を飛ばすなんてこともやっていたりするんですが、そこでもドローンの活躍できるシーンがありました。
モンゴルでは広大な土地の中で山火事が発生すると、発見・対応が困難です。
旧ソ連時代に比べ航空機などの設備も少なく、対応に苦慮されているという点がありましたが、ドローン技術の発展によってそれに廉価な設備で素早く対応ができる可能性があり、現地の協力を得て実証実験などを行っております。
さて今後、具体的な市場としてドローンの活躍が大きく見込まれるのはやはりまずは輸送分野でしょう。法制上、国内では25キロ以上積載したドローンを飛ばすのが難しいのですが、Amazonがドローンでの配達に手を付けたニュースを聞いてから久しいですね。
欧州ではすでに500キロも積載できるドローンが市場に登場してきています。
サービスとしての輸送以外にも、100キロ程度運べるだけでこれは大抵の人間が持ち上がるという事になりますので、実は災害救助にも役立つことが見込まれます。
その他、個人的に挑戦したいと考えているのは成層圏ドローンというものです。
高度20~30キロ程度の成層圏にドローンを飛ばして利用するということなのですが、この高度まで上がると数百キロ範囲の見通しがきくため、理論上は3,4台程度のドローンで国内の通信網をカバーできる可能性があり、通信中継やリモートセンシング等の様々な用途が見込めると考えています。
ドローンに関する現在の技術的課題として、通信のボトルネックというものがあります。
ドローンで画像取ったりデータを集めるのはいいのですが、これを送信するというのが問題になっています。使用する電波帯域によって法制上のハードルもあって問題が多い点です。
最近はこれについて、取得したデータそのもの常に送付する必要はなく、ドローンの機上で解析や判定を行い結果のみ送信すればいいじゃないか、という発想での開発が進んでいます。
やはり近年のマイクロ化されたボードコンピュータ等の技術や、そこで動作するAI、機械学習の技術が進歩したことが大きく寄与していると思います。
ドローンの生産に関してはやはり現状、中国が圧倒的なシェアを誇っており、国産の部品がなかなかないという状況です。
国内で有力なメーカと言えるものはでてきていません。
しかし、現状まだまだホビー用途で流通しているドローンが多いことから考えると、国内生産の部品に対する一定の需要はあるものと考えています。
加えて、特に国防方面の公官庁などではやはり国内生産のものが好まれる傾向があるため、そういったところも大きな需要があるでしょう。
現在、中国を主要な生産地としているドローン用モータのコイルは手巻きで作られていることが多いのですが、国内のモーターメーカでコイルを機械生産していないところはありません。
国産品はやはり信頼性は高く、特に趣味で購入するような層からするとその点は大きな魅力になるでしょうし、生産体制という意味でも優位な点はありますのでそこへ国内メーカが参入する余地は大いにあるのではないでしょうか。
その他、ドローンのような移動体が光通信で通信できるようになると、現在の法制度など電波方式のしがらみから解放されることになります。
その為、これに寄与するドローンに乗せられる高性能なジンバルなどのパーツが開発されるとマーケットとして非常に期待できることから、そういった技術の面でもアプローチの余地があると思います。
ソフト面に目を向けると、ドローン制御ソフトは、実はもともとOSSに端を発するもので、ありとあらゆるセンサー向けのライブラリを含め、いつどのセンサーからの信号が来ても適切な処理を行えるように開発が進められてきました。
現在主流なものにスイスで作られた制御プログラムがありますが、様々なセンサー類のライブラリとそれらをどのように適切に処理するか、一見すると辞典のようにも見えるそうで、教科書のようなプログラムなどと呼ばれたりしているそうです。
ただ、個人的にはソフト面にはあまり詳しくないのですが、このあたりもやはり海外でのビルドがメインになっているようで、それらがすでにデファクトスタンダードになっている状況のため、国内の発展は難しい分野かもしれません。
サービス面では、クラウドと連携したサービスというものがいろいろ出てきているようです。
先日、某公官庁の案件で自動飛行ドローンのログデータをとって、それをクラウドサーバで解析、可視化して利用について検討するというようなことをやりました。
姿勢や位置データ、速度、機体内部のCPU温度やクロック状況なども、送信したデータを基にグラフィカルに可視化することが出来るクラウドサービスが最近では公開されています。
実際に飛行した経路などを3Dモデリングして映像化することもできました。
近年では、このようにクラウドサービスとして、ノードとなるドローンのデータを加工したり分析するサービスが提供されています。
今後、通信方式の改善によるリアルタイム性や搭載機器の進歩によって、扱うことのできるデータやノード上での処理性能が上がれば、より幅広い展開が期待できるのではないでしょうか。
今回はドローンをテーマにいろいろとお話しさせていただきましたが、関連市場は今まさに大きな成長をしているところに間違いありません。
まだまだコロナ禍も先が見えない状況の中、人の代わりにいろんなところに出向いたりそこで何かができる、情報収集する、中継する、というような役割が考えられるドローンにはクラウドやその他の技術、サービスとのシナジーを含めて無数の可能性があると思っています。
ニッポンクラウド関係者のみ視聴可能な特別講演会の動画を配信しています。
是非ご覧ください。
第二部動画はこちら
[質疑応答]
Q.国内で海外に比べて先行している分野と呼べるようなものはあるのでしょうか。
A.思いつかないです。既に世界が土俵に上がっている状況なので、ベンチャー支援などが比較的薄い日本では伸びにくい部分があるのでしょう。
国内ではサービス観点などでは優位性がある部分があると思うのでそういう視点で新しいものがあると、今後デファクトスタンダードになれるような部分が出てくるかもしれないですね。
Q.国内ではやはり規制がハードルになっているという部分があるのでしょうか。
A.アメリカの方が実は規制が厳しいです。
日本は重量制限の部分は結構厳しいですが、そういう点よりもやはり様々な企業がいろいろ考えて挑戦していくような風土や促進を行うという方が大事ではないかと思います。
設立九周年特別講演会 締めのご挨拶
副会長 野元 恒志
山口さん、ありがとうございました。みなさんお疲れ様でした。
みなさんにこのように集まっていただいたのは、2月以来、9カ月ぶりということで、非常に去年の8周年のタイミングでも一部前半部分締めのご挨拶をさせていただきましたが、こういう状況になるとはまったく思っておりませんでした。
2012年には、NCWGで震災後の石巻市に伺わさせてもらい、いろいろ拝見させてもらいましたが、震災の場合は、瞬時にいろいろと失ってしまいますが、コロナ、ウィルスというものは真綿で首を絞めるように、じわじわと影響していくものだと感じました。
アフターコロナということですが、きれいにコロナが無くなることはないですし、さらっと終わることもなく、テレワークやオンライン会議など、今後は、クラウドとネットワークを切り離して生きていくことは難しいのかと思います。
本日、山口さんにドローンのお話しをいただきましたが、リモートの文化の中では、自動操縦であったり、クラウドの先のビジネスも今後発展していくのかと思いました。
新たにみなさんと、クラウドの上でのビジネスをしていかないといけないと切に感じました。
また、みなさんと次いつこういった形で集まれるかわかりませんが、顔を合わせてというのと、オンラインというのはやはり違うので、なるべく会えるようにしていきたいと思いますし、顔を合わせて、新たなクラウドビジネスの話をみなさんと議論させていただきたいと思います。
本日はありがとうございました。
【報告書作成者】
実行委員 内田 龍(株式会社クリエイトラボ)
第60回ニッポンクラウドワーキンググループ会合報告
『IoTの利活用を強みにクラウドビジネスを昇華させる!』をテーマに、ニッポンクラウドワーキンググループ第60回会合を開催いたしました。
(写真:上段左から株式会社ニッコム 小島氏、アールエスコンポーネンツ株式会社 宮原氏、さくらインターネット株式会社 吉村氏、下段、理事一同)
テーマ:『IoTの利活用を強みにクラウドビジネスを昇華させる!』
日 時:2020年2月20日(木)17:00~19:00
場 所:さくらインターネット株式会社 セミナールーム
会合開催にあたり、
新型コロナウィルス感染防止対策として、
・参加者のマスク着用
・入室時受付でのアルコール消毒の実施
・参加者の十分な距離の確保のための参加人数制限
等の感染症対策を実施しました。
参加された方々には、ご不便をおかけして誠に申し訳ありませんでした。
【司会者のご紹介】
実行委員 尾鷲 彰一(株式会社オープンウェーブ)
みなさん本日は第60回会合にお集まりいただきありがとうござます。
本年度最初の会合となります。
みなさんご存じのように、新型コロナウィルスの影響が色々なところに及んでおり、ここ数日色々なイベントのキャンセルも相次いでいます。
そのためニッポンクラウドワーキンググループの活動開始以来続けてきました
懇親会を今回は、急遽取りやめさせていただきました。
楽しみにされていた方、誠に申し訳ございません。
NCWGでは、懇親会も会合と同じだけ重要な『場』としてとらえているので、
できるならば中止したくなかったのですが、皆さんの安全を考慮し中止とさせていただきました。
状況が落ち着きましたらまた懇親会も含めて会合を開催しますので、その際は是非懇親会までご参加ください。
このような状況の中、会場を提供いただいたさくらインターネットさんありがとうございます。
リアルな情報を得る機会というのは非常に重要だと思います。
今期スローガンはみなさんご存じのように「強みをシナジーにクラウドビジネスを昇華させる!」ですが、他にも今期の活動計画の中に、会の在り方として「会員各社の“知らないこと”による機会損失の防止に努める」というのも挙げています。
このような状況の中で、今日会合を開催する意義というのは、まさに、本日参加されているみなさんが『知らないことを知る』ことによって、ビジネスチャンスを得ることだと思います。
今回ゲスト講演では、アールエスコンポーネンツの宮原さんに、「IoTイノベーションに向けた電子部品商社の挑戦!」ということで語っていただきます。
また、今期はテーマに沿った内容で、メンバー発表も行っていくということで、今回はニッコムの小島さんに、センサーやクラウドを連携させた、ロボット系の取り組みについてお話いただきます。
今日は会合しかございませんが、講演を聞いて、是非“知らないこと”がなくなるぐらい質問を浴びせてください!
2.各部会報告
サムライクラウド部会
部会長 野元 恒志
サムライクラウド部会では、SAMLシングルサインオンをベースとしてマイクロサービスとの関わり、アプリケーション基盤全般に関して議論をしております。最近では、技術議論に加えて、ソフトウェア開発生産性の議論も行っております。前回は、ActiveDirectoryに使用するドメインに関しての議論及び、プログラマブルネットワークに関する議論を行いました。次回は、3月中旬に開催予定です。是非ご参加ください。
クラウドアプリケーション部会
部会長 尾鷲 彰一
一昨年前は、IoTでデータ収集、昨年度は、AIでデータ解析についての内容で部会を開催してきましたが、机上での活動でした。
今期は、実際にフィールド(屋外)での実証実験を目的に、雨量計と雷センサーでのデータ収集をLoRaWANを利用して開発しております。
前回、2月25日に開催しました。
次回部下開催は、4月末を予定しております。是非ご参加ください。
宇宙クラウドサービス部会
部会長 小堀 吉伸
宇宙クラウドサービス部会では、従来部会で展開してきたホールプロダクトのコンセプトを軸としたクラウドサービスの考え方に新ビジネスの分野である「宇宙ビジネス」へ片足を乗せて「宇宙クラウドビジネス」という新たなクラウドビジネス分野の創造に取り組んでいます。
その足掛かりとして宇宙ビジネスに関わっている方々との交流を行ことで、宇宙クラウドサービスの創造と実ビジネス化に向けて活動を行っています。我々自身が宇宙ビジネスについては、未知数以上にイメージをつかみづらいため、すでに宇宙ビジネスに関わっている方々との交流は、かなり有効だと実感しています。
ほぼ毎月、部会を開催しながら、宇宙ビジネスの方々との交流会を併設しているので、是非ご参加ください。よろしくお願いします。
3. メンバー発表
テーマ:「ハードとソフトにクラウド、コンテンツ」
株式会社ニッコム 代表取締役 小島 秀登
本日は組み込み、IoTについて当社の取り組みをお話させていただきます。
ニッコム紹介
・ソフトウェアの受託開発をやっている
・委託先の見つかり難かった案件が多く、内容的には組込み的な案件が多数
・エンドのお客様は研究機関や、研究開発部門が主
・ハードウェアもデバック調査や修正など対応、ハード開発が必要な場合はEMSのパートナー会社を紹介
・生産管理システムや自動動画配信サービス(今はやっていない)など、クラウドっぽいこともやっている
最近関わりの多い、ロボット
・ロボット会社(スピーシーズ)のお手伝い
・建設機械:アームの自動制御による工程自動化
・ET2019(パシフィコ横浜)、アックスのAIごまめとの連携デモ など
センサー類は簡単に思えるものでも意外に難しい
マイク、タッチセンサー、カメラ、温湿度センサー、レーザー測距センサー、照度センサー、赤外線受光素子、赤外線LED、液晶タッチパネル、2軸ジョイスティック、焦電型人感センサー、スピーカー など
コンセプトと新しい取り組み
・ロボットは人とのインターフェイスや表現媒体
・全体制御はクラウドから、音声認識もクラウド
・ロボットの動きはコンテンツ
→情感を込める動作はMikuMikuDanceでオーサリング
※部品の低価格化や3Dプリンターでハードは作りやすくなったが、ハードはサービスのプラットフォームなので、新しい体験を提供できるかがKeyになる = コンテンツ次第
最後に、IoT、IoTとは言うけれど・・・
・産業界には普及し始めているのでしょう(インダストリー4.0など)
・一般社会にはボチボチ?(トイレの空き状況など)
・家庭への浸透にはまだまだ
– 費用に対するメリット(体験)が小さい?
– 使いやすさ(設置の容易さ、ユーザービリティ)の問題?
– キラーコンツは何?
などなど考えながら、色々と施策・思索しています。
■FAQ
Q1. お話の中で「音声認識はクラウドだ」ということをおっしゃっていましたが、今後5Gなどでネットワークの転送速度はどんどん進んでいくと思いますが、それがロボットに与える影響とか、クラウドはこのようになるというようなものがあればお聞かせください。
A1. 音声認識だとやはり「遅延」が気になります。音声だけでは気にならなくても、ロボットの動きなどと連動すると
間が気になったりします。そういう意味では、5Gは遅延がかなり短縮されると聞いているので期待しています。
Q2. ロボットは話ができるということですが、YouTubeでロボット同士が話をし話の内容がだんだんおかしくなってくるとうい動画があります。本日ご紹介いただいたロボットのケースでは、そのようなことを試されたりしているのでしょうか?
A2. 本日紹介した私たちが絡んでいるロボットはどちらかというとボディというか機体側です。コミュニケーションロボットという意味では、紹介した会社のクラウドを実装して何台かロボットを並べ、連動させてロボット大喜利ということはやっています。結局は会話のエンジンの作り込み方次第だと思います。いま、Googleなどを使ってどこまでできるかは不明ですが。
4.ゲスト講演
テーマ:「IoTイノベーションに向けた電子部品商社の挑戦」
アールエスコンポーネンツ株式会社
イノベーション事業部 宮原 裕人 氏
本日は講演の機会ありがとうございました。
話す機会がなかなかないので貴重な機会でした。
まずは自己紹介からですが、私は、RSコンポーネンツに所属しております。
RSコンポーネンツは、電子、電器、産業部品をアマゾンのように販売している会社でそこに所属しています。
以前は半導体メーカーで携帯電話の着メロのLSIのビジネスをおこなっていましたが2011年からRSで今の業務を行っています。
今日のテーマがIoTイノベーションでRSでやっていることをお話しいたします。
結論から申しますと開発のプロセスが変化しています。
IoTイノベーションと言うと大きな技術発展のことを示しますが、それを軸にではなく開発事態が大きく変わってきているということをお話しします。
今までの開発はハードウェアの開発からでPCを例にすると、マザーボードを設計してからケース、ソフトウェア、ミドルウェア、ドライバその上にシステムでそれをどのようにサービスにするかを考えていたのですが、昨今はそれをひっくるめて同時並行で進めて、サービスを提起してからそのサービスのハードやソフトを作るようになっています。
電子的なハードの会社なのでそこが焦点になっています。
大前提としてハードのプロセスは2つで、フェーズ1はハードの設計、デザイン、フェーズ2は製造でマニファクチャリングされた工場のラインで物をつくることです。
昨今の物づくりで世界に負けていると言うのは製造での話で、設計については、日本は世界をリードしています。グーグルやアップルが海外でデザインセンターを置いているのは、世界でも日本だけです。大きな会社ではデザインは日本でおこなっていますが、ビジネス的には製造の方が大きいのでその分負けているわけです。
物づくりの話をするときは設計と製造を分けて話さないとだめで、これは設計の話ですか?製造の話ですか?という点に注目してください。
製造は海外ですが設計は日本がリードしていて、その設計の行程がかわってきました。
設計の前フェーズでラピットプロトタイピングが行われるようになりました。
通常物づくりは、商品企画があって企画が通って予算が承認されて、作り始めるのが一般的でしたが今は商品企画の前に物を作ることが増えてきました。
ラピットプロトタイピングとはどんなものか?
パッと手早く作る、たくさん作る、たくさん作ったものを検証する、数十、数百のプロトタイプから物になりそうなプロトタイプを商品企画へ上げています。
またサービス全体を見渡してフィットする商品を検証するのがラピットプロトタイピングのプロセスです。
細かい視点として25年前の新商品の開発フェーズは、1つの会社やそのグループ会社全体で研究開発、コンセプトデザインを行い、それを商品企画会議に承認されて製造がはじまります。
設計、試作、評価は1回では終わらないので、第2、第3試作を行い設計データがフィックスして製造ラインとなり、世界中の販売ネットワークを利用して販売していくのが25年前の状況でした。
コスト面でみると、商品企画の承認が下りるまでは予算がつかないので、予算が使えませんでした。
良い製品を作るには、試作を2回、3回と試作回数を増やして精度を上げた商品を販売したいのですが、試作回数を増やすとコストもかかります。
製造業の会社では、なるべく試作回数を減らしたい、4~5回の試作を3回で終わらせたいから、CADやシミュレーションソフトに莫大な投資をして試作回数を減らすことが25年前経営課題の状況でした。
2000年以降はそれらが変わってきました。
まずは設計、試作、評価、製造を外部の会社に委託するようになりました。
例えばデジカメですがデジカメの設計をA、B、C社にだいたいの設計を依頼しますが、それらの会社が複数の設計を同時に受けることで、低コストでハイレベルな設計を受けることができるようになりました。
それから製造を中国や台湾の会社へ委託するようになる。
デジカメだけでなく、パソコンだとか携帯オーディオとか、そうゆう物を全部生産するラインをもっており、部材の手配も沢山注文した方が低コストになるので、百個注文するより1万個注文する方が低コストになるので、こういった会社に委託して低コスト化できるようになりました。
携帯とかパソコンとかのビジネスとやっている方なら聞いたことあると思いますが、設計とか製造とかをまとめてやる会社をODMと言いまして、製造だけではなくOEMなんかもできるようになりました。
これがここ20年~15年前くらいから、「ODMやOEMを利用して自社では作らず低コスト化しましょうよ」という流れになり、ここ十数年の動向なのかなと思います。
まとめますと、設計、製造を分業することでコスト削減を実現することができました。
低コスト化は成功したのですが、これはネガティブなこともありまして、商品的な魅力が低下しました。
何故かと言うと、一つの会社がいろいろな会社の製造を受けるので似たような製品になってしまい、特徴的なおもしろい商品が出にくくなります。
それから、通常試作開発をするとそこで溜まったノウハウを次の製品開発に利用することが一般的にあるのですが、同じグループ会社であればこのようなフィードバックの話もありましたが、別会社になったことで、このようなノウハウが生かされなくなってきた、ここで商品力が低下してしまった。
あとは複数の会社、一つの製品開発で3つ4つの会社がかかわることによって、それぞれの会社での設計基準に当てはめることによって、非常に尖がっていた製品がノーマルになると言うか、面白みのない商品に変わってしまった、と言うこともありまして、全体としては面白い商品が無くなってきましたよとなりまして、ここ10年の低コスト化の限界がきています。
さらにOEM、ODMで受けていた韓国や中国の会社が自社ブランドで日本市場に参入するケースが増えてきまして、そうなると低コスト化ではこちら側では勝てませんので今、困ってますと言う状況です。
ですのでもう低コスト化はあきらめて、高くても買ってくれるような斬新な機能、高価格な商品にシフトしようと国内の企業が製造業の考え方になっています。
そこでみなさんが始めたのがコンセプトデザインを見直そうという動きです。コンセプトデザインと言うのは基本的にどうゆう問題が、どうゆう風に解決されるかということで、それにより全体のコスト感がどのくらいになるのか見積もる重要な工程であるにも関わらず結構軽視されていました。
例えば、エレクトロニクス企業様でコンセプトデザインといったらパワポ1枚2枚で箇条書きで、これくらいの製品でこれくらいの機能ですで終わっていた企業も多いです。
でも、高付加価値な市場を狙って、今までなかったような製品を出す、となったらこれではちょっと新しいものができない。
ということで、そこを見直そうとラピッドプロトタイピングをやろうという動きになりつつあります。
ラピッドプロトタイピングの言葉についてですが、ラピッドプロトタイピングって聞いたことありますか?
これは、結構あいまいな言葉でして、自動車業界やメカ系の業界では積層造形3Dプリンタイズムをラピッドプロトタイピングと呼んでいます。
現在製造業で使っているラピッドプロトタイピングはこれとはちょっと違います。
外資系企業は直訳で迅速な試作と呼んでいますがこれもちょっとピンとこないので
私が伝えたいのはプロトタイプ開発の時短と定義したと思います。
つまり商品企画に入る前にプロトタイプを作りますよ。
しかも短期間でいっぱい作ります。と定義するのがラピッドプロトタイピングなのかなと思います。
ラピッドプロトタイピングが昨今50年くらいでそのような工程になったのは
3Dプリンタの普及、無料のCADが出てきたり、ソフトウェアもオープンソースになってライブラリが作りやすくなったということが挙げられます。
開発ボードも後ほど紹介しますがラズパイのように安価で高機能なボードがたくさん出てきました。
それからいままで不可能とされていた少量の物の物づくり、ハードウェア開発ができるようになったため、新しい工程としてラピッドプロトタイピングをここ数年やろうとなってきました。
ラピッドプロトタイピングをすると何が良いかと言うと
例えば商品企画を考えていただくと通常商品の担当者は「こういった方々にこういった商品を提案しましょう」と説明して、「ついては開発費3千万円下さい」と企画を上げますが、こうゆうやりとりを企画書3枚でできるのでしょうか?できないですね。
なので実際に物を作る。物を作ることによってこういった人たちに技術がわからない人たちにもこれがこのくらいビジネスになるかなと言うのがだいたいあたりがつくようになると思います。
あと昨今は投資金額をネット上から集めるサービスも出てきていますので
そこでも実際にプロトタイプも作ってネット上で動画にアップすることによって
たくさん資金を集められる、出資してくれる人がより多く現れるということもあって
プロトタイプが重要視されているのかなと思います。
IoTシステムも同じでプレゼン資料だけではなくプロトタイプで説得力がアップする
簡単なPoCを行って実際にこうゆう効果がありますよということを納得いただいて受注いただくというプロセスが一般的になっています。
最近は予算を承認する前にプロトタイプなりなにかしらの製品を作ります。
例えばエレクトロニック製品でしたら最終製品を週に2~3個のペースでプロトタイプを作ります。
そうすると1年間に100~150個の新商品のプロトタイプができるわけです。
商品企画者はその150個を使ってみたり、もしくはターゲットユーザーに使ってもらったりでそのフィードバックを得て
よりブラッシュアップした良い製品に磨き上げる
磨き上げたうえで最後に商品企画に入るというプロセスになります。
このプロセスはアップルでもグーグルでも手段をもっていまして海外の企業は結構ラピッドプロトタイピングに予算をかけています。
残念ながら国内の企業は昔からの慣習で商品企画前に予算をかけることが難しくて
研究開発費を削って削ってなんとか作っているという実状になっています。
なのでそう言った海外の企業と勝負できるいいものを作ろうとしたら、もっとラピッドプロトタイピングに予算を投じるべきだと思います。
ラピッドプロトタイピングをして商品企画をし、商品企画が通ったら海外の設計会社に委託し、製造も製造実績のあるちゃんとした会社に委託をして販売もネット通販を利用すると現地の営業のケアをすることはなく、国内のアセットメーカーはここだけを行うということになっています。
このビジネスモデルは個人の製造業もこのような形になっていて、
個人の製造業もプロトタイプを作成してクラウドファンディングで資金を集め、集まった資金をもとに外部の実力のある会社に設計委託をして、製造委託をして、ネットを通じて世界へ販売する。
これが個人で最近成功している個人製造業の流れになります。
かつてハードウェアはセットメーカーしかできない業種といわれていました。
ソニーさんとかパナソニックさんとか製造設備をもっている会社しかできなかったのですが、それが昨今では個人が物を作ったり異業種が新規に参入してきていたりいうところがあります。
セットメーカーからすると莫大な設備投資をしないと入ってこれず、そこが新規参入の産業障壁になっていたのですが、最近は個人でこつこつ物を作るというところが増えてきました。
あと他業種の新規参入という意味ではIT企業が自社のサービスと垂直統合するという意味で製造業へ入ってくるということがございます。
例えばグーグルなんかがスマートフォンをやろうとした場合にはHTCというスマートフォン会社を買収しまして製造も台湾でiPhoneなんかを作っている会社に委託して
一気にハードウェア事業に参入したということがございました。
彼らは自社のサービスの延長としてそのサービスを統合する形でハードウェアに進出してきているという流れになります。
彼らIT企業がやろうとしているのは自社の持っているクラウドオンラインサービスと末端のデバイスとを統合したサービスでハードウェアに参入しています。
ここで1点注意いただきたいのは最近エッジコンピューティングとかエッジとかの言い方をするかと思いますがこのエッジが業界によって呼ぶ場所が違います。IT系の方はですねエッジと言うとインターネットに入るゲートウェイとかをエッジと指しますが組み込み系のエンジニアではその先のデバイス側をエッジと呼ぶケースがあります。
なのでちゃんと区分けを認識していないと業界によってエッジの意思が疎通できないのでそこは整理したほうが良いのかなと最近は末端のデバイスのことをエンドポイントとかエンドデバイスとか呼ぶようになっています。
なのでエッジAIとか言ったときに基地局でするAIなのか?エンドポイントでやるAIなのかそれによって開発もかわるのでここはお客様によって呼び方が変わるので呼び方を注意いただいた方がよいのかなと思います。
異業種の新規参入はエンドポイントまでを組み込んだサービスでハードウェア事業に参入しています。
一般的に製造業に参入する産業障壁と言いますと巨額な設備投資が参入障壁だったのですが、それがすんなりいくようになりました。
他に参入障壁もあるのですが例えばブランド力であればITの事業での高いブランド力があればそれを使ってハードウェアに展開するとかできます。
流通チャンネルについてもかつては商社しか持っていなかったのが、オンラインでどんどんできるようになりここのハードルも低くなりました。
そんなこともあって新規参入のハードルが低くなって新規参入しやすくなっています。
電子機器革新のキーポイントを整理しますとプロトタイピングが大事です。
ですが日本のエンジニアにプロトタイピングをさせるとこだわって作るのですよ。
愛情をもって大事に。
これはよろしくなくて、もう金つくり、資金つくりと割り切ってプロトタイピングしましょうねと言いたい。10回に2~3回止まってもいいと思うんですよ。1回すごくいい動きをしてくれる、それを動画で撮って資金つくりすればよいのですよ。
それくらい割り切ってプロトタイピングするのが大事かなと思います。
せっかくプロトタイプを作ったのですからわかりやすさとインパクトが大事かなと、プロトタイピングをやるのに1個こだわってやるのではなく、ざっと2週間に2~3個
急ペースで早くたくさんつくることがポイントになるのかと思います。
こういったプロセスをやろうとした時の注意点ですが、大規模セットメーカーの場合かつてこれまで本設計をやってきたエンジニアがいますので、その本設計でやっているカルチャーをプロトタイピングに持ち込まないことが重要です。
例えばこれやると歩留まりが悪くなるとかですね、メンテナンスが落ちるとかですね、そういった本設計のやり方をプロトタイピングに持ち込もうとします。
そんなのは無視し機能だけに特化してやりましょうということが大事かなと思います。
クラウドをどう活用するか、今後IT企業がハードウェアに参入することもありますが、セットメーカーとしてはもともとのハードウェアのプロフェッショナルとしてそこに対してクラウドをどう活用するのか、もしくはクラウドを活用しなくても良いどのような差別化をするのか、十分に考えるのが大事なのかなと思っています。
個人で製造業をするための注意点は、なんでもかんでも自分でやらないことです。
プロトタイピングをして予算とり、そのあと本設計も自分でやろうとする方が非常に多いのですが、本設計はとてもとてもそんな簡単にできるものではありません。
これは専門家にお金をかけてまかせる。自分でやらないと言うのが大事かと思います。
その浮いた時間をマーケティングだったり販売戦略だったりシステムの構築だったりそうゆうところに時間を割くのがキーポイントです。
今の成功するハードウェアのプロセスがこのようなプロセスになります。
私どもRSコンポーネンツ、デザインスパークはここのラピッドプロトタイピングに最適なサービスを提供しようと考えています。
遅くなりましたが会社の紹介となりますが、RSコンポーネンツはネットで注文できる工業部品、産業部品を販売している会社です。
2500ブランドと取引をしていましてSDマイクロ、マイクロチップ、マイクロソフトもインテルも、幅広いブランドの商品、部品を販売しています。
特に一番強いのは国内に大きな倉庫をもっていまして、本日6時まで注文していただければ明日日本全国にどこでも届けますというビジネスをやらせていただいています。
なのでプロトタイプを週に2~3個作らないといけない時に来週届きますではなく、「明日届きますよ」にフォーカスして大きな倉庫をもってそのようなビジネスに注力しています。
取り扱いも様々な部品があって消耗品なんかもあったりしまして、工具なんかも置いています。電気工事用の工具なんかも取り揃えています。
こういった製品を横浜の倉庫からお届けします。
あとデザインスパークと言うサブブランドをもっていまして、そこで無料でつかえるCADソフトなんかも提供してます。
三次元CADソフトなのですが、これが無料で使えます。
二次元図面に図を描いていただき持ち上げて三次元にできます。
このようなソフトは商用利用の場合は別途費用がかかるというのが多いですが、このソフトは商用でも無料で使えます。
あと3次元プリント基板を設計するためのCADソフトや、そのCADを使ったリファレンスデータを利用した設計の参考データを提供していて、プログラムでいうところのサンプルプログラムと呼んでいて、ユーザーはこれをダウンロードしてCAD上でちょっといじれば試作でき、それをビジネスに使っても良いと言った物を提供しています。
我々はこういった取り組みを世界中でやっていますので、80万人の先進的な取り組みをしている方へリーチできるというビジネスもやっています。
あと特徴としてラズベリーパイの総代理店をやっています。
電子部品の業界もちょっと特殊で電子部品メーカーもいくつかありましてそこからセットメーカーに注文された部品を納入するのですが、通常ここは直接取引ぜず、部品商社に委託しています。
その部品商社のFAE技術営業が部品メーカーの他の様々な部品をセットメーカーへ売り込みを行うということをやっています。
セットメーカーの方は携帯電話を作っているような会社ですと、何十件、何百件の製造をやりますのでそこに向けて部品を降ろすと降ろすがてらに次の製品の開発者を紹介してくださいというわけです。
その人が次のモデルの開発者にリーチして今度部品メーカーから新しいチップが入りますよ。何かつくりませんか?とアイデア出すわけです。
それを徹底的にサポートしてプロジェクトを成功まで導くことをやっています。
一方でこのFAEが部品メーカーにセットメーカーAさんに品川の次のプロジェクトがいつまでにこんだけのプロジェクトがありそうですよと、需要のところをメーカーさんに提供すると言うのが部品ビジネスの一般的な形でした。
ところがこのFAEは本設計部隊にアプローチしていたのですが、本設計が海外にいってしまいました。
部品選定はラピッドプロトタイピングに移行していますが、この技術営業はラピッドプロトタイピングのチームにアクセスできないのです。
なぜなら大量に買ってくれるお客様ではないので購買も相手にしてくれないという状況になりつつあります。
なのでこのようなモデルにかわってきて、RSが直接部品やソリューションを提供しますよというビジネスで、ここから得たいろんなノウハウをビッグデータをメーカー様にフィードバックしてますよ。というようなことをやっています。
ラズベリーパイご存じですか?
このようなマイコンボードがありまして手のひらサイズのマイコンボードです。
2012年にリリースされまして全世界に3000万台累計販売してます。
マイコンボードとしては異例です。
もともとイギリスのチャリティ財団が教育向けで開発しましたが、このコストパフォーマンスが受けてビジネス用にも使いたいとかいろいろな用途に広がっています。
例えば書籍を見ても本屋にもラズベリーパイ専用コーナーがあって他のマイコン系の書籍よりはるかに多いです。
有名なIT企業がどんどんコラボレーション発表していましてIT系の会社との連携が柔軟に進んでいます。
このラズベリーパイですがIoTの取り組みで結構取り上げられることが多くなり、どういったことかと言うとIoTで屋外の何かをセンシングしたいとか、ビルのメンテナンスとかそこのセンシングデータをインターネットに転送するという基地局としてラズベリーパイを使う場合が増えています。
最終的に集めたデータをクラウド系にもっていってそこでIT系のシステムと連動するのですが、そこの中間を担う役割としてラズベリーパイを用いるケースが多いのかなと思います。
IoTを実現するスマートシティとかあるのですがシティでセンシングしたデータを可視化して今何が問題なのか、予測されるリスクは何なのか、データをもとにAIでどういった問題があるのか、センサーノードがあってそこから無線通信でゲートウェイに集めてそこからインターネットを介してIoTプラットフォームのクラウドにデータを送るような形になります。
ここのゲートウェイとしてラズベリーパイに関心をもたれている状況です。
弊社ではこのようなニーズに対し、LoRa通信モジュールを提供しています。
他にも拡張ボードも販売しています。
IoTまわり特に製造業でプロセスが大きく変わってきています。
プロトタイプが重要ですよ。プロトタイピングに力を入れてRSのサービスを使うことによって柔軟にやることができますよとなりますので、RSのサービスご利用いただきたいです。
われわれが感じているのは今までの縦割りでエレクトロニクスはエレクトロニクス、メカはメカ、ITはIT、コンテンツはコンテンツ、通信は通信だけやっていれば良いという構造が壊れてしまって、おそらく一つの企業で全部を見なくてはならなくなってきているのかなとその時に一つをまとめてプロトタイピングできる強力なパートナーが必要なのですが、その際にRSと一緒にやっていただければと思います。
■FAQ
Q1.ラピッドプロトタイピングのお話しでしたが、私どもソフトウェアの会社ですがラピッドプロトタイピングをする部隊をもっていますが、試作した作ったものを新製品として売り出そうとか既存の製品サービスに組み込もうとかの試みをしているのですが、いかんせん文化が違うというかラピッドプロトタイピングするチームと本製造するコーディングをする部隊と、きれいなスキームができていないのが今の状況なのですがそこの流れをうまくするコツはありますか?
本設計からするとラピッドプロトタイピングのチームは派手なものがおおかったりとか、文化の違いが社内であるのですがプロトタイピングで作ったものを、本製品としてきれいにだすとかのスキームがうまくまわっていません。
A1.プロトタイプの部隊と本設計の部隊のカルチャーの違いは結構大きくて、そこを別物だろ割り切るのがいいのかと思います。
日本のプロトタイプの部隊は本設計の思想だとか向いてる方向性を引きずってプロトタイプにきている方が多いので、プロトタイプは金を作るための手段として割り切って作ると、本設計は全くのゼロから作るのでソフトウェアのアジャイルとは違うのかなと。
アジャイルはちょっと作って肉付けするイメージですが、そうではなくてまったくの別プロジェクトなのでそこが重要じゃないかなと。
それを引きづってバトルになるので割り切ってやるしかないかと、そうゆうことで躓いているのかなと思います。
Q2.御社のサービスで3Dプリントのサービスに結構需要があるのかなと思いますが、そういったサービスはありますか?
A2.いまはないのですが提供している3DCADのソフトのバージョンアップで、3Dプリントで制作した場合と切削でやった場合のコストがでるので、そこから発注もできるようになります。
うちの売り上げにはなりませんがお客様からは一貫してできるようになり、お客様にはメリットになるのかなと思います。
5. さくらインターネット社からのご紹介
テーマ:「さくらのクラウドとIoT」
さくらインターネット株式会社 技術本部 ビジネス推進グループ クラウドチーム 吉村 卓也 氏
本日はIoTがテーマということで、新機能を話そうとも思ったのですが、さくらのクラウドでも昨今IoT用途の製品群を提供しているので、そちらの紹介をさせていただきます。
さくらインターネットのサービス
・レンタルサーバー
・VPS
・クラウド
・専用サーバー
・データセンター
・新サービス(sakura.io、高火力コンピューティング)
石狩データセンター
・現在3,000ラック規模、最終的には6,800ラック規模を予定
さくらのクラウド
・「開発者志向のシンプルなクラウド」「高い自由度」「仮想データセンターを操作」がコンセプト
さくらのセキュアモバイルコネクト
・コンセプト
- SIMからさくらのクラウドへLTE閉鎖網で直結
- モバイルゲートウェイを経由し、さくらの他のサービスとも接続
- 安全で安価なSIMが月額12円から
・特長
- 強固なセキュリティ
- 通信速度制限なし
- 低コストを実現
・さくらが提供するIoT用途製品群
-[新規製造製品向け]sakura.io:プラットフォームの提供(基本機能)
-[既存製品向け]セキュアモバイルコネクト:IoT向けSIMの提供(通信機能)
・活用シーン
- 監視カメラ
- ドライブレコーダー
- 自動販売機
・構成(接続は3パターン)
- プライベート専用
- インターネットにもアクセス可
- マルチリソース構成
・料金
<初期費用(税込み)>
- SIM本体価格:2,200円/枚
- 基本使用料:SIM 1枚あたり 13円/月
<月額費用(税込み)>
- モバイルゲートウェイ:4,400円/月(SIMカード最大1万枚まで登録可能)
- データ通信料:SoftBank 6円/MB、 KDDI 6円/MB、NTT DOCOMO 40円/MB
・SIMについて
- 提供するSIMは2サイズ
マルチサイズSIM:デバイスの大きさにあわせてカットできる
チップ型SIM(MFF2):最小ロット500枚から購入可能
- 基本機能
・LTE通信専用
・データ通信専用
・SMS送受信機能なし
・IMEIロック可能
・アクティブ、非アクティブ切り替え可
・ログ確認
■FAQ
Q1. 閉域網は日本の会社には比較的好まれると思いますが、閉域網にしたのはそのような狙いがあるのでしょうか?
A1. そうですね国内の事業者をターゲットにしたり、最近ですとDX化(デジタルトランスフォーメーション)だったり、製造業だったり、インターを提供しているような会社で通信網を確保したい、重要なデータで外部からはアクセスできないようにしたいという需要があり、そういったところに完全閉域で提供しています。
Q2. SIMは形的にはスマホに挿さると思いますが、SIMをアンドロイドのスマホに挿して使う場合、できる範囲とできないことを教えていただけますでしょうか?
A2. 通常のスマホに挿して使うこともできます。APN(通信するための設定情報)を入れると、アンドロイドとiPhoneもつながるのは社内では検証ができています。データ通信専用になりますが、スマホでも利用することができます。ただ、先程ご紹介した通りMB単価が高いので、スマホで使うと請求が凄いことになります。
Q3. セキュアモバイルコネクトはSIMだけではなくソリューションとしても提供しているのでしょうか?
A3. 基本はSIMだけですが、ソリューション提供の場合は間にSIerに入ってもらうことになります。パートナーチームがありますので、NCWGメンバーの方ももちろん参加していただくことが可能です。
Q4. ローカル5Gについての取り組みはどのようになっていますか?
A4. セキュアモバイルコネクト、さくらのIoTを含めて検討はしています。直接の担当者ではないのでどこまで言っていいのかという部分もあり、検討しているということで回答にさせてください。
Q5. セキュアモバイルコネクトはIPアドレスが自由に設定できるということですが、そのIPアドレスにアクセスするには、例えばVPSだったりとかクラウドのほうから入っていけば閉域網がつながっているから接続できるという理解でいいでしょうか?
A5. まさしくそのとおりです。さくらのVPSとかクラウドに同じセグメントのIPアドレスを割り振れば、そのデバイスに直接アクセスができます。あとは、SIM間通信もできるので、例えばAというデバイスとBというデバイスがあって、そこに192.168.100の1と2というように振り分ければ、100の1から100の2に通信できるようになります、これが意外と他の事業者はできないようなのでアドバンテージになっています。
みなさんおつかれさまでした。ニッポンクラウドワーキンググループは「Beyonnd the Clouds」ということで取り組んでいますが、先程、宮原さんにお話いただいたエッジの部分、またその先の末端のエッジの部分のことなども考えていますので、今日は有意義なお話をありがとうございました。
本日の会場を提供いただきましたさくらインターネットさん、ありがとうございました。毎年会場を提供していただいて、もう7年お借りしています。このように会場を提供いただけるので会合が開けます。いつも感謝しています。ありがとうございました。
このあと、尾鷲理事のほうから今年度夏までの予定をお話させていただきますが、コロナウイルスの影響がどのようになるかわからない部分もありますが、直近には3月の支援セミナ、4月の会合、6月には大阪での会合を予定しています。それ以外にも5月にはリンクさんでセミナーなどの予定があります。ありがたいことに「これもやりたい、あれもやりたい」との声が多く上がり、1年が16カ月位あればいいなと思うような状況です。皆さんも、まずは健康管理にご留意いただき、参加いただければと思います。
先程のさくらインターネット 吉村さんのお話のなかでもパートナーに関する話がありましたが、例えばGMOクラウドさんなど、いろいろパートナー会に参加する機会があります。しかしながら、パートナー会の場でNCWGのメンバーと会うことはあまりありません。メンバーさん、協賛さんの中でこのパートナーと付き合いたいとかがあれば、理事や実行委員に言っていただければHUBになるのでコネクトしたいと思います。
NCWGは今年で9年目、来年で10年になります、冒頭に尾鷲理事からもお話がありましたが、KDDIさんが協賛に手を挙げていただきました。毎回、協賛に手を挙げていただくと、我々がやってきたことをきちんと見ていただけているのかなとありがたく思います。ずっとコンスタントに20社の協賛さんにご支援をいただき、こうやって活動ができています。
ご参加いただいている方はご存知だと思いますが、NCWGは9年間変わらずクローズでやっています。この会合も告知はしていますが、一般の方は参加できない形になっています。メンバーさん、協賛さんともにクラウドビジネスにつないでいただいて、言い方は悪いですが稼いでいただければと思います。「こういうことをやりたいな」というときに、脇を見ると一緒に組める人がいるというような、いい意味での生簀にしておきたいと思います。会合もですけど、部会にもせひ加わっていただいて、テクニカルな部分もですが、ノウハウや人のつながりを身につけていただき、NCWGはそういう使い方をしていただければ存在意義もあると思います。
引き続きこのような形で活動をしていきますので、どうどよろしくお願いいたします。本日は誠にありがとうございました。
【NCWG実行委員 報告書作成者】
実行委員 佐々木 泰(株式会社クオリティア)
実行委員 井口 和彦(株式会社ドヴァ)
第58回ニッポンクラウドワーキンググループ会合報告
『衛星測位を利用した時空間情報でクラウドビジネスを活かす!』をテーマに、ニッポンクラウドワーキンググループ第58回会合を開催いたしました。
【テーマ】『衛星測位を利用した時空間情報でクラウドビジネスを活かす!』
【日 時】2019年7月11日(木)17:00~19:00
【会 場】富士通株式会社 セミナールーム(浜松町 世界貿易センタービル)
【参加者】メンバー、協賛各社および関係者の方々を含めて50名
【司会者のご紹介】
実行委員 大澤 武史(株式会社クリエイトラボ)
1.開催のご挨拶
NCWG副会長 藤田 浩之
みなさま、本日は第58回NCWG会合にお集まりいただき、ありがとうございます。
まず、本日会場をご提供いただきました富士通さん、ありがとうございます。
富士通さんでの開催はちょうど一年ぶりとなります。今年も富士通さんで開催させていただけることができ、改めて感謝いたします。今後ともどうぞ、よろしくお願いいたします。
そして今回の開催ですが、「衛星測位を利用した時空間情報でクラウドビジネスを活かす!」というテーマで、ゲスト講演では、衛星測位利用推進センターの三神さんにお話しいただきます。
今期のNCWGは主に宇宙ビジネスをテーマに会合を開催しており、リモートセンシングからLora(LPWA)を用いた衛星との通信、そして宇宙エレベーターまで色々な情報を得られたかと思いますが、今回はさらに、国産の衛星測位システム、準天頂衛星みちびきについてお話いただきます。
既にみなさん、クラウドのインフラを利活用するのは得意だと思いますが、宇宙のインフラを利活用するのはこれからだと思います。
これまでNCWGで得られてた宇宙の知見を活かし、この場を活かして、メンバー間で相互に価値を高め合って、サムライクラウド=日本から発出するクラウドビジネスモデルにつなげていっていただければと思います。
Beyond the Clouds! ~ムスビ(結)で、実を活かす!~
本日もよろしくお願いいたします。
2.新規メンバー・協賛のご紹介
<新規メンバー>
・株式会社ディーアイ・ネクスト
・富士ネットシステムズ株式会社
・有限会社シェルンコアテクノロジー
サムライクラウド部会では、SAMLシングルサインオンをベースとしてマイクロサービスとの関わり、アプリケーション基盤全般に関して議論をしております。最近では、技術議論に加えて、ソフトウェア開発生産性の議論も行っております。6月の大阪会合では、部会メンバーのプロキューブ中川路さんから二要素認証について、わかりやすくお話頂きました、参加者からも好評で大変よかったです。次回は、9月末に開催予定です。是非ご参加ください。
クラウドアプリケーション部会
部会長 尾鷲 彰一
一昨年前は、IoTでデータ収集、昨年度は、AIでデータ解析についての内容で部会を開催してきましたが、机上での活動でした。
今期は、実際にフィールド(屋外)で、雨量計や、照度計などのセンサーデータの収集などを行い、できればAIにつなげるところまでを実際にフィールドでやっていきたいと考え活動しております。
前回、8月29日に開催しまして、LoRaWANのサービスである、The Things Networkおよび、センサーノードのプログラムについて理解を深めました。
次回部下開催は、9月末を予定しております。是非ご参加ください。
クラウドビジネス推進部会は、クラウドサービス部会とともに、二部会共同で部会を定期開催をしております。
クラウドサービス部会では、セオドア・レベットの『ホールプロダクト』の概念を軸に、クラウドサービスを多くの顧客に利用してもらうために「備えるべ き機能や特徴とは何なのか」を、技術的な側面ではなく「サービス」と「クラウド(サムライクラウド)」の視点から考察し、また参加メンバーからサービス視点での発表を行っています。
クラウドビジネス推進部会では、今注目されつつある「シチズンデータサイエンス」をテーマに、ビジネス視点で『機械学習』に目を向け、様々なデータの利活用について議論し、また参加メンバーから発表を行っています。
是非部会にご参加ください!
4.ゲスト講演
テーマ:『準天頂衛星「みちびき」と世界の測位衛星が開拓する未来』
一般社団法人 衛星測位利用推進センター
専務理事 博士(工学)三神 泉 氏
私は1978年に三菱電気に入社しまして、初めて手がけましたのは野辺山の直径45メートルの電波望遠鏡です。この時から富士通さんとは一緒に仕事をさせていただいており、「すばる望遠鏡」では全体システムの研究開発から最後はマネージャとして最初から最後までを担当しました。生い立ちから育ちまでがすべて宇宙に関係しておりますが、ついには宇宙に望遠鏡を打ち上げたいということでJAXAで太陽だけを観測する望遠鏡「ひので」を打ち上げまして、「ひので」は今でも活躍しております。
現在は衛星測位利用推進センター (SPAC)で準天頂衛星の利活用の推進などに携わっています。
<みちびきとは>
みちびきは昨年の11月1日に4機体制による本格的なサービスが開始されました。内閣府が作りましたPR映像では8の字を描く独特の軌道などが確認できます。現在この8の字の軌道に3機の衛星がまわっていますが、頂点の東京付近に8時間滞在し、必ず1機または2機が見えますので、見かけ上GPSの数が増えたようになります。
みちびきとGPS以外にも世界ではたくさんの測位衛星があり、規模だけであればGPSを超えているというような状況です。
ただし測位精度は様々で、GPSなどを使った普通の測位サービスでは数メータの精度しかでません。電磁層を通る時の屈折などで発生する誤差をできる限りなくし、センチメータ級の精度にしようというのがみちびきのCLAS(Centimeter Level Augmentation Service)です。
今実用サービスとして提供しているのが、サブメータクラスのSLASとセンチメータクラスのCLASです。
<実証実験>
CLASは全国と離島、および日本の海岸線から数十キロ程度まではカバーできるようになっています。このサービスを利用して、一例として下記実験が行われています。
・除雪作業の自動化
・ドローンによるラストワンマイルサービスの高度化
・農業におけるトラクターの自動化
など
<センチメートルクラス衛星測位の問題点>
SLASに対応した受信機はポケットに入れられるものが市販されており、値段も比較的手に入りやすいものです。一方高精度のCLASの受信機は現在数社からのみの提供で大きさは18センチ×9センチ、厚さ7センチ程度で、価格も1台が数十万円となっています。
メーカーとしては大量に安く作ることもできますが、その大量のユーザーが保証されないと動きにくく、一方ユーザー側では安くて小さい受信機がでないとサービスを始めることができない、といった板挟みの状況をどう解決していくかがポイントになります。
また、マルチパスという問題もあります。マルチパスは高層ビルなどに囲まれている場所で衛星から直接届いた電波とビルなどに反射して届いた電波がミックスされてしまい衛星までの距離の信号が誤差を起こしてしまう現象です。ただし、様々な工夫により、実測値でほとんど誤差がでないデータの取得に成功することができるようになってきました。
<みちびきを利用したサービスの今後>
みちびきが提供するサービスに未来・現在・過去のデータを合わせて、色々なサービスを行うIoT社会になっていくものと考えていますが、まだまだ思いもつかない新しいサービスや事業があるのだろうと思います。色々な適用分野に個人や個別の団体等のスケジュール・趣味・思考等の情報にAI、クラウドの技術ミックスされて事業が生まれていくのだろうと考えています。
■FAQ
Q1:紹介動画の中で倉庫内の自動運転が紹介されていたのですが、これも衛星測位ですか?
A1:建物の中は衛星測位ではなく専用の測位システムを使っているはずです。
Q2:災害に関する衛星測位の活用にはどのようなことが考えられるのでしょうか。
A2:電波の中に津波情報や竜巻情報などのメッセージが埋め込み、災害情報をいち早く受けることができます。ただ、災害情報を受けるだけではなくどこに逃げるかの誘導などもできるようになれば良いと考えています。また、避難所にみちびきと双方向で通信できる受信機を置き、災害救助センターと情報交換ができるとういことが数年で実現すると思います。
Q3:実用化が活発になってくる時期について見通しについて教えてください。
A3:非常に難しい質問です。先ほどの受信機の低コスト化との兼ね合いになります。思い切って大きな額を投資するような企業が現れると一気に波が来ると思いますが、現在は徐々にという状況です。もしかしたら東京オリンピックを契機に変わるかもしれません。
5.富士通社からの各種ご紹介
■「これからの日本とセキュリティ~No Security、No Digital~」
シニアエバンジェリスト 太田 大州 氏
富士通でセキュリティ分野のシニアエバンジェリストである太田大州氏から、デジタル社会におけるサイバーセキュリティの動向、クラウドビジネスで必要となるセキュリティ対策についてお話をいただきました。
■「Developers Community Fujitsu Tech Talk」についてご紹介
グローバルマーケティング本部ポートフォリオ戦略統括部 シニアディレクター 宮沢健太 氏
クラウドをベースとしたシステムやサービス提供を行う開発者が、クラウドやAIなどのテクノロジーやビジネス活用について議論するコミュニティ「Fujitsu Tech Talk」について紹介がありました。9月12日にもイベントが開催される予定です。
詳細は、以下URLからご確認ください。
https://www.fujitsu.com/jp/metaarc/developer/fujitsutechtalk/
皆さん、お疲れ様でした。
ご講演いただいた衛星測位利用推進センターの三神さん、
かなり以前からご講演のお願いをしていたので、お話しをお聞きできて大変ありがたかったです。本当にありがとうございました。
あらためてお話しするのも変ですが、我々ニッポンクラウドワーキンググループは、名称にクラウドと付いているので、クラウドコンピューティングに関わる団体です。活動開始から会合では、多くの分野の方々にお話しいただき、ここ数年では、人工知能や衛星データ、宇宙ビジネスと言った方々にお話ししていただきましたが、ご講演者の方々とお話しすると、皆さん、「結局は、後ろは、クラウドだから」ってお話しをされることを思い出しながら、三神さんのお話をお聞きしていました。
お話をお聞きしながらセンチメータ級測位補強サービスは、誤差数cmで測位を行うことが可能とのことなので、間違い無く、あらゆる分野で出来ることの範囲が広がると考えれば、クラウドビジネス化には、創造力や独創性など見えないものが見える力が必要なのだと実感しています。
また、昨年同様に会場をご提供いただいた、富士通さんには、大変感謝しております。ありがとうございました。シニアエバンジェリストの太田さんのお話しは、サイバーセキュリティの動向をもとに、クラウドビジネスで必要なセキュリティ対策についてまで、きっちりした実例に基づいたお話しをお聞きできて大変ありがたかったです。ありがとうございました。
ニッポンクラウドワーキンググループとして、活動開始から八年が経ち今回の会合は、58回目となります。58回会合を行い、毎回、様々な色合いで会合開催してきましたが、今回のご講演者の三神さん、富士通の太田さんのお話しは、大変重みがあり、ニッポンクラウドワーキンググループは、クローズドの団体として活動してきましたが、なかなかお話しをお聴きできない方々のお話しが聴けて大変ありがたいことだと、ご講演をお聞きしながら感じていました。
ところで、今年度の会のテーマが、「Beyond the Clouds! ムスビ(結)で、実を活かす!」と言うことで、活動を行っています。クラウドを超えてってことなのですが、「クラウド」は、あくまでもビジネス実現のための道具なので、道具を目的にするのではなく、その先にあるものを目的にして、それを掴み取れ(実現する)ば、自然にクラウドは使われると言う意味合いで「Beyond the Clouds!」を掲げています。Beyond the Cloudsの視点からも、センチメータ級測位補強サービスのお話しは、大変有意義なお話をお聞きできました。
ニッポンクラウドワーキンググループの存在意義として、日本のクラウドビジネスのパイを少しでも広げることは、設立時から変わらないので、引き続きメンバー、ご協賛の皆さんには、会を使っていただきクラウドビジネスに繋げていただければ、活動している意味も強いものになるので、是非ともよろしくお願いします。
そのためには、シンボリックなことも大切なので、日本から発出するクラウドビジネスモデルとしての、サムライクラウドをご参加いただいている皆さんには、引き続き前面に掲げていただきながら会の活動にご参加いただければありがたいです。
引き続き有意義で活発な会にして行きたいと考えていますが、ただ、会の趣旨としては、これからもメンバー、ご協賛でのクローズドに活動を行って行きますので、ニッポンクラウドワーキンググループに関わられている方に参加いただけないと会の活動の推進力を失います。是非、積極的に部会含めて会の活動にご参加ください。
本日は、お疲れ様でした。ありがとうございました。
7.懇親会
懇親会についても大いに盛り上がり、メンバー・ご協賛の方々との積極的な交流を図ることができました。
ご参加された皆さん、お疲れ様でした。
【NCWG実行委員 報告書作成者】
宮崎 秀人(エヌ・ティ・ティ・スマートコネクト株式会社)
横手 広樹(株式会社クリエイトラボ)
第57回ニッポンクラウドワーキンググループ会合[大阪開催]報告
『サムライクラウドと宇宙ビジネスで、日本のクラウドビジネスを活かす!』をテーマに、第57回ニッポンクラウドワーキンググループ会合を開催いたしました。
今回の大阪での会合は、GMOクラウド株式会社さんに会場をご提供いただき、多くの方々にご参加いただき活気ある会合となりました。
【テーマ】『サムライクラウドと宇宙ビジネスで、日本のクラウドビジネスを活かす!』
【日 時】2019年6月7日(金)16:00~19:00
【会 場】GMOクラウド株式会社 大阪支社
【参加者】メンバー、協賛各社および関係者の方々を含めて50名程度
1.開催のご挨拶
NCWG副会長 藤田 浩之
皆さん、本日は第57回NCWG会合大阪開催にお集まりいただきありがとうございます。
副会長の藤田です。
今年もここ大阪に戻ってきました。
我々普段は東京で会合を開催しているのですが、大阪では毎年6月に我々の会合を開催させていただいておりまして、2011年の設立以来、大阪では年1回ではありますが継続して開催しており回を重ねております。
普段の会合は会員限定で開催していますが、この大阪開催は会を広く知っていただくことを目的にオープン開催とし、一般の方々もご参加いただいております。
そんな中で今年も大阪での開催が実現でき1つ回を重ねるわけですが、これは例年のあたりまえということではなく、毎回毎回、みなさんをはじめ、会に関わっていただくいろいろな方の協力あってこそだと思います。
今回も色々な方にご協力いただいて開催できております。
まず初めに本日この会場をご提供いただきましたGMOクラウドさん、ありがとうございます。この会場は普段は社員さんの憩いのスペースとなっているとのことですが、今日は会合のためにまるまる空けていただいております。感謝いたします。さらにGMOさんからも新サービスのご紹介があるとのこと。ワクワクと期待でいっぱいです。よろしくお願いいたします。
今回の会合テーマですが「サムライクラウドと宇宙ビジネスで、日本のクラウドビジネスを活かす!」というテーマで、サムライクラウド部会から、プロキューブの中川路さんに二要素認証の標準仕様についてお話いただきます。そして、ゲスト講演として、和歌山大学 教授の秋山先生に「LoRaと衛星通信」についてお話いただきます。どちらも、興味深いテーマで、もうワクワクが止まりませんね。お引き受けいただき、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
続いて会の運営に協力いただいている実行委員の皆さん。今日も多くの実行委員がここ大阪に集まってくれました。ありがとう。最後までよろしく!
そして、最後に今日この場に集まっていただいたみなさん。今日はお集まりいただきありがとうございます。
我々ニッポンクラウドワーキンググループは、みなさんに場を提供するということを一つの使命としています。ある意味で、われわれは場を提供するまでで、この場をどのように活かすのかは皆さんの腕にかかっています。
ですので、是非この場を活かして、クラウドビジネスモデルを生み出し、日本から世界に発出していただきたいと思います。それが我々が“サムライクラウド”という言葉に込めた思いです。
『Beyond the clouds ~ムスビで、実を活かす!~』
今期の我々のスローガンでもありますので、是非われわれもふくめみなさんで今回の会合を盛り上げたいと思いますので、どうぞ最後までよろしくおねがいいたします。
2.会の活動紹介及び各種部会の活動紹介
<会の活動紹介>
会長 小堀 吉伸
ニッポンクラウドワーキンググループは、日本国内のISV、クラウドサービス提供者が集まりニュートラルな立ち位置から「クラウド」上での各種の連携(サムライクラウド)のための技術的およびビジネス的な交流を積極的に行うために活動を開始し活動開始から8年が経ちます。
クラウドビジネスのマーケットを広げるためにも、ニュートラルな立ち位置だからこそできることがあり、さらに様々なクラウドサービスを繋げること(グランドクラウド)でクラウドの利便性の向上させることでクラウド利用のハードルを下げ、結果的にクラウドビジネスのマーケットが広がると考えています。
そのためには、日本から発信できるアプリケーションプラットフォーム(サムライクラウド)を作り上げ、それを推進力に日本のクラウドビジネスのマーケットを広げることを目的にしています。
現在、メンバー企業が90社、ご協賛が21社、アカデミアンの方々によるサムライクラウドサポーターが6名、総数としては、500名の方々に関わっていただき、基本的にはクローズドの形で会の活動を行っています。
会の活動としては、2ヶ月に1回のペースで定期的にこのような会合を開催しています。またこの後ご紹介する、4つの部会で技術的な活動からサービス的な視点に至るまで広く活動を行っています。
通常会合は、ニッポンクラウドの関係者のみクローズドで開催していますが、毎年この時期に行う大阪会合は、オープン開催にして会の活動を関西の方々にも知っていただきたいとの趣旨から開催しております。
また、会合や部会の運営につきましては、メンバー、ご協賛の方々16名に参加していただき、実行委員会と言う枠組みで会の運営を行っており、現在、12社16名の方に参加していただいています。
詳細については、こちらの資料をご覧ください。
<各部会の活動報告>
サムライクラウド部会
部会長 野元 恒志
サムライクラウド部会では、SAML、OpenSocialガジェットによるアプリケーションの連携という軸をベースにアプリケーション認証基盤、MicroService化に必要な検証事項などを議題に月に一度の定例部会を実施しています。
この後、部会からの発表として中川路さんから発表頂きます。認証技術に関しては、私はこの方にすべてを習ったとも言えるほど見識のある方です。二要素認証、WebAuthenticationが、今後私達に何をもたらすか、皆さんに確認していただきたいと思います。
部会参加は随時募集しています。懇親会ででも声をかけてください。
クラウドアプリケーション部会
部会長 尾鷲 彰一
一昨年前は、IoTでデータ収集、昨年度は、AIでデータ解析についての内容で部会を開催してきましたが、机上での活動でした。
今期は、実際にフィールド(屋外)で、雨量計や、照度計などのセンサーデータの収集などを行い、できればAIにつなげるところまでを実際にフィールドでやっていきたいと考え活動しております。
次回部下開催は、7月末を予定しております。是非ご参加ください。
クラウドビジネス推進部会
部会長 藤田 浩之
クラウドビジネス推進部会では、クラウドを利活用してビジネスに繋げるための、リアルな情報で 語り合う場を提供し、様々な方法で、実際のクラウドビジネス創出を促進し、結果として“ニッポン”発のクラウドビジネスモデル(サムライクラウド)の発展に繋げることを活動指針として掲げています。
実際の活動としては定期的に部会を開催しており、部会ではクラウドビジネスに繋がる勉強会を開催しており、今期は「シチズンデータサイエンス」がテーマです。
「シチズンデータサイエンス」はガートナーの日本の先進技術のハイプサイクルでこれからトレンドとなるキーワードの一つです。
そもそものデータサイエンスとは、「情報学」「数学および統計学」「専門領域の知識」を束ね、データ処理、データ分析を行い、価値創造につなげることと定義されますが、データサイエンスを実施するデータサイエンティストには、数学および統計学に長け、情報学に長け、専門領域のある程度の知識を有し、専門領域にいるビジネスパーソンとの円滑なコミュニケーションスキルが求められます。
つまり、データサイエンスをビジネスに活用しようとすると、上述のとおり高度なスキルを有する人材が必要になります。
一方、「シチズンデータサイエンス」はデータサイエンティストの役割を、進化する技術に代替させ、専門領域の知識を有するビジネスパーソン自らデータサイエンスを実施することを示します。
技術の進化により、我々がデータサイエンスを利活用し、価値を創造する時代がもうすぐ到来します。
クラウドビジネス推進部会では、そのような将来に備えるため、参加メンバーでディスカッションを通じて、データサイエンスへの理解を深める場を提供しています。
是非部会にご参加ください。
クラウドサービス部会
部会長 小堀 吉伸
クラウドサービス部会長の小堀です。
クラウドサービス部会は、クラウドを「テクノロジィ」の視点からではなく、「サービス」の視点から捉え、色々なクラウドサービスを検討しながら、その有用性を検討し参加者自身の「サービスプロダクト」創りに役立ててもらえるような部会を行っています。
部会を進めるに当たり、活動のセンターコンセプトに、セオドア・レベットの「ホールプロダクト」と言うサービス概念を使いながら、ホールプロダクトの概念を基にサービスやプロダクトを垂直的につなげて行く「メタサービス」やサービスのためのサービス「Service as a Service」などの、部会から発信できる実ビジネスへはめ込めるようなサービスの概念を構築できるように議論しています。
3.GMOクラウド社からの各種ご紹介
テーマ「GMOクラウド新サービスのご紹介」
GMOクラウド株式会社 IoT事業部 末枡 仁史 氏
本日はGMOクラウドの新しい3つのサービスについて紹介します。IoT事業の「hakaru.ai」「Diversity Insight for Retail」、クラウド・ホスティング事業の「CloudCREW byGMO」です。GMOクラウドの事業としては、IoT事業、クラウド・ホスティング事業、セキュリティ事業、ソリューション事業があります。IoT事業としては、最初に2017年5月にIoTビジネスを構想段階から開発支援、サービス化までひとつの窓口で対応する「IoTの窓口」をリリースしました。
「hakaru.ai」
スマートフォンでメーターを撮影するだけで、AIが数値を読み取り、集計・台帳記録ができるサービスです。2019年5月8日からスタンダードプランをスタートしました。スマホで撮るだけで、AIでメーター点検業務を速く、ラクにします。「大量のメーター点検まで手が回らない…」「計測ミス、記載漏れ、データ改ざん、を無くしたい…」「エクセル等の入力業務を減らしたい…」「メーター数値の管理ができていない…」「異常値があった際は、管理者や作業者にすぐ知らせたい…」「スマートメーター交換等の大規模な設備投資は難しい…」「老朽化した設備機器の維持、機器刷新の時期は数年先…」などのお悩みを解決します。生産・製造工場、ビルメンテナンス会社、店舗などの目視と手書きで点検業務を行っている方に適したサービスです。
「Diversity Insifht for Retail」
小売・流通向け店舗分析AIサービスです。実店舗のカメラに映った来店客の年齢・性別、ファッションや店内の行動をAIが分析し、販促活動・収益アップを支援します。EC拡大で、リアル店舗にも変革が必要になってきており、国内の上場企業 3,558社のWebサイトのうち、Google Analyticsの利用率は83%以上になっています。来店人数計測、滞在時間計測、来客属性分析、共起ネットワーク解析、来訪元分析、ファッション属性分析、天気連携、クーポン連携、ウインドウショッピング数計測などが可能です。また、その関連性を可視化することができ、消費傾向などのライフスタイル分析も可能です。関西のスーパー「マツゲン」2店舗で導入いただいており、お花見シーズンの販促効果をAI分析で見える化などし、活用いただいています。また、SCビジネスフェア2019
(1/23-25@パシフィコ横浜)のパルコグループのイベントブースにも導入いただき、来場者分析にご利用いただきました。
「CloudCREW byGMO」
様々なクラウドのメリットを最大限に享受するには、最適化を繰り返すなど、効率的に利用し続ける取り組みが大切です、CloudCREWでは、クラウド活用を成功に導くことを目指して様々な支援を行います。会社、サービスの特性によってクラウドの使い方を分けているお客様が多いですが、20年以上クラウドの運用をしてきたGMOクラウドの技術やノウハウを活かし、ご提案をします。「マネージドクラウド」では、自動運用プラットフォームとプロフェッショナルSEによる次世代のマネージドサービスを提供します。カスタマーサポート、適正なクラウド利用のアドバイス、運用の効率化、コスト削減、業務スリム化などお客様により良いものを提供できればと思いリリースしたサービスです。
NCWGメンバー各位には今後いろいろな連携をお願いしたり、アライアンスにつながるケースもあると思いますので、引き続きお願いできればと思います。
[質疑応答]
Q1. クラウド、ホスティングとAIでは全くアプローチの仕方が違うと思いますが、苦労した点やアプローチのギャップなどあれば教えていただきたい。もうひとつは、社内の開発でやりたいことと、市場との違いを営業はどのようにキャッチアップしているのか教えていただきたい。
A1. いままで月額のクラウド、ホスティングサービスをしてきたので、まずお客様層が違います。AIビジネスのお客様は製造業、それもトップクラスの製造業のお客様とのお付き合いが多いです。展示会に多く出て、製造業のお客様やビル管理会社のお客様とそこからビジネスのつながるケースが多いです。悩みとしては、テスト期間を含め案件の検討期間が非常に長いことです。まだ市場がない、新しいサービスなのでお客様も判断基準がないということが原因でしょうか。もうひとつの質問については、お客様のご意見をいただいて開発に廻すというSI的な考え方ではなく、営業としてはなるべく標準的なニーズがあるということを確認していきます。その上で市場があるので、この機能を追加して欲しいなどの話を開発にしています。今後、お客様が増えてくると個別対応をどうするのかなどの問題は出てくるかもしれません。
Q2. クラウド事業者として新たなコンサルティングサービスを販売されたと思うが、コンサルティングができるような技術者をどう育てているのか、コツがあれば教えていただきたい。
A2. 現状は全員がコンサルティングができるわけではない。新しい教育体制を作って、そこで学んでいってもらうことを推進しています。国内の他社のクラウドを使ってみたり、市場を知るために海外のサービスを使ってみたりして学習しています。また、新しい人材登用を外部からだけではなく、内部から登用できるような人事制度を持っています。オープンポジションの仕組みを取り入れたり、募集自体を社内にしたり、また採用がない場合でも「あの部署のあの事業をやりたい」と言えるような仕組みを持っています。そのような人たちが新しいところに新しいことを覚えたいという気持ちで集まってきてくれるので、これからますます教育は進んでいくと考えています。
4. サムライクラウド部会発表
テーマ「二要素認証のベストプラクティスFIDO WebAuthn」
株式会社プロキューブ 代表取締役 中川路 充 氏
弊社は認証基盤製品(ユーザーID管理、パスワード管理、プロキシサーバーなど)を取り扱っている会社です。その都合でいろいろと認証周りのことを研究しています。本日は、二要素認証とそれの標準化であるWeb Authenticationについて紹介します。クラウドサービスが一般的になってきていますが、サービスすべてのパスワードを覚えている人はいないと思います。もし覚えている人がいるとすれば、それは使い回しをしているということであり、パスワードが盗まれるとひとつのサイトに入れれば、他のサイトにも入られてしまうという危険性があります。サイトによってはパスワードを定期的変更させられたり、どんどんパスワードが覚えにくい時代になってきています。このような状況もあり、Googleなどの先進的な企業が二要素認証を進めています。
二要素認証とは、以下の要素のうちの複数、2つの要素を組み合わせて認証するもので、実質的にはSYHを主体としてSYAやSYKと組み合わせて使います。
利用者が知っていること(Something You Know:SYK):パスワードなど
利用者が持っているもの(Something You Have:SYH):ハードウェアトークン、ソフトウェアトークン、スマートカードなど
利用者の身体的特徴(Something You Are:SYA):指紋、虹彩、静脈、音声など
SYHには、ゴルフ場カードスキャン、プリペイドカード詐欺、キャッシングATM(日本固有の弱点)などの事件があり、磁気ストライプは簡単にコピーできるため、例えセコムの鍵(磁気)であっても持っていることが本人であることの証明にはなりません。ですので磁気はSYHには使えないということになります。SYH機器を利用するには、利用者1名で専有し他人への貸し借りを禁止する、機器は利用者が常に携帯することとし、携帯しない場合は他人が容易にアクセスできない場所に保管するなどのルールを定めた運用をしなければ意味がありません。スマートフォンはSYHになりえますが、ノートパソコンも常に持ち歩いており家に帰るときは鍵のかかるロッカーに入れておけばSYHになります。ノートパソコンをしまう癖をつけるのは1つの良い方法だと思います。
ここから、OTP(One Time Password)がどのような仕組みでSYHを実現するか解説します。一番メジャーなものだとGoogle認証システムがあります。これは私のスマートフォン(人には盗られていないという前提)に6桁の数字を表示させ、それを使用してログインします。スマートフォンの中にSeedと呼ばれる鍵が1つ入っており、これと同じものがサーバー側に入っています。このSeedが、特定の数式(ハッシュ関数)で6桁の数字を生成し、サーバー側の同じSeedが生成した6桁の数字と同期・認証をします(共有鍵方式)。
ICカード(磁気ストライプとは違うと言いましたが)はその中に秘密鍵と言われる鍵が入っています。サーバー側には公開鍵と言われる秘密鍵とペアになる鍵を持っています。サーバーからチャレンジと言われる大きな乱数を送り、ICカード側で乱数に対して電子署名をし、帰ってきた電子署名が正しいかどうかで認証をします(非対称鍵方式)。
OTPとICカードの共通点は流れている情報が鍵から生成された情報で、鍵そのものではないということです。ですので、仮に鍵が盗まれたとしても安全性が保たれます。何故ICカードが磁気ストライプより良いかというと、CPUが入っていて計算してレスポンスを作っており、鍵を出さずに鍵を持っていることを証明できるところです(ゼロ知識証明)。ICカードにチップは剥がそうとするとデータが飛ぶようになっているので、絶対にコピーすることができません。共有鍵の一番の欠点はサーバー側に秘密情報が漏れてしまうことです。非対称鍵のICカードであれば、ICカードの中に秘密情報があるのでサーバー側には漏れる心配がありません。非対称鍵を使うということが1つのキーになります。
サーバーから秘密情報が漏えいする問題については、パスワードが1つのサイトから漏えいすると、そのパスワードで他のサイトにログインされてしまうというものがあります。サイト側の対策としてはパスワードのハッシュ値を保存したり、公開鍵を保存したりして秘密情報の保存を避けるというものがあります(LDAO、SSL相互認証、FIDOではこの方式を採用。OTPなど認証時にパスワードを送らずにハッシュ値を生成する系では採用できません)。ユーザー側の対策としてはサイト毎に私用する鍵を変えるというものがあります(FIDO、OTPではこの方式を採用)。本日のFIDOの話からは少しずれますが、ブラウザーにパスワード(サイト毎に別々の)を覚えさせるというのはいい方法です。
生体認証は流行っていますが、生体情報をサーバーに集約せず、SYHのデバイスでローカルに生体認証を用いるのでない限り、以下のような問題点がありお勧めはできません。
・本人が秘密にするという意識がないので、鍵となる生体認証が簡単に盗まれる
・生体認証が使えなくなったときのバックアップ手段が必要
・一生変更できない→サーバーから漏えいすると…
以下のような「なんちゃって」にご注意
・なんちゃって二要素:SMBCや楽天カードの第2パスワードはSYK+SYK、つまり二要素ではない
・なんちゃってSYH:CPUの入っていないUSBキー →コピー可能なので、SYHとならない
・なんちゃってOTP:マトリックス認証はOTPであると宣伝しているが、通信上OTPを流すだけで認証要素としてはSYK、さらにパスワードより
エントロピーは極端に少ない
「FIDO2 WebAuthn」は以前の「FIDO UAF(ログインする端末自身がSYH)」と「FIDO U2F(PCでSYHを用いた二要素認証)」が統合して、Webブラウザ上のAPIとして共通化されたものです。ブラウザからJavascriptさえ組めればがWeb Authentication利用できる状態になっているのがFIDO WebAuthnです。
FIDO2 WebAuthnの認証は、SYHが基本でSYHのアクティベートにSYAやSYKを利用します。SYAやSYKはRP(Relying Party)が認証するのではなく、SYHのデバイスが認証します。ただし、二要素は必須ではありません。具体的にはパソコンの場合はUSBトークンがSYHになります。スマートフォンの場合は、それ自身がSYHなので別のデバイスは必要なくなります。これに指紋などの生体認証を入れることでスマートフォンの場合は認証が可能になります。非対称鍵で電子署名をして認証するというICカードと同じ仕組みです。初回はユーザーは公開鍵ペアを作り、秘密鍵を安全なところに保管、公開鍵をサーバー側に置くという登録の作業が必要になります。
FIDO2 WebAuthnの情報は「パスワードレス認証WebAuthnの勘所と対応状況」というサイトが詳しいです。
https://gihyo.jp/dev/column/newyear/2019/webauthn?page=2
デモサイトはMicrosoftのサイトが優秀です。
https://webauthntest.azurewebsites.net/
FIDOのAuthenticatorにRPを多数登録すると、紛失・盗難時に公開鍵を失効するのが大変になります。PRを減らすためにSAMLによる認証の
間接化は必要です(紛失・盗難時はSAML認証サーバーにだけ失効を申請すればよい)。
[質疑応答]
Q1. 生体認証は実はセキュアではない面があるというお話がありましたが、指紋などはコピーできるのは理解できますが静脈などもコピーできてしまうものなのでしょうか?
A1. 静脈は秘密にはしていませんが撮るには機械が必要なので指紋や顔よりは安全だとは思います。が、よくある“手”なのでこっそり盗られる可能性はあると思います。実際に静脈認証を開発した人は彫刻刀などで彫って自分の静脈を作って認証させることなどができるそうですので、盗られてしまったら終わりだと思います。他の要素と組み合わせることが大切だと思います。
Q2. 世の中にいわゆる「なんちゃって二要素認証」が多いのはなぜでしょうか?
A2. 素人を騙す商材的に捉えられている感じがします。例えば「OTPが流行っている」「OTPは安全」という言葉尻だけを捉えている。「USBキー」も中身の認証方式を考えずにすべて「USBキー」であれば安全というような、言葉尻だけを捉えた素人を騙す商売のような感じがします。モバイルバンキングの乱数カードはまだ安全なほうです(数字を見られたり、盗まれたりしたらだめですが)。10回くらい検証したら、ほとんど同じ数字ということはありましたが。
5.ゲスト講演
「LoRaと衛星通信」
和歌山大学 協働教育センター 教授
千葉工業大学 惑星探査研究センター 主席研究員
内閣府宇宙開発戦略推進事務局 宇宙政策委員会専門委員
秋山 演亮(あきやま ひろあき) 先生
1.ロケット開発について
現在世界の中で宇宙に自分の力で行ける国、ロケットをもっている国は10数カ国ですが、これらの国のロケットには、一つ共通点があります。
ロケットは、ドイツのフォン・ブラウンにより1945年頃の第二次大戦時にナチスドイツで作られたV2ロケットが最初です。このⅤ2ロケットが現在のロケット技術のベースになっています。音速で飛んでくるⅤ2ロケットは、第二次世界大戦の際に現在のポーランドからロンドンへ何万発も打ち込まれました。当時のドイツでは、核開発が進んでいなかったため核爆弾としてのロケット利用はされませんでしたが、何万発ものⅤ2ロケットによる爆撃でロンドンは焼け野原になりました。
その後フォン・ブラウンは、大戦が終了する前にアメリカに亡命しアメリカでロケット開発に携わることになりました。さらに同じ時期に当時のポーランドを抑えたソ連が、ロケット開発を始めたことで、その二国が世界のロケット開発の基となりました。
2.日本のロケット開発
ところが独自にロケットを作った国があります。それが日本です。糸川英夫先生によってニュー5型ロケットが開発されました。
このニュー5型ロケットの開発には、1955年4月12日に調布の飛行場から予行発射され、1955年8月6日には、秋田県の石川海岸から戦後初のリモートロケットを発射し、その後1962年までに石川海岸から70発のロケットの打ち上げが行われ、高度200Kmまでの飛行を可能としました。
さらに1970年には、日本は世界で4番目に人工衛星の打ち上げに成功し、世界有数の宇宙技術保有国となりました。独自でオリジナルロケットを作ったのは日本人とドイツ人だけです。その後、日本の宇宙技術は、小惑星探査機「はやぶさ」や地球から物資を運び軌道間遷移として宇宙ステーションに物資を届ける「こうのとり」など高度な宇宙技術を保有することになりました。
1980年代には、アメリカ・ソ連・ヨーロッパ・日本が、宇宙4強と呼ばれていましたが、現在ではそれらの国々に中国・インドを含めた6カ国が宇宙6強と呼ばれています。その中でも、特に中国は、既に有人ロケットの打上にも成功し、衛星総数でも日本を抜いて世界第三位となりました。
3.宇宙ビジネスについて
宇宙ビジネスって儲からないのですか?と聞かれることが有ります。日本での宇宙ビジネスは、正直なところほとんど伸びていないのが実状です。しかし世界的にみれば、宇宙ビジネス全体で、年14%で伸びているのが現実です。問題なのは、宇宙ビジネスのマーケットが科学や技術の進歩により伸びるマーケットなのに、日本では、なぜ宇宙ビジネスが伸びないのか?と言うことが大きな問題だと思います。
それは、日本人の「宇宙」のイメージがどうしても「ロケット」を連想しがちだからです。
一般的には、ロケットを開発から打ち上げまで自力で行うことは、かなりハードルが高く難しいことなので、宇宙ビジネスが与えるイメージをロケットと捉えられてしまうことが、日本で宇宙ビジネスが伸びない理由だと思っています。
ただ、今の宇宙ビジネス自体、正直なところ一種のバブルになっているように思われます。いま日本では、宇宙関係ベンチャーとしてお金を集めている会社は数社ありますが、それらの会社は、宇宙ビジネスと言いながらも宇宙で物を動かしたことはない、宇宙での実ビジネスをしていないのが実状なのです。正直なところ宇宙というものは、我々からすると特殊なところなのですが、「宇宙ビジネス」イコール「ロケット開発」のイメージを払拭することが重要なことだと考えています。それには、宇宙ビジネスについて色々と知ってもらえるような様々な活動を行なって行かないと駄目だと思います。
4.日本の宇宙ビジネスの現状
宇宙ビジネスの一例として、和歌山でロケットを打ち上げようとしている会社があります。私は役所の人間以外で、一番日本でロケットの射場を作っている人間なのですが、現実問題、和歌山のその場所は、上空を飛行機が一日100機以上飛んでいて、さらに海には船舶もあるので、私としては射場を作ってもロケット発射には、様々な問題を抱えていると思います。
既にビジネス的なプロジェクトとしてスタートしているので、来年の12月には、射場からロケットを発射しないとならないのでしょうが、なかなか難しい問題を抱えていると思います。
恐らく射場の許可が下りた後の周辺の状況調整だけでも大変です。具体的には、ロケットを打ち上げようとする際には、上空使用許可申請を交通局に出さなければならないのですが、交通局に申請を出す際には、「上空を飛ぶ飛行機とは個別に交渉してください。それぞれの交渉がまとまったらOKだします」と返答されると思われます。
しかし1日100機以上の飛行機、それも諸外国の飛行機も含めて上空を飛んでいるので、それぞれの航空会社と交渉することは、実際には不可能だと思います。
ただし彼らも後には引けないでしょうから、おそらく最初の一機目は、航空機が飛ばない夜中に発射すると思います。夜中だと飛行機もあまり飛んでいませんからね。それでも交渉は大変だと思いますが。
ただし、重要なことは、衛星を太陽と同期しようとするには、昼間に地球周回軌道に衛星を打ち上げないと衛星の利用意味がないので、採算に乗るビジネス化は、大変な諸問題を抱えていると思います。
現在の宇宙ビジネスは、ある種のバブル期にあるように思えます。そのため過去の歴史が物語っているようにバブルは、いつか弾けると想像することができますが、バブル状態での宇宙ビジネスが崩壊してもそれまでに培われた技術やノウハウなどで、生き残る人たちはいるわけです。これから宇宙ビジネスに携わろうと考えている方々には、そう言うことも想定しながら参入していただけると良いのではと思います。
5.日本のロケット事業
日本のロケット事業の政府予算として年間3000億円の研究開発予算をとっていますが、実運用が、全くされていない、さらにロケットの産業利用すら支えていないのが現実です。
これをどうするかと言うことで、政治的な動きとして2008年に自由・公明・民主3党で宇宙機構法人を作ったわけですが、2009年に自民党が崩壊し、良い方向に進まなかったのは現実です。その後、他の大学の先生方と声を挙げて、2012年に宇宙関連法案として法律を改正しました。その時の会合に参加して、私達が報告したのは、3つだけです。
1.日本は宇宙開発をやめない
2.そのために産官学が一体となった宇宙システムの社会インフラを作る
3.宇宙政策の透明化及び意思決定と予算執行の一元化の促進、仕組みを変える
と言うことです。それ以前は、ロケット産業は、文科省の管轄でしたが、内閣府(総理大臣)のミッションへと変わりました。重要なことは、政府のお金を使わないで民間主導で宇宙開発が出来るかと言うことでした。
そのきっかけとなったのが、17年前に和歌山での台風による集中豪雨で、当時の那智勝浦町長の奥さんと娘さんが亡くなるといういたましい事故がありました。国交省は、河川の水量を測定する測定装置の設置に1か所5000万円かけていたので、河川に必要な個所数の測定装置の設置が出来なかったのです。
あの時も那須勝浦の水流は大丈夫だったのですが、ある特定の地域でのみ集中して降った結果、一気に那智勝浦に流れ込み、痛ましい事故が起きてしまいました。このような事故が起きないように、宇宙技術を使って、なんらかの対応をしなければならないとの意見が持ち上がりました。
6.LPWAのIoT通信
宇宙利用といえば、衛星データ利用のリモートセンシングと考えられがちですが、私が提言したいのは、通信の重要性だと思いますと。どうしても通信といえば、電子基板という話になりがちですが、もっと簡単で低価格に電波を飛ばせる通信の時代が来るはずだと考えていました。それがLPWAのIoT通信だと思うのです。
日本では、大量のデータ画像を配信するのが、遠隔情報通信と考えがちですが、例えば、水量のデータなんて一送信あたり数Bitのデータで十分なので、低価格の測定装置を数万か所に設置しデータを取り込むことで、高精度な状況把握が可能となります。そのためのツールとしてLoRaを使うことが最適だと言えます。
さらに日本では、多方面で利活用が期待されていたドローンですが、一部の利用者が悪さしてくれたおかげで上空の規制が厳しくなり、利活用のハードルが上がっているのが現実です。また気球についても、日本では、成層圏まで気球を上げようとするとなかなか出来ないのですが、広大な土地のモンゴルでは、気球の打ち上げの障壁が少ないので、現在モンゴルで気球によるLPWA通信の実験をしています。成層圏は、地上から30~40キロなのですが、LPWA通信では、直線距離にすると100キロから200キロ離れたところとの通信が可能なことが実験から分かりました。
この双方向通信の実験から、地上だと10キロしか届かないものでも上空は電波の障害がないので100キロから110キロまで通信が可能なことが確認できました。
さらに2年前に世界最小のロケットで、3Uの人工衛星を打ち上げました。その人工衛星にLoRaの受信機を搭載し高度600キロで通信することが出来ました。
この衛星を使って何が出来るかと言うと、たとえば、紀伊半島の見通しの悪い発電所や地震とか台風で影響を受けそうな場所全てと通信することが出来るのです。
こうしたIoTデータを取得することにより、人の命を救うことができ、しかも世界的に見てもこのような災害対策を求められている場所はたくさんあります。
それには、携帯電話での通信を利用すればいいのではとの意見もありますが、基本的には、携帯電話は、人の住んでいない場所では、電波が届かないことが多いのです。それを補うためにもLoRaを使い電波の届く範囲を広げ、さらに通信のできないエリアのカバーには衛星を使えばいいと考えています。
現在の衛星の状況から既にLoRaを使った衛星が商業的に認められてきました。3Uタイプの衛星だと1機300万円程度で作ることができます。さらに打ち上げにかかる費用の700万円程度を加えてもトータル費用として一機1000万円程度で衛星を打ち上げることが可能となっています。
地球は、自転しているので衛星を複数上げる必要はありますが、1機1000万円程度で衛星が打ち上げられるなら、100機打ち上げても10億円です。今、通常の人口衛星は、打ち上げ費込で1機打ち上げるのに何百億もかかることを考えれば衛星のビジネス利用が、手の届くところに来ているのは事実です。そんな時代がもう来ているのです。
7.災害対策への利用
たとえば津波で大被害を受けたことのあるジャワ島で低価格な津波センサーと受信機を設置すれば、費用を押さえた津波監視網が出来ます。我々は、今後の活動で、そう言うことを仕掛けていきたいのです。こういうことを始めるきっかけになったのは、日本の311の震災の時からです。311の震災の際には、自衛隊や海外の救援隊は24時間以内に東北に到着していたのでが、被災者情報が入ってこないためどこに行っていいのかわからない状態でした。
みなさんご存知かと思いますが、埋まってしまった人や流された人の24時間以内の生存率は90%です。48時間以内では、50%しか生存出来ない、さらに72時間以内では、20%しか生き残れないのです。24時間以内に被災地に自衛隊が到着していれば、どれだけの被災者を救出できたかと言うことなのですが、311の震災の時には、ほとんど救出されなかったのです。なぜなら救出活動が出来たのは、72時間後だったのです。なぜ活動が出来なかったのかというと、地震、津波により通信網が壊滅され、情報が入らなかったため救助に行けなかったのです。
我々がLoRaを使ってやりたいのは、LoRaのような省電力で長距離届く通信、しかも衛星に送れる通信を利用しての災害対策なのです。
ただしLoRaでは、小さなデータしか送れませんが、小さなデータで出来ることはたくさんあります。たとえば、避難所に来た人たちの人数情報を把握することで、救出活動に役立てれたはずです。
ニッポンクラウドワーキンググループには、LoRaに精通された方もいるし、クラウドは、宇宙ビジネスの裏では、欠かせない存在なので、最終的には、こういった災害対策により人命救助につなげるところの活動を一緒にやっていけたら良いことではないかと考えております。
6.会長からの総括
会長 小堀 吉伸
皆さん、お疲れ様でした。
秋山先生、ご講演、誠にありがとうございました。
さらにサムライクラウド部会からは、中川路さんに認証について大変濃いお話しをいただけてありがたかったです。ご苦労様でした。
また、今年も大阪会合の会場をご提供いただいた、GMOクラウドさんには大変感謝しています。本当にありがとうございました。
クラウドの先にあるモノを掴めば、自然にクラウドは使われると言った意味合いのBeyond the clouds!の視点から、今年は、衛星データの利活用から実際に既に行われている宇宙ビジネスなどの宇宙ビジネスに関わる方々にご講演いただいていますが、今回の秋山先生のご講演では、宇宙関連のビジネスについての足場となるお話しをいただけて大変有意義な会合を開催させていただきました。クラウド事業者が、宇宙ビジネスに関わることについてのハードルが低くなっているのだと実感することが来出ました。
ニッポンクラウドワーキンググループは、活動開始からほぼ毎年大阪会合を開催しています。会合は、本来クローズドなかたちで行っていますが、大阪での会合および11月の周年イベントにつきましては、オープンで開催し、会の活動を少しでも知っていただこうと考えています。
引き続き会の活動としては、会合開催及び各種部会の活動が中心となりますが、他団体さんへの後援や出展など、いろいろと行って行きますので、活動に共感される方は、是非一緒に活動していただければ、少しでもクラウドビジネスのマーケットを拡げられれば、活動自体の意味も出てきますし、私としても嬉しい限りです。
今回の会合も盛況に開催できました。皆さん、ありがとうございました。
懇親会についても大いに盛り上がり、メンバー・ご協賛の方々との積極的な交流を図ることができました。
【NCWG実行委員 報告書作成者】
佐々木 泰(株式会社クオリティア)
木村 翠(株式会社DTS)
第56回ニッポンクラウドワーキンググループ会合報告
『宇宙ビジネスでクラウドビジネスを活かす!』をテーマに、ゲスト講演として一般財団法人 宇宙システム開発利用推進機構 宇宙産業本部 事業推進部 主任研究員(欧州担当)のクレイドン・サムさんにご講演いただき、ニッポンクラウドワーキンググループ第56回会合を開催いたしました。
【テーマ】『宇宙ビジネスでクラウドビジネスを活かす!』
【日 時】2019年4月12日(金)17:00~19:00
【会 場】スリーハンズ株式会社
【参加者】メンバー、協賛各社および関係者の方々を含めて50名
1.開催のご挨拶
NCWG副会長 藤田 浩之
みなさま、本日は第56回NCWG会合にお集まりいただきましてありがとうございます。
まず初めに今回会場をご提供いただきましたスリーハンズさん、ありがとうございます。
4月はスリーハンズさんでの開催ということで、設立当初から毎年4月にここ山王パークタワーの会場をご提供いただき、今回で合計8回開催させていただいおります。変わらぬご協力に感謝いたします。
平成最後となる今回の会合は、「宇宙ビジネスで、クラウドビジネスを活かす!」というテーマで、ゲスト講演では一般財団法人 宇宙システム開発利用推進機構 宇宙産業本部 事業推進部 主任研究員(欧州担当)クレイドン・サムさんに「欧州で進む宇宙ビジネス」について講演いただきます。
日本でも経済産業省が中心で進めている宇宙データプラットフォーム Tellus(テルース)プロジェクトが立ち上がっており、人工衛星の取得しているデータをオープン化してより多くの人に使ってもらおうという目的で公開されていますが、宇宙データ利用ということでは欧州が進んでおり、今回はクレイドンさんにその欧州の宇宙ビジネスの最新状況をお話いただきます。
本日参加されたみなさんも、会合でお話を聴くだけでなく是非積極的にアプローチして直接お話を聞いて、これからのクラウドビジネスに活かしてください。
Beyond the Clouds ムスビで実を活かす!
平成最後の会合を、皆さんとともに大いに盛り上がって締めくくりたいと思いますので、最後までどうぞよろしくお願いいたします。
サムライクラウド部会では、SAMLシングルサインオンをベースとしてマイクロサービスとの関わり、アプリケーション基盤全般に関して議論をしております。最近では、技術議論に加えて、ソフトウェア開発生産性の議論も行っております。次回は、5月末となります。是非ご参加ください。
一昨年前は、IoTでデータ収集、昨年度は、AIでデータ解析についての内容で部会を開催してきましたが、机上での活動でした。
今期は、実際にフィールド(お外)で、IoTのデータ収集、できればAIにつなげるところまでを実際にフィールドでやっていきます。
フィールドは関東圏のどこかをいま探しているところです。
次回部下開催は、6月末を予定しております。
別途メーリングリストでご案内させていただきますので、是非ご参加ください。
クラウドビジネス推進部会は今期も引き続き、クラウドを利活用してビジネスに繋げるためのリアルな情報で 語り合う場を提供し、様々な方法で実際のクラウドビジネス創出を促進し、結果として“ニッポン”発のクラウドビジネス(サムライクラウド)の発展に繋げることを目指します。
今期のクラウドビジネス推進部会は『データサイエンスを自らの手に!』というテーマで部会を開催しています。
中でも「シチズンデータサイエンス」に着目し、部会では 「質の良いデータを大量に得て適切に分析することにより物事を予測可能とし、新しい価値を創造できる」ということを前提として、「誰もがデータサイエンスをより簡単に活用できる」という未来に備えるための勉強会を開催しております。
是非部会にご参加ください!
クラウドサービス部会長の小堀です。
ニッポンクラウドワーキンググループの主軸活動として、前の三部会の報告の通り、四つの部会で活動を行っています。
そのうちの一つの部会が、クラウドサービス部会です。
クラウドサービス部会は、クラウドを「テクノロジィ」の視点からではなく、「サービス」の視点から捉え、色々なクラウドサービスを検討しながら、その有用性だけでなく、なぜダメなサービスなのかなど置き彫りにしながら、参加者自身の「サービスプロダクト」創りに役立ててもらえるような部会を行っています。
部会を進めるに当たり、活動のセンターコンセプトに、セオドア・レベットの「ホールプロダクト」と言うサービス概念を使いながら、ホールプロダクトの概念を基にサービスやプロダクトを垂直的につなげて行く「メタサービス」やサービスのためのサービス「Service as a Service」などの、部会から発信できる実ビジネスへはめ込めるようなサービスの概念を構築できるように議論しています。
先日の3月29日に開催した部会では、スピーカーに株式会社データ変換研究所の畑中さんに『新規ビジネスと持続的サービス』と言うテーマで、畑中さんが直近で立ち上げた新規ビジネスの有効性や持続性への昇華度合いなどのお話しいただき、参加者で議論をさせていただきました。
サービス部会は、毎回、サービスに関するテーマは、一貫していますが、開催趣旨は、一回性のもとに部会を開催しているので、前回参加していなくても全然問題ありませんので、是非、ご参加ください。
よろしくお願いします。
3.ゲスト講演
『欧州で進む宇宙データビジネス』
一般財団法人 宇宙システム開発利用推進機構 宇宙産業本部 事業推進部
主任研究員(欧州担当) クレイドン・サム 氏
<プロフィール>
日欧の産業界を代表する企業との国際会議運営経験により、多分野にわたる
欧州企業との人的ネットワークを持つ。特に、コペルニックスサポートオフィ
ス(ベルギー、ブリュッセル)、欧州DIAS事業者、欧州委員会(ベルギー、ブ
リュッセル)との強いコネクションを有する。
今回のゲスト講演は、一般財団法人 宇宙システム開発利用推進機構 宇宙産業本部 事業推進部 主任研究員(欧州担当)のクレイドン・サムさんから『欧州で進む宇宙ビジネス』についてお話しいただきました。
日本でも経済産業省が中心で進めている宇宙データプラットフォームTellus(テルース)が立ち上がっていますが、宇宙データ利用する宇宙ビジネスということでは欧州が一歩先を進んでおります。
今回クレイドン・サムさんからは、そのような一歩先を行く欧州の宇宙プロジェクトの1つ「完全な無料オープン・データ・ポリシー」に基づくCopernicus(コペルニクス)プロジェクトについて、データ利活用のビジネスモデルを含めてお話いただきました。
また、多様なデータへのアクセスを一元化し、データの利活用を促すDIAS(Data Information Access Servic)プロジェクトについても詳しくお話しいただき、さらに欧州におけるデータ活用事例についてご紹介いただきました。
4.スリーハンズ社からの各種ご紹介
1.クラウドにおけるマネージドサービスの方向性ビジネスの可能性について
取締役 最高ネットワーク責任者
奥山 大 氏
通常は自社サービスの説明ですが、今回は毛色のかわった講演です。
クラウドにおけるマネージドサービスの方向性ビジネスの可能性についてです。
自社のインフラをもちつつマネージドが中心で展開しています。
マネージドサービスと言ってもサービス内容にばらつきがあり、ポートの監視のみでしたり、「OSには関知しません」や「手順書があれば対応します。」等ありますが、本来のマネージドは、定常作業ではなくOSのプロセスが生きていても機能が継続していない場合もございますので、お客様のアプリケーションも動くところまでサポートすることが大事です。
また、ベストエフォートですが持込のアプリのサポートも、ログの確認やエラーの確認や一次切り分けしてアドバイスいたします。
自社のインフラもありつつクラウドベンダーとSIerに近いレイヤーで協業できませんかというお誘いです。
オンプレサーバーがまだまだあるので同行して案件の掘り起こしを行います。
こちらのNCWGには積極的なメンバーが多いのでぜひ協業しましょう。
クラウドベンダーさんたちの立ち位置やしばりがあり、自社のサービス紹介がし難い場合でも弊社の機動力を使い様々な組み合わせで提案できます。
NCWGの積極的なメンバーのみなさまとアライアンスやコラボレーションを組んでいますが、さらに他の皆様とも組んでいきましょう。
とりあえず小さいところで一度お仕事すると弊社がわかるので、小さな案件からよろしくお願いいたします。
最近の協業事例としては、DIPの野元さんと「DIPサーベイパワードバイスリーハンズ」という名前でサービス化しています。
オープンソースのアンケートサービスライムサーベイを弊社がインフラを提供して、オープンソースをご利用いただいています。
ライムサーベイの問い合わせは野元さんですが、インフラとサーバとアプリは弊社で管理しています。
もう一つの事例はサイオステクノロジーさんとライフキーパーの導入サポートを一緒に組んで行っています。
他にもカゴヤさんや富士通さんと組むことが多くなってきました。
最後に国産クラウドの強みについてお話いたします。
最近はAWS指名が多くなってきましたが、もっと国内のみなさんにがんばってほしいと思います。
なんでAWSになったのか潮時としては大きな案件があったと思います。
ケンコーコムさんのインフラがすべてAWSになったことが変わり目になったのかなと思います。
みなさまにももっとインパクトのある事例をだしてみて下さい。
日本と海外のサービスの違いとしてはトラブルになった際に、お客様先に訪問するとかいうことはAWSやAZUREにはないので、日本の企業にしかできないきめ細かいサービス、全体のよろず相談を受けるとか日本の強みと考えます。
かゆいところに手が届くとか、親切とか、日本のクラウドを前面に国内クラウドへ乗り換えられるのではないかと思いますので、そんな内容で意見交換しながらAWSによらずに日本の国内クラウドを盛り上げましょう。
2.スリーボットソリューションについて ~IoT機器監視、データ管理~
取締役 最高技術責任者 三土 辰郎 氏
スリーハンズはこちらのビルの3階で毎年4月提供スポンサー枠をしています。
主な事業はクラウドマネージドや開発、クリエイティブデザイン等やっています。
わたしはですが普段はプログラマ対応綱引きにPHP代表で出場して、Javaに敗れるなどしています。
宣伝にならないように弊社のサービスを紹介させてください。
スリーボットソリューションとして、自動で監視や運用をサーバーにエージェントを入れて、CPUがいっぱいだとか、OSは大丈夫だけどアプリが落ちてる、とか再起動するとか、そんなソリューションですが、最近はIoT向けにラズパイに対応して、なんでも監視やデータ取得を行っています。
具体的な事例としては、工場に沢山ある機械には温度計や気圧計があり、その数値を見てバルブから逃がすとかを自動化していきたいとのことで、わかりやすい圧力計をセンサーで測れないかという内容です。オフィスにある温度計ではかるのは、ラズパイに温度センサーつけて普通に計って、それをスリーボットのグラフに反映させるとかおこないますが、実際の現場は沢山ある機械にデモみたいにラズパイやセンサーをとりつけたり、その数値を機械の回路にバイパスさせて測定するとか、実際は取り付けるのは難しいし、やらしてはもらえないので人がみるモニターを機械に読ませることをしていきたいと考えています。
ただ、人は読めるのですが、機械に読ませるのは難しく、試験として、オフィスの温度、湿度、現在の日時を読み取りしようとしています。
どうやって機械が読めるようにするかということですが、画像処理をして輪郭を読み取り、その輪郭画像をいっぱい集めて四角としてみていくことを行っています。
この図かっこいいでしょう(輪郭画像の図)。
宇宙っぽいというかブラックホールみたいで、直線から四角をあつめて次に数字を読み取り、1~9の数字をさがして読むことは上手くいっている例ですが、実際は画像がテカルと数字が読めないとか、テカってなくても失敗するとか、違うデジタル計だとそれに対応して作りこみが必要だとか、計測モニターが四角から丸に変るだけで設定し直しとかさまざまな課題があります。
オフィスでデモを行っていますので、オフィスの温度計をカメラで読み取ってそれを数値化してと、温度センサーで測ればよいのにって思いますが、工場できることとして、デジタルの数値を読んで画像データの右下の数字を読み何時何分に何人いる、とかをCSVで送ったりを想定しています。
それからアナログの活用として、針がどっちの確度かどっちを向いているか読もうとしていますが、数字が0スタートではなく-(マイナス)の値もあるのでなかなか難しく、アナログ的な確度で数字を読ませるのに数字を入力させて、確度をパラメーターとして読ませて行くことで対応できますが、アナログ計も電気の抵抗計は複雑で一筋縄ではいかないのです。
今のことができても、10台アナログ計があれば10台カメラを置くのか、とか難しいのですが次の手は考えています。
今後の展望については未来のことはわかりませんが、製造業以外のところで使えないかと、商業施設で何時にどのくらいの人がとか、男性、女性、年齢、子連れとか、ニワトリで5匹目がたまご産まないとかを検知して体調チェックしてみたり、1人暮らしのばあちゃんが3回冷蔵庫開けてるから生きてるな、とか、そんな地に足をつけた話でではなく、鉄道の枕木をつくるビジネスをしていきたいと考えています。
IoTを使って試行錯誤しています。
この中のみなさんともIoTをつかったビジネスをしていきたいです。
■FAQ
Q1:
質問ではないのですが、IoT導入はシステムに埋め込むだけではわからない、人間の目での気づきをIoT化してみていく。
アプリではなく、埋め込みでもなく、外から見ていくのは非常に良いと思いました。
商業施設もシステムは決まっているのでアラートを上げる、再起動を勝手にする等、本当のIoTへの繋ぎソリューションとしては最高だと思いました。
Q2:
温度わかる、湿度わかる、角度わかるとありますが、電池切れはわかりますか?
A1:
それは正常値として認識できます。
皆さん、お疲れ様でした。
お話しいただいた、宇宙システム開発利用推進機構のクレイドン・サムさん、大変、面白くて実に則されたお話しをありがとうございました。衛星データ利活用でのクラウドビジネス化について、かなりハードルが下がっているのだと実感しました。ありがとうございました。
また、今年も会場をご提供いただいたスリーハンズさんには、大変感謝しています。ありがとうございました。会の設立以来、8年間、毎年、4四月の会合には、こちらの山王パークタワーの会場をご提供いただき、スリーハンズさんのお力添えがあるからこそ、会合の継続開催が出来ます。本当に感謝しています。
今回、「欧州で進む宇宙データビジネス」のテーマでクレイドンさんにお話しいただきましたが、コペルニクスプログラムなどでEUが提供している衛星データを日本の事業者がビジネスへ利活用するには、お話しをお聞きするまでは、なかなかイメージしづらかったのですが、クレイドンさんに大変分かりやすくお話しいただいたので、コペルニクスなどの衛星データ利用でのクラウドビジネス参入のハードルがかなり低くなっているのだと実感しています。
今年度のグランドテーマである、「Beyond the Clouds」、クラウドの先にあるモノを掴めば、通過点にある道具としてのクラウドサービスは自然に使われ、自ずとクラウドビジネスの目的が果たされると言う意味からすれば、「衛星データの利活用」のお話しは、クラウドビジネスの材料としても大変有効だと確信しています。
今年度は、6月の大阪会合、7月の会合でも、衛星通信や衛星測位データのお話をしていただきますので、是非、クラウドビジネス創りにお役立てください。
本日は、ありがとうございました。
6.懇親会
懇親会についても大いに盛り上がり、メンバー・ご協賛の方々との積極的な交流を図ることができました。
ご参加された皆さん、お疲れ様でした。
【NCWG実行委員 報告書作成者】
井口 和彦(株式会社ドヴァ)
内田 龍(株式会社クリエイトラボ)
第54回ニッポンクラウドワーキンググループ会合報告
『メディア利用でクラウドビジネスを昇華させる!』をテーマに、ゲスト講演として千葉テレビ放送株式会社プロデューサーの大林さんにご講演いただき、ニッポンクラウドワーキンググループ第54回会合を開催いたしました。
今回は富士通クラウドテクノロジーズ株式会社さんに会場および懇親会をご提供いただき、活気ある会合となりました。ありがとうございました。
【テーマ】『メディア利用でクラウドビジネスを昇華させる!』
【日 時】2018年10月3日(水)17:00~19:00
【会 場】富士通クラウドテクノロジーズ株式会社 セミナールーム
【参加者】メンバー、協賛各社および関係者の方々を含めて40名
ゲスト講演では千葉テレビ放送株式会社プロデューサーの大林さんにテレビ業界について、PR・マーケティング論、「2次利用マーケティングモデル」についてお話いただきました。「クラウド業界のビジネスで足りないものをどう補うか?」など、とても興味深く、ためになる内容でした。ありがとうございました。
【司会者のご紹介】
実行委員 大澤 武史(株式会社クリエイトラボ)
1.開催のご挨拶
NCWG副会長 野元 恒志
本日は第54回の会合にお集まりいただきありがとうございます。今回会場を提供いただいた富士通クラウドテクノロジーズさんには、長年会場を提供いただいていますが、今回は新オフィスのお披露目になります。いつもありがとうございます。
今回のテーマは『メディア利用でクラウドビジネスを昇華させる!』で、TV業界という一風変わった立場から千葉テレビ放送プロデューサーの大林さんに、お話をいただきます。これも「Beyond the Clouds!」の一環かと思い、個人的にもお話を楽しみにしています。
NCWGの活動はもうすぐ8年目を迎えますが、実はNCWGの「N」はニフティの「N」でもあります。その時代から数えると9年目になります。楽しみなゲスト講演もある本日は年内最後の本会合になります。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
2.部会報告
クラウドアプリケーション部会
部会長 尾鷲 彰一
昨年度は「IoTのセンサーデータをクラウドに上げる」ことに取り組みましたが、今年度は「IoTデータをAIを利用して活用する」ことに取り組んでいます。前回の部会では、SonyのNVC(Neural Network Console)を触りながら理解しました。今回は実際にAIを触ってみました。きゅうりとズッキーニの識別、Emailの自動振り分けなどです。それぞれ理解はできましたが、実際に使えるようにはなりませんでした。
来年度は、Melissaを使って、もう少し触ってみようと思います。AppleのSiriのようなパーソナルアシスタントを試作できる、AIプログラミングの専門知識がなくてもできる、無料で試せるサービスもある、などの特長があるようですので自前のスマートスピーカーが作れるか試してみようと思います。
3.ゲスト講演
テーマ「現役プロデューサーが語るテレビ2次利用マーケティング」
千葉テレビ放送株式会社 プロデューサー 大林 健太郎 氏
今日は伝え方のお話をします。今日の参加者はB2Bの会社の方が多いと思いますが、テレビ業界の話がなぜ役に立つのか? クラウド業界のビジネスで足りないものをテレビ業界のノウハウで、どのように補うのかという話をしたいと思います。まず、みなさんテレビのプロデューサーとはどのようなイメージしょうか? 私はよく「ピンクのマフラーを巻いていないプロデューサーです」という自己紹介をします。また、「よく六本木で焼肉を食べているのではないの?」といった聞かれ方もします。この皆さんが抱いているイメージとの「ギャップ」を示すことが重要だと思っています。このようなことを踏まえ、今日は、
1.テレビ業界について
2.「メディアに取材される方法」
3.PR・マーケティング論
4.「2次利用マーケティングモデル」について
のお話をします。
最初にテレビ業界の話をしますが、テレビ業界は実は保守的な業界です。なぜならば免許事業であり、考査/審査があるからです。また、社員が業務に直接携わらないという特徴もあります。テレビ番組の実際の制作は制作会社の人間、テレビ営業は広告代理店が営業を代理、テレビニュースは記者クラブから発表のものを利用するなどです。そういう意味ではテレビ局員は企業と直接関わります。テレビ局は「キー局、準キー局」「地方系列局」「独立UHF局」に分類できますが千葉テレビは「独立UHF局」です。「キー局、準キー局」は視聴率優先、「地方系列局」は問題がないことが優先、「独立UHF局」はお客様が優先という傾向にあります。また、雑誌、本は考査/審査がテレビ業界に比べゆるい傾向にあります。それは言論の自由があるからです。雑誌、本では「具体的な提示」ができますが、テレビではできません。
次に「メディアに取材される方法」ですが、現場には「番組現場」と「報道現場」があり、どちらも常にネタを探しています。どちらかといえばやわらかい「番組現場」のネタは制作会社やリサーチ会社が探しており、かたい「報道現場」のネタはニュース報道の場合は主は発表記事で記者クラブを活用したり、公(行政)と絡むネタも重要です。その場合は営利モノはNGになります。ターゲットに「何を言うか」「どう言うか」「誰が言うか」が大事になってきます。具体的に取材される方法としては、1. ターゲットをいかにして絞るか(特異性) 2. どう言うか(伝え方)3. メディア履歴を利用する、です。
続いてPR/マーケティング論ですが、まず固定観念を崩すと笑いがおきます(ギャップ)。いわゆる「wonder」「おや? なぜ?」です。「ギャップ」と「リピート」が大事です。また、「先出しじゃんけん」「モノではなくストーリーで売る」ことも大事です。この辺は、コピーライターで湘南ストーリーブランディング研究所代表の川上徹也氏が上手です。具体的な例では、千葉ロッテマリーンズの里崎智也元捕手が、かつて「史上最大の下剋上をみせる」と言い、その後「下剋上アゲイン」と言いました。この「下剋上」という言葉はいまでは、当たり前のように使われるようになりました。この手法は、サービスの実態が見えにくいものほど活きてきます、法律事務所やクラウド業界などが当てはまります。
現代マーケティングでは、インスタグラム、FacebookやCRMなどすぐにツールの議論になりますが、ツールではなく、その中身が重要です。「ネタ作り」ができないと発信できません。「ネタ作り」が上手になること、これからは「ライティング能力」が重要になってきます。そして、それを情報配信し、オウンドメディア化する。その延長線上がメディア取材につながります。まだ、Webマーケティングが上手い人も取材されます。なぜならば、20代のADはGoogleやインスタグラムでネタを探し、調べるです。また、「商品の説明」を「お役立ち情報」に変換して伝えることも有効です。なぜなら「営業くささ」「宣伝くささ」が消えるからです。
PRでは公との関係、ブランディング、信頼性の向上(実体作り、抵抗心理の除去)が大事です。ダイレクトマーケティング(以下DM)ではレスポンス、反響、何度も言うことリストを取ること「顧客名簿」が重要でした。ただ、メディアはDM(数学)よりPR(国語)であり、マーケティングの海の着火剤です。紙媒体で信用を作り、テレビで話題を作り、Webで拡散するのが理想です。皆さん苦労されていると思いますが、採用も同じです。
最後に「2次利用マーケティングモデル」についてお話します。2次利用マーケティングモデルとは、言わばPRとDMをくっつけたもので、テレビの信用と話題を利用した「動画マーケティング」です。テレビで取り上げられた後の施策のほうが圧倒的に重要です。PRには、「お金がかからない」「レバレッジが効く」というメリットがありますが、「KPI設定不可」「時期を定められない」「言いたいことが自分で決められない」「2次利用できない」などのデメリットがあります。また、マーケティングにおいては「新規開拓」より「既存顧客よりの口コミ」がより重要です。人間の4番目の欲と言われる自己顕示欲、承認欲求(from SNS)を利用します。
テレビ放送された素材は一般的には、原則2次利用は不可です(局や番組によって対応が異なります)。出演されている有名タレント、BGMやオープニング曲はなおさら権利対象です。ただ、そんな中でもわずかですが、テレビ映像の2次利用、しかも芸能人の肖像権の2次利用が可能な番組があります。千葉テレビの「ビジネスフラッシュ」「ナイツのHIT商品会議室」なども2次利用が可能な番組です。テレビ映像の2次利用をしてぜひUSP(Unique Selling Proposition)を構築してください。
[質疑応答]
Q. そもそもDMが不得意な会社にアドバイスをお願いします。
A. まず、自社のサービスの価値に気づくことが大事です。そうすれば情報配信ができ(ブログなどで)、情報の出し方を覚え(伝え方を覚える)、「伝える内容」がわかります。また、ジョイント・ベンチャーなども有効だと思います。あと、2次利用マーケティング番組に出てください。
Q. 千葉テレビはどうすれば見ることができますか?
A. 3チャンネルで見ることができます。アンテナを高くして千葉に向けてください。また、すべてホームページから見ることができます。そのため、2次利用マーケティング番組を利用しているのは千葉県だけではなく全国の会社が利用しています。
※講演資料はこちら
4.富士通クラウドテクノロジーズ社からのご紹介
富士通クラウドテクノロジーズ株式会社 取締役クラウド事業本部長 上野 貴也 氏
本日の会合に会場をご提供いただいた富士通クラウドテクノロジーズよりニフクラのご紹介とサービス向上のための取り組みについてご紹介いただきます。
富士通クラウドテクノロジーズではクラウドサービスの競争力を高めるための課題として下記の点を意識しつつ、
「運用効率を高める」「運用効率を高める」の二点に注力しています。
・HWを安く買う
・SWを安く開発する
・運用効率を高める
・HW稼働率を高める
その中での取り組みとして
・Site Reliability Engineering(SRE)
・ChatOps
・AIOps
・Infrastructure as code
・徹底した運用の自動化
があります。
システム運用部門の働き方改革でもありますが、社員が少ない中での自動化を徹底化させていくことで
エンジニアは価値創造型エンジニアへ転換していくことができます。
また、自動化を徹底させることでサーバー台数を爆発的に増加させることができます。
AIOpsの取り組みにより、お客様に影響が出る前に予防交換することが可能となり、
故障による停止が激減。品質向上、スピードアップ、コストダウンを実現しました。
これらにより、現時点で運用作業の85%強を自動化することに成功しており、
夜間の緊急対応を大幅に削減することができました。
システム運用は今大きな転換期。
クラウド導入は運用変革のチャンスです。
優秀なIT人材の確保はこれからの企業の生命線となります。
運用自動化、ChatOps、AIOpsの取り組みを通じて、システム運用部門の働き方改革を!
Q. Slackを導入するにあたり、ハードルは高くありませんでしたか
A. もともとエンジニアと営業とサポート部隊のコミュニケーションが課題としてあった。その点、かなり改善された。また、社内のコミュニケーションツールとしても定着した。
Q. Slackを導入したことにより、メールの位置付けはどのようになりましたか
A. お客様との重要なやり取りはメールのままだが、社内のコミュニケーションツールとしてSlackが浸透した。
Q. 稼働しているサービスをオンラインでマイグレーションを行う場合など、システム上いくつか制限が発生するが、今後はどのようになっていくのか
A. 今後、制限を取り払って便利に使えるようにしていきたいと考えています。
皆さん、お疲れ様でした。
本日お話しいただいた千葉テレビの大林さん、大変有意義なお話しをありがとうございました。また富士通クラウドテクノロジーズの上野さん、今年も興味深いお話しをしていただき、本当にありがとうございます。
今回は、クラウドと言うよりは、我々が普段あまり意識しない、テレビメディアを起点に如何に自社をメディアへ露出して行くかと言った戦略やマーケティングのお話しをしていただきましたが、本年度のテーマでもあるBeyond the Clouds!するための情報としても大変ありがたかったです。
今回の会合が今年度最後の会合となります。今年度は、衛星データの利活用など宇宙ビジネスからクラウドビジネスを捉えて行くと言った内容で会合を進めてきました。大変、有意義な会合を開催させていただき、ご講演いただいた方々、ならびに会場提供いただいたご協賛の皆さんには、大変感謝しております。ありがとうございました。
来月の11月からNCWGとして8年目の活動に入りますが、今年度は、活動開始から7年目でも21社目のご協賛にご支援をいただけたので、この7年間の活動を見ていただけていたのだと思い、ご期待に応えられるように、さらに来期もクラウドビジネス創りにいい意味の面白いことをやって行きたいと考えています。
引き続き来年度も会合および部会活動、ならびに他団体さんとの強固な繋がりなど行いかながら、少しでも設立時の会の趣旨である、日本から発出するクラウドビジネスモデル(サムライクラウド)を結実させ、日本のクラウドビジネスの枠を少しでも広げられるように努めて行きたいと考えていますのでよろしくお願いします。
最後に、本日会場をご提供いただいた、富士通クラウドテクノロジーズさんには、設立時から様々なご支援いただき大変感謝しております。本日は、この後の懇親会もご用意いただき、大変ありがたいです。ありがとうございます。
皆さん、本日は、お疲れ様でした。来期もよろしくお願いします。
7.懇親会
懇親会についても大いに盛り上がり、メンバー・ご協賛の方々との積極的な交流を図ることができました
ご参加された皆さん、お疲れ様でした。
【NCWG実行委員 報告書作成者】
佐々木 泰(株式会社クオリティア)
三上 知親(株式会社エイチ・ピー・エス)
第53回ニッポンクラウドワーキンググループ会合報告
『IoTと衛星通信でクラウドビジネスを拡げる!』をテーマに、ゲスト講演として次世代宇宙システム技術研究組合代表理事の山口さんにご講演いただき、ニッポンクラウドワーキンググループ第53回会合を開催いたしました。
今回はさくらインターネット株式会社さんに会場をご提供いただき、活気ある会合となりました。ありがとうございました。
【テーマ】『IoTと衛星通信でクラウドビジネスを拡げる!』
【日 時】2018年9月7日(金)17:00~19:00
【会 場】さくらインターネット株式会社 セミナールーム
【参加者】メンバー、協賛各社および関係者の方々を含めて35名
ゲスト講演では次世代宇宙システム技術研究組合代表理事の山口さんに宇宙ビジネスの最新動向と同組合の取り組みについてお話いただきました。
宇宙ビジネスについて多岐にわたる内容で示唆に富み、とても興味深い内容でした。ありがとうございました。
1.開催のご挨拶
NCWG副会長 藤田 浩之
本日は、第53回会合にお集まりいただきありがとうございます。
台風21号、北海道の地震と被災された方へお見舞い申し上げます。
本日のテーマは、「IoTと衛星通信でクラウドサービスを拡げる」となりますが、前2回の会合が宇宙をテーマに行っており、今回で3回目の宇宙をテーマにした内容となっております。
今回は、IoT利用した宇宙データについて、次世代宇宙システム技術研究組合代表理事の山口さんにご講演いただきます。
またさくらインターネットさんからは宇宙ビジネスのサービス紹介となっております。
NCWGで宇宙ビジネス宇宙ビジネスを拡げましょう。
2.新規会員のご紹介
ネットワンシステムズ株式会社 福原 氏
何回かゲストで参加しているネットワンシステムズの福原です。
CBAでNCWGと連携して、部会を開催していましたが、CBAが活動を終了しましたので、
NCWGサムライクラウド部会を中心に参加しますのでよろしくお願いいたします。
3.部会報告
サムライクラウド部会報告
部会長 野元 恒志
ネットワン福原さんからもお話ありましたが、サムライクラウド部会の新たな出発です。
CBAさんが活動を終了しましたが、同じメンバーにてサムライクラウド部会として進めていきます。
SAML連携での横串連携や、AZURADとの連携も進めて行き、2018年もSAMLの啓蒙とDockerなどの検証を進めていきます。
クラウドアプリケーション部会
部会長 尾鷲 彰一
クラウドアプリケーション部会では、前年にIoTでクラウドへデータを上げるということを行いました。
今年は、IoTデータとAIの連携をSONY社のNeural Network Consoleで勉強しています。
胡瓜とパプリカの画像識別、花粉の散布量予測などをAIで行おうと実施してきましたが、限られた時間のなかでゼロから作るのは難しいことがわかりました。次回はまとめの予定でしたが、もう少し触る時間も設ける予定です。
部会を通して感じたのですが、こういう時にはこういうロジックといった、AIのノウハウが必要なのだと思いました。
次回は10月中旬ですので参加下さい。
クラウドビジネス推進部会
部会長 藤田 浩之
クラウドを利活用するためにリアルな場でクラウドビジネスの拡大を目指します。
今期の勉強会では五輪書を利用して、アナロジー化からのクラウドビジネスを考えます。
地水火風空を題材に、次回は10月下旬開催予定です。
最終巻の空の巻でクラウドビジネスアナロジーを勉強します。
いままでの勉強会ではアントレプレナーの教科書を課題として勉強も行っていました。
クラウドサービス部会
部会長 小堀 吉伸
4部会を各理事が担当するとのことで活動しています。
クラウドをサービス視点で見ていくことを、セオドラ・レベットのホールプロダクトの概念で勉強しています。
クラウドアプリケーション部会、サムライクラウド部会は技術的な部会ですが、クラウドビジネス部会、クラウドサービス部会はサービス的な部会です。
ホールプロダクトは補完プロダクトとして垂直統合していくために、メタ情報についてサービスを補完するサービスとして、SAS(サービス・アズ・ア・サービス)として超固体となり新しいことをしていこうとしています。
前回はゲストスピーカーにブライダルサービスを立ち上げた方にお話いただいています。
ベストプラクティス、バットプラクティスを学んでいきます。
次回は10月後半25日を予定しています。
また11月は7周年記念イベントで三藤先生にイノベーションの確信として講演いただきます。
部会は1回完結なので是非参加下さい。
4.ゲスト講演
テーマ「IoTと衛星通信でクラウドビジネスを拡げる次世代宇宙ビジネス」
次世代宇宙システム技術研究組合(NESTRA) 代表理事 山口 耕司 氏
札幌生まれで、オービタルエンジニアリングという会社で、普段は機械、熱設計を行っており、熱関係は設計と素材を作っています。
オリンピックのリュージュを作ったこともあります。
衛星は、金色の断熱材から手作業で作っていて、日本の衛星の半分を作っています。
ミシンで縫ったりもしていて、下町ロケットのモデルのような感じです。
もともと物がつくりたくてエンジニアになりたく、就職して宇宙部門でやっておりました。
NESTRA 次世代宇宙システム技術研究組合は、普通の組合ではなく、組合法が関わったりもします。
文科省からの依頼で小型衛星5基つくりました。
リモートセンシングビジネスでリアルタイム性が上げられますが、静止衛星ではないので、小型衛星を沢山上げて活用しています。
ほどよし3号、4号という衛星は、4年間のプロジェクトでものすごくしっかり作りました。
構造はハニカムパネルでハニカムパネルを衛星用に制作しています。
1枚300万で小型衛星のハニカムを作っています。
このプロジェクトは日本のベンチャーとして貢献が認められて総理大臣賞をもらいました。
衛星のサイクルは1時間半で地球をまわります。
ラズパイを衛星に積んで地球の動画を取ったのですが、ラズパイコンテストで特別賞を取りました。
何千円で宇宙の動画を取ったり、キティちゃんを宇宙に上げたりもしています。
大きなニュースはキヤノンが衛星を作ったことで、キヤノン電子やIHIエアロスペースなどが、ロケット作りで人を集め始めました。
JAXAでも小型ロケットを進めていますが、スペースXやブルーオリジンといった海外のプロジェクトが始まっています。
火星や月は今の技術で行けます。なんで宇宙か?それは資源があるからです。
衛星データで3.11のような災害で人を救うことができたのか?
人の救助までの限界は72時間なので、震災救出がライフワークとなっています。
衛星データでどうやってみつけるのか?
衛星でデータを送る、IoTを使って被災者情報をプロトコル化する、災害に対して低コストなIoTセンサーを使ってといったことは、まだ被災地では使われていません。
災害でインフラが破壊されているので、衛星からデータを送ることを考えています。
IoTは、地産地消でやることが大事で、それをオープンソースでやりたいと思っています。
[質疑応答]
Q.各国から衛星が上がっていますが各国で縄張りはあるのか?日本の位置づけは?
A.静止軌道はその国の場所取り合いです。低軌道衛星はぶつからないので大丈夫です。問題は電波のリソース取り合いですが、電波ではなく光で通信すれば問題は解決します。
Q.みちびきのステータスが停波でその後はどうなっていますか?
A.どうでしょうか?GPSの電波は出ているので高精度の電波は出しています。
Q.ちなみにみちびきは11月にスタートしています。クラウドを使ってビジネスにしていきたいのですが、出口は事業者まかせなのでロケットを使っている側で着目していることはありますか?
A.ソリューションが出ていない。欲しいのは農業でしたら水が足りない、肥料が足りないなので、画像判断してくださいだけの状況です。
みんなが欲しい情報はLINEなどで欲しいという声があり、グラフや画像ではないです。
LINEでソリューション連携するなど、どうやってエンドユーザーへ伝えるのかが重要です。
カメラの性能でいろいろなことができるのですが、ハイパースペクトルカメラは日本とドイツだけが使っています。
ベンチャーはソリューションがいっぱいあるので、それらを利用してグランドトゥルースデータをためることが重要です。
5.さくらインターネット社からの各種ご紹介
テーマ:『さくらインターネットと宇宙事業の関わり』
さくらインターネット 吉村 卓也 氏
ご存知の方も多いかと思いますが、まず弊社のご紹介を簡単にさせていただきます。
1996年に高専在学中に起業したのが弊社の起こりですが、レンタルサーバ、VPS、クラウド、近年はディープラーニングやコンテナ、IOTのサービスも取り扱っております。
弊社は石狩に3棟のデータセンターがあり、最終的には6800ラック規模になる予定で現在も拡大中です。
では、今回のお話の技術的な中核となるさくらのクラウドについても簡単にご紹介致します。
さくらのクラウドは、ブラウザで直観的に操作できるようになっており、開発者志向のシンプルさ、自由度の高さ、仮想のデータセンタであるような操作性の三つをコンセプトとしております。
初期費用はゼロ、リソース単位で課金となるシンプルな料金体系であり、なるべく月額料金の見積もりがしやすいようにしています。
2017年3月以降は、サーバ停止時は課金対象外となり、トラフィック量による課金もございませんので、他サービスにくらべて導入いただきやすいかと思います。
お客様の声をサービスに反映していく方針で運営しており、停止時の無課金化もその一つです。
ご要望があれば、ぜひお気軽に投稿していただければと思います。
さて、この度さくらインターネットは、政府の持つ衛星データをオープン化し、社会に還元する取り組みである経済産業省の「平成30年度政府衛星データのオープン&フリー化及びデータ利用環境整備事業」を受託致しました。
事業としては、この取り組みに必要とされる大規模なストレージ及び高い計算能力を持つ日本初のプラットフォームの構築・運用を請け負い、衛星データを活用した新たなビジネスマーケットプレイス創出のためのアライアンス組成にも取り組むものです。
世界では1950年代に衛星が初めて打ち上げられて以後、現状は衛星データの利用は非常に高い専門性が要求され、ハードルの高い状態が続いてきました。
これをわかりやすく、オープンにし、高い専門性や高価なソフトウェアを持つユーザでなくとも利用できるような環境を目指す必要があります。
今回の取り組みは、宇宙データに関する収集・蓄積・分析をわかりやすくし、見えなかったものを見えるようにすることで、生活の利便性向上に役立て、ビジネス創出、人材育成、雇用の創生といったものへ貢献していきたいという想いから参画したものです。
具体的な事業としては、まず、さくらインターネットの保有するインフラを生かして、宇宙データを民間企業や大学、個人といった垣根なく、だれもが簡単に利用できる宇宙データプラットフォーム事業「Tellus(テルース)」の構築・運営があります。
また、開発・利用促進を行うアライアンス「xData Alliance」を組成し、「Tellus」の開発への貢献と利用促進を目的として活動しております。
「xData Alliance」のリーダーには東京大学 空間情報科学研究センター教授の柴崎 亮介氏が就任し、宇宙産業関連企業を含めた21の事業者・研究機関・団体で活動を開始致します。
各事業の知見を生かし、主にユーザーの視点からの提言により、「Tellus」の開発に貢献するとともに、データサイエンティストを対象としたセミナーやコンテストの開催、衛星データと組み合せるさまざまな地上空間情報の収集、ウェブでの情報提供なども実施していく予定です。
データはオープン・フリーであるが、分析や解析に必要なコンピューティングリソースを有償で提供するビジネスモデルで進めてまいりますが、さくらインターネットとしては、衛星データとIOT等で得られた地上データをマッシュアップし、可視化するというところをはまず目指しており、これにより新たな産業を生み出すことにつながると考えています。
世界ではすでに様々なユースケースが生まれつつありますが、日本でもさくらインターネットの「Tellus(テルース)」や「xData Alliance」を通じて、様々は方に衛星データの利活用をビジネスにつなげていただければ幸いです。
どうぞよろしくお願い致します。
[質疑応答]
Q.今後のロードマップはどうなっているのでしょうか。
A.年内にはβ版を公開、その後のテストを経て来年度以降に正式なサービス化を目指すというところで進めております。
Q.Tellusの開発における苦労話などがあれば教えてください。
A.様々なデータを扱う分、ストレージに関してはなかなか難しいところもあるようですが、特にRAWデータの扱いは慎重になる必要がありました。
Q.APIの利用はさくらさんのコンピュートノード利用に限定されるのでしょうか?
A.現状は未定となっておりますが、今後一般公開されたAPIへの対応も可能性はあるかと思いますが、その点についてはプレスリリースをお待ちいただければと思います。
6.会長からの総括
会長 小堀 吉伸
今回までに53回会合をやらせていただいておりますが、今年度は「宇宙データ」に注目してやってまいりました。
そんな中、本日は次世代宇宙システム技術研究組合代表理事の山口さんにご講演頂きました。
貴重なお話をありがとうございます。
また、本日は地震の影響も少なくない中、会場と貴重なお話をご提供いただいた
さくらインターネットさん、ありがとうございました。
山口さんと以前、お話しした際にクラウドとは何かという話題がありました。
会では、昨年度はおもにAI、今年度は衛星データというトピックに注目して活動を進めていますが、NCWGではクラウドをインターネットを通じて利活用可能なものと定義しており、そうした関わりがあるものはすべてNCWGとかかわりがあると考えています。
その上においてはいずれもクラウドのフロントに在るものとしてこれからも注目し続けていきたいと思います。
今後もそういった観点でいろいろな方にお話を聞かせていただければといろいろ画策しておりますのでよろしくお願いします。
以前、宇宙システム開発利用推進機構の高山さんのお話にもありましたが、様々な面で支援の枠組みなどがあり、本日お話のあったさくらインターネットさんの取り組みも含めて、衛星データ利用のハードルが下がっているのは間違いありません。
NCWGの活動も11月で8期目に入りますが、引き続きどんどんご案内や「場」を提供していきますので、ぜひご参加ください。
そして懇親会も含めてその「場」を利用して、様々な方とご縁を持っていただき、それぞれのビジネスにつなげていただければと思います。
今後ともよろしくお願い致します。
7.懇親会
懇親会についても大いに盛り上がり、メンバー・ご協賛の方々との積極的な交流を図ることができました
ご参加された皆さん、お疲れ様でした。
【NCWG実行委員 報告書作成者】
内田 龍 (株式会社クリエイトラボ)
井口 和彦(株式会社ドヴァ)
第52回ニッポンクラウドワーキンググループ会合報告
今回の会合は「クラウドの今を見つめ直し、新たな価値を掘り起こす!」をテーマに、メンバー発表では3社から改めてIaaS利活用によるクラウドビジネスの価値発掘を視野に発表を行い、ニッポンクラウドワーキンググループ第52回会合を開催いたしました。
今回は富士通株式会社さんに会場をご提供いただき、活気ある会合となりました。ありがとうございました。
【テーマ】『クラウドの今を見つめ直し、新たな価値を掘り起こす!』
【日 時】2018年7月6日(金)17:00~19:00
【会 場】富士通株式会社 富士通デジタルトランスフォーメーションセンター
※浜松町世界貿易センタービル30階
【参加者】メンバー、協賛各社および関係者の方々を含めて45名
メンバー発表では、株式会社蒼空、株式会社ムービット、有限会社ディアイピィの3社から発表いただきました。
3社ともに、メンバーならではの新たな価値発見につながる大変興味深い内容でした。
ありがとうございました。
【司会者のご紹介】
実行委員 尾鷲 彰一(株式会社オープンウェーブ)
本日は第52回ニッポンクラウドワーキンググループ会合にお集まりいただきありがとうございます。
まず初めに、本日会場をご提供いただきました富士通さん、ありがとうございます。富士通さんにはこのほどNCWGに協賛として加わっていただきました。改めてお礼申し上げます。
NCWGは今年の11月で7周年を迎えますが、7年間やってきて未だこうして加わっていただけるということは、我々運営にとって励みになることです。もちろん本日こうして多くのみなさんに集まっていただけるということもとても励みになることで、これからも会を盛り上げていきたいなという思いです。
本日の会合のテーマは『クラウドの今を見つめ直し、新たな価値を掘り起こす!』で、メンバー発表として3社に改めてIaaS利活用によるクラウドビジネスの価値発掘を視野に発表いただきます。
今期スローガンは「Beyonds the Clouds! ~ムスビ(結)で、実を拡げる~」です。ですので、是非参加されている皆さんが結びつきあって、クラウドビジネスを拡げ、そして、我々が推進する日本から世界に発出するクラウドビジネスモデル(サムライクラウド)の実現に繋げていってください。
2.新規メンバー・協賛のご紹介
株式会社アイロバ 小林 氏
創業3期目の会社。クラウド・データセンター関連で様々なインフラサービス提供をしています。
また、Webサイトに対するセキュリティ診断やNTT東西ダークによる拠点間専用線事業なども展開しています。
皆さんと新たなビジネスを創出したいです。
富士通株式会社 芝崎 氏
これまで提供してきた既存クラウドサービスを「FUJITSU Cloud Service」として刷新しました。
ハイブリッドIT・マルチクラウド環境を活用したインテグレーション・運用サービスを強化します。
NCWGの皆さんと、ビジネスを一緒に作っていきたいです。
3.大阪開催報告
実行委員 宮原 哲也(株式会社アルティネット)
テーマ:「宇宙ビジネスの利活用でクラウドビジネスを昇華させる!」
日 時:2018年6月8日(金)16:00~19:00
会 場:GMOクラウド株式会社 大阪支社
参加者:メンバー、協賛各社および関係者の方々を含めて約60名
・開催のご挨拶:藤田副会長
・会の活動紹介および各種部会の活動紹介:小堀会長および各部会長
・GMOクラウド社からの各種ご紹介:営業部プリセールスグループ 中田祐樹さん
・ゲスト講演「宇宙ビジネスの潮流~今、注目される宇宙ビジネスと衛星データ利用~」:一般財団法人宇宙システム開発利用推進機構 高山久信さん
・特別講演「衛星画像についてパターン認識を用いた解析技術の紹介」:京都大学 学術情報メディアセンター 飯山将晃さん
・会長からの総括:宇宙システム開発推進機構をはじめ他団体との交流から今後も相乗効果を上げていきたい。
懇親会:参加者約50名
大阪での会合・懇親会は、今期のスローガン「Beyond the Clouds! ムスビ(結)で、実を拡げる!」のとおり、皆が思い思いにつながって、各社の、そしてひいてはニッポンのクラウドビジネスを拡げていくことを実感できる内容でした。
4.部会報告
クラウドアプリケーション部会
部会長 尾鷲 彰一
今年度は、昨年度実施した、IoTのデータをAIで活用することに取り組んでおります。
SONYのNeural Network Consoleを使ってAIを理解するところまでを前回の部会で実施しました。
次回の部会では、実際にAIを使ってみる予定です。
次回の部会は、7月31日に開催いたします。是非ご参加ください。
クラウドビジネス推進部会
部会長 藤田 浩之
クラウドの利活用を通して日本のクラウドビジネス創出を目指しています。
現在勉強会では「五輪書」を教材とした勉強会を開催しています。
「五輪書」はいわゆる兵法書でビジネスには直接結びつかないですが、「五輪書」に書かれている考え方はビジネスでもためになります。
たとえば、五輪書では“鍛錬”が重要だということが度々説かれていますが、これはクラウドビジネスでもすごく重要なポイントで、クラウドは必要に応じて“利用する”という考え方であるため、利用者にとっては他のサービスに切り替えやすくなっていて、その中でサービスを利用し続けてもらうには顧客のニーズの変化に合わせてサービスを提供しつづける必要があり、だからこそクラウドでもサービスを鍛えて質を高め、結果、他社サービスとの差別化をはかる=“鍛錬”が必要といえます。
次回勉強会は7月27日(金)です。みなさん是非ご参加ください。
クラウドサービス部会
部会長 小堀 吉伸
クラウドサービス部会では、
クラウドサービスをテクノロジーからのアプローチではなく、サービスの視点から検討することで、様々なクラウドサービスの有効性を浮彫にさせるだけでなく、なんでクラウドサービスが機能していないのかと言ったサービス自体の無効性など、正反合(セイハンゴウ)の各面からクラウドサービスを「ビジネスモデル」視点で考察しています
また、考察するに当たりセオドア・レビットの戦略モデル「ホールプロダクト」の概念を参考に考察を行っています。
次回の部会では、ゲストスピーカーにエアブライダル株式会社の遠山純生さんをお呼びして、ご提供されているブライダルウェブサービスのビジネスモデルについてお話ししていただきます。
毎回、一回性のかたちで部会を開催しているので、前回参加してないから分からないと言った流れを取らないようにしています。今回初めて部会に参加する方でも、是非ご参加ください。
5.メンバー発表
メンバー発表1
株式会社蒼空 代表取締役 林 健一郎 氏
テーマ:富士通クラウドとの協業について
富士通社には協業というより相談させて貰ってるという状況です。
事例紹介:帝京大学のシラバスシステムの構築事例
現行運用の課題点がとても多かったが富士通へ相談した事により解決したことが多かったです。
上記事例の経験則より
・富士通クラウドの好感点
①日本製であること
②データの所有権がユーザーにあること
③手厚い支援を頂けること
・富士通クラウドの課題点/懸念点
①Azureの場合Azure単独で構築できてしまう
②協業ビジネスモデルの確立
・本件を富士通クラウドで進めるための方針
①Accessの利用を辞める
②MySQLからPostgresに変更
③Accessデータの正常な移行
[質疑応答]
Q.今回プレゼンに使ったツールについて
A.自社開発したプレゼンツールで、意識合わせを円滑に行う事ができるツールです。iOSのバージョンアップに伴い、メンテナンスができてないので現在は使う事ができないため、メンテナンスが終わればNCWGにて再度ご案内します。
※発表資料はこちら
メンバー発表2
株式会社ムービット 代表取締役 谷地田 工 氏
テーマ:富士通クラウドのOSSレシピ
富士通クラウドの使い方や他社比較、サポートのクオリティ、特徴などを纏めました。
・他社クラウドとの比較
①富士通クラウドは日本円での対応可能
②データ通信料金が無償
③GUIがシンプルでブラウザからのリモートコンソールは便利
④サポートのクオリティが高い
事例紹介:富士通クラウドにて自社サービスのPoweredBLUE870の立ち上げ事例
レシピ①/小学校のHPの常時SSL化について
レシピ②/オンラインストレージ構築について及びデモ
[質疑応答]
Q.谷地田さんが感じた他社クラウドと比べて富士通クラウドが良い点と悪い点はどのようなところでしょうか?
A.
良い点:マシーンの安定感がよい、サポートがとてもよいという点
悪い点:コンテナの数が少ないという点
※発表資料はこちら
メンバー発表3
有限会社ディアイピィ 代表取締役 野元 恒志 氏
テーマ:自動化へのチャレンジ
・なぜ自動化が必要か?それは手作業を少しでもなくしたいからです。
・クラウド自動化については現状Ansibleを利用中→満足してるが全体の自動化は行っていきたいです。
デモ:富士通クラウド基盤での自動構築に挑戦
・立ち上げまでの課題
①ドキュメントを探すのが手間
②グローバルIPの反映に時間が掛かる
など
[質疑応答]
Q.ドキュメントが大変と言ってたがそれさえクリアすれば大丈夫なのか
A.玄人志向でドキュメントがないと難しいが、一回習得すれば大丈夫な気がします
※発表資料はこちら
6.富士通株式会社からの各種ご紹介
富士通株式会社 クラウドサービス事業本部 シニアマネージャー 浮田 博文 氏
「基幹システムのクラウド化を支える富士通のクラウド」
・ブランド名変更
K5→FUJITSU Cloud Service for OSS (OpenStackベースのサービス)
グローバルな情勢としてデジタル化の波が世界を動かしており、価値のシフト化進んでいます。そのためデータ活用と付加価値についてが重要になります。
事例紹介:
①:メタウォーター社 IoT
②:国連開発計画/東北大学 災害のDB
価値あるデータはまだ8割がオンプレ上に眠っており、クラウド化を推進する事でデータの有効活用させデジタルトランスフォーメーションを実現させたいです。
富士通クラウドの基本コンセプトはSustainable,Scalable,Secureです。お客様に寄り添うクラウドを提供します。
・エコシステム例
①RedHat
②Juniper
③NOKIA
・運用監視ツールの提供
現在のデータセンターにて利用してる管理ツールをすべて提供し見える化を促進しています。
・Developers Community Fujitsu Tech Talkの紹介
[質疑応答]
Q.運用代行サービスはありますか?
A.富士通社内に運用代行専門部隊があるので今後サービス提供いたします。
Q.様々な種類のIaaSがラインナップされてるが何故ですか?
A.for OSSだけでいいのではという意見もありますが、海外外拠点向け対応のサービスとしてラインナップを広げています。
※発表資料はこちら
お話しいただいた、三社の方々、ご苦労様でした。
また、今回会場をご提供いただいた富士通さん、誠にありがとうございました。
ニッポンクラウドワーキンググループは、現在90社のメンバーの方々と、21社のご協賛の方々で会の活動構成を取っています。これだけの会社の方々に集まっていただけたことで、会の設立から掲げている、クラウドサービスでの「ニュートラルな立ち位置」で活動が行え、様々なクラウドサービスをニュートラルな立ち位置で捉えることができるため、今回、富士通クラウドのお話しが聴けたことで、ニュートラルな立ち位置からの様々なクラウドサービスの比較という視点では、かなり有効だったと考えています。さらに機会損出を少しでも避けるといった意味でも大変有意義だったと考えています。
この7年間NCWGのビジョンとして、日本から発信するクラウドビジネス構築が目標なので、今後も会員の皆さんと、連携しながらサムライクラウドの創出を成果を出して行きたいと強く望んでいます。引き続き、よろしくお願いします。
8.懇親会
懇親会も大いに盛り上がり、メンバー・ご協賛の方々との積極的な交流を図ることができました。
非常に有意義な懇親会となりました。ご参加された皆さん、ありがとうございました。
【NCWG実行委員 報告書作成者】
宮原 哲也(株式会社アルティネット)
小崎 史貴(JIG-SAW株式会社)
第51回 ニッポンクラウドワーキンググループ会合[大阪開催]報告
『宇宙ビジネスの利活用でクラウドビジネスを昇華させる!』をテーマに、第51回ニッポンクラウドワーキンググループ会合を開催いたしました。今回の大阪での会合は、GMOクラウド株式会社さんに会場をご提供いただき、多くの方々にご参加いただき活気ある会合となりました。
【テーマ】『宇宙ビジネスの利活用でクラウドビジネスを昇華させる!』
【日 時】2018年6月8日(金)16:00~19:00
【会 場】GMOクラウド株式会社 大阪支社
【参加者】メンバー、協賛各社および関係者の方々を含めて60名程度
今回の大阪開催は、ゲスト講演として、一般財団法人 宇宙システム開発利用推進機構の高山さんに「宇宙ビジネス超入門~今、注目される宇宙ビジネス~」と題して、我々にとっても身近にある宇宙ビジネスについてご講演いただきました。
また、特別講演では「AI + 衛星観測画像 ~海洋水産イノベーション創発に向けた技術開発~」と題して衛星データの画像解析によるこれからのビジネスの可能性についてご講演いただきました。
今後の我々のクラウドビジネスにとっても有用な、大変興味深い内容でした。ありがとうございました。
会合にご参加いただいた大阪のみなさん、遠方よりお越しになったみなさん、ありがとうございました。
【司会者のご紹介】
実行委員 大澤 武史(株式会社クリエイトラボ)
1.開催のご挨拶
NCWG副会長 藤田 浩之
大阪開催にお集まりいただき、ありがとうございます。
一年ぶりに大阪に戻ってきました。
東京では会員限定でクローズドに開催していますが、大阪では一般開催ということで、本日は一般の方もご参加いただいております。
本日初めての方も、大いにNCWGの雰囲気を感じて頂けたらと思います。
本日会場を提供して頂いたGMOクラウドさんは、当会の発足時からご協賛いただいております。本日もありがとうございます。
当会は実行委員の協力のもと運営しております。本日も大阪に駆けつけてくれました。
実行委員の方々も、本日はよろしくお願いいたします。
今回の大阪開催は「宇宙ビジネスの利活用でクラウドビジネスを昇華させる!」というテーマで開催しております。
宇宙ビジネスと聞いて、縁遠いものだと思っていらっしゃるかもしれませんが、本日の宇宙システム開発利用推進機構 高山さんと京都大学 飯山さんの講演を聞いて、そんなことは無かったと思っていただけると思うので是非ご期待ください。講師のお二方、よろしくお願いいたします。
NCWGはクラウドビジネスの事業者がこの場で繋がっていただいて、ニッポンから世界に負けないクラウドビジネスモデルを生み出せたらという思いで行っています。それを「サムライクラウド」と呼んでいます。
また、今期スローガンとしまして「Beyond the Clouds!~結びで実を拡げる~」を掲げております。
ぜひ、「日本のクラウドビジネスを作るぞ!」という思いでご参加き、日本の中だけでなく、世界に、そして宇宙に、打ち上げて頂けたらと思います。
2.会の活動ご紹介および各種部会の活動ご紹介
会の活動ご紹介
会長 小堀 吉伸
皆さんお疲れ様です。
当会のご説明をさせてください。
大阪の方々に知ってい頂きたいという趣旨から、7年前から大阪でも開催しております。
今日初めてご参加の方もいらっしゃると思いますが、この10月で丸7年、11月で8年目に入ります。
NCWGという名前で呼んでいますが、元々はニフティさんの名前で始まってます。
現在、21社にご協賛いただいています。
サムライクラウドサポーターというのを設けてまして、そこでは学術系方々にもご参加いただいています。
普段は、東京でクローズで開催しており、50人程度で会を開催しております。
NCWGというのは分かりづらいという声もありますが、「クラウドビジネスを繋げるプラットフォームを作ろうよ、サムライクラウドとして」という思いでやっています。
日本で創出するクラウドビジネスをサムライクラウドと呼んでいます。
この二年間「Beyond the Clouds!」をテーマしています。
結びで実を拡げるというテーマのもの基、結果を作っていきたいと思っています。
現在四つの部会があります。
「クラウドビジネス推進部会」はアントレプレナなど学術的な内容、「クラウドアプリケーション部会」は技術的な内容で、本年度はAI、去年はLoRa、一昨年はビーコンをテーマとしていました。
「クラウドサービス部会」はクラウドをサービスから見ていこうという試みです。
「サムライクラウド部会」は各種クラウドサービスの連携についてです。
これらは、月一回程度で開催されているので東京にいらっしゃるときには、是非ご参加いただけたらと思います。
昨年行った6周年では100人程度集まったりもしています。
その時はAI業界で著名の山田先生にご講演いただきました。
今年はイノベーションをテーマに、また講師をお招きしてご講演いただこうと考えております。
組織は、理事4名と幹事1名に実行委員15名程度で進めております。
会合毎に報告書を上げていますが、他団体の方からお褒め頂いている点です。
新規で加わっていただいた方で、実行委員にご参加いただけるならぜひ手を挙げて頂きたい。
参加メンバーは大きい会社から小さい会社までありますが、参加するときには選考がありまして、100社あれば100社活躍できる形を望んでいます。
学術系の方面からは、サムライクラウドサポーターとして大学等からもご参加いただいており、ご登壇頂いたりしています。
ご協賛の会社は基盤の会社が多いですが、その基盤の上にアプリケーションの部分を我々が組み上げてサムライクラウドにしたいと考えています。
サムライクラウド部会
部会長 野元 恒志
今年も大阪で開くことができました。
GMOクラウドさんありがとうございます。
当部会は、あまねくアプリケーション(SaaSのサービスなど)を繋いでグランドクラウドを実現することをテーマに開催しています。
SAMLをベースにアプリケーションを横串につないでいくということで実現しようとしています。
マイクロソフトのAzure ADやGoogle、SalesforceもSAMLでのシングルサインオンに対応しています。
SaaSの契約ごとにID管理をしていたり、IDの使い回しをしていたりとID管理にはセキュリティ的な運用の問題があります。また「パスワードを変えることは効果あるのか?」もじつはあまりよろしくないというのが総務省からもリリースがありました。
よりSAMLは当たり前になりこれからよりSAMLで各サービスを繋いでいこうという動きが活発になるかと思います。
これまでの活動としまして、CBAさんとNCWGで会を超えた連携部会を開催し、実証実験をしています。
また、アプリケーション運用基盤のこれからとしてDockerなどのコンテナ運用、APIマッシュアップでアプリケーション環境を作っていく流れが強くなっていくと思います。
今後はDocker、SAMLの検証など進めていく予定です。
クラウドアプリケーション部会
部会長 尾鷲 彰一
世の中ではクラウドサービスが一般的になってきまして、ハード(IoTなど)とも繋がって、これも一つのByond the Clouds!なのではないかと思っています。
こちらは、ハードやAIなどをクラウドと繋げることを実現する、最新の技術について学んでいこうという会です。
小堀会長からお話があったように、昨年はLoRaを扱いました。
今回は「IoTのデータをAIで分析する」という形でAIについて実施しています。
前回は、進め方を決める内容でした。
次回は数学的なAIの理論を学んでいこうしています。
題材として、ソニーのプラットフォームやTensorflowなど色々触ってみようと思っています。
最終的には花粉の予想などをやれたら良いな思っています。
クラウドビジネス推進部会
部会長 藤田 浩之
「Cloud fast!日本のクラウドビジネスを加速させる」をスローガンにしています。
クラウドの利活用を通して日本のクラウドビジネス創出を目指しています。
前期は「アントレプレナーの教科書」という本を参考にした勉強会を実施しました。
顧客発見、顧客検証、顧客開拓、組織構築というプロセスがありました。
クラウドビジネスは新規事業に等しいので、スタートアップ企業のためのアントレプレナーの教科書が役立つのではないかと考えています。
今期は「五輪書」をアナロジーに負けない無双のクラウドビジネスを思考しようとしています。
五輪書は兵法書です。
個での戦い、軍での戦い、五輪書では両方に通じる理を説いています。
兵法書なのでそのまま読んでも、直接結果に繋がるものではありません。
咀嚼して、ビジネスでの考え方に昇華するというアプローチをしていきます。
「宮本武蔵は人生で負けたことがない、我々も負けないビジネスをしよう」という考えです。
五輪書では、“鍛錬”が重要だということが度々説かれています。
これはクラウドサービスにとっても同様です。
なぜならば、クラウドサービスはいつでもすぐに辞められるもので、だからこそ、鍛錬を行っていないと陳腐化し顧客に訴求しなくなります。プロダクト/サービスを磨き鍛えることにより、結果、他との差別化が図れるようにできます。
ご興味あれば是非部会にご参加いただければと思います。
クラウドサービス部会
部会長 小堀 吉伸
冒頭の三人は技術のアプローチですが、この部会は、サービスから考えます。
物事を進めるには定義が必要です。
この会ではクラウドはサービスであると定義づけて、セオドア・レベットの「ホールプロダクト」をテーマに当てはめて検討しています。
コアプロダクトをレンタルサーバした時に、周りのサービス(セキュリティ、メールなど)を補完していくことでコアプロダクトが強化される考え方です。
また、補完サービス同士を組み合わせ、サービスをメタ化を図ることを考えています。
補完サービスを垂直に繋げた時に面白いものができるのではないか、サービス群をサービスの超固体化としてとらえるなどを考えています。
藤田さんの部会と一緒に実施していますので是非ご参加ください。
3.GMOクラウド社からの各種ご紹介
営業部 プリセールスG
ソリューションアーキテクト
情報セキュリティマネジメント
中田 祐樹 氏
皆様、GMOの中田と申します。
今日はお時間を頂きまして、お話させて頂きます。
本日は最後に「イノベーション感じましたか?」と聞かせてもらいます。
私は元々エンジニアです。
ビッグデータの副業などもやっています。
GMOクラウドでは、マイニング用のボードを出して今注目を浴びていますが、これまではホスティングを行っています。
ところで最近イノベーション感じましたか?
まず過去を見てみましょう。
長篠の戦いなのですが、3000丁くらいの鉄砲を集めたという新しい下地があって2倍の差をつぶした戦いです。
信長は過去のイノベータです。
ARTUSはこれまでホスティングサービスを行ってきましたが、このほど最短1か月で使える定額のCDNサービス、SiteLockCDNを始めました。
GoogleのLighthouseを使っていますか?
ウェブアプリの監査ツールです。
SEOを他社と比べてみたところ、ここから差をつけるのが大変です。
三月のとある日の結果が突然伸びあがったスコアが上がりました。
コンテンツは変えていないのに、SEOが突然上がったのは、CDNを使ったのではないか?
Lighthouseでは各種スコアが出ますが、低いスコアの改善にはコストが上がります。
SiteLockCDNはサービサーとしても使いたいと思えるものです。
かけたコストに合った固定性能を重視しています。(ある程度機能を絞ったりもしています)
ケーススタディとして、性能を上げるのにAWSの設定などでは難しかったところが、SiteLockCDNではやりやすかったというものがありました。
月額5000円からお使いになれます。
ただ、CDNを頑張っても仕方ない場合もあります。
もしCDNでサイトの向上が見込めるか試そうというときに、お安くに始められるので是非ご検討ください。
今日は次のことを覚えていってください。
信長はイノベータ―だったこと
マーケ担当にLighthouseというものを知っているか聞いてみること
低いスコアの改善はROI的にも効果が出ること
[質疑応答]
Q1:
CDNで5000円は価格設定が驚異的です。
どう実現しているのですか。また、いつから使えるのですか。
A1:
連絡もらったら直ぐお使いいただけます。
利益はちゃんと出ています。
求めるものがはっきり得られるCDNというものでもないので、コストに見合った効果が出ているかを見て頂きたいです。
Q2:
サポートが気になります。
どういうお問い合わせが多かったりしますか。
A2:
初めの導入の部分についてのお問い合わせがほとんどです。
動き出したらサポートは減ります。
最初の「動かない」について対応する形です。
導入時の「動かない」ところをいかに簡単にするかがポイントだと思っています。
4.ゲスト講演:
テーマ:『宇宙ビジネスの潮流~今、注目される宇宙ビジネスと衛星データ利用~』
一般財団法人 宇宙システム開発利用推進機構
戦略企画室長 兼 宇宙産業副本部長
宇宙ビジネスコーディネーター
高山 久信 氏
宇宙ビジネスコーディネーターを名付けて、ビジネスと宇宙を繋げる活動をしています。
本日は宇宙ビジネスと衛星データということで、クラウド事業者の前では初めてとなります。
今宇宙ビジネスは新聞などでは目にしない日はありません。
何が起こっているのかをご説明します。
また、宇宙のデータはビッグデータなのでクラウドとの関係をお話します。
宇宙ビジネスコートは最初はニフティさんでした。
NCWGもニフティさんから始まったということで縁を感じます。
私は64歳で、最初は三菱電機に入社して尼崎で勤務していました。
機構は東京タワーの目の前にあり、もともと経済産業省で宇宙産業政策の窓口として活動していました。
NASAとは衛星データのセンサーの運用をおこなっています。
本日は宇宙データの加工の仕方なども説明します。
我々の財団は、3つの財団が統合されたものです。
(センサーによる取得、データの編集、データの提供の財団)
現在は無料でデータを提供して事業を起こしてもらう活動をしています。
また人材の受け入れなども行っています。
現在3つの目標を持っています。
・宇宙技術の進化と推進
・社会に実装
・技術の事業家と国際競争力の強化
宇宙ビジネスに何が起こっているのか、政策面でご説明します。
今、パラダイムシフトが起こっていると思っています。
・政府資金から、民間資金へ
・日宇宙系から宇宙ビジネスへ参入
・ビッグデータとしての衛星データ利用へ(再認識された)
当財団でも400TBを保持しています。
これからPBの世界になってくるでしょう。
これらのことから宇宙データ、衛星データが注目されています。
小型化した衛星にセンサーを搭載して常時観測できる状況ができています。
こういったものを新興国でも作れます。
また民間で作るロケットが4000万程度で作られています。
北海道で堀江貴文さんがロケットを飛ばしているものです。
「フェラーリからスーパーカブへ」という表現もされます。
日本の法制度の略歴を説明します。
2007年 地理空間情報活用推進基本法 GPSの法律ができています。
2008年 初めて宇宙に関する宇宙基本法ができます。
2009年 宇宙基本計画が作成されます。
2015年 色々な人に使ってもらう取り組みが始まります。(S-NET)
当活動に400名から500名のご参加いただきました。
今年は5月使い方の話をしています。
2016年 宇宙活用法で民間もロケットを打ち上げて良くなります。
官民データ活用法は、まだ紙をPDFにした程度で、これからの状態です。
2017年 衛星モリセン法
宇宙産業ビジョン2030が方向付けされ
未来投資戦略2017でデータの利活用として挙がっています。
2018年 宇宙産業政策パッケージでより推し進めています。
宇宙産業ビジョンのポイントは、第4次産業革命を推進させる駆動力として、ビッグデータ、AI、IoTのイノベーション結合の対象として挙げられています。
宇宙産業政策パッケージでは事業者への投資マッチングが様々立ち上がっています。
宇宙ビジネスコートは啓蒙活動しています。
今年はアイデアのコンペを行い、ANAの管制官のかたが賞を受賞し400万円賞金を得ています。
こちらは、ANAが事業化しようとしています。
宇宙ビジネスを構成するものは、輸送システムロケット、宇宙システム探査機、地上システムデータの管制・処理の3つの要素しかありません。
宇宙輸送システムでは民間(非商用ではなく商用として)が権利を取得した事例があります。
今回は3つの要素のうち、衛星データの話をします。
TERRAは資源探査のデータ(石油などの埋蔵など)です。
今は、調べ終えたので公開されています。
こういったものが世界にはたくさんあるのでPBレベルになってきます。
現在、世界を含めいくつかの組織がどのくらい市場規模が大きくなるか調査していますが、何れも今後大きくなるという結果です。
MM総研に調べてもらったところでは2015年は3500億円 2020年は6500億円 2030年には2兆円規模になりました。
宇宙利用のイメージをIT業界にヒアリングした結果は半分以上が未知・未来、漫画や映画のようなSFのイメージです。
実際に利用している気象衛星は2%程度です。
しかし、実際にはGPSや衛星放送など結構使われています。
現在の課題は次のようなものがあるといえます。
・どこに行ったら使えるのか
・データを解析(整理)できる人がいない
・衛星データが使えるものだと啓蒙する人がいない
特に、データはPDFになってるのが日本の大きな問題です。
データが綺麗にされれば、ビューなどのアプリ部分は活性化すると思っています。
上記のものについて、全部ができる企業がやっているのが日本の問題と言えます。
欧米ではそれぞれの分野にそれぞれのプラットフォーム、企業が実施しています。
それぞれの得意分野をこなすことで進められると思っています。
データの利用としては、例えば地球を観測するASTERです。
ASTERは赤外線から可視光まで14個のバンドを持っています。
一つの画像から、複数の見方ができます。(風の方向や、埋蔵しているものなど)
→山火事の避難経路など対策に使えます。
他にも、田んぼでの収穫の時期を見たり、漁業探査システムの「エビスくん」など、農林水産系で事例が出てきています。
海外では、石油の備蓄状況、水質モニタなどがありますが、日本ではデータの利活用に課題があり、まだ広がりが足りません。
宇宙ビジネスコートでは各参加企業サポートをしています。
無料のデータ、無料のアプリをご紹介
データのプラットフォーム、APIを作成
出向いて行ってのアドバイスなど
月2回のセミナーなど
ビジネス展示のご紹介など
今は宇宙事業を行っている企業がどんどん参加してきています。
クラウドの企業のご協力いただきたいので、ぜひよろしくお願いします。
[質疑応答]
Q1:
色々法整備されていて、色々できると思いました。
商用ベースは費用がかかると思いますが、どのくらいかかるのでしょうか。
またどんな問い合わせが多いでしょうか。
A1:
宇宙データによる収穫時期を管理しているお米「青天の霹靂」は有料の宇宙データを購入しています。
データは県が買っています。
こちらは商業化とはいえないと思っています。
日本の研究開発衛星は継続性が担保されていません。
それ故、日本で自由にできるデータはまだないといえます。
まずは0円で試して、事業化してペイできるか検証して頂きたいです。
問い合わせについては個人から自治体までたくさんあります。
外れないネジから、こういうことをやりたいという事業者までお話はあります。
業界も介護、教育、旅行会社などからもお話は来ているので、どんな事業でも宇宙ビジネスにつながる部分はあると思います。
5.特別講演
テーマ:『衛星画像についてパターン認識を用いた解析技術の紹介』
京都大学 学術情報メディアセンター
准教授 飯山 将晃 氏
AI+衛生画像観測の組み合わせで新しいイノベーションをおこせるのかのお話です。
もともとは宇宙とは関係なく画像処理の研究を行っていましたのでバックグランドは画像処理の研究をずっとおこなっていました。
AIと衛生観測を組み合わせた宇宙ビジネスとはなんぞやと何を取り組んでいるのかと言うと漁業、海です。
日本のひまわり8号が海水の温度を計測していて基本的には誰でも手に入ります。
どこにいったら魚が取れるのかや、そもそものきっかけは魚取りすぎで問題からきています。
また昨今各国の漁獲量が決まってるので魚取りすぎ問題にも対応できます。
グローバル・フィンシング・ウォッチというサイトで世界の漁業活動を追跡できるサービスありリアルタイムで漁船の位置がわかったりします。データを集めることはかなりできています。
その先にそのデータをいかに産業に活かすかがポイントで海の産業にはまだまだいろいろとやることが多いです。
メルカトル図法的にはまっすぐ行くのは効率悪いので、海流や地球を意識して航路を選択することで燃費効率が上がったりと画像の利用が行えます。
遠回りせずに良い漁場を効率よく周れれば燃費にも良いですし、ナビゲーションと衛生データの組み合わせでわかります。
こうゆうのをなんとかしていこうと、サスティナブル漁業が世界の流れで、漁獲量を国ごとに決めて量を安く取っていくことが世界の流れになっています。
海の情報をセンシングしていきたく、漁船ナビとしてGPS、通信衛星、ソナーとの組み合わせでデータとして提供します。
より良い情報でナビゲーションできるようになるのです。
問題は陸ほど通信環境が良くないのですが、それらをデータかしていくことがわれわれの進めていることです。
いろいろな業界の中でも、AIから最も離れた産業でAIを行う。海洋産業や農業はブルーオーシャンな状態です。
わかりやすく画像処理の話をすると、衛星観測を何とかしたいと。
雲の下の海水の温度がわからないのでそれをデータとして取りたいのですが、AI漁業がはならない理由はデータが取りずらく、太平洋に3300のセンサーしかなく、近畿に1台しかない温度計で天気予報しなさい。というような状態です。
300Km四方に1個のセンサーしかなくまた水深まで測れるセンサーがないので、300km四方をその数のセンサーで天気予報をするのは難しく、衛星データを利用して海運業や養殖業に利用していきたい。
現状、海水の温度は等高線のような温度図が日々提供されますが、土日は提供していません。
また等高線は手書きな状態なのでそれを自動化したいです。
フェリーで温度をはかっているのですが限界なので、AIと画像処理でなんとかならないかと、雲の下の画像を予測して欠損補完を行い海水温度に応用し、それを利用してどこに魚がいます等を、AIと画像処理で、今までの渦の先で取れるだろうなといった、漁業者の勘でみつけていた場所を見つけることに応用しています。
現在医療業界では読影医の勘と経験で見つけていた技術を、AIで腫瘍を見つける等おこなっていますがそれを水産業に応用できないか?
10年分の漁獲データをつかってここは取れる、取れないを入力してパターン化してそれを漁師へ提供したら今までよりも取れるようになります。提供したデータで漁をした場合に平均より4割も上がりました。
衛生データをパターン認識させて提供し効率上げてイノベーションへつなげたい。
ですが海や自然を相手にした取り組みは難しく、特に水産業が難しいのはデータがばらばらなのと、県や漁協が持っているデータをなかなか出したがらず、必要なデータだけを提供してもらいそのデータを加工して提供者へ戻したい。
海洋情報プラットフォームで様々な情報を集まりさえすれば、それが海の産業の効率化につながります。
最後になりますが、このような取り組みは農業はさかんで残念ながら海外では進んでいます。
トウモロコシの生産量を予測するようなことがアメリカのスタートアップではサービス提供で行われています。
陸でのサービスが進んでいるのでそれを海に活かしたい。
なぜかと言うと日本は海だらけでデータもかなりたくさんあるので、それを活かして日本の企業がビジネスに活かしてもらいたく、海運支援や海洋モニタリングして今後サービス提供していきたいと考えております。
[質疑応答]
Q1.
海の温度を予測する仕組みは他にも使えるのかなと思いました。
陸地で雲があったりとかしていますが、陸での応用事例はありますか?
A1.
陸は海とちがって温度の変化がないので、雲で計測できないときは晴れるまで待てばよいです。
日々変るような車を数えたい等は、周りから予測することはできません。
6.会長からの総括
会長 小堀 吉伸
今期のスローガン、「Beyond the Clouds! ~ ムスビ(結)で、実を拡げる! ~」で活動していますが、衛星データの利活用はクラウド業界の皆様からしたら宝の山ではないでしょうか?
NCWGは場をつくる会なので今回の講演も、前回の会合でお話いただいた阿部さんからのご縁で講演いただくことになりました。
阿部さんへの講演依頼も、実行委員のNTTスマートコネクトの宮崎さんが、以前、阿部さんの講演を聞いたことから、NCWG会合への講師としてどうですか?とのお話から始まっています。
高山さんの宇宙ビジネスコートさんではセミナーも行っており、そのセミナーにはNCWGメンバーも参加させていただきました。
このように他団体との交流からいろいろと相乗効果も上げていきたいです。
昨年に続いて今年も大阪の会場をご提供いただいたGMOクラウドの
皆様ありがとうございました。
大変感謝しています。
この後は懇親会の第2部がございますので交流を深めていただければと思います。
これからも日本のクラウドビジネスのパイを少しでも広げられるような
活動を行って行きますので是非とも活動に参加してください。
よろしくお願いいたします。
7.懇親会
懇親会についても大いに盛り上がり、メンバー・ご協賛の方々との積極的な交流を図ることができました。
ご参加された皆さん、お疲れ様でした。
【NCWG実行委員 報告書作成者】
井口 和彦(株式会社ドヴァ)
鈴木 淳史(株式会社オープンウェーブ)
第50回ニッポンクラウドワーキンググループ会合報告
今回の会合は「宇宙ビジネスから見るクラウドビジネスの有用性!」をテーマに、
ゲスト講演では宇宙ビジネスコーディネーターの阿部さんにご講演いただき、
ニッポンクラウドワーキンググループ第50回会合を開催いたしました。
今回の会合はスリーハンズ株式会社さんに会場をご提供いただき、活気ある会合と
なりました。ありがとうございました。
【日 時】2018年4月13日(金)17:00~19:00
【会 場】山王パークタワー 26F セミナールーム(スリーハンズ株式会社提供)
【参加者】メンバー、協賛各社および関係者の方々を含めて50名以上
ゲスト講演では宇宙ビジネスコーディネーターの阿部さんより衛星データビジネスに
ついて構造や現在の世界の動向も含め、わかりやすくお話いただきました。
スリーハンズ株式会社からのご紹介では、自社商品「3botソリューション」について、
導入事例を交えてご紹介いただきました。
お二方から貴重なお話をしていただき、有意義な会となりました。
ありがとうございました。
【司会者のご紹介】
実行委員 鈴木 淳史(株式会社オープンウェーブ)
皆様本日は第50回ニッポンクラウドワーキンググループにお集まりいただきありがとうございます。
おかげさまで今回の会合で50回を数えることができましたが、これも皆様に支えて頂いているからこそやってこれたのだと感じています。
また、今回会場をご提供頂きましたスリーハンズさんありがとうございます。
今回の会合テーマは『宇宙ビジネスから見るクラウドビジネスの有用性!』ということでゲスト講演では宇宙ビジネスコートの阿部さんにご講演いただきます。
宇宙ビジネスと聞いてみなさんどのようにイメージされてますか?
たぶんスペースX社のイーロン・マスクや日本でいうとホリエモンなど、ロケットを打ち上げるということをまず思い浮かべるのではないでしょうか。もしかして「我々には関係ないんじゃないかな?」と思っていらっしゃるかもしれませんが、今回はロケットを使って打ち上げた衛星から得たデータを使って新しい価値を創造する、新しいクラウドビジネスを作るという方向の内容となっています。
我々がロケットを打ち上げようとしてもとてもハードルが高いですが、データを活用するということであれば、もはや我々の土俵だと思っていますので、是非、今回の講演を聞いてみなさんのクラウドビジネスの何らかのきっかけを掴んで頂けたらと思います。
話は変わりますが、来月5月の会合はお休みになりまして、6/8に大阪で会合を開催します。
大阪会合でも『宇宙ビジネス』をテーマにしておりまして、本日ご講演いただく宇宙ビジネスコートの運営母体でもある宇宙システム開発利用推進機構さんにご登壇いただいて、さらに、宇宙ビジネス、衛星データの活用というところを深堀りしていきますので、みなさん6/8の大阪会合に是非ご参加いただければと思います。
「Beyond the Clouds! ~ ムスビ(結)で、実を拡げる! ~」
ということで本日もみなさまのビジネスを拡げるきっかけになればと思っておりますのでよろしくお願いいたします。
2.部会報告
本日いらっしゃる方はサムライクラウド部会についてすでにご存じの方も多いとは思いますが、SAMLのSSOというフレーズを2011年から何度も言い続けてきました。
今やSAMLでSSOを行うのは当たり前になっています。Google Apps、Salesforce、例えば国内ですと学術認証フェデレーション(学認)など様々な所で使われています。
いよいよアプリケーションがマッシュアップされる土俵が整ってきたという段階です。
ここでSAMLをコアに据えながらアプリケーションの横串の連携というのを進めている部会です。
CBAさんとの連携部会を中心に活動させていただいていますが、アプリケーションに紐づくものというのは色々みており、現状でもIoTひとつとってもセキュリティはどうなっているのか、AIに関するセキュリティとはどのようなものなのか、などアプリケーションと紐づくものとしては避けては通れないものになっています。
IoTに関して言えば個体がどのように認証されるのか、そこにSAMLが使われる可能性もあるかと思いますし、あるいは別のものが使われるかもしれません。
このようなことを普段議論する機会が少ないですが、そういった議論も行っている部会です。
今後の予定ですが、アプリケーションのインフラに関しては参加している各社さんが興味がある部分ですので、DockerやHashiCorp社のConsul、前回の会合で新藤さんにお話を伺ったRancherなどの基盤を使いつつ、SSOの効果測定やアプリケーションをマッシュアップする方法などを議論していきます。
次回は4/25 15時から「KITTE」JPタワーのネットワンシステムズさんの会議室をお借りして行いますので、興味がある方はお声がけください。
今年度のクラウドアプリケーション部会ではAIについて活動しています。
第15回はスターティアさんの会議室をお借りして、今期のAIというテーマの進め方について認識合わせを行いました。
参加した9名の中でAIを触ったことがあるメンバーは1名だけでしたが、次回以降の部会でどういったことをしていくのかを決めました。
計画としてはIoTのデータをAIを利用して活用するというところで、IoTのデータとの連携、プラットフォームの調査、アプリケーションの開発を予定しています。
次回第16回(5/31)では、AIの数学的な部分、例えば画像をAIに認識させるにしても縦の画像を学習させるだけではなく、回転させた横の画像も学習させて認識率を上げるためには数学的な考え方が必要となるようでそういった内容について研究します。
もうひとつはSonyのNeural Network Consoleというものがあり、GUIで簡単にAIを使えるというソフトがありますので、それを動かしてみるということを行います。
第17回(7/31)は各自のPCにNeural Network Consoleなどの実行環境を準備してもらい花粉の飛ぶ量を予測するとか地震の予測や天気予報などが行えるかを試してみます。
第18回(9/30)にはこれらの内容をまとめて、活かしていきたいと考えています。
次回は5/31を予定していますので是非ご参加をお待ちしております。
今期は「Claud Fast! 日本のクラウドビジネスを加速させる!」といったスローガンのもと、部会の活動を通してビジネスモデルとしての「サムライクラウド」、つまり日本から発信するクラウドビジネスモデルというものが次々と生み出されるような状況を目指して活動しています。
具体的な活動としては、書籍を教材として勉強会を開催しております。
前期は「アントレプレナーの教科書」を教材として取り上げましたが、今期は宮本武蔵の「五輪書」を教材として勉強会を行っております。
ご存知のように五輪書は、地の巻・水の巻・火の巻・風の巻・空の巻という5巻から成りますが、五輪とは仏教でいうところの万物の構成要素です。
つまり五輪書には宮本武蔵のすべてが詰まっており、五輪書を読み解くことにより、無敗と謳われた宮本武蔵同様、その戦術論のクラウドビジネスアナロジーを意識することで、「負けないクラウドビジネス」を考えていこうという方針です。
次回の部会は、5/17(木)にアルティネットさんに会場をお借りして、火の巻を取り上げて勉強会を行います。
前回は剣の振り方や心構えのような基礎となる「技術」についての水の巻を取り上げましたが、次回扱う火の巻は敵に勝つための状況をどのように
作るかというような「戦術」についての書であり、そうした内容からクラウドビジネスにおける戦術のヒントを探っていこうという点が狙いです。
当日は会場をご提供いただくアルティネットの宮原さんにも、クラウドビジネスのアナロジーについて発表頂く予定ですので、ぜひ部会へのご参加をお待ちしております。
NCWGでは、4人の理事がそれぞれ部会長を務める4つの部会の活動を行っており、ほかの3部会については、比較的技術的な側面が強い部分がありますが、クラウドサービス部会は、技術ではなくサービスの側面からクラウドについて考えるという主旨で活動を行っています。
初めに、サービス視点でのクラウドコンピューティングとは一体何かということを考え、「インターネットを介して利用する経済的な価値提供機能」と本部会では定義しています。
その上で、部会を進めるにあたり、セオドア・レベットの「ホールプロダクト」という概念に当てはめて、クラウドサービスを検討していこうということが基本的な方針です。
「ホールプロダクト」とは、メインとなるコアプロダクトを補完するプロダクトが存在し、それによって如何に使いやすいサービスを提供するか、というプロセスに関するものです。
本部会では、更に補完プロダクト同士をつなげることで、サービスのためのサービス、すなわちサービスのメタ化ができると利用者にも使いやすい有効なサービスを作り上げれるのではないかという考え(Service as a Service)のもと、さまざまな事例を取り上げながら検討を行っています。
さらによりメタサービスの考え方を深める為に、生物学をアナロジーにサービス・プロダクト群としての「メタサービス」を検討してみました。
自然界には「超個体」と呼ばれる限定的な知能と情報しか持たない個体が多数集まって、個体の能力を超えた大きなものを成す(昆虫やサンゴのコロニーetc…)という考え方があり、異種個体の集団を「超個体」とみなすこともあります。
そこで我々の扱うプロダクトやサービスも複数の限定的なものが集まって、「超個体」化できるのではないか、それが即ちメタサービス的に見立てることができるのではないかと考えています。
ただし、捕食者から逃れるためだけに集まっている魚のゴンズイ玉的な形態は、メタサービスにはなり得ないと考えています。
ゴンズイ玉型ではないサービス・プロダクト群としての「メタサービス」としては、どのように組み上げあらるのかというようなことをいろいろと検討しながら、ゆくゆくは学界などのアカデミックな場での発表など、視野に入れて活動を行っています。
また、クラウドサービス部会では、毎回テーマごとに完結するように部会を開催しているので前回参加していないから分からない、ということは無い様にしています。
ちなみに次回の部会では、「はじめての暗渠散歩」「街角図鑑」などの著作をお持ちのスリーハンズの三土さんに「Beyond the Clauds !」の視点からお話しいただく予定ですが、内容的には、IoTビジネスへの発展ネタと考えているので、大変楽しみです。
クラウドビジネス推進部会とも共同開催で行っておりますので、ぜひ積極的にご参加いただければと思います。
3.ゲスト講演:
宇宙ビジネスコート 宇宙ビジネスコーディネーター 阿部 聖史 氏
テーマ:『衛星データビジネスへのお誘い』
初めに自己紹介をさせていただきます。
私は宇宙ビジネスコートというプロジェクトと富士通の方でお仕事をさせて頂いております。
大学卒業後はニフティに入社し10年ほどWEBアプリケーションのエンジニアとしてオンラインストレージやレンタルサーバのような現在でいうクラウドの前の時代にあたるサービスを担当していました。その後は商品企画や営業企画を経て、現在は事業企画のようなことを中心に行っており、その中の人工衛星データを活用した事業開発を担当しています。
<IT業界の巨人たちも宇宙に夢中!>
今、宇宙ビジネスが熱い状況になっています。「IT業界の巨人達も宇宙に夢中!」ということで、例えばAmazonのジェフ・ベゾスさんが航空宇宙企業Blue Originを設立し、現在宇宙に行くためにロシアのソユーズでは20億円ほどかかるところを民間資本で大幅に旅行費用を下げようというプロジェクトを進めています。
また、PayPalやテスラのイーロン・マスクはスペースXを設立して、NASAから国際宇宙ステーションへの物資の補給サービスを落札し、打ち上げの効率化を進めていて、100億、200億円かかる打ち上げ費用を再利用などで、どんどん下げるプロジェクトを行っています。
日本では孫 正義さんがOneWebという衛星通信企業に10億円ほど出資されており離島や山奥に通信回線を引くのは非常にコストがかかるのですが、衛星で地球全体を覆ってしまえば、それよりはるかに低いコストで通信が実現できるようになり、2020年代以降、有線ではなく衛星での通信がスタンダートになっていくと言われています。
<今、宇宙業界で何が起きているか?>
今宇宙業界では大幅な技術革新が起きています。
・衛星の小型化(キューブサット)
もともとはバスくらいの大きさの衛星を飛ばすことが多かったのですが複雑な情報をとる場合を除き、今はCubeSatという箱型の数kg程度の衛星を簡単に作れるようになっています。
・打ち上げの効率化(再利用、ピギーバック)
イーロン・マスクが進めているロケットの再利用やピギーバックといった大型のロケットの隙間に小型の衛星を搭載して1回ので複数の衛星を打ち上げるような効率化も始まっています。
・衛星の情報取得頻度増(コンステレーション)
衛星自体の数自体も増えていますが、それとは別にコンステレーションという衛星同士で連携して衛星からの撮影頻度を増やすという技術が出来上がっています。
衛星は静止軌道以外はその場に止まっていられないので、同じ地点を毎日決まった時間に撮影するといったことができません。同じ目的をもった複数の衛星を用意して、例えば今日は衛星1が日本の上空で写真を撮り、その後流れて行ってしまいますが、次の日は衛星2が日本の上空にくるので衛星2が写真を撮るといった技術が出来上がってきています。
・コストダウン
今まで紹介した技術革新に伴ってコストダウンが進みまして、宇宙産業といえばひと昔前までは三菱さん、NECさんとか富士通の宇宙部門などごく一部のITゼネコンのようなところしか参入できなかったのですが、だんだんその参入障壁が下がってきていてITベンチャーでも参入する人が徐々に出てきています。
<EOデータビジネス>
宇宙ビジネスのハードウェアはまだハードルが高いのですが、比較的参入しやすいビジネスとして、人工衛星が獲得したデータをつかってソリューションを提供するといったビジネスであればそれほどハードルは高くありません。
人工衛星は大きく分けて通信衛星(衛星放送など)、測位衛星(GPSなど)、地球観測衛星(ひまわりなど)の3つがあります。
EOデータビジネスのEOとは地球観測を指していますが、この衛星が光学センサー、レーダーなどで取得したデータを使って、ビジネスを加速させたり、まったく新しいビジネスを生み出すことができます。
例えば、畑の作物の生育状況ですとか、海域の不審船監視、建造物の老朽化状況のモニタリングなどを衛星からみることができます。
最近はドローンを使うこともあります。ただし、ドローンでは数時間ほどしか電池が持たないため、限られた範囲でしか見ることができませんが、衛星は一度打ち上ると太陽光で発電しながら長期間観測できます。
逆に、衛星軌道上から撮影していることもあり、ドローンなど比べると解像度が荒くなってしまいます。
地上と衛星からの観測の良いとこどりをして情報を撮っていく使い方が行われていますが衛星の解像度や観測頻度は年々向上していて2020年代には数時間に一度は同一地点を撮影できるようになると言われています。
<EOサービスの基本構造>
アプリケーション層:APIを使ってデータを引き出し、色々なソリューションに適用
↑
プロセス層 :構造化されたデータをクラウドプラットフォームに乗せ、APIを提供
↑
プラットフォーム層:RAWデータから一次加工して構造化され扱いやすくなったデータ
↑
リソース層 :衛星が取得するRAWデータ
クラウド事業者とってビッグデータの提供元として(プロセス層)、アプリケーション事業者はビッグデータを使ったアプリケーションビジネス(アプリケーション層)に参入する機会がこれから広がっていくといった状況です。
<欧米の状況>
衛星データのクラウドへの搭載は日本より欧米の方が先行しています。
アメリカではNOAAという海洋大気庁が中心になり、AmazonやGoogle、Microsoft、IBMといったIT企業が衛星データをクラウドに載せたプラットフォームの開発を進めていてEUではCopernicusという衛星データのプラットフォーム開発のプロジェクトを進めています。
衛星データは数ペタ、数十ペタのデータ量になるため、一企業だけでプラットフォームを作ることは難しいので、政府と大手IT企業がプラットフォームを準備し、負担のかからない金額でITベンチャーに利用してもらい、新しいビジネスから経済効果をあげるという取り組みを進めている状況です。
昨年、イタリアで開催された欧州宇宙機関のカンファレンスを見てきましたが、EOデータの有効利用には HPCリソース、標準化されたEOデータを含むジオデータセットこれらを使う開発ツールのクラウド提供が必須であるという共通認識でした。
使いやすい環境をサクサク動かせる環境が必要ということですね。
第一セッションでは欧州宇宙機関の関係者が政府側としての課題提起、主にどういった衛星であれば使いたいのかや基本のデータプラットフォームの運用上の課題などを話を展開していました。
第二セッションではサイエンスクラウドユーザー(研究機関)からの課題提起、EU各国間の研究成果の共用の際の課題を中心に展開されていました。
第三セッションでクラウド事業者からの課題提起でした。主に投資と回収であり最初にコンピューティングリソースの準備が必要になるので、それを活用したビジネスが進行していくまでに、かなりの持ち出しが必要になりますが、政府に対してもう少し補助が必要だとか、もう少し産業振興を頑張ってほしいとかいう話がでていました。
<日欧比較>
欧州はすでに組織的に取り組んでいて、予算も投入して産学官の連携を進めることで欧州全体で利用促進をしていますが、日本の省庁は縦割りになっていることもあり、利活用は一部に留まっています。
文科省、総務省、経産省など衛星に関わる省が分かれてしまっていて、それぞれが利用促進を進めており、意思決定や運用が集約されないといった問題があります。
例えば、衛星データとしても日本は継続的なプロダクトが少ないですが、欧州では10年、20年といった期間で統一のプラットフォームで提供し続ける保証をしています。
人口衛星の寿命は数年~十数年で終わってしまいますが、その後に新しい衛星が飛ばされないとその衛星のデータを基盤にしたビジネスが継続できないので、なかなか
投資できないということになりますが、その点を欧州は政府が保証し、安心して事業展開できるようにするといったことをしてくれています。
政府調達の部分も欧州が進んでいます。例えば航空業界でいえば土地の確保や自立するまでの郵送に対して政府が優先的に発注するなどの参入しやすいように取り組みがありましたが、そのような動きが宇宙ビジネスにも必要だと言われています。
ここ数年日本も「宇宙産業ビジョン2030」というのが去年策定されましたが、宇宙データの活用が重要と認識されており、1000億円のリスクマネーをベンチャー育成の為に投入されることが宣言されています。
<EOデータ活用事例>
事例1 農業:
・お米の食味向上(日本)
お米の食味を向上させた成功例です。青森の青天の霹靂というお米がありますがそれまで青森ではブランド米がなかったのですが、お米はたんぱく量が増えると硬くなって食味が落ちてしまいますが、たんぱく量は稲穂の色づき具合で分かるので、衛星の光学センサー刈入れ時期を判断し、品質の良いお米が安定してとれるようになりました。
・コーヒー農園「さび病」の早期発見(イギリス)
農園は広く、どの樹木が病気にかかっているかをリアルタイムで把握するのは難しいのですが衛星からの観察した情報を写専門家に診断・アドバイスを受けることで通常終息までに10年など長期間かかるものを2、3年などの短い期間で終息させることができるようになっています。
事例2 投資:
・駐車場の混雑情報を小売業績予測に活用(アメリカ)
ウォルマートの駐車場を衛星で監視することで、車の出入りがわかり売上データを発表する前に売り上げの予想がついてしまいます。その情報を投資筋に売るというビジネスがあります。
・世界の石油備蓄量データを投資に活用
石油タンクの内蓋は石油が減ってくると下がってきます。内蓋が下がることでできる影のでき方で、そのエリアの石油備蓄量を衛星データから観察できます。このデータから特定経済圏の石油備蓄量を計算することができます。
事例3 環境:
・砕氷船の航路選択に活用(フィンランド)
北欧は冬になると海が凍ってしまうのですが、貨物船が海を通るために砕氷活動をしなければならなくなりますが、衛星から氷の状況を観察とどの部分の氷が厚く、どの部分が薄いかを判断することができるので、目的地にまっすぐ進むよりも氷が薄いところを通った方が燃費がよくなりこれで年間数十億円というレベルで費用が違うそうです。
・水質モニタリングサービス(ドイツ)
衛星画像を解析すると海水の濁度、クロロフィル濃度が分析できるそうでこのように衛星上から行うことでコストが低くなったり、実際に人が行ってモニタリングする場合の健康被害を軽減できる効果があります。
このように社会課題など多岐にわたりますので、まだ誰も思いついていないような使い方があると思っていますし、使用する技術もそれほど難しくありません。
オープンソースのMapServerやPostgreSQLのプラグインのPostGISを使えば位置情報サービスが作れますし、各種ライブラリもありますのでプログラミングもPHPなどのスクリプト言語で、あくまで入門するには、ということですが簡単に利用することができます。
その先の社会課題と結び付けてどうやってソリューションにしていくかというところが大変だと思います。
ただ、今まで資本や技術がないと話にならなかったというところが、これからはまず発想が試される時代になってきていて、これまで見ることができなかった情報が衛星を使うことで見ることができる、これまでは見るためにコストが大きすぎてビジネスで使えなかったものが安価に高頻度で観測できるようになってきています。
ここからどのようなサービスが生み出せるかが今後クラウド上展開されていくと言われており、すでに提供している会社さんも一部ですがいます。
<宇宙ビジネスコートについて>
宇宙システム開発利用推進機構さんが運営しており、宇宙ビジネスの事業化をサポートするプロジェクトです。
産業振興活動の一環で行っていますので、一部有料のものもありますが無償で情報提供できる部分も多くあります。
例えば、共同研修プログラム、宇宙事業関係者の紹介など色々サポートさせて頂いています。特に今回お話させていただいた衛星データビジネスへの参入の相談などをお待ちしていますので、ご興味をお持ちいただいた方は是非お問い合わせ頂ければと思います。
直近ですと、5/7 に衛星データの基本的な加工に仕方、その為のソフトウェアの扱い方、それを使ったワークショップを開催します。
宇宙ビジネスコードのサイトの問い合わせフォームから無料でご案内できますのでご都合がつく方は是非実際に衛星データを触って、ビジネスに使えそうかどうかを試していただければと思います。
[質疑応答]
Q1:
エージェント自体がハングなどの障害に陥った場合を想定した対策は講じられていますか。
A1:
一定時間エージェントからの通信が無い場合、サーバがユーザに通知を行うようになっています。
Q2:
AIのエンジンの選定にに関してお話いただける事があれば教えてください。
A2:
あまりAIに関する知見がなく、これから勉強するところも多いのですがパートナー企業のアイズ・ファクトリーさんにご協力をいただいて、今後進めていく予定でおります。
Q3:
IoTにおけるエージェントのインストール先となる端末は、Raspberry PiやArduinoのようなものを想定されていますか。
また、それに対するエージェントのインストールは何か特別な作業が必要になるでしょうか。
A3:
おっしゃる通りRaspberry PiやArduinoを使うことになるとは思いますが、そのままは入らないので現状はそれらに Cent OS を入れて、その上にインストールする形で検証しています。
Q4:
Docker のようなコンテナ環境の監視についてはどのように行われることを想定しているのでしょうか。
A4:
Docker のような環境で実際に動くのはアプリケーションだと思いますので、それらがサービスとして稼働していることを監視する仕組みを想定しています。
そのため、必ずしもコンテナの中にエージェントが存在する必要はないかと考えています。
4.スリーハンズ株式会社からの各種ご紹介
スリーハンズ株式会社 取締役 最高開発責任者 三土 辰郎 氏
『運用自動化サービス「3botソリューション」のご紹介』
本日はソリューションのご紹介に入る前に私共について簡単にご紹介させていただきます。
スリーハンズ株式会社は2000年に設立致しまして、所在地は本日の会場であります山王パークタワーの3階にございます。
普段は地上に近いところにおりますので、たまに本日の会場の様に高層階に参りますと首相官邸がよく見えるなぁ、などと思っております。
事業内容としては、マネージドクラウドの提供が主たるものですがその他お客様に合わせたソリューションの提供や、近頃はデザインや企画といったクリエイティブ事業も行っております。
続いて、私自身のご紹介も少しさせていただきます。
プログラムを行う傍ら、週末は物書きなんかもやっておりまして、街角にあるもの(三角コーンや信号機etc…)を集めて紹介する本を出したりしています。
また、最近のトピックとしては、プログラミング言語対抗綱引きというものにPHP代表として参加しまして、Javaと戦ったんですが残念ながら1回戦で負けてしまいました。
さて、それでは本日のメインテーマに移りたいと思います。
昨年、私共の代表の手塚がここで少しお話させていただきましたが、弊社の主たる事業であるフルマネージドサービスは非常にやることが多く、それをなるべく自動化したいというところから始まっております。
例えばやることとしては、まず最初にヒアリングをしてコンサルティングする事をはじめ、データセンターの選定やインフラを含めた構築、運用が始まってからは監視を行ったり、障害発生時には切り分けや復旧対応を行うなど多くの作業があります。
それらを見直してみると、現状自動化できている部分もありますが、それを増やしてできる限り自動化していきたいというコンセプトです。
そういったことをロボットに任せてしまおう、ということで生まれたのが「3bot」です。4月にリリース致しました。
形態としては、SaaSではなく個別の案件ベースでソリューションとしてのご提供を想定しております。
なお、私共の名付け方は非常に安直で、スリーハンズなのでスリーボット、という名称になりました。
ちなみに社名も、私三土の「三」と手塚の「手」からきております。
では、「3bot」は一体どんなことをしてくれるのか、という点ですが、大まかな内容としては、運用対象の自動調査、通知とアクション、ダッシュボード機能の提供です。
まず仕組みとしては、ノード(監視する対象)にエージェントをインストールし、様々な監視情報をエージェントがサーバに定期的に送信するプッシュ型になっています。
エージェントの設定はリポジトリ上にあり、エージェント自身のアップデートやプラグインのデプロイなどは、リポジトリから自動で行われる仕組みになっています。
なお、監視対象をノードと呼ぶのは、サーバ以外にも様々な対象を監視することを想定して、広い意味を持たせるためにこのように呼称しています。
お客様は、サーバから各種通知を受け取ったり、サーバのダッシュボードからノードの稼働状況や負荷などを確認することができます。
現状できることととしては、まず複数のサーバ群を一括で監視・管理できます。
また、エージェントが自動アクションとしてサービスの再起動などを行うこともできるという点は、他の類似サービスとは一線を画するのではないかと思います。
ここはマネージドサービスを提供する弊社ならではの発想かと思っております。
また、監視の設定として一風変わっている点があり、カスケード風の設定が可能であるというところがあります。
例えば、下記のように階層的に条件付けを行うことが出来ます。
1)全ホストについては、CPU使用率が90%だったら○○に通知。
2) “1)”のうち、Aグループについては80%以上なら△△に通知。
3) “1)”のうち特定のBというノードについては、70%以上なら□□に通知。
続いては、今後やっていきたいと考えていることについてお話します。
まずはエージェントの収集情報の追加です。
エージェントをインストールすると、自動でノードの情報を収集しますが、現状は、OSレベルの情報やハードウェアの情報、稼働しているサービスはどのようなものがあるか、などの情報を収集し、定期的にそれらの情報をサーバに送信します。
ここに現在手動で調べていることも自動でエージェントに情報を収集させたいと考えています。例えば以下のような情報です。
・どんなWEBサイトを提供しているか
・どんなSSL証明書がインストールされているか
・WordPress のセキュリティパッチが適用されているか
・セキュリティ上問題のあるディレクトリが存在しないか
また、自動での異常検知の仕組みも検討しています。
過去のパターンから異常になっている可能性がある、ということをエージェントが自動で判断して、通知やアクションを行うことが出来るということです。
例えば、温度センサーの管理などをしている場合、これまでの温度の推移から今日の温度は異常と考えられるので、管理者へメールで通知する、といったような具合です。
更に予兆検知、これは障害を事前に予測するということですが、例えばメモリーリークの様に単調に微増するメモリ消費などからメモリ枯渇の予兆を検知して通知するといったことです。
そのほか、既存のダッシュボードや通知以外にもエージェントが収集した情報を連携できるようにAPIの対応を進めたり、/etc のようにログや設定ファイル群が置かれているであろうディレクトリを自動保存して、履歴管理できるようにすることで問題発生時の追跡を容易にするといった機能も追加したいと考えています。
また、これからやりたいと考えている構想として、害獣用のワナに対して監視を行い、獲物がかかっているワナを農家や猟師の方に通知する、といったことが出来れば便利で面白いのではないかと思っています。
エージェントをどうやってワナにインストールするのか、電源はどうするのかなどはこれから考える部分もありますが、そのようなことも視野に入れております。
こうした内容についていつまでやるのか、というお話ですが、まず狩猟ワナにエージェントを入れるというような構想について実は着々と進めており、今年6月からはそういったものを想定したIoTの実証実験を行います。
また、夏までにこれまでお話ししたような新機能を続々とリリースする予定です。
異常検知と予兆検知を行う「AI監視サービス」を今年中にはリリースしたいと考えております。
以上、ご紹介させていただきました「3bot」ですが、ソリューションとしての提供となりますので、まずはお気軽にお問い合わせ・ご相談いただければと思いますので、よろしくお願い致します。
本日はありがとうございました。
[質疑応答]
Q1:
エージェント自体がハングなどの障害に陥った場合を想定した対策は講じられていますか。
A1:
一定時間エージェントからの通信が無い場合、サーバがユーザに通知を行うようになっています。
Q2:
AIのエンジンの選定にに関してお話いただける事があれば教えてください。
A2:
あまりAIに関する知見がなく、これから勉強するところも多いのですがパートナー企業のアイズ・ファクトリーさんにご協力をいただいて、
今後進めていく予定でおります。
Q3:
IoTにおけるエージェントのインストール先となる端末は、Raspberry PiやArduinoのようなものを想定されていますか。
また、それに対するエージェントのインストールは何か特別な作業が必要になるでしょうか。
A3:
おっしゃる通りRaspberry PiやArduinoを使うことになるとは思いますが、そのままは入らないので現状はそれらに Cent OS を入れて、その上にインストールする形で検証しています。
Q4:
Docker のようなコンテナ環境の監視についてはどのように行われることを想定しているのでしょうか。
A4:
Docker のような環境で実際に動くのはアプリケーションだと思いますので、それらがサービスとして稼働していることを監視する仕組みを想定しています。
そのため、必ずしもコンテナの中にエージェントが存在する必要はないかと考えています。
皆さん、お疲れさまでした。
まずは、阿部さん本日はありがとうございました。
本日は宇宙ビジネスコートの阿部さんということでご講演いただきましたが、阿部さんは、富士通クラウドテクノロジーズの社員でいらっしゃいます。
そして、富士通クラウドテクノロジーズさんには、ニッポンクラウドの前身の会が8年前にスタートした時からご支援をいただいているので、今回、NTTスマートコネクトの宮崎さんから、クラウドと宇宙ビジネスについてお話しいただきたい方がいるということでご紹介いただき、阿部さんにご講演いただきましたが、いろいろな「人のご縁」が会の推進力になっているんだと強く感じています。
また、スリーハンズさんには毎年この時期に会場をご提供いただき大変感謝しています。
お陰様で、この7年間で会合も50回目となりました。
ありがとうございました。
本日は、EOデータやそれを活用した宇宙ビジネスに関するお話でしたが、実は6月の大阪会合でも一般財団法人宇宙システム開発利用推進機構さんに衛星データについてのお話をいただけることになっています。
コペルニクスのデータの提供など、ビジネス推進にいろいろと取り組まれているようで、無償のデータ提供なども行われているそうです。
個人的には、これまで衛星データの利活用は、ハードルが高い分野と感じていましたが、本日の阿部さんのお話や次回ご講演いただく関係者の方々とお話するにつれ、どうもそうではないなと思っています。衛星データの利用について、知らないと言うことがハードルを上げていたということだと思います。
むしろ、データ利用のハードルが下がれば、今後大手事業者が参入を始める前に、自社に既に持っているアプリケーションやビジネスの仕組を衛星データ用に利用用途のコンテクスト転換することで、新たな仕組みのビジネスモデルが、低コストに短期間で実現できるのではと考えています。そのためにも衛星データの無償利用は、かなり有効な要素だと言えます。
まだまだ、これから6月の大阪会合や秋以降の活動でも宇宙ビジネスについて深堀していきたいと考えていますので、是非とも引き続きご参加下さい。
最後に、Beyond the Cloudsの会のスローガンをお経のように唱えていますが、趣旨としては、クラウド自体は、道具なので道具を最終的な目的とはせず、道具を使ったその先のものを掴むようにすれば、自然にクラウドは使われちゃうのではないかとの意味合いから今年度も「Beyond the Clouds」 というスローガンを掲げています。
なので、こうした会合などの場を利用してどんどんクラウドビジネスの実例を会の皆さんのつながりから作り出していただき、日本から発出するクラウドビジネスモデル(サムライクラウド)が、どんどん生まれてくることを大変期待しています。
今後ともよろしくお願致します。
本日はどうもありがとうございました。
6.懇親会
懇親会も大いに盛り上がり、メンバー・ご協賛の方々との積極的な交流を図ることが
できました。
非常に有意義な懇親会となりました。ご参加された皆さん、ありがとうございました。
【NCWG実行委員 報告書作成者】
横手 広樹(株式会社クリエイトラボ)
内田 龍(株式会社クリエイトラボ)
大澤 武史(株式会社クリエイトラボ)