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第78回ニッポンクラウドワーキンググループ会合報告

『サムライクラウド部会発表』をテーマに、ニッポンクラウドワーキンググループ第78回会合を、リアルとオンラインのハイブリッドにて開催いたしました。
今回の会合は、関東ITソフトウェア健康保険組合 市ヶ谷健保会館にて、多くの方々にご参加いただき活気ある会合となりました。

テーマ:『サムライクラウド部会発表』
日 時:2025年6月11日(水)17:00~19:00
             懇親会 19:30~21:30
場 所:関東ITソフトウェア健康保険組合 市ヶ谷健保会館 F室
    東京都新宿区市谷仲之町4-39
    および、オンライン(Zoom)

【司会者のご紹介】
司会 NCWG副会長 野元 恒志

1.開催のご挨拶 
副会長 藤田 浩之

本日は第78回会合にご参加いただき、ありがとうございます。
本日のテーマはサムライクラウド部会発表です。
コンテンツは2つで、1つ目は「Zero Trust Architecture その後」についてコンピュートの福原さんから発表いただきます。福原さんからの発表は今回で3回目です。
2つ目は「AI Agentに必要な最後のピースとは?~AGIに必要なもの~」と題してテッキーズポッドの戌亥さんから発表いただきます。
さらに本日はグランドセイコー見学会に参加された小堀会長から「ものづくり視点のクラウド グランドセイコーの見学会」についてお話しいただきます。

NCWGが目指す「サブライクラウド」は、クラウド上での国産アプリケーションの連携のための技術的およびビジネス的な交流を積極的に行うことで、日本から発信できるアプリケーションプラットフォームを作り上げ、それを推進力に日本のクラウドビジネスを拡大するという側面と、ID、UI、データの三位一体連携によるプラットフォームを実現することで、利用者にとってシームレスなクラウド環境を提供するという2つの側面があります。

本日の会合は、その「サムライクラウド」を技術的なアプローチで進めているサムライクラウド部会の発表をテーマにしていますので、最後までどうぞよろしくお願いします。

2.部会報告

クラウドビジネス推進部
部会長 藤田 浩之

前回は5月19日に実施し、生成AIをどのように活用したいかについて参加者全員でブレインストーミングを実施しました。
その中で挙がったトピックとしては、
・感情分析に活用する
・WiKiなどの情報を勝手にまとめてくれる
・社内外の打ち合わせなどのスケジュールを調整してくれる
という3つが挙がりました。
次回もAIに関するブレインストーミングを実施してより深掘りしたいと思いますので、ご興味がある方はぜひご参加ください。

サムライクラウド部会
部会長 野元 恒志

サムライクラウド部会ではゼロトラストや生成AIなどの主にテクノロジーに寄った話をしていますが、本日はその中からZero TrustとAIについて福原さんと戌亥さんから非常に興味深い発表をしていただきます。
次回の部会は7月下旬を予定しています。

3.サムライクラウド部会発表

NCWG参画企業の若手からの発表

発表1:「Zero Trust Architecture その後(3回目)」
株式会社コンピュート
取締役 福原 英之 氏

Zero Trustについて毎年お話ししてきましたが、今年は何処がどう変わったかをお話ししたいと思います。

まずはゼロトラストの背景は次の4つです。
境界防御の崩壊
SOAの成熟
認証技術(AAA)の普及
クラウドサービスの普及

ゼロトラストとは
米国NISTが2020年8月に提示した「信用しません、常に検証します」という概念です。

ZTAの基本概念としては、
リソースの閉域化
PEPの配置
PDPの配置
などがあります。

米国政府の動向について
2020~2022年は、具体的な技術に落とし込めていないので現在各ベンダーがロビー活動を展開
2023年のNIST、CISA、DoD、NSA、CDO協議会/CISO協議会などの動向について

結果と現状
米国連邦政府の主要24機関で達成できたと発表された

7つのピラー(デバイス、ネットワーク、クラウド、アイデンティティ、ワークロード、可視化と分析、自動化)について福原さんによる超要約を紹介

まとめ
Zero Trustのための前提(システム化以前にしなければならないこと)、Zero Trustのためのシステムの実装について

質疑応答

レイコム吉見さん
Q:米国はトランプ政権になって今後セキュリティについてどう進むか?
A:経済戦争に直面している米国はセキュリティについては予算削減どころか、より積極的に取り組むでしょう
Q:日本国内の中小企業経営者にセキュリティについて理解してもらうには?
A:一概には言えない、ケースバイケースでしょう

ドヴァ放生さん
Q:認証規格はまだありませんか?
A:その通りで、まだできていなません

発表2:「AI Agentに必要な最後のピースとは?〜 AGIに必要なもの 〜」

株式会社テッキーズポッド
代表 戌亥 稔 氏

まず、今のAIモデルがどんな力を持っているのか?

●AIには人間の脳に似た2つのモードがある
①ファースト(System1)
 直感的思考(深層学習LLM)
②スロー(System2)
 論理的・じっくり考える(強化学習を使う場合が多い)

この二つの思考に至るAIを加速させた主な出来事

2012年 

ILSVRCのコンペティションに出されたCNNベースのAlex Net(画像認識)が、大幅な精度向上を達成し、誤り率が極端に下がるということが起きた。
そこでわかったこと。
・ニューラルネットワークのパラメータは増える程賢くなる。
・ニューラルネットワークは学習コストがかかる。

2016年

STEMモデル(強化学習)がブレイクスルー
コンピュータ囲碁が日本人チャンピオンを負かした。

2017年

トランスフォーマモデルの登場
それまでも言語モデルはあったが、Googleが発表した言語モデル「Transformer」で人間と普通に会話ができるようになってきた。

この2つのAI思考(ファースト/スロー)は自動運転車にも応用されている
 DNN、Thinking、Attention機構の応用
 Waymoでレーダーとカメラを用いた自動運転タクシーの開発を行っている
 ※ちなみに、イーロンマスクはカメラだけで自動運転を実現しようと頑張っている

●AIの学習方法についても様々なものがあるが、それは本日の説明範囲外。

●AI Agentとは
AI以外のシステムと連携しつつ人間と協力して長期タスク(業務)をこなす自動ソフトウェアを指す。
 
Agent例
 DeepResearch
 note Book LM(Google)
 AI Agent For SWE
 AlphaEvolve

アルゴリズム改善や発見をするエージェント(進化的アルゴリズム)例

 Google Alpha Evolve
 DGM(ダーウィン・ゲーデル・マシン)

AI Agentの活用例
 AIチャットやアプリ。
 AIが一連の流れを取りまとめる。
 様々なシステムと連携するツール。

MCP(Model Context Protocol)アーキテクチャとは
 AIに指示を伝えるだけで、それに関する情報を集めてくる

(生成AIと生成AIコンテキスト外の外部ツール(リソース)連携過程を助けるもの)

●生成AIの今後
基本モデルの進化、Thinkingモデルの進化、計算アルゴリズムの開発が進んでいく。
それに関連し、生成AIシステムや運用する人のセキュリティも重視される。

4.ものづくり視点からのクラウドグランドビジネス 「グランドセイコースタジオ雫石」見学報告

会長  小堀 吉伸

モノづくり視点から「クラウドビジネス」の検討のために、
雫石にある「グランドセイコースタジオ雫石」の見学を行いました。

所感として、
精度を高めるために、グランドセイコーの独自基準を設け、
パーツの自社生産から、厳しい検査の上で製造・組み立てすることで、
精度の高い時計を提供し、海外メーカーに対抗していく姿勢を感じました。
(詳細については、割愛します)

5.会長からの総括
会長 小堀 吉伸

皆さん、お疲れ様でした。
本日お話しいただいた、福原さん、戌亥さん、
お話しいただき本当にありがとうございました。
とても参考になりました。

サムライクラウド部会は、
ニッポンクラウドワーキンググループの基軸部会であり、
ありがたいことに毎月開催して活発に活動しているので、
その内容についてもかなり突き詰めている印象があります。
時勢だけでなく既存のテーマについても、
深堀されているので大変ありがたく思っています。
引き続き活動からアウトプットの報告までよろしくお願いします。

今期14期も半分が過ぎ、今期もあと半年となりましたが、
今後の活動については、引き続き各部会の活動から、
7月にはリンクさんのセミナー、
9月にさくらインターネットさんの石狩データセンター見学も予定しています。また、10月には大阪での会合を予定しています。

ニッポンクラウドワーキンググループ自体は、
クローズドな会なので、
会への活動参加者が劇的に増えることはないので、
参加者の量よりは、質を活動開始から重きを置いているため、
メンバーの皆さんには、是非会の活動に参加いただいて、
皆様のビジネスに繋がっていただければと思います。
本日は、お疲れ様でした。

6.懇親会

恒例の懇親会も大いに盛り上がりました。
ご参加された皆さん、お疲れ様でした。

【NCWG実行委員 報告書作成者】
宮原 哲也(株式会社アルティネット)
放生 浩一(株式会社ドヴァ)


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