第52回ニッポンクラウドワーキンググループ会合報告
今回の会合は「クラウドの今を見つめ直し、新たな価値を掘り起こす!」をテーマに、メンバー発表では3社から改めてIaaS利活用によるクラウドビジネスの価値発掘を視野に発表を行い、ニッポンクラウドワーキンググループ第52回会合を開催いたしました。
今回は富士通株式会社さんに会場をご提供いただき、活気ある会合となりました。ありがとうございました。
【テーマ】『クラウドの今を見つめ直し、新たな価値を掘り起こす!』
【日 時】2018年7月6日(金)17:00~19:00
【会 場】富士通株式会社 富士通デジタルトランスフォーメーションセンター
※浜松町世界貿易センタービル30階
【参加者】メンバー、協賛各社および関係者の方々を含めて45名
メンバー発表では、株式会社蒼空、株式会社ムービット、有限会社ディアイピィの3社から発表いただきました。
3社ともに、メンバーならではの新たな価値発見につながる大変興味深い内容でした。
ありがとうございました。
【司会者のご紹介】
実行委員 尾鷲 彰一(株式会社オープンウェーブ)
本日は第52回ニッポンクラウドワーキンググループ会合にお集まりいただきありがとうございます。
まず初めに、本日会場をご提供いただきました富士通さん、ありがとうございます。富士通さんにはこのほどNCWGに協賛として加わっていただきました。改めてお礼申し上げます。
NCWGは今年の11月で7周年を迎えますが、7年間やってきて未だこうして加わっていただけるということは、我々運営にとって励みになることです。もちろん本日こうして多くのみなさんに集まっていただけるということもとても励みになることで、これからも会を盛り上げていきたいなという思いです。
本日の会合のテーマは『クラウドの今を見つめ直し、新たな価値を掘り起こす!』で、メンバー発表として3社に改めてIaaS利活用によるクラウドビジネスの価値発掘を視野に発表いただきます。
今期スローガンは「Beyonds the Clouds! ~ムスビ(結)で、実を拡げる~」です。ですので、是非参加されている皆さんが結びつきあって、クラウドビジネスを拡げ、そして、我々が推進する日本から世界に発出するクラウドビジネスモデル(サムライクラウド)の実現に繋げていってください。
2.新規メンバー・協賛のご紹介
株式会社アイロバ 小林 氏
創業3期目の会社。クラウド・データセンター関連で様々なインフラサービス提供をしています。
また、Webサイトに対するセキュリティ診断やNTT東西ダークによる拠点間専用線事業なども展開しています。
皆さんと新たなビジネスを創出したいです。
富士通株式会社 芝崎 氏
これまで提供してきた既存クラウドサービスを「FUJITSU Cloud Service」として刷新しました。
ハイブリッドIT・マルチクラウド環境を活用したインテグレーション・運用サービスを強化します。
NCWGの皆さんと、ビジネスを一緒に作っていきたいです。
3.大阪開催報告
実行委員 宮原 哲也(株式会社アルティネット)
テーマ:「宇宙ビジネスの利活用でクラウドビジネスを昇華させる!」
日 時:2018年6月8日(金)16:00~19:00
会 場:GMOクラウド株式会社 大阪支社
参加者:メンバー、協賛各社および関係者の方々を含めて約60名
・開催のご挨拶:藤田副会長
・会の活動紹介および各種部会の活動紹介:小堀会長および各部会長
・GMOクラウド社からの各種ご紹介:営業部プリセールスグループ 中田祐樹さん
・ゲスト講演「宇宙ビジネスの潮流~今、注目される宇宙ビジネスと衛星データ利用~」:一般財団法人宇宙システム開発利用推進機構 高山久信さん
・特別講演「衛星画像についてパターン認識を用いた解析技術の紹介」:京都大学 学術情報メディアセンター 飯山将晃さん
・会長からの総括:宇宙システム開発推進機構をはじめ他団体との交流から今後も相乗効果を上げていきたい。
懇親会:参加者約50名
大阪での会合・懇親会は、今期のスローガン「Beyond the Clouds! ムスビ(結)で、実を拡げる!」のとおり、皆が思い思いにつながって、各社の、そしてひいてはニッポンのクラウドビジネスを拡げていくことを実感できる内容でした。
4.部会報告
クラウドアプリケーション部会
部会長 尾鷲 彰一
今年度は、昨年度実施した、IoTのデータをAIで活用することに取り組んでおります。
SONYのNeural Network Consoleを使ってAIを理解するところまでを前回の部会で実施しました。
次回の部会では、実際にAIを使ってみる予定です。
次回の部会は、7月31日に開催いたします。是非ご参加ください。
クラウドビジネス推進部会
部会長 藤田 浩之
クラウドの利活用を通して日本のクラウドビジネス創出を目指しています。
現在勉強会では「五輪書」を教材とした勉強会を開催しています。
「五輪書」はいわゆる兵法書でビジネスには直接結びつかないですが、「五輪書」に書かれている考え方はビジネスでもためになります。
たとえば、五輪書では“鍛錬”が重要だということが度々説かれていますが、これはクラウドビジネスでもすごく重要なポイントで、クラウドは必要に応じて“利用する”という考え方であるため、利用者にとっては他のサービスに切り替えやすくなっていて、その中でサービスを利用し続けてもらうには顧客のニーズの変化に合わせてサービスを提供しつづける必要があり、だからこそクラウドでもサービスを鍛えて質を高め、結果、他社サービスとの差別化をはかる=“鍛錬”が必要といえます。
次回勉強会は7月27日(金)です。みなさん是非ご参加ください。
クラウドサービス部会
部会長 小堀 吉伸
クラウドサービス部会では、
クラウドサービスをテクノロジーからのアプローチではなく、サービスの視点から検討することで、様々なクラウドサービスの有効性を浮彫にさせるだけでなく、なんでクラウドサービスが機能していないのかと言ったサービス自体の無効性など、正反合(セイハンゴウ)の各面からクラウドサービスを「ビジネスモデル」視点で考察しています
また、考察するに当たりセオドア・レビットの戦略モデル「ホールプロダクト」の概念を参考に考察を行っています。
次回の部会では、ゲストスピーカーにエアブライダル株式会社の遠山純生さんをお呼びして、ご提供されているブライダルウェブサービスのビジネスモデルについてお話ししていただきます。
毎回、一回性のかたちで部会を開催しているので、前回参加してないから分からないと言った流れを取らないようにしています。今回初めて部会に参加する方でも、是非ご参加ください。
5.メンバー発表
メンバー発表1
株式会社蒼空 代表取締役 林 健一郎 氏
テーマ:富士通クラウドとの協業について
富士通社には協業というより相談させて貰ってるという状況です。
事例紹介:帝京大学のシラバスシステムの構築事例
現行運用の課題点がとても多かったが富士通へ相談した事により解決したことが多かったです。
上記事例の経験則より
・富士通クラウドの好感点
①日本製であること
②データの所有権がユーザーにあること
③手厚い支援を頂けること
・富士通クラウドの課題点/懸念点
①Azureの場合Azure単独で構築できてしまう
②協業ビジネスモデルの確立
・本件を富士通クラウドで進めるための方針
①Accessの利用を辞める
②MySQLからPostgresに変更
③Accessデータの正常な移行
[質疑応答]
Q.今回プレゼンに使ったツールについて
A.自社開発したプレゼンツールで、意識合わせを円滑に行う事ができるツールです。iOSのバージョンアップに伴い、メンテナンスができてないので現在は使う事ができないため、メンテナンスが終わればNCWGにて再度ご案内します。
※発表資料はこちら
メンバー発表2
株式会社ムービット 代表取締役 谷地田 工 氏
テーマ:富士通クラウドのOSSレシピ
富士通クラウドの使い方や他社比較、サポートのクオリティ、特徴などを纏めました。
・他社クラウドとの比較
①富士通クラウドは日本円での対応可能
②データ通信料金が無償
③GUIがシンプルでブラウザからのリモートコンソールは便利
④サポートのクオリティが高い
事例紹介:富士通クラウドにて自社サービスのPoweredBLUE870の立ち上げ事例
レシピ①/小学校のHPの常時SSL化について
レシピ②/オンラインストレージ構築について及びデモ
[質疑応答]
Q.谷地田さんが感じた他社クラウドと比べて富士通クラウドが良い点と悪い点はどのようなところでしょうか?
A.
良い点:マシーンの安定感がよい、サポートがとてもよいという点
悪い点:コンテナの数が少ないという点
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メンバー発表3
有限会社ディアイピィ 代表取締役 野元 恒志 氏
テーマ:自動化へのチャレンジ
・なぜ自動化が必要か?それは手作業を少しでもなくしたいからです。
・クラウド自動化については現状Ansibleを利用中→満足してるが全体の自動化は行っていきたいです。
デモ:富士通クラウド基盤での自動構築に挑戦
・立ち上げまでの課題
①ドキュメントを探すのが手間
②グローバルIPの反映に時間が掛かる
など
[質疑応答]
Q.ドキュメントが大変と言ってたがそれさえクリアすれば大丈夫なのか
A.玄人志向でドキュメントがないと難しいが、一回習得すれば大丈夫な気がします
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6.富士通株式会社からの各種ご紹介
富士通株式会社 クラウドサービス事業本部 シニアマネージャー 浮田 博文 氏
「基幹システムのクラウド化を支える富士通のクラウド」
・ブランド名変更
K5→FUJITSU Cloud Service for OSS (OpenStackベースのサービス)
グローバルな情勢としてデジタル化の波が世界を動かしており、価値のシフト化進んでいます。そのためデータ活用と付加価値についてが重要になります。
事例紹介:
①:メタウォーター社 IoT
②:国連開発計画/東北大学 災害のDB
価値あるデータはまだ8割がオンプレ上に眠っており、クラウド化を推進する事でデータの有効活用させデジタルトランスフォーメーションを実現させたいです。
富士通クラウドの基本コンセプトはSustainable,Scalable,Secureです。お客様に寄り添うクラウドを提供します。
・エコシステム例
①RedHat
②Juniper
③NOKIA
・運用監視ツールの提供
現在のデータセンターにて利用してる管理ツールをすべて提供し見える化を促進しています。
・Developers Community Fujitsu Tech Talkの紹介
[質疑応答]
Q.運用代行サービスはありますか?
A.富士通社内に運用代行専門部隊があるので今後サービス提供いたします。
Q.様々な種類のIaaSがラインナップされてるが何故ですか?
A.for OSSだけでいいのではという意見もありますが、海外外拠点向け対応のサービスとしてラインナップを広げています。
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お話しいただいた、三社の方々、ご苦労様でした。
また、今回会場をご提供いただいた富士通さん、誠にありがとうございました。
ニッポンクラウドワーキンググループは、現在90社のメンバーの方々と、21社のご協賛の方々で会の活動構成を取っています。これだけの会社の方々に集まっていただけたことで、会の設立から掲げている、クラウドサービスでの「ニュートラルな立ち位置」で活動が行え、様々なクラウドサービスをニュートラルな立ち位置で捉えることができるため、今回、富士通クラウドのお話しが聴けたことで、ニュートラルな立ち位置からの様々なクラウドサービスの比較という視点では、かなり有効だったと考えています。さらに機会損出を少しでも避けるといった意味でも大変有意義だったと考えています。
この7年間NCWGのビジョンとして、日本から発信するクラウドビジネス構築が目標なので、今後も会員の皆さんと、連携しながらサムライクラウドの創出を成果を出して行きたいと強く望んでいます。引き続き、よろしくお願いします。
8.懇親会
懇親会も大いに盛り上がり、メンバー・ご協賛の方々との積極的な交流を図ることができました。
非常に有意義な懇親会となりました。ご参加された皆さん、ありがとうございました。
【NCWG実行委員 報告書作成者】
宮原 哲也(株式会社アルティネット)
小崎 史貴(JIG-SAW株式会社)