第13回ニッポンクラウドワーキンググループ会合報告
「集う力を、クラウドに!」と題して、第13回の定例会合を行いました。
今回のメンバー発表では、これまで発表機会のなかった5社のメンバーの方々に、
各社のビジネスやクラウドについての関わり方について、忌憚なくお話しいただき大変興味深い内容となりました。
今回会場をご提供いただきましたIDCフロンティア株式会社様には大変感謝しております。
ありがとうございました。
またご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
【日時】
2013年3月4日(月) 17:00~19:00
【場所】
IDCフロンティア株式会社様 セミナールーム
【参加者】
メンバー、協賛各社および関係者の方々を含めて約50名
【発表概要】
1.会長からのご挨拶(概略)
小堀 吉伸(株式会社北斗システムジャパン)
IDCフロンティア株式会社様での会合は2回目となります。IDCフロンティア株式会社様、会場のご提供、誠にありがとうございます。
今回、次回の会合は「集う力を、クラウドに!」をテーマに掲げ、両会合で計10社のメンバーの方々に自社のビジネスを中心とした内容でお話しいただくことになっています。
今回、メンバーの自社ビジネス紹介的な内容で会合を進める趣旨としては、
「メンバーが普段どのようなビジネスをしているのかを知りたい」とか「メンバーが、どのようなプロダクトやサービスを有しているかも知りたい」など、メンバーのことをもっと深く知りたいとの意見が挙ったことで会合内容に組み入れた次第です。
参加メンバーのビジネス内容を知ることで、知らなかったことによる「ビジネス機会の損失」を防げれば良いのではないかと考えています。
そこで、今まで発表機会の無かったメンバーの方々に、自社のビジネス的「強み」と「良い意味での弱み」、例えば「人的リソースが足りない」とか「この分野の技術力が弱い」、「この分野への人的関係性が薄い」など、忌憚なくお話しいただき、メンバー・協賛間での補完し合えるようなことが出来れば、会の存在意味も明らかになるのではと考えています。
一社で広範囲なクラウドビジネスのビジネススコープに対応することは、あまり現実的ではありません。そのためにニッポンクラウドワーキンググループと言った「リアルな場」を使っていただき、メンバーや協賛間から生まれた関係性からの相乗効果によるビジネススパイラルアップを起こすことで、少しでも良い方向へ向かえばと考えています。やはり、クラウドビジネスの本質は、「競争」ではなく「共創」だと実感しています。
また、たとえすぐに結果が出なかったとしても、5年後、10年後に皆さんが今までを振り返った時に、「あの時、ニッポンクラウドワーキンググループがあったから今のビジネスがあるんだ」と思っていただけるようなことを会の活動として今期もやって行きたいと考えています。
皆さんもお忙しい時間を割いて参加されているのですから、是非有意義な会合にしたいと思います。
<発表1>
木下 賢司氏(Fullon株式会社)
・5年前に設立したベンチャー企業で、主に受託開発をしています。
・2012年度の傾向として、Javascriptを使った案件や一般のコンシューマ向けの案件が多かったです。
・CakePHPを使用した広告出稿統計システムでは、データベースのチューニングで苦労しました。
・某生命保険システムではIE6への対応に苦労しました。
・大手商社向けの案件では、Aipoなどのオープンソースを使用し、低コストで短納期の開発をしました。
・IE10への調査等が課題となっています。また、この開発を通じてクラウドでない方が良い場合もあるということを学びました。
<発表2>
齋藤 隆氏(カームコンピュータ株式会社)
・1993年に設立し、本社は大阪、事業所は昨年の夏に引っ越して、現在は三田にあります。
・主に受託開発をしています。
・自社で開発した、MAC関係のセキュリティに関連した製品を取り扱っています。
・開発ではMACがブラックボックス化されていたため、四苦八苦しながら開発しましたが、それによりノウハウを蓄積することができました。
・WindowsとMACの両方で提供している指紋認証ソリューションもあります。
・クラウド向けのセキュリティサービスとして、データの情報漏えい、不正ログインを防ぐ技術として、
暗号鍵の分散技術を開発しました。これはクライアント側と認証側とで鍵をバラバラにして認証を行う技術です。
・暗号鍵を分散させる際にログを取ることができるため、今まで痕跡が残らなかったものが追跡できます。
・セキュリティサービス単体で提案しても予算がないと言われるなど、この技術をどのように売っていけばよいのかわかっていません。そこで、他社がサービスを提供する際に、クラウドのセキュリティ強化として提携したサービスを提供していきたいと考えています。
<発表3>
藤野 好一氏(株式会社エアー)
・1983年に設立し、本社は大阪、東京の事業所は六本木です。
・クラウドサービスではなく、パッケージの販売を中心に行ってきました。
・自社のアプリケーションサービスや、海外のパッケージ製品を日本に輸入して販売するディストリビューションなどを行っています。
・ディストリビューションでは、日本語化や日本語向けのカスタマイズなどを行ってきたため、ノウハウを蓄積することができました。
・2011年頃からクラウド系を中心に取り組んできました。
・メールセキュリティソリューション、messageソリューション、仮想化ソリューションなどがあります。
・WISEAuditはクラウドサービス向けメールアーカイブです。2012年までで10万ライセンス使用されています。使用するメールサーバは、安いISPでメールアーカイブはオンプレミスなど、ハイブリットで提供しています。
・WISESyncはスマートフォンのメール同期機能を利用して、現在運用中のメールシステムが利用できるサービスです。既存の製品を変えずに、横に置くだけで使用できるようになります。
・WISEEncryptは、生データを転送する際に、途中で暗号化できる技術です。
<発表4>
株式会社アクティブフュージョンズ
・2001年の10月に設立しました。
・主にホスティングや受託開発をしています。
・ホームページの作成、Webデザイン、サーバの保守運用なども行っています。
・CMS関係としては、基のCMSのプラットフォームに対して、画面で選択していくだけで、細かくページを作ることができるプラットフォームの開発をやっています。
・女性向けのECサイトなども自社でデザイン開発を行っています。
・顧客からの個別の要望に対してニーズに応えるということをしています。
・協業可能なビジネスパートナーを募集しています。
<発表5>
三上 智親氏(株式会社エイチ・ピー・エス)
・主に受託開発、派遣などをしてきました。
・2006年より、ホスティングサービスをしています。
・4年前からの課題として、サービスの割合を太くしていこうという活動をしてきました。
・フレームワークのコアな部分の開発に携わった実績もあります。
・顧客のニーズに応えるため、ECCUBEや、MOVABLETYPEなどのオープンソースを使っています。
・一つの商品を作りこむということはしていません。お客様からこういうものが欲しいということをヒアリングしながら取り込むということをしています。
・ECフルフィルメントサービスは、物を管理する部分まで含めて、すべてアウトソーシングできるサービスです。
・PassiveSignageは、画面にアクションを加えることで画像を動的に切替える技術どんな人が通ったかによって、表示する画像を変化させることはできると考えています。
・ただ画像を表示するのではなく、その人にあったものを表示するなど、情報収集のためのデジタルサイネージを目指しています。
3.サムライクラウド部会報告
樋口 尚寿 (株式会社オレンジソフト)
・CBAとの相互接続性検証について、2月13日(水)に開催された「CBAクラウドバレンタイン」にて、共同発表をしました。
・発表資料はCBAのサイトでダウンロードできます。
・次回の部会は3月22日です。
4.クラウドビジネス推進部会 報告
高橋 亮人 (株式会社インターファクトリー )
・クラウドを活用したビジネス連携による創発として、1+1が2ではなく、3,4,5となることを目指して活動しています。
・発表機会の少ないメンバーに発表していただくということを考えています。
・クラウドビジネスの事例として、協業事例や各社のビジネスを知り合うということを考えています。
・検証環境の評価キャンペーンにより、容易に協賛各社の環境を試すことができます。
・協賛各社の検証環境をフィードバックすることで、日本のクラウド環境のさらなるレベル向上に貢献しましょう。
・次回の部会は3月25日に開催予定です。
5.IDCフロンティア株式会社からのご紹介
大屋 誠氏(IDCフロンティア株式会社)
「タイトル」
・データセンタを利用したクラウドサービスを提供しています。
・2012年に白河のデータセンタが稼働しました。
・外気メインの最新空調方式により、世界最高水準の省エネ性能を実現しています。
・当社では、クラウドとは運用委託と定義しています。インフラ機能の充実、安定性の追求、ビジネスのサポート、SEのサポートを目指しています。
・日経BPのクラウドランキングで、上位にランクインしています。
・セルフ型クラウドサービスは、クラウドスタックを採用したサービスです。1年半かけてノウハウを蓄積してきました。運用面等にも高いノウハウがあります。
・クラウドの場合サーバの性能がわかりにくいため、CloudHarmony社に預けてサーバの評価をしていただいています。他社との比較もしていただいています。
・分散ストレージサービスを、1月29日より先行提供開始しています。保存データは同一拠点内で多重化保存、遠隔地の拠点間で自動分散されます。19ナインの堅牢性と、6ナインの可用性を誇るクラウドストレージサービスです。
・お客様のビジネス目線で、サーバの組み合わせ、運用の効率化など、トータルでサポートしていきたいです。
6.総評
小堀 吉伸(株式会社北斗システムジャパン)
・途中から出席される方もいるので、最後にも私からの挨拶を兼ねて、総評をさせていただくことにしました。
・発表機会の少ないメンバーに発表していただき、質疑応答まで含めて良い発表になったと思います。
・質疑応答までが発表であり、質問は発表者に対する敬意でもあります。次回の会合もメンバー5社に発表していただきますので、質問も含め良い発表になればと思います。
・この活動が有意義なものになれば、今後も定期的にやっていきたいと考えています。
7.懇親会
会合後の懇親会も、IDCフロンティア株式会社様に会場をご提供いただきました。
豪華商品が当たる抽選会もあり、大変盛り上がりました。