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第69回ニッポンクラウドワーキンググループ会合報告

『 RPAを活用し、クラウドケイパビリティをみがく!』をテーマに、ニッポンクラウドワーキンググループ第69回会合をハイブリッドにて開催いたしました。

テーマ:『 RPAを活用し、クラウドケイパビリティをみがく! 』
日 時:2023年6月8日(木)17:00~18:50
              懇親会 19:00~21:00
場 所:関東ITソフトウェア健康保険組合 市ヶ谷健保会館 F室
    東京都新宿区市谷仲之町4-39
https://www.its-kenpo.or.jp/fuzoku/kaigi/ichigaya.html

【司会者のご紹介】
司会 実行委員 
尾鷲 彰一

1.開催のご挨拶
NCWG副会長 藤田 浩之

皆さん、本日はニッポンクラウドワーキンググループ第69回会合へお越しいただきましてありがとうございます。副会長の藤田です。

新型コロナも重症化率が下がってきて、ようやく落ち着いてきたといった感じで、我々の会の新型コロナ対策についても世の中の流れに合わせて変更していますが、インフルエンザや麻疹なども流行しており、引き続き感染症対策を意識しながら会合等を開催していきたいと考えていますので、ご協力よろしくお願い致します。

本日の会合は、わたくし藤田が部会長をしているクラウドビジネス推進部会からの発表ということで、部会として開催しているクラウドビジネスサロンにて何度か取り上げている「RPAのクラウドビジネスへの活用」について、RPAのソフトを開発されているドヴァの辻さんからRPAの近況と活用事例を発表いただきます。
また、私からはサロンで取り上げたRPA以外のトピックとして、WEB3.0を中心に発表させていただきます。

本日の会合が参画する皆さんの、クラウドケイパビリティをみがき、クラウドビジネスの明日を創る機会になればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

2.部会報告

サムライクラウド部会
部会長 野元 恒志

第68回の会合で発表いただいたプロキューブ中川路さんが神戸の会社の方ということもあり、初めて神戸で部会を実施いたしましたが大変盛況な会になりました。
クライアント証明書プロトコル(CMP、SCEP、EST)とApache Guacamole(ワカモレ)というRDPのプロトコルを管理するツールをメインに部会を実施しました。これらはゼロトラストを進めていく上で必須のアイテムになると思っていますので、このあたりの議論のを深堀していこうと思っています。

クラウドアプリケーション部会
部会長 尾鷲 彰一

クラウドアプリケーション部会では「AIで遊ぼう!」というテーマで以下を実施する予定です。

・時系列予測モデル:Neural Prophet
 競馬の予想をする
・自然言語処理:BERT
 TwitterでバズるTweetを自動生成してみる
・音楽自動生成:SOUNDRAW
 ニッポンクラウドワーキンググループのテーマ曲を作ってみる

前回は時系列予測モデルのNeural Prophetに競馬の予想をさせるためのパラメタとなるデータ(過去の着順、斤量など)の決定、データの読み込ませ方の検討を行いました。
番外編としてChatGPTに予想をしてもらったところ、「実際のレースの結果や予想は専門家や競馬関係者の意見やデータを参考にすることが推奨されます。競馬専門のウェブサイトや新聞などの情報源を利用して、信頼性の高い予想を見つけることができるでしょう。」
とChatGPTに予想してもらうのは諦めました。

クラウドビジネス推進部会
部会長 藤田 浩之



クラウドサービスの利便性の向上と日本のクラウドビジネスのマーケット拡大に繋げ、日本から発出するクラウドビジネスモデル=サムライクラウドの質をみがき、相乗的にスパイラルアップさせることで、新たな価値創造と価値向上を導くことを目的に活動しています。
具体的な活動としてはクラウドビジネスサロンというものを開催しており、毎回テーマを決めて気軽に飲みながらそのテーマについてディスカッションしています
次回は「ChatGPTのクラウドビジネスへの活用」というテーマで話し合いたいと思っていますので、是非みなさんのご参加をお待ちしています。

3.クラウドビジネス推進部会発表

   <第一部>
   「クラウドビジネスサロン アウトプット」
    クラウドビジネス推進部会 部会長 藤田 浩之

2021年3月から初めて、これまで全12回開催しておりますが、先ずはそのおさらいをしてみたいと思います。

第1回 「私のおすすめクラウドサービス!」
 参加者がお勧めするクラウドサービスについて話し合いました。「Oracle Cloud」、「Cisco Meraki」や「まごチャンネル」という祖父母に孫の写真を共有するようなサービスが話題に上がりました。

第2回 「RPAでクラウドビジネスを効率化!?」
 今回発表いただく辻さんにRPA事情についてお話しを伺ったのですが、2021年のことでしたので今回は最新情報をお聞きできると思います。

第3回 「クラウドビジネスの勘所、サブスクリプションビジネスへの挑戦!」
 アルティネットの宮原さんの「パン屋さんDX」とFullonさんから当時はまだリリースされていなかった勤怠管理システムの「Teasy(テイジー)」のサービスについてお話を伺いました。

第4回 「未来のクラウドビジネスにつながるテクノロジー!」
 ガートナーの先進テクノロジーのハイプ・サイクルの曲線上に出てくるキーワードの内容を確認して参加者で共有しました。

第5回 「クラウドシフト~最後に残る/残すシステム~」
 最後に残るシステムって何だろうというお題で話し合い、確かファイルサーバーかな、という結論だったと思います。

第6回 「オンラインファイルサービスの活用」
 皆さんが普段使っているオンラインファイルサービスとその活用の仕方について情報共有しました。

第7回 「メタバースの未来と活用!」
 このとき私もMeta Quest 2を購入しまして、参加者とメタバースプラットフォームであるcluster(クラスター)に集まってメタバースを体験するという内容でした。

第8回 「ブロックチェーンの未来と活用!」
 ブロックチェーンの仕組みを共有し、理解を深めることができました。

第9回 「Web3(ウェブスリー)のクラウドビジネスへの活用!」
 Web3の言葉はよく聞くけど実態はどういうものなのかという話題で話し合いました。

第10回「リアルタイムデータを視覚化し、クラウドビジネスに活用する!」
第11回「RPAとリアルタイムデータ解析基盤を連携して、クラウドビジネスに活用する!」
第12回「Amazon Open Searchサービスを活用する!」
 第10回から第12回は連続して、Open Searchというリアルタイムデータ分析のソフトウェアを実際に試してみるというテーマで情報共有しました。
 その中でOpen Searchにデータを登録する部分にRPAを活用したりもしています。

~過去のサロンの内容をいくつかピックアップして詳細をご紹介頂きました~
 ◆ブロックチェーンの技術的な仕組みについて(第8回より)
 ◆Web3の解釈とその特徴、課題について(第9回より)
 ◆Open Searchの生い立ちとOpen Searchを試した際の手順の紹介(第10回~第12回より)
 ◆何故今メタバースなのか、メタバースの未来と課題(第7回より)

クラウドビジネス推進部会ではこのような活動を行っていますので、ご興味がある方は是非クラウドビジネスサロンにご参加ください。

Q:Web3の回ではどういった部分の議論が盛り上がりましたか?
A:技術的にどの部分というより、まずWeb3がどういうものかを理解するのが重要と考えたのでWeb3を正確に理解しようという趣旨で実施した回でした。

Q:Open Searchにはクローラーがないのか?REST APIなどでデータを入れなければいけないのか?
A:お試しで使う際にREST APIを使いましたが、プラグインでそれに類するものはあるみたいです。

Q:Open Searchが実際にサービスとしてどういった使われ方をしているのか例があれば教えてください。
A:例えば自身の会社に関連するあらゆるデータを登録し、それをグラフィカルに可視化することでちょっとした変化に気づくことができるというような使い方が考えられます。

Q:サロンではRPAを2度テーマに含まれていたようですが、それぞれの回の違いを教えてください。
A:1回目はRPAとはどういうものなのか、という内容がメインでしたが、1年くらい経過していたこともあって2回目では皆さんが実際にRPAをどのように活用をしているかの話を議論しあったという違いがありました。

発表資料はこちら

<第二部>
 「RPAのクラウドビジネスへの活用!」
  1.RPAの最新状況および活用事例
    株式会社ドヴァ 辻 智明 氏

・RPAとは?
 詳細は割愛しますが、PC作業を自動化するツールです。
 AIと異なり、人間の指示通りに動くソフトウェアで、ルール・手順を指示することで任意のタイミングでそれを再現でき、これを自動化と呼んでいます。RPAは自動演奏ピアノのPC版と言われています。

・最新のRPA状況
 一つ目は、選択肢が増えたということです。一昨年講演させていただいた時と比較すると、現在は国内でも45程度のサービスが販売されていますが、一昨年の段階では19程度しか販売されていませんでした。この3年で倍ほどに増えています。
 いろいろな種類のRPAが出ており、ユーザ様が選べる時代になってきています。

 2つ目は、RPA単体では通用しなくなってきたということです。
 RPA×〇〇といった組み合わせでの販売方法が非常に増えています。
 例えば、AI-OCRで取り込んでクラウドストレージに入れる、であったり、バックアップサービスの初期設定を実施する、であったりといった事例があります。

 3つ目は、目新しいでは乗り切れなくなってきたということです。
 この2年で導入数はかなり増えています。50億円以上の企業なら45%程度の企業がすでに導入しています。
 普及がかなり進んでいると理解いただけると思います。

 今後は、もっと安価に、簡単に、いろんな機能を搭載しようという方向に進んでいくと考えられます。
 トレンドとしてはハイパーオートメーションというもので、ガートナー社が今年以降トレンドになると予想しているものになり、AIや機械学習と組み合わせて活用し、複数の業務を連動させて自動化することができます。
 これによってRPAが抱えていた課題(エラーによる停止等)が解消されることになります。
 たとえるなら、RPAが手だとすると、OCRが目、AIが脳といった形で連携してくれる形になります。

・RPA活用事例
 身近な業務事例では、定型業務の自動化として、データのマージ作業や、交通費精算といった手順の決まっているものがやりやすいと言われています。
 具体例としては、例えばクラウドPBXのユーザ登録があります。
 登録数が増えてくると、それだけでかなりのコストがかかるため、自動で登録作業を実施することとができました。
 これまでは3名くらいが2日がかりで実施していたものを自動で実施できるようになりました。

 機器監視業務での活用事例もあります。
 データセンタ事業者様の事例なのですが、何かの業務をしながら監視業務をされているケースがあると思います。
 その場合にどうしても見落としてしまうことがあるので、メールを読み取って、チャットで送信して担当者に気付かせる、という業務を自動化し実現しました。

 以上のように、導入率は増加傾向ですが、認知度も高まっているため、次のステップとして技術・サービス連携の段階に進みつつあります。ニーズという意味ではまだまだ多くある分野だと考えています。ありがとうございました。

Q:選択肢が増えたとのことですが、ユーザはどういう視点で選定すればよいのでしょうか。
Q:レッドオーシャンになりつつある中で生き抜く秘訣はありますか
A:まとめて回答しますと、デスクトップ型では、価格・サポート(どこまで深堀できるか)・作りやすさの3点がポイントになります。そして、当社のアシロボはそれを網羅している認識です。

Q:RPAは単純作業の自動化だと思っていたが、最新動向としてはRPA×〇〇といった動きがあると理解しました。作業の自動化だけではお客様のニーズに合わなくなってきているということでしょうか。
A:ケースによりますが、一番使われているバックオフィス領域だと、RPA単体でも活躍できます。導入後の次のステップで、今使っているほかのツールとの連携、といったニーズが出てきているという状況になります

発表資料はこちら

  2.RPAのクラウドビジネスへの活用 ディスカッション
    クラウドビジネスサロン参加メンバー

(藤田)パネルディスカッションにあたり、ドヴァさんからアシロボの評価版ライセンスをご提供いただきました。
(宮原)いただいてダウンロードしたが、マニュアルを読むところでタイムアップになってしまいました。
    中小企業向けを謳ってらっしゃるが、誰が使えるようにターゲッティングをされているのでしょうか。
    マニュアルを拝見してハードルが高い印象は受けました。
(辻)マニュアルをすべて読まれる方はあまりいません。
   使われる方として想定されるのは現場の方、情シス・IT部門の方、最後が外注先の方になります。
   ただ、我々のターゲットは現場の方になり、その方が簡単に操作できることをテーマに開発しています。
   操作説明会を無償提供し、スキルアップしていただいたり、わからないことがある場合のサポートも無償で実施しています。
   その結果、一人でできるようになってもらうという流れが一般的です。
(藤田)アシロボを立ち上げると、初期登録のシナリオが初級~上級まであり、マニュアルを読まなくても雰囲気がつかめました。
(横手)担当者の性格が出ますね。
(辻)現場部門の方に触ってもらえるようにと開発したもので、一般的なフローチャートで作る形ではなく、ブロックを並べていく、直感的なインターフェースを採用しているので、マニュアル読まずに使っていただくのは間違っていないです。

(藤田)最初のテーマはRPAインプレッションです。一つ疑問があるんですが、二回ボタンを押してしまうといったヒューマンエラーの防止策はありますか。
(辻)内容にもよりますが、1度結果が出ていたら実行しない、スケジュール登録で実行するといった予防線は張ることはできます。
(藤田)送金処理とかで重複処理が発生するとまずいことになるのではという発想で質問しました。
(辻)あらかじめリスト化しておいて、1回実行したらリストから削除する形にしておいて、2回目が発生しないようにするといった対応が可能かと思います。
(横手)自分の工夫次第ということですね。
(藤田)私の会社ではPower Automateを使っていますが、アシロボと比較して勝っているポイント、負けているポイントを教えてください。
(辻)Power Automateは無料なので、そちらでできることならPower Automateを使ってもらう方がいいです。
   ただし、サポート面はアシロボが非常に手厚く対応しているので、その面で優位と思っています。
(藤田)アシロボは1つ1つのステップにコメントを入れることができますよね。これで各ステップで何が行われているかがわかるのが非常に良いと思いました。プログラムではなく業務フローが書いてあるイメージ。
(井口)人間が追えば人間が手順書的に活用して作業ができるようにイメージしています。
(藤田)Power AutomateはWebブラウザ上の要素選択をブラウザのプラグインで対応できるが、アシロボは専用ブラウザでマウスをもっていってXpathをコピペするといった流れだと思うが、Power Automateと同じようなことは対応できるのでしょうか。
(辻)アシロボには特殊アプリ操作、UIオートメーションという機能があり、Power Automateと同等のことが実現可能です。

(藤田)続いては各社のRPA活用状況を話したいと思います。ブライエさんいかがでしょう。
(大澤)夜間にサポートの電話を受ける際、電話の転送設定が必要だが、これをRPAで実施しています。
    あらかじめ対象者の携帯電話番号をリスト化しておき、キャリアの設定ページから転送設定をするということを実施していて、もともとPythonで実施していたが、パワーオートメートで実施するようになっています。
(宮原)社内では管理部門で使えばいいと思うことはあるが、今のところオフィシャルには使ってはいない。ぜひ今後検討したいと思います。
(辻)ブライエさんに質問ですが、そのリストはどうやって作っているのでしょうか。
(大澤)事前にシフト表を手作業で作っています
(辻)どこかから抽出しているならRPAで対応可能だと思っての質問でした。
(藤田)ドヴァさんの中ではどのように使われているのでしょうか。
(辻)給与ソフトから給与情報を出して各社員にメッセージ送る業務であったり、セールスの数字を拾ってチャットに送るといったいろいろな業務で使っています。

(藤田)私が感じたのはのは、システム連携が非常に簡単にできるということでした。
(井口)人間APIをやめませんかというのがキャッチフレーズでもあり、その通りだと思います。
(藤田)まさにここがクラウドビジネスでの活用ですね。

4.会長からの総括
会長 小堀吉伸

皆さんお疲れさまでした

69回目の会合ということで、今回はクラウドビジネス推進部会のアウトプットの場ということで、部会参加者によるパネル風ディスカッションに挑戦してみました。
 部会で行っている、クラウドビジネスサロンを再現するためにも、今回は、「パネル風」ディスカッションとしたところが新しい試みですが、いつもの部会で行っていることの良い効果をスパイラルアップできたと思いますので、大変良かったと思います。
 ご登壇、お話しいただいたみなさんありがとうございました。それぞれ、大変いいお話をいただきました。引き続き活動を行っていただき、会合の場でのアウトプットをよろしくお願いします。

 ニッポンクラウドワーキンググループの活動自体、参加者をクローズドでやっているので、会合や部会などの活動を回を重ねるごとに参加者のクラウドケイパビリティの質は間違いなく向上しますが、クローズドで行っている分、活動を長く続けることで、参加者が人的に枯渇していくというリスクもあります。
 参加者の数より質重視と言うことで、パレートの法則ではなく100%のメンバが機能してもらえるようにやっていきたいと思います。各部会にもどんどん参加してもらえたらうれしく思いますし、会として出来ることもあるので、こういうことやりましょうという意見は大歓迎です。

 今回、新規ご協賛としてコンピュートさんにご支援いただくこととなりました。活動12年目での新規ご協賛は、非常にありがたく思っています。メンバは変わらず100社くらいで、協賛企業様も21社いらっしゃいます。OB会員にも参加いただき非常にありがたいなと思っています。 

 会場の方でも話したかった方もいると思うので、時間が短かったのが反省点か なと思いますが、今後もこういう形でアウトプットの場を持てればと思います。このあと懇親会もありますので、名刺交換して、ワインを飲みながらお話をしていただければ。 ビジネスの協業のお話が出てくればWGをやっている意味もあるので、今後もぜひご参加ください。

 ご登壇された皆さん、ありがとうございました。
また、リモートで参加されている皆さん、お疲れ様でした。会場のみなさんお疲れさまでした。

5.懇親会

恒例の懇親会も大いに盛り上がりました。
ご参加された皆さん、お疲れ様でした。

【NCWG実行委員 報告書作成者】
横手 広樹(株式会社ブライエ)
田邉 義隆(エヌ・ティ・ティ・スマートコネクト株式会社)


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