2015年2月27日開催 第1回クラウドサービス部会報告
2015年2月27日(金)に第1回クラウドサービス部会を開催いたしましたのでご報告いたします。
今回はスターティア株式会社さんに会議室を提供いただきました。会場ご提供頂きましたスターティアさん、ご参加頂きました皆さん、ありがとうございます。
【部会アジェンダ】
1.クラウドサービスとは
・「クラウドサービス」の言葉の定義の確認
・クラウドサービス部会の意義の確認
2.各社最新動向(自己紹介)
3.クラウドサービスの紹介
・スターティア社「セキュアSAMBA」
4.クラウドサービスの事例紹介
・サービスで重要なホールプロダクトとは
5.次回のクラウドサービス部会
【部会参加者】
・スターティア株式会社
・株式会社リザーブリンク
・ネオス株式会社
・株式会社シムトップス
・株式会社ドヴァ
・株式会社 ROCKETWORKS
・株式会社エイチ・ピー・エス
・GMOクラウド株式会社
・NTTコミュニケーションズ株式会社
・株式会社クリエイトラボ
・株式会社ビットアイル
・株式会社データ変換研究所
・株式会社北斗システムジャパン
・株式会社シンカ
計14社16名 (順不同)
【部会内容】
1.クラウドサービス部会を開始するにあたり
・クラウドサービス部会の目的や定義、目指すものの再確認
・クラウドサービス部会の目的とは、顧客に利用してもらうためのクラウドサービスを「サービス」と「クラウド(サムライクラウド)」の視点から考察することである
・クラウドサービス部会の参加ターゲットは下記である。
IaaSベンダー、PaaSベンダー、SaaSベンダー、ISV、SIer、CIer
・クラウドサービス部会の「クラウドサービス」の定義
『インターネットを介して利用する無形の経済的な価値提供機能』
・この部会の活動の成果物として、アカデミックな場でのアウトプットや書籍の出版なども目指したい
・クラウドサービスに「ホールプロダクト」概念を採用しクラウドサービスの枠組みを検討する。
「ホールプロダクト」を取り上げた理由
サービスとは、顧客が望んでいるものを提供することであり、“顧客望んでいるものすべて”を提供することが求められる。しかし自社商品だけで望んでいるものすべてをカバーできない場合は、積極的に他社の商品と一緒に提供することが顧客の要求に応えるためには必要である。この考え方が「ホールプロダクト」である。
そこで、顧客が望むクラウドサービスを検討するに当たり、サービス構築の枠組みとして「ホールプロダクト」の概念を取り上げて、クラウドサービスの有用性と逆転の発想として無用性までも検討する。
■小堀部会長からの挨拶
・クラウドサービス部会は今回が第1回のため、これから部会を参加者みんなで作り上げていきたい
・各社のさまざまなサービスをつなげて、更なる面白いサービスを作り上げたい
・そして、そういった面白いサービスはこの部会で発表していきたい
・そのためにも、積極的にテーマの検討などで協力してもらえる方を募りたい
→ 協力していただける方は、副部会長 江尻までメールを下さい(ejiri@thinca.co.jp)
2.参加企業からの自己紹介・サービス紹介
・参加企業の自社及びプロダクトの紹介を実施(順不同)
株式会社リザーブリンク、ネオス株式会社、株式会社シムトップス、株式会社ドヴァ、株式会社 ROCKETWORKS、株式会社エイチ・ピー・エス、GMOクラウド株式会社、NTTコミュニケーションズ株式会社、株式会社クリエイトラボ、株式会社ビットアイル、株式会社データ変換研究所
・自社サービスの紹介に力がこもり、非常に活発なサービス紹介となった
・今後、参加企業のサービスをテーマとして取り上げ、サービスとサムライクラウドの観点で深く議論していきたい
3.スターティア社「セキュアSAMBA」の紹介 (スターティア社資料)
■セキュアSAMBAとは
・クラウド型ファイルサーバ(ファイル共有サービス)である
・法人向けサービスのため、セキュリティが強い
・中小企業向けのサービスとして提供したが、ITリテラシーの低さからサポートが大変で、ジレンマがあった
・OSのバージョンアップ対応やタブレットの登場により、新たなバージョンの開発を行った
・現在、Ver.2.0を提供している
■Ver. 2.0の開発
・Ver.1.0の陳腐化により、新バージョンの開発を開始
・Ver.2.0では、AWSを利用
・さまざまな要件を盛り込もうとしてしまい、要件定義に多くの時間を要した
→ ほしい機能をすべて盛り込むのではなく、最初はある程度制限することも大切
・アジャイル開発を行ったが、開発担当からマネージメント層までのすべての層にスキルと経験が十分とは言えず、スムーズに進んだとはいいがたい
・アジャイル開発やリーンスタートアップはどのタイミングから売り出すかなど、売る仕組みが難しい
・販売の視点を忘れないためにも、開発者とマーケティングは同じ部署にいることが望ましい
※ 本来は、同一人物がいいが、なかなかそういった人材はいない
・商品開発はマーケティングから入るべき(ニーズ/マネタイズ)
・商品(システム)のβリリースまでは、開発とマーケティングの人数を最小限で行うべき
・新しいサービスを開発する際は、エース級の人材を集めるべき
■質疑応答
Q:自社で利用する場合、既存サービスとの認証は?
A:AD連携を行っている
Q:タブレットなどのデバイスをなくしたときなどの対策は?
A:キャッシュを残さない設計としている
Q:AWSを選んだ理由は?
A:新機能が多いのと、拡張性が高いこと
Q:アジャイル開発において、売りたい営業と作りたい開発のパワーバランスは?
A:品質が高くない商品を販売するとお客様の信頼をなくしたり、事故になったりすることがあり、それが怖い。そのため、いい商品を作らないといけないということを営業に理解してもらっている
Q:Ver.1.0とVer.2.0で、何か売り方を変えたか?
A:特に変えていない。
Q:税制法改正に伴い、領収書をスキャンしてそれをセキュアSAMBAに保存するという利用方法は面白い。その利用方法を考えたのはどういった人?
A:複合機を販売している部署のメンバーである
Q:自社で販売している複合機とセットでセキュアSAMBAを販売することは?
A:まだ行っていない。面白そうだと思う。ただ、取扱う事業部が違うため、どう営業連携するかなどの課題はある。
Q:AWSを使うことで早くなったか?
A:お客様の使い方によるため、一概には言えない
Q:複合機でスキャンしたデータをクラウドに保存し、それを元に税理士が顧問先と打ち合わせをするということをやろうとしているが、複数の顧問先がいる場合は、ファイルを間違うなどの事故が怖い。何かいい利用方法があるか?
A:やはり、顧問先ごとにクラウド上に環境を用意するのが望ましい
Q:ホームページを見ると、低価格で売ろうとしているわけではない。どこをセールスポイントにしようとしているのか?
A:法人に特化しているサービスのため、それに関する機能を尖らせている。たとえば、ロギング機能など。法人が使いたい機能がそろっているのが特徴である。
4.「ホールプロダクト」の説明として
・顧客が望むもの・期待するもの全てを提供すること
・「サービス」を考える上で、非常に重要な考え方である
・自社が提供するサービスは「コアプロダクト」でり、顧客が望むものすべてを提供するために、自社以外のサービスも組み合わせることもひとつである
・Ex) 顧客ニーズ「年賀状を作りたい」
コアプロダクト:パソコン
期待プロダクト:ディスプレイ
拡張プロダクト:年賀状ソフト
理想プロダクト:プリンタ
→ パソコンは自社商品として提供しているが、年賀状ソフトやプリンタは他社の商品である。それをセットにして販売することで、お客様の満足度が上がる
・自社商品のホールプロダクトは?(3分間で自社のプロダクトを検討してみる)
・参加者からの発言 ~「株式会社 ROCKETWORKS」のサービスを事例に~
コアプロダクトは自社商品のFirewall。
お客様が望んでいるのは、自社のセキュリティの確保であるため、「コンサルティング」もコアプロダクトの周りの商品と考えられる。
・セキュリティ関連のサービスでは、「お客様が知りたい情報」と「自社が提示できる情報」は乖離することがある
・マーケティングで非常に重要なテーマ(お客様が知りたい情報と自社で提供できる情報には差があること)である。今後の部会で議論したい。
ex)お客様が知りたいのは価格だが、安易に価格を提供できないのが自社の考え
【活発な質疑応答】
5.次回(第2回)のクラウドサービス部会の予定
・時期:2015年4月17日 17:00-19:00
・場所:株式会社リンク 会議室 MAP
・内容:クラウドサービスの紹介
クラウドサービスの事例紹介
クラウドサービスに必要なポイント(ディスカッション)
※内容は変更になる場合もございます
【注意事項】
NCWGクラウドビサービス部会への参加については、NCWGメンバーのみの限定参加となっております。部会への参加、および部会でのサービス紹介をご希望の企業様は、ニッポンクラウドワーキンググループへの参加をご検討ください。
お問い合わせは、こちらから。
【クラウドサービス部会とは】
クラウドサービスを多くの顧客に利用してもらうために「備えるべき機能や特徴とは何なのか」を、技術的な側面ではなく、「サービス」と「クラウド(サムライクラウド)」の視点から考察することを目的とした部会です。
さまざまなクラウ ドサービスにアプローチしながら、クラウドサービスとしての有効性を検討し、「参加者自身での利用」に留めることなくアウトプットして行きたいと考えています。
(部会報告作成者 クラウドサービス部会 副部会長 江尻 高宏)