第56回ニッポンクラウドワーキンググループ会合報告
『宇宙ビジネスでクラウドビジネスを活かす!』をテーマに、ゲスト講演として一般財団法人 宇宙システム開発利用推進機構 宇宙産業本部 事業推進部 主任研究員(欧州担当)のクレイドン・サムさんにご講演いただき、ニッポンクラウドワーキンググループ第56回会合を開催いたしました。
【テーマ】『宇宙ビジネスでクラウドビジネスを活かす!』
【日 時】2019年4月12日(金)17:00~19:00
【会 場】スリーハンズ株式会社
【参加者】メンバー、協賛各社および関係者の方々を含めて50名
1.開催のご挨拶
NCWG副会長 藤田 浩之
みなさま、本日は第56回NCWG会合にお集まりいただきましてありがとうございます。
まず初めに今回会場をご提供いただきましたスリーハンズさん、ありがとうございます。
4月はスリーハンズさんでの開催ということで、設立当初から毎年4月にここ山王パークタワーの会場をご提供いただき、今回で合計8回開催させていただいおります。変わらぬご協力に感謝いたします。
平成最後となる今回の会合は、「宇宙ビジネスで、クラウドビジネスを活かす!」というテーマで、ゲスト講演では一般財団法人 宇宙システム開発利用推進機構 宇宙産業本部 事業推進部 主任研究員(欧州担当)クレイドン・サムさんに「欧州で進む宇宙ビジネス」について講演いただきます。
日本でも経済産業省が中心で進めている宇宙データプラットフォーム Tellus(テルース)プロジェクトが立ち上がっており、人工衛星の取得しているデータをオープン化してより多くの人に使ってもらおうという目的で公開されていますが、宇宙データ利用ということでは欧州が進んでおり、今回はクレイドンさんにその欧州の宇宙ビジネスの最新状況をお話いただきます。
本日参加されたみなさんも、会合でお話を聴くだけでなく是非積極的にアプローチして直接お話を聞いて、これからのクラウドビジネスに活かしてください。
Beyond the Clouds ムスビで実を活かす!
平成最後の会合を、皆さんとともに大いに盛り上がって締めくくりたいと思いますので、最後までどうぞよろしくお願いいたします。
サムライクラウド部会では、SAMLシングルサインオンをベースとしてマイクロサービスとの関わり、アプリケーション基盤全般に関して議論をしております。最近では、技術議論に加えて、ソフトウェア開発生産性の議論も行っております。次回は、5月末となります。是非ご参加ください。
一昨年前は、IoTでデータ収集、昨年度は、AIでデータ解析についての内容で部会を開催してきましたが、机上での活動でした。
今期は、実際にフィールド(お外)で、IoTのデータ収集、できればAIにつなげるところまでを実際にフィールドでやっていきます。
フィールドは関東圏のどこかをいま探しているところです。
次回部下開催は、6月末を予定しております。
別途メーリングリストでご案内させていただきますので、是非ご参加ください。
クラウドビジネス推進部会は今期も引き続き、クラウドを利活用してビジネスに繋げるためのリアルな情報で 語り合う場を提供し、様々な方法で実際のクラウドビジネス創出を促進し、結果として“ニッポン”発のクラウドビジネス(サムライクラウド)の発展に繋げることを目指します。
今期のクラウドビジネス推進部会は『データサイエンスを自らの手に!』というテーマで部会を開催しています。
中でも「シチズンデータサイエンス」に着目し、部会では 「質の良いデータを大量に得て適切に分析することにより物事を予測可能とし、新しい価値を創造できる」ということを前提として、「誰もがデータサイエンスをより簡単に活用できる」という未来に備えるための勉強会を開催しております。
是非部会にご参加ください!
クラウドサービス部会長の小堀です。
ニッポンクラウドワーキンググループの主軸活動として、前の三部会の報告の通り、四つの部会で活動を行っています。
そのうちの一つの部会が、クラウドサービス部会です。
クラウドサービス部会は、クラウドを「テクノロジィ」の視点からではなく、「サービス」の視点から捉え、色々なクラウドサービスを検討しながら、その有用性だけでなく、なぜダメなサービスなのかなど置き彫りにしながら、参加者自身の「サービスプロダクト」創りに役立ててもらえるような部会を行っています。
部会を進めるに当たり、活動のセンターコンセプトに、セオドア・レベットの「ホールプロダクト」と言うサービス概念を使いながら、ホールプロダクトの概念を基にサービスやプロダクトを垂直的につなげて行く「メタサービス」やサービスのためのサービス「Service as a Service」などの、部会から発信できる実ビジネスへはめ込めるようなサービスの概念を構築できるように議論しています。
先日の3月29日に開催した部会では、スピーカーに株式会社データ変換研究所の畑中さんに『新規ビジネスと持続的サービス』と言うテーマで、畑中さんが直近で立ち上げた新規ビジネスの有効性や持続性への昇華度合いなどのお話しいただき、参加者で議論をさせていただきました。
サービス部会は、毎回、サービスに関するテーマは、一貫していますが、開催趣旨は、一回性のもとに部会を開催しているので、前回参加していなくても全然問題ありませんので、是非、ご参加ください。
よろしくお願いします。
3.ゲスト講演
『欧州で進む宇宙データビジネス』
一般財団法人 宇宙システム開発利用推進機構 宇宙産業本部 事業推進部
主任研究員(欧州担当) クレイドン・サム 氏
<プロフィール>
日欧の産業界を代表する企業との国際会議運営経験により、多分野にわたる
欧州企業との人的ネットワークを持つ。特に、コペルニックスサポートオフィ
ス(ベルギー、ブリュッセル)、欧州DIAS事業者、欧州委員会(ベルギー、ブ
リュッセル)との強いコネクションを有する。
今回のゲスト講演は、一般財団法人 宇宙システム開発利用推進機構 宇宙産業本部 事業推進部 主任研究員(欧州担当)のクレイドン・サムさんから『欧州で進む宇宙ビジネス』についてお話しいただきました。
日本でも経済産業省が中心で進めている宇宙データプラットフォームTellus(テルース)が立ち上がっていますが、宇宙データ利用する宇宙ビジネスということでは欧州が一歩先を進んでおります。
今回クレイドン・サムさんからは、そのような一歩先を行く欧州の宇宙プロジェクトの1つ「完全な無料オープン・データ・ポリシー」に基づくCopernicus(コペルニクス)プロジェクトについて、データ利活用のビジネスモデルを含めてお話いただきました。
また、多様なデータへのアクセスを一元化し、データの利活用を促すDIAS(Data Information Access Servic)プロジェクトについても詳しくお話しいただき、さらに欧州におけるデータ活用事例についてご紹介いただきました。
4.スリーハンズ社からの各種ご紹介
1.クラウドにおけるマネージドサービスの方向性ビジネスの可能性について
取締役 最高ネットワーク責任者
奥山 大 氏
通常は自社サービスの説明ですが、今回は毛色のかわった講演です。
クラウドにおけるマネージドサービスの方向性ビジネスの可能性についてです。
自社のインフラをもちつつマネージドが中心で展開しています。
マネージドサービスと言ってもサービス内容にばらつきがあり、ポートの監視のみでしたり、「OSには関知しません」や「手順書があれば対応します。」等ありますが、本来のマネージドは、定常作業ではなくOSのプロセスが生きていても機能が継続していない場合もございますので、お客様のアプリケーションも動くところまでサポートすることが大事です。
また、ベストエフォートですが持込のアプリのサポートも、ログの確認やエラーの確認や一次切り分けしてアドバイスいたします。
自社のインフラもありつつクラウドベンダーとSIerに近いレイヤーで協業できませんかというお誘いです。
オンプレサーバーがまだまだあるので同行して案件の掘り起こしを行います。
こちらのNCWGには積極的なメンバーが多いのでぜひ協業しましょう。
クラウドベンダーさんたちの立ち位置やしばりがあり、自社のサービス紹介がし難い場合でも弊社の機動力を使い様々な組み合わせで提案できます。
NCWGの積極的なメンバーのみなさまとアライアンスやコラボレーションを組んでいますが、さらに他の皆様とも組んでいきましょう。
とりあえず小さいところで一度お仕事すると弊社がわかるので、小さな案件からよろしくお願いいたします。
最近の協業事例としては、DIPの野元さんと「DIPサーベイパワードバイスリーハンズ」という名前でサービス化しています。
オープンソースのアンケートサービスライムサーベイを弊社がインフラを提供して、オープンソースをご利用いただいています。
ライムサーベイの問い合わせは野元さんですが、インフラとサーバとアプリは弊社で管理しています。
もう一つの事例はサイオステクノロジーさんとライフキーパーの導入サポートを一緒に組んで行っています。
他にもカゴヤさんや富士通さんと組むことが多くなってきました。
最後に国産クラウドの強みについてお話いたします。
最近はAWS指名が多くなってきましたが、もっと国内のみなさんにがんばってほしいと思います。
なんでAWSになったのか潮時としては大きな案件があったと思います。
ケンコーコムさんのインフラがすべてAWSになったことが変わり目になったのかなと思います。
みなさまにももっとインパクトのある事例をだしてみて下さい。
日本と海外のサービスの違いとしてはトラブルになった際に、お客様先に訪問するとかいうことはAWSやAZUREにはないので、日本の企業にしかできないきめ細かいサービス、全体のよろず相談を受けるとか日本の強みと考えます。
かゆいところに手が届くとか、親切とか、日本のクラウドを前面に国内クラウドへ乗り換えられるのではないかと思いますので、そんな内容で意見交換しながらAWSによらずに日本の国内クラウドを盛り上げましょう。
2.スリーボットソリューションについて ~IoT機器監視、データ管理~
取締役 最高技術責任者 三土 辰郎 氏
スリーハンズはこちらのビルの3階で毎年4月提供スポンサー枠をしています。
主な事業はクラウドマネージドや開発、クリエイティブデザイン等やっています。
わたしはですが普段はプログラマ対応綱引きにPHP代表で出場して、Javaに敗れるなどしています。
宣伝にならないように弊社のサービスを紹介させてください。
スリーボットソリューションとして、自動で監視や運用をサーバーにエージェントを入れて、CPUがいっぱいだとか、OSは大丈夫だけどアプリが落ちてる、とか再起動するとか、そんなソリューションですが、最近はIoT向けにラズパイに対応して、なんでも監視やデータ取得を行っています。
具体的な事例としては、工場に沢山ある機械には温度計や気圧計があり、その数値を見てバルブから逃がすとかを自動化していきたいとのことで、わかりやすい圧力計をセンサーで測れないかという内容です。オフィスにある温度計ではかるのは、ラズパイに温度センサーつけて普通に計って、それをスリーボットのグラフに反映させるとかおこないますが、実際の現場は沢山ある機械にデモみたいにラズパイやセンサーをとりつけたり、その数値を機械の回路にバイパスさせて測定するとか、実際は取り付けるのは難しいし、やらしてはもらえないので人がみるモニターを機械に読ませることをしていきたいと考えています。
ただ、人は読めるのですが、機械に読ませるのは難しく、試験として、オフィスの温度、湿度、現在の日時を読み取りしようとしています。
どうやって機械が読めるようにするかということですが、画像処理をして輪郭を読み取り、その輪郭画像をいっぱい集めて四角としてみていくことを行っています。
この図かっこいいでしょう(輪郭画像の図)。
宇宙っぽいというかブラックホールみたいで、直線から四角をあつめて次に数字を読み取り、1~9の数字をさがして読むことは上手くいっている例ですが、実際は画像がテカルと数字が読めないとか、テカってなくても失敗するとか、違うデジタル計だとそれに対応して作りこみが必要だとか、計測モニターが四角から丸に変るだけで設定し直しとかさまざまな課題があります。
オフィスでデモを行っていますので、オフィスの温度計をカメラで読み取ってそれを数値化してと、温度センサーで測ればよいのにって思いますが、工場できることとして、デジタルの数値を読んで画像データの右下の数字を読み何時何分に何人いる、とかをCSVで送ったりを想定しています。
それからアナログの活用として、針がどっちの確度かどっちを向いているか読もうとしていますが、数字が0スタートではなく-(マイナス)の値もあるのでなかなか難しく、アナログ的な確度で数字を読ませるのに数字を入力させて、確度をパラメーターとして読ませて行くことで対応できますが、アナログ計も電気の抵抗計は複雑で一筋縄ではいかないのです。
今のことができても、10台アナログ計があれば10台カメラを置くのか、とか難しいのですが次の手は考えています。
今後の展望については未来のことはわかりませんが、製造業以外のところで使えないかと、商業施設で何時にどのくらいの人がとか、男性、女性、年齢、子連れとか、ニワトリで5匹目がたまご産まないとかを検知して体調チェックしてみたり、1人暮らしのばあちゃんが3回冷蔵庫開けてるから生きてるな、とか、そんな地に足をつけた話でではなく、鉄道の枕木をつくるビジネスをしていきたいと考えています。
IoTを使って試行錯誤しています。
この中のみなさんともIoTをつかったビジネスをしていきたいです。
■FAQ
Q1:
質問ではないのですが、IoT導入はシステムに埋め込むだけではわからない、人間の目での気づきをIoT化してみていく。
アプリではなく、埋め込みでもなく、外から見ていくのは非常に良いと思いました。
商業施設もシステムは決まっているのでアラートを上げる、再起動を勝手にする等、本当のIoTへの繋ぎソリューションとしては最高だと思いました。
Q2:
温度わかる、湿度わかる、角度わかるとありますが、電池切れはわかりますか?
A1:
それは正常値として認識できます。
皆さん、お疲れ様でした。
お話しいただいた、宇宙システム開発利用推進機構のクレイドン・サムさん、大変、面白くて実に則されたお話しをありがとうございました。衛星データ利活用でのクラウドビジネス化について、かなりハードルが下がっているのだと実感しました。ありがとうございました。
また、今年も会場をご提供いただいたスリーハンズさんには、大変感謝しています。ありがとうございました。会の設立以来、8年間、毎年、4四月の会合には、こちらの山王パークタワーの会場をご提供いただき、スリーハンズさんのお力添えがあるからこそ、会合の継続開催が出来ます。本当に感謝しています。
今回、「欧州で進む宇宙データビジネス」のテーマでクレイドンさんにお話しいただきましたが、コペルニクスプログラムなどでEUが提供している衛星データを日本の事業者がビジネスへ利活用するには、お話しをお聞きするまでは、なかなかイメージしづらかったのですが、クレイドンさんに大変分かりやすくお話しいただいたので、コペルニクスなどの衛星データ利用でのクラウドビジネス参入のハードルがかなり低くなっているのだと実感しています。
今年度のグランドテーマである、「Beyond the Clouds」、クラウドの先にあるモノを掴めば、通過点にある道具としてのクラウドサービスは自然に使われ、自ずとクラウドビジネスの目的が果たされると言う意味からすれば、「衛星データの利活用」のお話しは、クラウドビジネスの材料としても大変有効だと確信しています。
今年度は、6月の大阪会合、7月の会合でも、衛星通信や衛星測位データのお話をしていただきますので、是非、クラウドビジネス創りにお役立てください。
本日は、ありがとうございました。
6.懇親会
懇親会についても大いに盛り上がり、メンバー・ご協賛の方々との積極的な交流を図ることができました。
ご参加された皆さん、お疲れ様でした。
【NCWG実行委員 報告書作成者】
井口 和彦(株式会社ドヴァ)
内田 龍(株式会社クリエイトラボ)