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第74回ニッポンクラウドワーキンググループ会合報告

『量子コンピュータを知り、クラウドケイパビリティを高める!』をテーマに、ニッポンクラウドワーキンググループ第74回会合を、リアルとオンラインのハイブリッドにて開催いたしました。

テーマ:『量子コンピュータを知り、クラウドケイパビリティを高める!』

日  時:2024年9月19日(木) 17:00~19:00
                懇親会 20:00~22:00

場  所:関東ITソフトウェア健康保険組合 市ヶ谷健保会館 F室
     東京都新宿区市谷仲之町4-39


【司会者のご紹介】
司会 実行委員 大澤 武史

1.開催のご挨拶
副会長 藤田 浩之

 本日はニッポンクラウドワーキンググループ、第74回会合にお集まりいただきましてありがとうございます。副会長の藤田です。

 今日の会合テーマは、『量子コンピュータを知り、クラウドケイパビリティを高める!』ということで、『量子コンピュータの 現状と仕組みについて』と題して、OpenQLプロジェクト 運営代表 山崎 清仁さんにお話いただきます。
 OpenQL Project は、量子コンピューターでアプリケーション開発を行うための各種仕組みづくりや、オープンソースのライブラリを開発する人や利用する人のためのコミュニティとのことです。
 ニッポンクラウドワーキンググループの中では、量子コンピュータというテーマは初めてとりあげます。ただし、6月の会合ではセキュリティ関連のトピックとして、耐量子暗号(PQC)というワードが出てきました。これは、現在のRSAなど公開会議暗号に対して、量子コンピュータを利用すると理論的に解読できてしまうという話があり、その問題に備えて現在の暗号を置き換え可能な量子コンピュータで解読できない暗号アルゴリズムという話なのですが、実際のところ現在の量子コンピュータでは技術的にまだ実現できないと言われています。しかし、技術の進歩によっていずれ解読されてしまうとも言われています。
今日はそんな量子コンピューターそのものをテーマにお話いただきます。

ニッポンクラウドワーキンググループは11月から新しい期となり、12月3日に周年報告会、特別講演会、パーティ兼忘年会を開催します。
特別講演会では、「量子フォーラム」の技術担当理事(業務執行理事) 田中 宗(たなか しゅう)先生(慶應義塾大学 理工学部物理情報工学科 准教授)に量子コンピュータをテーマにお話しいただく予定です。

今日、そして、12月の講演も聞いていただいて、量子コンピュータについて知って、クラウドケイパビリティを高めてもらえればと思います。

2.新規メンバー・協賛のご紹介

新規メンバー 株式会社エル・ティー・エス リンク
代表取締役 高倉 敏行(たかくら としゆき)氏

はじめまして、LTSリンクの高倉です。当社は、IT業界の“つながり”で変革をもたらすプラットフォームとして、法人向けサービスとフリーランス向けサービスを提供しています。もうひとつ、NCWG会員のAXLBITと協業しサブスクのプラットフォーム AXLGEARの導入支援をしています。

この3つの事業を中心にビジネスをしていますが、IT事業者とフリーランスの方々とのつながりをベースに、LTSリンクの“リンク”という名前にあるように「つながる」「広げる」「生み出す」という思いをもって活動しています。ぜひ皆さんと一緒に業界を盛り上げて行きたいと思いますのでよろしくお願いします。

今後、研修・トレーニング事業もIT事業者の変革支援という文脈で立ち上げていきますので、よろしくお願いします。
ありがうございました。

3.部会報告

クラウドビジネス推進部会
部会長 藤田 浩之

 今期は『クラウドビジネスサロン』という形で開催しています。クラウドビジネスサロンは、メンバー相互の交流の機会を積極的に作りたいという思いから、皆さんが気軽に「クラウドビジネス」について語り合うことができるように、毎回「テーマ」を決めてお酒など飲食しながら進行するスタイルです。隔月で開催しています。

<前々回開催>
第19回クラウドビジネスサロン
 テーマ:「最新生成AIの、クラウドビジネスへの活用!!」
 日 時:2024 年7月16日(火) 18:30〜20:00
 場 所:オンライン(Zoom)

 5月には発表された生成AIの最新動向について、特にOpenAIのGPT4oについて、その特徴を確認するとともに、参加者でその活用について話し合いました。5月にも同じテーマで開催したのですが、新たにGPT4oがリリースされたので開催しました。

<前回開催>
第20回クラウドビジネスサロン
 テーマ:「『Amazon Q』のクラウドビジネスへの活用!」
 日 時:2024 年9月17日(火) 18:30〜20:00
 場 所:オンライン(Zoom)

 Amazonが展開する生成AIサービス『Amazon Q』について、サービスの特徴を確認し、参加者で活用について話し合いました。Amazon Qは、Amazon Q BusinessとAmazon Q Developerがあって、Amazon Q Businessがビジネスユーザー向け、Amazon Q Developer開発者向けというブランディングになっています。特徴を確認すると、Amazonはいままでいろいろな生成AIサービスを出してきましたが、このAmazon Qは新しいものというよりも、どちらかというとリブランディングしたものという位置づけになっています(もちろん、機能はいろいろ進化していますが)。

 今期のクラウドビジネスサロン(部会)開催は終了しました。ご参加いただいた皆さん、ありがうございました。

<今期開催振り返り>
2024年度クラウドビジネスサロン開催実績

第16回(1月15日)
「ノーコードのクラウドビジネスへの活用!」
第17回(3月11日)
「『ChatGPT』+独自データのクラウドビジネスへの活用!」
第18回(5月13日)
「最新生成AIのクラウドビジネスへの活用!」
第19回(7月16日)
「最新生成AIの、クラウドビジネスへの活用!!」
第20回(9月17日)
「『Amazon Q』のクラウドビジネスへの活用!」

 基本的には今は生成AIをメインテーマにして開催していますが、それ以外のテーマ「ノーコード」でも開催しました。

<生成AIの重要なトピックのご紹介>
第19回クラウドビジネスサロン(7月開催)より
トピック1. 生成AIマルチモーダル対応

マルチモーダルAIとは?
 テキスト・画像・音声・動画など複数の種類のデータを一度に処理できるAIの技術で、2024年5月、OpenAIからマルチモーダルAI対応のGPT4oがリリースされました。

AIマルチモーダル対応とは?
 例えば音声データとを生成AIに処理させる場合、以前(非マルチモーダルAI処理)は一度音声データをテキストデータに変換してから生成AI処理をしていましたが、マルチモーダルAI処理では音声データとテキストデータを一気に生成AI処理できるようになりました。

AIマルチモーダルの本質
大規模言語モデル(LLM)が音声データを直接理解する
 →音声の背景音もデータとして解釈
 →会話での息遣い・トーンもデータとして解釈

 異なる種類のデータを一括して解釈できるというだけでなく、これまでテキスト変換によって失われていた情報を含めてLLMで解釈できるようになります。例えば背景の雨の音の情報からその人は外に居て天気が雨だということがわかったり、会話の中で緊張している声から何か緊迫した事態がおきていると解釈できたりします。このことは重要な転換点になると思いましたので今日は紹介させてもらいました。マルチモーダルで解釈できるということは、AIが益々人間に近づいているということだと思います。

第17回クラウドビジネスサロン(3月開催)より
トピック2. 生成AIでの独自データの活用方法

大規模言語モデル(LLM)の仕様的制限
・過去のある時点までの情報のみが学習データとして利用されるため、最新の情報が反映されない
・独自のデータは学習データとして利用されない

ChatGPTで最新情報を使うには下記4つの方法が挙げられます。

  1. プロンプトで情報を与える
      ※日本語で約8,000〜12,000文字ほど(2024年1月時点)
  2. プラグインを利用する
      - WebPilot:指定したURL内の情報を取得し、検索や要約、翻訳をする
      - ChatWithPDF:PDFファイルの情報を取得し、検索や要約、翻訳をする
      ※有料版の「ChatGPT Plus」に登録しているユーザーだけが利用
  3. ファインチューニングを行う
      AIモデルに追加データを学習させ、モデル自体を専用のものにアップデートする
  4. エンベディングを行う
      エンベディング(埋め込み)は、単語や文章などの人が使う言語を数値化(ベクトル化)する手法。数値化した情報を管理するベクトルデータベースを作ることで、ChatGPTへの質問文も数値化し、類似した回答を提示できるようになる

 クラウドビジネスサロンではエンベディングのシステム構成例も紹介しましたが、現在ではサービスとして簡単に利用できるものが提供されつつあります。
 一つはMicrosoft Azureのベクターストアです。これにドキュメントなどを入れると、それを生成AIで利用できるようになります。
 Amazon Q Businessでは、自分でデータを入れるという方法ではなく、データソースコネクタといわれるものを使っていろいろなデータソースにアクセスすることができます。OneDrive、BOX、Salesforceなど企業で利用するあらゆるデータにつなげて利用できるようになっています(43種類 ※2024年9月現在)。
 GoogleのNotebookLMはまだエクスペリメンタルなサービスですが、WebやOnDriveなど指定したデータソースからデータを持ってきて回答をするというものです。情報をまとめる生成AIはGeminiが利用されています。

最後に次回開催の予定です。

第21回クラウドビジネスサロン
 テーマ:「『Google Gemini』のクラウドビジネスへの活用!」
 日 時:2024 年11月18日(月) 18:30〜20:00
 場 所:オンライン(Zoom)

是非皆さんご参加ください。

クラウドアプリケーション部会
部会長 尾鷲 彰一

<2023年度(前年度)の活動>
■5月、6月開催
 時系列モデルでNeural Prophetで競馬の予想をする
 ・馬のデータを収集する、パラメータを決めるまではいったが、Neural Prophetの環境構築で断念した。
   →Pythonのバージョンや関連ライブラリとのバージョン不一致でインストールができなかった。Neural Prophetを利用する環境のバージョンが必要。

■7月、8月開催
 自然言語処理BERTで、TwitterでバズるTweetを自動生成してみる
 ・(タイミング悪く)TwitterがXに買収され、Tweetで収集できるTweetの件数が、有料アカウントだと1,000件に集約。
   →ビジネスクラウドサービス(特に無料)を利用した場合には、継続困難になるリスクがある。

■8月、9月開催
 音楽自動生成SOUNDRAWで、NCWGのテーマ曲を作ってみる
 ・SOUNDRAWでは、イントロ、Aメロ、A’メロの構成の楽曲は自動生成できるが、イントロ、Aメロ、Bメロサビの構成が生成できなかった。バックミュージックなどには使えそう。
  →AIVAという別のサービスを見つけ、そちらであれば解決できそう。

<2024年度の活動内容>
■前期の活動で思ったこと
 AIのサービスも多種多様であり、選択肢が多く存在することを知りました。また、多種あるなかで、それぞれ得意、不得意もあり、使ってみたけど用途にそぐわなかったということもありました。たくさんある中から探すのも大変であり、一覧になっているものがあれば役に立つかと思いました。

■活動内容
 ・時系列予測、自然言語処理、音楽作成のジャンルにおいて、調査し一覧を作成する。
 ・実際に利用して、所感をまとめる。
 ・上記成果物を公開する。
 ・一覧のメンテナンス方法の検討
AIのサービス一覧をまとめて皆さんに公開し、参考になるようなものができればいいと思い今活動しています。ただ公開するにあたっては内容的に精査しなくてはいけない部分があるのかと思っていますし、公開後も刻一刻と進化するサービスに対し、メンテナンスをどのようにするのかも考えていかなければいけないと思っています。

■今、作成している一覧
ジャンル、用途の例、サービス/ソフト名前、開発元、URL、利用料金、開発ライブラリ、難易度、必要な外部ツール/環境、
著作権関連、所感/特徴、参考になる情報を一覧にしています。例えば画像作成の生成AIでは、「エヴァンゲリオンの綾波レイが水着を着ている画像」と入力すると画像が出てくるのですが、そのような場合の著作権関連も調べるようにしています。

例1 機械学習
ジャンル:機会学習
用途の例:機会学習
サービス/ソフト名前:Azure Machine Learning
URL:https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/machine-learning
利用料金:有料(2万円くらいから?)
開発ライブラリ:Azure
難易度:A
必要な外部ツール/環境:Azure
所感/特徴:Azureのとおり。機械学習の知識が必要

例2 生成AI(音楽)
ジャンル:生成AI
用途の例:音楽の自動作成
サービス/ソフト名前:AIVA
開発元:Aiva Technologies
URL:https://www.aiva.ai/
利用料金:有償
開発ライブラリ:AIVA提供のWebサービスで利用(音楽を生成)
難易度:C
必要な外部ツール/環境:無し
所感/特徴:イントロ、Aメロ、A’メロの構成の楽曲は自動生成できるが、イントロ、Aメロ、Bメロサビの構成が生成できそう。バンドとかの作曲に使えそう。
参考になる情報:Pro Annually利用料を契約すれば著作権はユーザーのもの。

例3 AIを利用したサービス㈰ 一般的に業務に役立ちそうなもの
ジャンル:業務系
用途の例:perplexity
サービス/ソフト名前:Perplexity AI
開発元:元Google AI研究者たちによって設立されたスタートアップ企業「Perplexity AI」が開発しました。2022年8月にローンチされた比較的新しいAIサービスです。自然言語による質問に対して、簡潔で正確な回答を提供することを目指しています。
URL:https://www.perplexity.ai/
利用料金:$20/月
所感/特徴:Claud3と同等のことが可能。Perplexity AIは、急速に発展するAI技術を活用した新しいタイプの情報アクセスツールとして注目されています。
参考になる情報:Pro Annually利用料を契約すれば著作権はユーザーのもの。

[Perplexity AIに Perplexity AIについて聞いてみた!]
Perplexity AIは厳密にはLLM(大規模言語モデル)ではありません。Perplexity AIは、LLMを活用したAI検索エンジンおよび質問応答システムです。

Perplexity AIの主な特徴は以下の通りです:
・Al搭載の検索エンジン:従来の検索エンジンとAI技術を組み合わせたシステムです。
・自然言語処理:ユーザーの質問を理解し、自然な対話形式で回答を生成します。
・最新情報の提供: インターネット上の最新データをリアルタイムで検索し、回答に反映します。
・複数のLLMを利用:GPT-4、Claude 3.5、Mistral Large、独自のカスタムモデルなど、複数の大規模言語モデルを使用しています。
・情報源の提示:回答に使用した情報の出典を明示し、頼性を高めています。
・フォローアップ質問への対応:質問のコンテキストを保持し、一貫性のある回答を提供します。

例:よく、PowerPointで、テンプレートを作る方法を忘れたりしませんか?
尾鷲:忘れちゃったー。Googleで調べよー。1時間経過。。。

これが、
尾鷲:忘れちゃったー。Perplexity AI に聞いてみよう! 3秒後。。。

回答をまとめて出してくれる、となります。

例4 AIを利用したサービス㈪ システム開発に役立ちそうなもの
ジャンル:開発系
用途の例:Cursor
サービス/ソフト名前:Anysphere
開発元:Anysphere は、極めて生産性の高い人間とAIの融合システムを構築する応用研究機関です。Cursorは、プログラミング関連の業務全般を自動化できるAIツールです。Cursorを活用すれば、コードを自動で生成できるのはもちろん、チャットで質問したりエラーを自動で修正してくれる。サーバー上のファイルの編集、ファイルのアップロードなども可能。
URL:https://anysphere.inc/
利用料金:$20/月〜
参考になる情報:Pro Annually利用料を契約すれば著作権はユーザーのもの。

例:プログラム書くの面倒ではないですか?
尾鷲:あー。ループ文の書き方忘れた。言語で書き方違うからなー。。。

これが、
尾鷲:Cursor! お願い!!

プログラム書いてる途中に、Ctrl+Kを押すと、Cursorにお願いができ、自動でソースコードを書いてくれます。

■ITエンジニアのAIのお仕事の分類
① AIのエンジンを作る仕事
② AIの学習データを作る仕事
③ AIのエンジン、学習データを使ってサービスを作る仕事
④ AIの導入を企業にコンサルする仕事
⑤ AIのサービスを使って、売り物を作る仕事
  → システムのプログラム
  → 音楽の作曲
  → BPOをAIを使って効率的に提供する感じ (?)

つながりも考えてみました。
⑤のAIのサービスを使って、売り物を作る仕事
例:OpenCV
OpenCVはAIの機械学習はしないが、学習データを利用して、顔認識とかをします。画像認識での農家でのきゅうりの選別とか。

③のAIのエンジン、学習データを使ってサービスを作る仕事
例:Perplexity
AIを用いた検索エンジンで、質問に対して、AIで解釈して、ネットを検索して回答してくれる。

⑤の AIのサービスを使って、売り物を作る仕事
例:システムエンジニア
Perplexityを活用して、開発を効率化。

2023年度は「㈪ AIの学習データを作る仕事」をやってました! 2024年度は「㈭ AIのサービスを使って、売り物を作る仕事」をやってます!

■クラウドアプリケーション部会のみんなで考えたAIを活用したビジネス
[COBOLのOpenCOBOLへの移行サービス]
① 仕様書のないCOBOLのソースコードをAIで仕様書を作成
② COBOLのソースコードをAIでコンバート
③ AIで作成した仕様書を元にテストを実施

→ C#とか、Javaとかだと、関数が小さく、関数間の関連をAIで解析するには、まだそのようなサービスが無いから(からCOBOLがいいのでは?いまは。)

というような、活動をしております!
是非、みなさんご参加ください!

サムライクラウド部会
部会長 野元 恒志

本日、クラウドビジネス推進部会、クラウドアプリケーション部会はいつもより長くお話ししてもらいましたが、サムライクラウド部会は6月に発表をさせていただいていますので、いつもどおりコンパクトにいきたいと思います。皆さんもお気づきになられたと思いますが、両部会ともに生成AIがトピックなっています。サムライクラウド部会も話の本筋はゼロトラストセキュリティですが、生成AIのトピックも入ってきます。それぞれの部会で違う切り口で趣のある取り上げ方になっているので、理事会でも相談して成果や、議論ができるのではないかなと思いました。

<サムラウクラウド部会>
・次回開催予定:10月上旬、リアル&オンライン
・前回7月は神戸での部会開催をいたしました!
  →7名参加(内、6名は東京からの参加)
・サムライクラウド部会では、SAMLやOauth、多要素認証などの認証技術、アプリケーションマッシュアップするための基盤技術、APIなどの先進的な議題についての議論・発表を行っています。
前回まで下記に関しての議論を行ってきました。
 - 生成系AIの最新動向による比較
   →クラウドビジネス推進部会の話の中にあったエンベディングは、我々が話している中ではおそらくRAGに相当する部分なのかなと思っています。ベクトルデータベースを使って、企業内の情報は外部に出したくないので、その部分を使いながら生成AIをうまく活用するという観点の議論は今後も活発になると思います。生成AIエンジンは学習をさせていない/させていると謳っているベンダーがわかれているので、このへんも重要になると思います。
 - 来期に向けたゼロトラストのアウトプットに関しての議論
   →情報漏えい/セキュリティ/ゼロトラストの深掘りの部分、DNSに関わるセキュリティなど
 - パスワードハッシュargon2に関して
 - keycloak (OSSのiDP)について
 - 大規模情報漏洩事件の考察
 - クライアント証明書プロトコルの話(CMP、SCEP、EST)
 - 特権ID管理 Apache Guacamole (ワカモレ)と連動したRDP権限管理
 - nginx設定脆弱性の確認シールGIXYに関して
 - 組織における内部不正防止ガイドラインについて
 - AWSマネージドとサーバーレスについて

ご参加宜しくお願いいたします。

4. 会からのお知らせ

副会長 野元 恒志

・9月10日:JAIPAさんNCWG後援 クラウドカンファレンス
 新しくなった九段会館で活況で行われました。NCWGの協賛企業各社のTOPが顔を揃えられていて、たくさんの方にお会いすることができました。

・12月3日:NCWG年度報告会及び大忘年会 プレゼント大募集!!
 日程確定しましたので予定の確保をお願いします。報告会のプログラム詳細は別途ご案内しますが、本日に続いて量子コンピュータのお話をいただけるかと思いますので、皆さん楽しみにしておいていただければと思います。一方、同時開催の大忘年会ではプレゼントを募集しています。会社/個人を問いませんのでぜひ“胸熱”になるようなプレゼントをご提供いただければ助かります。

・NCWG来期活動にあたり、広く意見を募集します!
 10月に今期が締まり、11月から新しい期がスタートしますが、来期はまだ総会を開催していませんので活動内容は決定してはいません。NCWGの活動はメンバーさん、協賛さんが存在してはじめて成り立つものです。13年間理事を中心に頭を捻って、次の大阪で75回ということになりますが、会合を実施してきました。皆さんいろいろなご意見もあると思いますが、来期にやりたいことを立場関係なく募りたいと思います。いろいろな方のいろいろな立場からのご意見を聞いたうえで活動をしていくべきだろうと、理事会でも話しています。
 今年でいうと、今日山崎さんにお話いただく「量子コンピュータ」は、期初から理事会ではどなたかにお話いただきたいと議論してきて具現化したものです。このような前例もありますので、皆さんからのご意見を広く集めていきたいと思います。ジャストアイデアもありがたいのですが、皆さんが関わられているビジネスで「こんなことをやっている人がいる」「クラウドとのシナジーがあるので面白いのではないか」というようなNCWGの会合の趣旨を踏まえて実現化しやすいものがよりありがたいです。理事、メンバーがまだ知らない部分もあるかと思いますので、ぜひお願いできればと思います。

<第75回NCWG会合大阪開催(ハイブリッド開催)>
日時:2024年10月18日(金)15:00〜18:00(14:30受付開始)
会場:GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社 大阪支社
    〒530-0011 大阪府大阪市北区大深町3番1号 グランフロント大阪タワーB23階
    https://www.gmogshd.com/company/profile/
   および、オンライン(Zoom)
テーマ:『クラウドセキュリティを深掘りし、クラウドケイパビリティを高める!」

【主な予定内容】
・GMOグローバルサイン・ホールディングス社からの各種ご紹介
・「サイバー脅威の現状と日本での対応」
   アクロニス・ジャパン株式会社後藤匡貴氏
・「最も危険な穴をふさげ!」
   株式会社プロキューブ代表取締役 中川路充氏

【概要】
講演1
「サイバー脅威の現状と日本での対応」
  アクロニス・ジャパン株式会社
  ソリューションエンジニアリング統括部
  主幹技師
  後藤 匡貴 氏

サイバー脅威は急速に進化し、攻撃は非常に高速で高度かつ複雑になっています。昨今のサイバー脅威の現状をお伝えするとともに、日本国内における各省庁や団体のレギュレーションやガイドラインがどのように変化してきているのか、そのうえで何が最善策か、どのように対策を練るべきなのかを解説させていただきます。また、生成AIを使った攻撃もサイバーセキュリティ業界でホットな話題となりますので、AIとサイバーセキュリティという観点も紹介します。

講演2
「最も危険な穴をふさげ!」
  株式会社プロキューブ
  代表取締役
  中川路 充 氏

情報セキュリティ上のリスクはいろいろありますが、いろいろなケースをアセスメントしてみると一番危険度が高いのは、保守事業者やシステム管理者などによる不正アクセスです。そのような不正アクセスでは、root や administrator などの特権でシステムにアクセスするため、漏えい、改ざん、消去などやりたい放題で被害額は他の種類のインシデントとは比較にならないくらい大きくなります。そのようなリスクからシステムを守る特権1D管理システムをデモを交えて紹介いたします。

5.『量子コンピュータの現状と仕組みについて』
OpenQL(Open Quantum Library)プロジェクト 運営代表 山崎 清仁 氏

【はじめに】
「量子コンピュータ」という名前は聞いたことがとがあるという人は多いだろうが、実際に使っている、という人はそう多くないのではないか。
ともすれば何やら凄そうだな、というイメージが独り歩きしている感もある
この「量子コンピュータ」について、今回はオープンソースコミュニティである
「OpenQL Project」(以下、OpenQL)運営代表の山崎清仁(やまざききよひと)氏にご登壇いただいた。

OpenQL は、量子計算・量子情報のためのライブラリや量子コンパイラのOSS開発を目的としたプロジェクトとして発足した。
しかし、「量子コンピュータ」に対して純粋に興味のある人や開発をしてみたい人、この分野の知見を高めたいといった人に向けて、様々なコミュニケーションの場を提供する活動も行っている。
今回はそういった立場から、これまで縁があまりなかった方々にも興味を持って
いただき、是非使ってみようかな、と思えるところへ導くことができれば、と
山崎氏にご登壇いただくこととなった。

【登壇者ご紹介】
大学時代は今で言えば学際領域にあたる生物物理を専攻、光合成の電子伝達系を
「量子論」を使って解析を行う。
自宅PCにて多変数の数値シミュレーションの計算を行うなど、研究活動を通じて研究分野におけるコンピュータ利用の重要性を意識するようになる。

大学卒業後は、UNIX系メーカーSEとして経験を積み、転職してベンチャーで
エンジニアを経験したのち、2005年に起業。
OSSを活用した法人向けのITサービスへの企画・開発・運営、技術支援を行う。

2016年9月、オープンソースコミュニティ「OpenQL Project」を発足。
大学で学んだ「量子論」と、業務で培った「コンピューター」の両方の知識や
経験が活きる「量子コンピューター」を広め、世の中の役に立つようにする、
という決意のもと活動中。

・2018年 IPA未踏ターゲット(アニーリング部門)採択
・2019-2020年 IPA未踏ターゲット(ゲート式量子コンピューター部門)採択

【量子コンピューターの現状】
■量子コンピュータの種類
まず、「量子コンピュータ」とは一体どのような基準でそのように呼ばれるものなのか。
山崎氏曰く、”物理における量子現象(量子状態)を計算のための情報として扱っている計算機”が量子コンピューターと呼ばれるものの定義と言えるのではないかとのこと。
「量子コンピューター」と呼ばれ、利用や研究が進められているものとしては、
所謂、組合せ最適化問題の計算に特化した量子アニーラー、個別の問題に関する
予測演算に特化した量子シミュレーターといったものがある。
しかし、近年ではこれらを含めあらゆる問題に対して汎用的に利用できる
「万能量子コンピューター」に至る系譜の機構を備えた量子性を持つものが
「量子コンピューター」の代名詞となりつつある。

■現時点での量子コンピューターの本質
では、実際に従来型のコンピュータで可能な点を引き継いだ形で万能と言える
量子コンピューターが実現するのかという話だが、ここで量子コンピューターに
ついて語られる際によくある疑問の一つであろう”量子コンピューターは速いのか?”という疑問がある。
これに対しては”ある種の問題に対して速そうであると思われている”といった
ところがどうも現在地点のようだ。

現状言えることとしては、まず計算量に対するオーダーは改善し得る、と言われている。
専ら、RSA暗号のような要素の桁数に応じてオーダーが増えるような計算については確かに理論的には古典的コンピューターに比べて、量子コンピューターによる計算はそのオーダーを改善すると思われる、という事だった。
ただし、これも含めて性能面では量子計算を行う上でのアルゴリズムが重要であり、実際に量子計算が有効とされるアルゴリズムはまだごく一部の分野でしか見つかっていないのが現状なのだ。
加えて、古典・量子に限らず、既存のアルゴリズムが最速とは限らず、古典的な
コンピュータを前提としたより速いアルゴリズムが生まれる可能性や、デバイス自体の性能問題、技術的課題が起こり得ることを踏まえると一概に「速い」とは言い切れないようだ。

従って、現在地点からの展望としては、量子コンピューターは決して現行の古典コンピューをすべて置き換えるような存在ではないとのこと。
確かに計算理論上は量子コンピューターの方が上位互換にあたるが、特定の分野別に特化したような、専用クラウドサーバのような利用形態となり、現行機と適材適所で共存する未来が一番近いのではないか。
あたかも、汎用計算を行うCPUの隣に、映像処理などを行うためのGPUが存在することが当たり前になってきたように、である。

また、”量子コンピューターはエコなのか?”という疑問が挙がることもあるが
これについてはどうだろうか。
確かに量子コンピューターにおける演算処理自体については、従来と比べて
かなり消費エネルギーが低いといわれてる。
ただし、これには現状重大な見落としが存在する。それは「量子状態の維持」である。
量子状態というのは非常に繊細であり、ごく低エネルギーな状態にする必要がある。
これを取り上げてエコと呼ぶ人もいるが、そもそもその低エネルギー状態を維持すること自体に、現状では多大な電力を消費しているそうだ。
従って、量子コンピューターだからエコ、という話ではないことは覚えておきたい。

■ハードウェア
前述のとおり、”物理における量子現象(量子状態)を計算のための情報として扱っている計算機”が量子コンピューターだとするならば、ハードウェア的にはこれをどのように実装していくのか、という話に移る。
これについては、現在研究・開発が進められているものを挙げると、超電導/イオントラップ/光/中性原子/シリコン半導体/NVセンター・ダイアモンド/NMR 等、実に様々な方式が存在している。

・超電導量子ビット
数マイクロメートルの超電導回路の中で量子ビットを扱う。
可能な限り外部からのノイズを除去するため、希釈冷凍機と呼ばれる装置で
絶対零度近くまで極低温にすることで活動を抑止して量子状態を維持する。
量子コンピューターを画像検索した際によく見られる金色に輝く装置は、
この希釈冷凍機の部分の写真であることが多い。

・イオントラップ量子ビット
真空で外界とは孤立した状態、且つレーザー冷却で極低温にすることで運動エネルギーが生じない状態のイオン(荷電粒子)を網目状の装置で捕獲して操作する方式。
行いたかった操作に対して実際に行われた操作がどの程度忠実であるかを示す精度(フィデリティ)の高さなどから注目されている方式。

・光量子ビット
光ファイバーの中を通る光子(素粒子の一つ)を量子ビットとして扱う方式。
複数の光パルスを回路上で偏光、分波するなどにより、複数の状態を観測したり、操作しており、真空や極低温を作り出す必要がない点が注目を集める。

量子現象(量子状態)を実現、操作することができるのであればいずれでも可能、
ということなので、現状はこれらのうち何が今後の主流となっていくか、という点がはっきりする段階にはないそうだ。
このように多様な方式が存在しているため、その性能指標として Quantum Volume(量子体積または量子ボリューム)と呼ばれるものが定められている。
量子ビットの数や、計算のステップ数(回路の深さ、制度)といったものを
数値化したもので、量子ビットの数がより多く、且つ実行に多くのステップ数が
かかる量子回路を動作させることができれば数値が大きく、より性能が高いという事だ。

■ソフトウェア
では、量子コンピューターの仕組みを前提としたソフトウェアの部分はどうか。
OpenQLとしては、そもそもこの分野において「分子軌道計算を解く」などの
量子プログラムを開発・支援することが活動目的ではあるが、実際には現行の
ソフトウェア業界の有識者が十分に参画している領域ではない。
そのため、まだファームウェアやアセンブラに相当するレイヤでの開発が
盛んにおこなわれているところで、上位レイヤまではあまり手が届いていないのが現状である。

ただ、一部のクラウドベンダーなどが従来型のコンピュータ基盤を使って、仮想的に量子コンピューターの仕組みを再現する仕組みは提供されており、ソフトウェア部分についてはそのような環境で学習や実証を行ってから、リアルなハードウェアでの運用という流れになってくると思われる状況だ。
アプリケーションレベルのライブラリに関しては、量子コンピュータをハードウェアレベルから開発し、クラウド提供している企業が利用促進を兼ねてオープンソースとして提供しているもののアクティビティが高いようだ。
世界的にもまだ数は少ないが、Python ベースで IBM の Qiskit-aqua や
Google の OpenFermion といったライブラリが公開されている。

その他、量子コンピューティングを提供するクラウドサービスも登場してきており、IBM や NVDIA などは無料枠での利用が可能とのこと。
有料にはなるが、Amazon や Microsoft も同様のサービスを提供している。
有料サービスの一部では、ハードウェアとして実装方式の異なるデバイスを
選択して利用することもできるようだ。

【量子コンピューターの仕組み】
■量子ゲートの基礎
量子ゲートとは時間発展によって量子ビットの状態が変化する確率的な要素を表している。
量子ビットの状態を別の状態に移すような操作の組み合わせといってもよいかもしれない。

量子力学において量子の運動を記述するための関係式であるシュレーディンガー方程式というものが存在するが、この式の解を波動関数と呼ぶ。
量子ゲート方式の量子回路においては、この波動関数を解いた式が回路にマッピングされているようなイメージの仕組みとなっているようである。
式の中で確立的に観測内容が変化するような要素と同じものが回路の中に存在していることで、量子状態を計算回路の一部に設定することができているようだ。

■量子プログラミングの手順
量子計算というものは、複素数(実数の他に虚数を含めた数)を含む行列の演算として扱う事ができるため、量子計算をベースにしたプログラミングでは以下のような手順を踏むことになるという事だった。

1.計算に必要な量子ビット(量子レジスタ)を準備、その値を初期化する
2.量子計算をユニタリ行列(ゲート演算子)で記述する
3.ユニタリ行列(ゲート演算子)を量子ビット(量子レジスタ)に作用する
4.測定を行う

■量子アルゴリズムと量子計算の応用領域
量子コンピュータの強みの一つは、量子重ね合わせ状態を計算に応用することで
高度な並列計算ができる点である。
これによって、シミュレーションや最適化問題に対する計算が得意といわれていると言えるだろう。
様々な計算要素や制約のもとで、あらゆるパターンの計算を行うにあたって、一つ一つをシリアルに1から計算することなく、並行で計算してしまえるということになる。

またもう一つの利点として、エンタングルメント(量子もつれ)と呼ばれるものがある。
古典的コンピュータの計算では、二つの要素の計算は積(掛け算)の状態として表すことができるが、量子の世界ではそのように表すことができない状態が発生することがある。
このような状態をエンタングルメント状態と呼ぶが、これを計算に応用することで従来の統計学で説明できない相関を基に結果を導くような、古典的コンピュータではできない計算を行うことが出来ると言われている。

こうした量子コンピュータの強みを活かし、「らしく」使うための手法が
量子アルゴリズムである。
量子回路上に配置する要素をうまく組み合わせることで、量子計算によって
得られる結果が想定したものに近づくように調整することと言える。

現在存在するアルゴリズムについては、Quantum Algorithm Zoo と言うサイトで様々なものが紹介されている。暗号化領域等で応用できるであろう素因数分解に関するものが有名であるが、量子科学計算や機械学習領域に応用が期待される
ものも多く紹介されている。
ただし、高精度で大規模な量子コンピュータを前提としているものが多いようだ。
このようなアルゴリズムは重要な計算問題を対象としており、実装のしやすさは
考慮されているなケースが多い。
他方、このところはNISQ世代型と呼ばれる中規模な量子コンピュータと
古典コンピュータの計算を組み合わせた、ハイブリッドなアルゴリズムの研究が
進められつつあるそうだ。多少のノイズは許容しつつ、広く有用と思われる
計算問題を古典的コンピュータをうまく組み合わせて解決する目的がある。
また、意味ある計算でなくとも量子コンピュータの性能を、広く世に知らしめる
という目的で実装のしやすさを重視した、Quantum Spuremacy と呼ばれる
小規模向けの研究の流れもあるとのこと。

【終わりに】
量子コンピュータについては思ったよりも、随分と身近になってきたようである。
なじみのクラウド基盤の中にも既に使えるサービスがあるかもしれない。
ハードウェアやそれに準ずる下位レイヤの実装に関しては、やはり既に開発を
先行している大手メーカーが強いのだろう。
しかし、上位層のアプリケーションで何をするか、古典的コンピュータと組み合わせてどのような未来を描くか、という点については、より広い門戸が開かれているようであった。
是非、そういった部分で考えを巡らせながら、今後も関わっていきたいと思わされる講演だった。

【質疑応答】
Q:量子コンピュータには様々なハードウェア実装方式があるということだが、寿命のようなものはあるか。

A:現状ではまだ寿命が測れるほどそれぞれの実装方式が確立されている状況ではないため、これからの話になってくる。

Q:ハードウェア実装方式の違いによって、やれることや優位性などの違いはあるか。

A:計算処理自体はかなり抽象化して処理を行うので、やれること自体は変わらない。
ただ、Quantum Volume の違いはもちろん、実装のしやすさなど優位性という観点では違いは様々ある。

Q:国際的な情勢の中で量子コンピュータに関する日本の立ち位置はどういった状況か。

A:政府支出的に言えば、国際的には予算はかなり少ないと言えるが、民間では大手メーカーをはじめかなり積極的に取り組んでいるとは思われ、ベンチャーの活動なども近頃はよく見られる。

Q:古典的コンピュータ向けの従来ハードウェアが流用できるのか、あるいは専用ハードウェアが必須なのか。

A:もちろん既存のハードウェアデバイスをうまく使っている試みもあるが、やはり仕組みが大きく違うので、どうしても専用ハードウェアに頼る部分はある。光量子ビットの高周波パルスを生成する装置など。
それぞれの方式で専用ハードウェアの開発は進められているが、特に今その分野のプレイヤーは求められている。

Q:古典的コンピュータのCPUやRAMの様に、量子コンピュータにも必須の共通コンポーネントはあるのか。

A:量子状態を維持するメモリ(QRAM)は必ず必要になってくる。今回の仕組みの話はCPUに相当する部分のみの話題だったが、メモリや伝送路の部分に相当するコンポーネントは今後大きな分野として発展が望まれると思われる。


6.『会長からの総括』
会長 小堀 吉伸

皆さん、お疲れ様でした。
お話しいただいた、山崎さん、
お忙しいところお時間いただき本当にありがとうございました。

今回の会合は、2012年11月の活動開始から74回目の会合となりますが、
「量子関連」は、初めてなので大変ありがたかったです。
ありがとうございます。

量子コンピュータについては、
書籍やインターネットで調べれば豊富に情報は出てきますが、
なかなかリアルな実情に触れられる機会は少なく
様々な情報が錯綜しているため、
なんとなくモワッとした「量子の状態」のような状況にも思われます。

そういった状況の中で、
OpenQLプロジェクトの山崎さんに、
リアルな量子コンピュータの話をしていただけたことは、
大変有難く貴重なことだったと思います。

実際に我々が量子コンピュータを作ることに関わるのは、
あまり現実的ではないのですが、
「シミュレータ」としてクラウドサービスでの利用については、
インターネットを介して利用するコトを、
「クラウドサービス」と定義している会の趣旨として凄く関わるところなので、これからのクラウドビジネスへの関わり方には、
量子コンピュータを「知ってゆくこと」は、避けられないと考えています。

例えば、製品製造のための自社工場を持たないファブレス化への量子シミュレーターの有効性は、すでに周知のことだと思います。
具体的には、ケミカルやマテリアルの分野での利用など、
既に現実となっていますが、我々もそこから派生させながら、
我々のクラウドビジネスに組み込んで行ければいいのではと考えています。

私自身も含め、参加者の中には理解が追い付かない部分もあったかと思いますが、そこから興味を持たれた方もいると思いますので、
この機会に是非知識を入れていただき、
量子コンピュータについて会全体の知識レベルも高められれば、
会の力も高まるので、
是非、この機会にもっと追求してみてください。

また、今日ご参加いただいている皆さんにも、
是非OpenQLプロジェクトにもご参加いただき、
「量子」の知識を皆さんそれぞれの強みに取り入れていただければ、
会の知識も向上すると考えていますので、
一緒に盛り上げて行きたいと考えています。

12月3日の13周年報告会での特別講演会にて、
「量子コンピュータとクラウド」をテーマに、
慶応義塾大学の田中宗先生にご登壇いただく予定なので、
引き続き量子情報を仕入れていただきながら、
クラウドビジネスに役立たせてください。

ニッポンクラウドワーキンググループとしては、
引き続き会参加の皆さんに様々なクラウドビジネスのための情報提供と、
クラウドビジネスを盛り上げる場を提供していきますので、
引き続き会の活動にご参加ください。
活動へ参加いただくことも会の存在意義となりますので、
積極的に活動へ参加をお願いします。

本日は、お疲れ様でした。

7.懇親会

恒例の懇親会も大いに盛り上がりました。
ご参加された皆さん、お疲れ様でした。

【NCWG実行委員 報告書作成者】
佐々木 泰(株式会社クオリティア)
内田 龍(株式会社ブライエ)


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