第71回ニッポンクラウドワーキンググループ会合報告
「クラウドビジネスへの有効性を知り、クラウドケイパビリティを高める!」をテーマに、ニッポンクラウドワーキンググループ第71回会合を、リアルとオンラインのハイブリッドにて開催いたしました。
テーマ:『クラウドビジネスへの有効性を知り、クラウドケイパビリティを高める!』
日 時:2024年2月27日(火)17:00~19:00
場 所:関東ITソフトウェア健康保険組合 市ヶ谷健保会館 F室
東京都新宿区市谷仲之町4-39
および、オンライン(Zoom)
【司会者のご紹介】
司会 会長 小堀 吉伸
1.開催のご挨拶
副会長 藤田 浩之
みなさん、本日は第71回会合にお集まりいただきありがとうございます
副会長の藤田です
今年初めての会合です。12月の周年イベント以来になります。
周年の報告会では今期のスローガンを発表させていただきましたが、みなさん覚えていますでしょうか?
おさらいとなりますが、今期のスローガンは、
Beyond the Clouds 24!
~クラウドケイパビリティを高め、次のクラウドビジネスをつかむ!~
です。ぜひ覚えて帰ってください。
「Beyond the Clouds」に込めている思い、このビヨンドは、クラウドを超える(スキップする)ということではなく、クラウド自体はあくまで道具なので、それを使うことを目的とするのではなく、その先の本質的なもの、例えば我々だとビジネスモデル、そこに目を向けることが重要で、その実現にはクラウドは有用なので自ずと活用されるという意味です。
そして、「クラウドケイパビリティ」これは、我々会の造語で、クラウドサービス提供能力、クラウド利活用能力として定義しています。
先ほどクラウドは道具だと言いましたが、その道具を活用するには、その存在を知って、より良い使い方を知る必要があると思います。
本日の会合は、協賛3社、ビッグローブさん、BBIXさん、スマートコネクトさんに各社のサービスについてお話いただきます。
知るということは、すごく重要ですよね。知らないと、チャンスを逃す可能性もあります。
是非みなさんのクラウドビジネスにどのように有効活用できるかを考えていただきながら発表を聞いていただくとともに、各発表の後には質疑の時間も設けます。
沢山質問することで、内容も深堀りされますので、是非積極的に質問してください。
そして、最終的に、クラウドケイパビリティを高めてもらって、次のクラウドビジネスをつかんでもらえたらと思います。
2.部会報告
サムライクラウド部会
部会長 野元 恒志
こんにちは。
サムライクラウド部会はSAMLだったり認証系の技術、アプリケーションのマッシュアップのための基礎技術を話し合っています。
昨日、今月の部会を行いました。クラウドケイパビリティを活かすためにセキュリティは欠かせないゼロトラストを一つのテーマに議論しています。
今年もアウトプットとしてサムライクラウド部会の発表を会合で行えるように進めています。ゼロトラストのその内容や特権ID管理等の2軸でアウトプットできればと思います。
今年の目標としては部会を人材育成の場にしていきたいです。部会では深い内容を議論していますが、気持ち的にはどなたでもウェルカムなのでご参加よろしくお願いします。
クラウドアプリケーション部会
部会長 尾鷲 彰一
時系列予測、自然言語処理メインに実際に利用して所感をまとめる活動を行っています。
現在は画像生成AIを数種つかってみました。
同じ画像ばかりや、著作権的に大丈夫なのか、アニメのキャラクターを事例に画像作成を行いましたが、著作権的にNGな画像が多くプロンプトをかえて画像生成をおこなったりしています。
クラウドビジネス推進部会
部会長 藤田 浩之
毎回テーマを決めて、お酒を飲みながらみんなで語る場として、クラウドビジネスサロン開催しています。
1月はFullonさんに会議室をお借りし、「ノーコードのクラウドビジネスへの活用!」をテーマに、MSノーコード戦略として、「AI Builder」のデモ動画などを参照しながら、ノーコードの活用方法やビジネスへの応用について語りあいました。
次回は3月11日にオンラインで開催します。
Chat GTPの大規模言語モデルとして学習されているデータの活用だけでなく、自分たちの持っているデータをいかに活用できるのか?語り合いたいと思います。
人材育成もテーマにサロンも開催できればと思いますので、皆様の参加お待ちしています。
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3.協賛各社からの発表
発表1.「はじめまして、それともお久しぶり? BIGLOBEのクラウドをご存じですか?」
ビッグローブ株式会社
リアライズ事業本部 エンタープライズサービス部 高橋 誠 氏
はじましての方もいますが、初期の頃からの協賛パートナーです。
私は2022からクラウドホスティングの担当になり、お客様対応からお客様とお話しするのが好きなのでクラウドエバンジェリストとして活動しています。
ビッグローブはコンシューマ向けと思われていますがそうではなくBtoBサービスも提供しています。
BIGLOBEのクラウドホスティングは、2011年からクラウド基盤提供しており、
つながる歓び、つなげる歓びをキャッチコピーに展開しています。
パートナーの形態は下記があります。
協業パートナー:例として、会計ソフトをクラウド上にのせて運用しているパートナーがいます。
販売パートナー:中小企業向けのSIパートナー等があります。
商材は業務サーバーパックを構築ベンダーさんへ提供するのがヒット商品です。特徴は、ISPのクラウドのためトラフィックが従量課金ではないので、パッケージをSaas化したい方お声がけ下さい。
BIGLOBEは構築ベンダーさんへ基盤やライセンスをプリインストールした状態で5分くらいで提供できます。
BIGLOBEクラウドホスティング活用によるベネフィットとしては、業務サーバーパックとして、パッケージに必要なミドルウェアなどをあらかじめ組み込んだレディーメイドの商品を展開しており、構築が簡単のため構築ベンダへの展開が容易です。
また、クラホス販売パートナーに対してはサーバーを85%のパートナー価格でサーバー提供しています。
コントロール画面がわかりやすいです。
BIGLOBE単体ではなりたたないのでビジネスパートナー募集しています。
最近の悩みは、VMWareやMicrosoft等のライセンスの値上げです。
また、パッケージベンダのSaaS化で競合になっていてリニューアル対応に追われ新しい商材開発のリソースが割けない等の悩みがありますので、皆様是非協業していきましょう。
Q:BIGLOBEさんの基盤を利用して業務アプリが充実していると思いますが
今後注力するアプリはなんでしょうか?
A:ゲームコンテンツの配信基盤としての利用に力をいれていきたいです。
Q:BIGLOBEの顧客は直販かパートナーかどちらですか?また、海外クラウドベンダと競合したときの差別化ポイントはなんでしょうか?
A:構築ベンダーさんがエンドとのやりとりしていますので、パートナーが主な顧客になります。日本語対応、トラフィック定額、日本のサービス等を売りにしています。
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発表2.「OCX光インターネットのご紹介」
BBIX株式会社
カスタマーソリューション本部 パートナビジネス部 新妻 大輔 氏
BBIXについて
一般的には知名度が少ないですがソフトバンク100%子会社としてネットワークの基盤を黒子で運用しています。
メンバーは基本的にソフトバンク採用で出向しています。
ソフトバンクの子会社でIX事業をおこなっていますのでグローバルに子会社があります。
さくらインターネットさんとの合同会社もあります。
インターネットのイメージとしては個々のネットワークを繋いでいく形になりますが、では相互通信をどうやって繋げているのでしょうか?それがIXの役割です。
BBIXは最短経路でインターネット通信を繋ぐIX事業をBtoBビジネスで20年行ってきました。
サービス紹介
OCX光インターネット
2023年4月提供で、1年経っていない法人向けのインターネットサービスです。
作った理由はインターネットのトラフィックが年々増えてることで、インターネットブレイクアウトの利用も増えていて、足回りはフレッツでクラウドへのアクセスが増えているので、それらを利用している法人向けにサービスを作りました。
BBIXがワールドワイドに展開していますので、IXで詰まらず世界中のクラウドサービスへのアクセスできます。
ソフトバンクの基盤で日本最大のNGN網広帯域でクラウドサービスへ直接通信しているので、クラウドへの通信制のよさが売りです。
シンプルなサービス構成で1Gと10Gの2種類で固定IP1個を提供します。
フレッツでのインターネットブレイクアウトに最適な安価なビジネス回線で、接続の違いは通常のインターネットより直接接続で余計なルートを通らないことです。
下りのルートのコントロールはできませんが、各クラウドサービスの認定を受けているのでで下りのルートも直接通信されます。
基盤のラボで速度測定したところ、10Gで7Gで1Gで650Mくらいの速度がでています。
パートナーさん向けに卸値あります。PPPoEの提供はありません。
使ってみたい方はお声がけ下さい。
Q:セキュリティは提供していますか?
A:パートナーさんへ売っていただくので、セキュリティの提案はパートナーさんの得意な提案をして下さい。
Q:サービスの展開地域は?
A:フレッツを使っているのでカバー率が高く、フレッツとのNGN接続ができるところで利用できます。沖縄でも提供できます。
Q:サポートコールセンターへの提供実績はありますか?
A:サポートコールセンターでの実績はないですが、サービス開始1年にしては実績として色々な企業に導入されていて、スピード感をもって展開できています。
発表3.「NTTスマートコネクトの 新サービス・新機能について」
NTTスマートコネクト株式会社
クラウドビジネス部 シニアマネージャ- 宮下 晋一 氏
NTTスマートコネクトの事業は、以下の4分野で展開しています。
1.データセンター ハウジング
2.DATA ANALYSE
3.映像伝送 ストリーミング
4.クラウドサービス
〇生成AIサービス
生成AIサービスは、顧客の利用データが外部利用されないということや、テンプレート機能によりわかりやすく利用可能ということが特徴として挙げられます。
テンプレート機能は、プロンプトを詳細に書けば意図した回答が得られるがそれは面倒な作業なので、ケース事にテンプレート(裏側で綺麗なプロンプトを書いている)を用意し、それを用いてAIに指示が出しやすくなっています。テンプレは共有も可能です。
サービスの最小単位は20IDで利用可能です。
今後、文書検索機能やLGWAN接続機能を提供していく予定です。また、マルチLLM対応(Tsuzumi含め)も今後広げていく予定です。
〇東京に進出 東京リージョン
東京リージョンを開設予定です。
AWS Azure等への直接のパブリッククラウド接続を可能とするクラウドクロスコネクト(CXC)を2024年度に提供予定 です。
その他、SmartConnect Cloud Platform(SCP)、SmartConnect Network & Security(N&S)、SmartConnect Smart Storageサービスなどを提供予定です。
〇CI/マネージドサービス
パブリッククラウド上でシステム構築から監視、運用作業代行、障害復帰までワンストップ提供します。
構築は一部だけでも利用可能です。保守は4レベルから選ぶ形になります。
〇マス向け FOOVEサービス
22年5月開始のNTTグループ運営の食に特化したライブコマースPFです。
ライブ上で消費者がやり取りできます。スマホ1台で全国配信可能です。生産者と消費者の距離が近い対面販売が可能です。
月額費用なし、販売額に応じて費用が発生します。
Q:AIサービスのテンプレート機能について、テンプレートはもともと用意されているものを使えるということではなく、自分たちで作成しそれを共有できるということでしょうか?また、参考となるテンプレートなどは用意されているのでしょうか?
A:おしゃられるように、最初はテンプレートを新規作成をして、それを管理者がすべてのユーザーに共有できたり、特定の人だけに共有することもできます。現在の参考となるテンプレートは営業マンの腕にかかってしまっていますが、将来的には整備していきたいと思っています。
Q:NTTスマートコネクトさんはインフラの会社だというイメージがあったのですが、本日お話を聞いて、AIサービスだとかfooveだとか色々なサービスをラインナップしていますが、それらの構想は内部からでてきているものなのか、業務命令によるものなのか、いかがでしょうか?
A:正直なところ両方あります。fooveは内部から色々検討していった感じですが、AIサービスは上からの圧力が大きかったです。ただし、最近は内部からの方が多くなってきているというところです。
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登壇者による座談会
テーマ『クラウドケイパビリティを高めるために』
小堀会長:「クラウドケイパビリティを高めるために」というテーマですが、クラウドケイパビリティはクラウドサービス提供能力というクラウド提供者の視点と、クラウド利活用能力というクラウドの利用者の視点の意味がありますが、それぞれの会社の延長の話で構いませんので、お聞かせください。
BBIX 新妻さん:インフラネットワークをやってきているので、どうクラウドに繋げるかということでやってきた。遅延なく接続性が良くなっていけば利用者にもメリットが得られるという目線でいる。
ビッグローブ 高橋さん:インフラ側であるが企業が得意とする能力、サーバー機能に差がないので、自社クラウドサービスで3M出る強みがあるので、そこからさらにサービス展開を考えている。
NTTスマートコネクト 宮下さん:インフラがウエイトを占めているが、自社サービスを単独展開しているものをどう事業をクロスさせていくのかを試行錯誤中。
小堀会長:「クラウドケイパビリティを高めるには」その他の皆さんいかがでしょうか?
BBIX 田邉さん:プロンプトエンジニアリングが今後のキーと考えている。それをどうやって育てていくかが課題だと考えている。
小堀会長:クラウド利活用人材を育てていくというテーマについてはどうか?
プロキューブ 中川路様:若い人に伝えるが難しいのはインフラ系、下がどうなっているのかという部分だと感じる。
4.会長からの総括
会長 小堀吉伸
ご登壇いただいたみなさん。ありがとうございます。
本日お三方にお話しいただいて、協賛3社から発表いただくというのは初の試みです。
引き続きニッポンクラウドワーキンググループの中の活動で露出いただき、情報を発信いただき、ご参加いただいている皆さんのリアルビジネスの中で役立つことが会をやっている意味だと思っています。
基本ニッポンクラウドワーキンググループはクローズドで開催していますので、参加者はメンバーに限られます。ですので、あまりオープンにできない情報もお話していただければと思います。
2024年度、これから活動を行っていきますので、是非皆さん会合や各イベントにご参加ください。
5.懇親会
恒例の懇親会も大いに盛り上がりました。
ご参加された皆さん、お疲れ様でした。
【NCWG実行委員 報告書作成者】
井口 和彦(株式会社ドヴァ)
放生 浩一(株式会社ドヴァ)