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第47回ニッポンクラウドワーキンググループ会合報告

「ブロックチェーンでクラウドビジネスの可能性を広げる!」をテーマに、
ゲスト講演としてLiTMAS.me 関さんにご登壇いただき、
ニッポンクラウドワーキンググループ第47回会合を開催いたしました。

今回の会合はスターティア株式会社さんに会場をご提供いただき
活気ある会合となりました。ありがとうございました。

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【日 時】2017年10月5日(木)17:00~19:00
【会 場】スターティア株式会社 セミナールーム
【参加者】メンバー、協賛各社および関係者の方々を含めて40名以上

ゲスト講演では関さんよりEthereumのブロックチェーン
技術仮想通貨の仕組をわかりやすくお話いただきました。

スターティア社からのご紹介では技術の嘉味田さんから
現在取り組まれてる自動化ソリューションについての
取り組みや苦労してる点をご紹介いただきました。

お二方とも大変興味深いお話をしていただき、得難い機会になりました。
ありがとうございました。

1.開催のご挨拶

副会長 藤田 浩之

皆さま本日は第47回ニッポンクラウドワーキンググループに参加頂き、有難うございます。
本日の会合会場をご提供頂きましたスターティアさんありがとうございます。
スターティアさんでの開催は1年ぶりです。
前回のスターティアさんのお話しはIoTの話しでしたが
今回は自動化ソリューションの取り組みとその苦悩をお話し頂きます

また今回のテーマは「ブロックチェーンでクラウドビジネスの可能性を広げる!」
という事で、LiTMASの関さんよりお話し頂きます。
ブロックチェーンというとビットコインやフィンテックが思いつくと思いますが
今回はフィンテックとは違う視点でお話しいただきます。

最後に必ず質問の時間を取りますので、是非皆さん質問して皆で会合を盛り上げていただきたいと思っております。
本日が今期最後の会合になります。来月11月は7年目の決起集会という位置づけで、オープンで周年イベントを開催します。
是非お知り合いの方もお誘いの上でご参加ください。
宜しくお願いいたします。

2.部会報告

サムライクラウド部会
部会長 野元 恒志

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サムライクラウド部会はCBAさんとの連携部会を中心に行っています。
SAMLによるSSOとオープンソーシャルのガジェットを用いた連携をベースにしております。
昨今マイクロサービスの機運が高まってきてます
アプリケーションをマッシュアップさせシングルサインオン展開させるケースは必須になってきています。
興味のあるかたは是非一緒に活動して頂きたいと思います。
またサムライクラウド部会はそれだけではなく、DockerやRancher、SAMLを使ったアプリケーションの新しい形とセキュリティを融合させた話し合いを行ってます。
連携部会の名称をFoMSと新たにし、マイクロサービスだけではなく周辺の要素技術を取り上げて認証、アプリケーションも議論して参ります。
直近の具体的事案はSAMLの測定ですが、時間が掛かるためまだ結果をお知らせできてませんが結果を楽しみに待っていてください。

クラウドアプリケーション部会
部会長 尾鷲 彰一

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クラウドアプリケーション部会では2017年はIoT時代のネットワークという事で
LPWAのLoRAという通信規格を研究してます。
4回の部会を予定しており、うち3回が終わりました。
内容をご説明するとLoRAはサブギガヘルツ帯域なので通信事業社の免許なく
最大10kmの通信が可能です。
前回はセンサーデータをクラウドに挙げるというところまで実施しました。
IoTのクラウドサービス(シングスピーク)にデータをアップロードさせるところまで行っております。
次回の部会は10月30日に行い、LoRAWANについての情報共有を行う予定です。
是非ご参加ください。

クラウドビジネス推進部会
部会長 藤田 浩之

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クラウドビジネス推進部会では今期「Cloud Fast! 日本のクラウドビジネスを加速させる!」をスローガンとしてます。

隔月で部会を開催しており、具体的には部会にて書籍を題材に勉強会を実施しています。
今期はアントレプレーナの教科書を題材に、クラウドビジネスの勉強会を開催しました。
現在は、宮本武蔵の五輪書を題材としており、「負けないクラウドビジネスをつくる」をテーマとしています。
五輪書は「地」「水」「火」「風」「空」の五つの巻で構成されており、勉強会でそれぞれの要素をクラウドビジネスに当てはめて深く理解し昇華することで、最終的に雲=クラウド(ビジネス)に繋がると考えております。

実際の部会では各巻の勉強と各社の「五輪書」を発表してもらっています。

是非みなさん部会にご参加ください。


4.ゲスト講演

LiTMAS.me
関 一典(せき かずのり) 氏
テーマ:「Ethereum世界コンピューターとその社会実験例」

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もともとは個人認証/ID分野を中心としたビジネスを行ってましたが、ブロックチェーンの
引き合いが多くなり本業は休眠中です。

ブロックチェーンのテクノロジがビジネスと社会に相当なインパクトを与えると言われており、
日本人の経済学者の野口悠紀雄氏も同じ見解を示しております。

ビットコインはパソコン上では単なる文字列に過ぎないが経験すると世界が変わります。
ブロックチェーンの基礎はマークルツリー
<マークルツリーとはハッシュのハッシュ>
マークルツリー(ハッシュのハッシュ)が基礎として生まれ、ルートハッシュを繰り返し、恒久的
に増え続けてブロックチェーンとなり、そこに合意形成が加わる事によって仮想通貨が生まれる

仮想通貨はマークルツリー、ブロックチェーン、合意形成の3つの原理で出来ています。
世の中の価値と交換できる事で仮想通貨の価値が決まります。

*Ethereum(イーサリアム)について
3年間にロシア系カナダ人の少年がブロックチェーン上に作り上げた仮想計算機
イサリアム、エサリウム、エチリアムなどとも言われています。
スイスにあるNPOがコアの運用を行っています。
マイニング実績ではアメリカ、中国に次いで日本は3位
中国は3か月前まではランク外でした。

イーサリアム.orgに詳しいことが書かれておりますのでご覧ください。
このサイトの情報を使うことにより誰でも独自通貨を作ることが可能です。
仮想通貨は某家電量販店のポイントと似た感覚になります。
イーサリアムは、インターネットの進化で例えるとまだ1960年代くらいでしょうか。発展途上です。
不都合な点はハイスペックなGPUを積んでいないと止まる可能性がある事です。

ブロックチェーンを操作する窓3つにノードがあります。
それぞれのノードにはフロントエンド、バックエンドがあります。
ノード間の通信はP2Pプロトコルで行われています。
ノードの中にある真ん中のものがDAPP=分散アプリケーションと言います。
分散アプリケーションのコアになるのがスマートコントラクト、スマート契約と呼ばれているものとなります。
各ノードはみな同じブロックチェーンのデータを共有しており現在のイーサリアムの情報は大体100GB。
これはクライアントのデータ形式によって変わってきます。全てのノードが同じデータを共有しています。
ノードには色々な形態があります。まだスマホにフルノードというのはありません。
これがEthereumシステムの古い概念図となっています。

分散型アプリケーションカタログがあります。
DAPPの名前と開発ステータス。色により状況が違う。
コミュニティーセンターのカタログとして管理されている。

Ethereum全体を1つの大きなDCとした場合。
トランザクション毎に使用料金を出しており、GaSという単位で管理しています。
グラフからは使用量状況がわかります。

MyEtherWallet(簡易UX)
ICO、新しいコインを発行する事が出来ます。新興企業の株式の新規上場と同じように価値があると思われています。
新興企業に対して興味を持てば買いたいが、購入手続きが大変なので、買うときはWalletを使用します。
私はMyEtherWalletの日本語サイトを担当しています。
担当していると言っても、ユーザーのフロントエンド部位のみ担当しています。
バックエンドは選択が可能。例えば。イーサスキャン等他のサービスの事業者・コミュニティが提供しているもの等が選べます。
Ethereum(イーサリアム)を世界コンピュータと仮定した場合
世界コンピュータは分散型自立組織DAOが、合意形成プロトコルを用いて、スマート契約を実行するものと定義できます。

分散型自立組織先進例に関してご紹介します。
これは利用者が中間業者を通さずに、直接アクセスする事が可能です。
自律的にまとまることをDAOと言います。
理想・追求を検討しているプロジェクトがあり協賛社には、DAOトークンを送るようになっています。
交換比率は先に送っていただいた方によくすることができます。
この時は1か月間で約81億円。
これがイーサ全発行量の約10%に相当する資金が集まりました。
最終的には200億程集まることが出来ました。
ベンチャーファンドですので、これに対して投資を行うのですが
これは全て先程のスマートコントラクトで記述しておりますので
どこから出資が行われたのかもオープンな形となります。
この話は結局のところ、最初の投資先がなかなか決まらないうちに
ハッキングされてしまい資金は流出する形で終えてしまいました。
Ethereumシステム全体にパッチを当てて再発は防ぐことが出来ましたが。
金融関係ではこの例は失敗として取り上げられることもありますが
エコシステムの開発関係というコアな見方をする人からすると
新しいサービスを起こしたい場合はスマートコントラクトを作成しDAOと同じように
出資を集めて株券相当のコイン、トークンを差し上げる事が出来る様になり
DAOがICOの先駆けという流れが出来たとも言えるます。

もう一つ、社会実験的な側面の有る例といたしまして
Ethereum Name Sarvice。と呼ばれる、ブロックチェーン上でのDNSサービスがあります。
数字のアドレスに対して字をあてはめることが出来
その文字自体は価値があり取引の対象ともなっています。
文字数7文字以上。名前に対する使用権(2年分等)を売るという形を取っています。
名前はオークション形式で割り当てブロックチェーン上に
合意を得た文字をあてはめるという事例となりました。
因みに、当時一番高いもので200億円に相当しました。

分散型トークン交換サービスEtherDeltaの紹介です。
これは全てスマートコントラクトで出来ており自律的に動いており、
誰かがコントロールしているわけではありません。

Ether Crystallizedの紹介です。
これはプレゼントに使える様にデザインされたものです。
アドレスと秘密キーが(プライベートキー)がセットされており
自分のウォレットにセットすれば使用する事が出来ます。
貰った側はカードをスクラッチしてプライベートキーを見れば自分の物になります。
このプライベートキーが盗まれないかといった懸念もあり、よくできた仕組みなのですが保険がかかっています。
このカードを使ってイーサを配置、送って、その贈り物をもらった人が
自分のウォレットに移す事が出来なかったら、その分を保証する保険が入っています。
大体500円程度なのですが、そのうちの100円が保険となっております。
そうした保険を使ってギフトとして使う場合は確実に送ることができます。
以上で、Ethereumの全体システムと社会実験について説明をさせて頂きました。
ご清聴ありがとうございました。

Q.ブロックチェーンについて興味があったのが、先程持っているPCで100GB程度あるとおっしゃっていましたが、
どの程度の頻度で増えていますか?どれくらいの速度で貯まるかを知りたいです。
A.100GBだったのが2週間ほど前に確認した話でしたので現在の詳細は分かりません。
Ethereumの場合は次回のメトロポリスでアルゴリズムが変わるので詳細状況はわかりません。
利用状況に影響してしまうと思われます。
Q.先程、セキュリティのお話があったかと思ったのですが、対応が難しいといった話であったかと思いますが
仕組み上でセキュリティを担保できる仕組みといったものはありますか?
A.DDOSに対してどう対処するのかといった話になるかと思います。
攻撃を受けてしまうと価値に影響してきますので金融上ではよくある話です。
仕組みとしては日々改善しておりアルゴリズムレベルでも対応しています。
今回はEthereumがあと1か月程でバージョンアップするのですが、パッチのレベルで対策はしています。
Ethereumでインストラクションごとに、GASの使用量が決まっており、パターン化に無駄があったので
それが直したといった箇所もあります。

発表資料はこちら

5.スターティア株式会社からのご紹介
サービス企画/テクニカルエヴァンジェリスト
嘉味田 氏
テーマ:「自動化ソリューションに取り組んでいるエンジニアの苦悩」

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皆さまこんにちは嘉味田と申します。
まずはスターティアの簡単な説明からさせて頂きますと
スターティアはITインフラと、デジタルマーケティングの2軸を持っております。
クラウドサービスではAzure、GCP、AWSのパートナーを務めさせて頂いており
クラウドコンピューティング2017では3社比較をテーマにしたブースを出展し好評を頂きました。
私のテーマは世界中のあらゆる業務を自動化可能とする。です。
スクリプト等によるコマンド自動化。IoTによる自動化。センシングデバイスによる自動化。
自動化に向けた取り組みとしては、身近なもの、困りごとを自動化へ。
会社としては興味のあるものはどんどん行うスタンスでいます。
例えば、TensorFlowによるFXトレードシステム。センシングデバイスを使用した業務効率化。
単調作業の自動化。機械学習による業務の自動化。ロボット開発等々。
自動化について
ミッションは突然上司から降ってきて、それを実現する方法を考えます。
先日もポケモンGOの自動化を目指し、API連携で自動捕獲などにチャレンジしました。
APIはすぐに非公開となってしまったのでポケモンが指定エリア内に出現すると自動で通知する仕掛けを作り
出現したらすぐに会社を飛び出しポケモンを捕まえてました。
機械学習について
これも上司から突然ミッションが降りてきて、忍者君というゲーム(FC)を自動でクリアするといったものです。
頑張ってゲームソフトを取得後、ROMを吸い出し
PC上のエミュレータでスクリプトを読み込み、スクリプトを修正して作りました。
ロボット開発について
これまた突然上司からミッションが下りてきて、
ガンダムを作ってほしいといったものであり、タミヤの工作キットを取り寄せ
組み立ても半ばで、基盤上にラズパイを載せて外から操作が出来るといったものを完成させました。
カメラが搭載されており、カメラ視点からも見ることができます。
Q.現在取り掛かっているプロジェクトがあれば教えてください。
A.産休で休んでいる女性社員がいるのですが、その社員がいるかのようにしゃべることのできる
ロボットを作るミッションが出ています。
ただしこちらは達成度が20%程度なのですが期日が過ぎてしまっており、今後どうなるかは未定です。


6.会長からの総括

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皆さん、お疲れ様でした。
ご講演いただいた、関さん、お忙しいところ誠にありがとうございました。ブロックチェーンを実の立場からお話しいただける方が少ないので、大変有意義なお話しをありがとうございました。
また、今年も開場をご提供いただいたスターティアさんには、大変感謝しております。誠にありがとうございました。

お蔭様でNCWGは、今月で活動開始から丸6年を迎えることとなりました。来月には、7年目の活動開始にあたり決起集会を兼ねて、周年イベントを開催するので、活動の総決算としてもそちらにも是非ご参加ください。

ところで、会の現状としては、参加メンバーも90社となり、ご協賛、サポーターの方々を含めて総勢で500名以上の方にNCWGに参加を頂いております。
ここまで活動を続けてこれたのも、ひとえに皆様のおかげです。
引き続き来年度も活発に活動を行って行きたいと理事一同考えておりますが、ご参加いただく皆さんには、部会やセミナーなど何らかの形でも活動に関わっていただきたいと思っています。皆さんに、関わっていただくことが、会の推進力にもなりますので、是非関わっていただき、日本から発出するクラウドビジネスモデル(サムライクラウド)の創出を一緒にやって行きましょう。

7.懇親会
懇親会も大いに盛り上がり、メンバー・ご協賛の方々との積極的な交流を図ることができました。
非常に有意義な懇親会となりました。ご参加された皆さん、ありがとうございました。

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今期スローガンは、「Beyond the Clouds! ムスビ(結)で、実を創る!」です。
今回の会合がご参加いただいたみなさんのクラウドビジネスに繋がり、
実を結ぶ切っ掛けとなれば幸いです。

【NCWG実行委員 報告書作成者】
小崎 史貴(JIG-SAW株式会社)
渡邉 健太(JIG-SAW株式会社)


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