第36回ニッポンクラウドワーキンググループ会合報告
『ブルガリアとニッポンをクラウドで繋ぎ、価値ある未来を紡ごう!』をテーマに、
ニッポンクラウドワーキンググループ第36回会合を開催致しました。
今回の会合はスリーハンズ株式会社さんに会場をご提供頂き、活気ある会合となりました。
ご参加頂いた皆様、ありがとうございます。
【日時】2016年4月8日(金)17:00~19:00(受付:16:30~)
【会場】スリーハンズ株式会社 山王パークタワー26F会議室 溜池山王
【参加者】メンバー、協賛各社および関係者の方々を含めて60名以上
【司会者のご紹介】
実行委員 渡辺 彩香(スリーハンズ株式会社)
1.開催のご挨拶
副会長 藤田浩之
みなさん、ニッポンクラウドワーキンググループ第36回会合にお集まりいただきありがとうございます。
NCWGの4月会合は、スリーハンズさんのご協力により、毎回ここ山王パークタワーの会議室で開催しています。
スリーハンズさん会場ご提供いただきありがとうございます。
4月は“変化”の時期。そんな今回の4月会合は、「ブルガリアと日本をクラウドで繋ぎ、価値ある未来を紡ごう!」というテーマで、ブルガリア共和国大使館、商務官のコストフさんに、「ブルガリア国とブルガリアのIT事情」についてお話いただきます。何か“変化”の切っ掛けをつかめるのじゃないかと、とても楽しみです。
本日は我々サムライクラウドがブルガリアにそして世界に羽ばたくチャンス・・・かもしれませんので、是非最後までお付き合いください。
ということで、会合を始めたいと思います。
株式会社ユニリタは、昨年4月に株式会社ビーコンITと株式会社ビーエスピーが合併した会社です。
色々な事業を手掛けていますが、私自身はクラウド・SAMLなどのコンサルをやっています。
会社のイメージキャラクタはホラン千秋です。
6月の大阪会合でも講演させていただきます。
今後ともみなさんと情報交換させていただければと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
3.部会報告
クラウドアプリケーション部会
部会長 尾鷲 彰一
今年度のテーマは「クラウドとビーコンを活用したIoTの技術に触れる」です。
クラウドとスマートフォン・ビーコンの連携技術の研究とデモアプリケーションの開発を実施することで、各社のサービスに活用していただきたいと思っております。
第10回クラウドアプリケーション部会を3月28日にクリエイトラボさんの会議室をお借りして開催しました。
ビーコンとはどういったものかという概要のご紹介と、どういったデモアプリケーションを作るかというディスカッションを行いました。
ビーコンができることは、
1.ビーコンから電波を送信する・受信する
2.ビーコンからの位置を検出する
3.ビーコンのエリアに入った、出たを判断する
上記3つのみで、これらを覚えればビーコンのプロになれます。
ビーコンの種類としては、Apple社のiBeacon、および、Google社のEddystoneという仕様があります。
デモアプリケーションの検討結果として、「Beacon端末を宝物と見立てた宝探しゲーム」の開発を決定いたしました。
理由としては、このデモアプリケーションが、他に検討したアプリケーションに必要なすべての機能に触れることができるためです。具体的な動作としては、ビーコンに近づくとスマホ画面の色が変化するなどです。
ビーコンアプリの開発で重要な点として、ビーコン単体では距離は把握できますが、方向は把握できないため、位置を把握するには3つのビーコンを利用するなど工夫が必要になります。
次回部会は、開発環境の構築、Bluetoothによる通信体験などを実施予定です。
※発表資料はこちら
部会の目的としてはクラウドを利活用してビジネスに繋げるためのリアルな情報で語り合う場を提供し、それによって、ニッポン発のクラウドビジネスの発展に繋げることです。
活動内容としては、協業を含むビジネス創出の促進。クラウドサービスの検証。クラウドビジネス事例・協業事例の共有など。特に昨年NCWGで取り組んだ“仮想協業”について、今期はクラウドビジネス推進部会が引き継いで部会にて深掘りしていく予定です。
次回部会は4/22にクリエイトラボさんの会議室をお借りして、クラウドサービス部会と共同で開催します。
仮想協業を検討するにあたり、『「アントレプレナーの教科書」の顧客開発モデル』が適用できるのでは?という仮説のもと、部会にて「顧客開発モデル」の勉強会(ゼミ形式)を複数回に渡り開催いたします。
※発表資料はこちら
4.「オリジンアシストのご紹介」
スリーハンズ株式会社 ビジネス推進部 高田 康博 氏
スリーハンズ株式会社 マネージドサービス部 岩本 和也 氏
(左:高田さん、右:岩本さん)
本日は当社の新サービス「オリジンアシスト」を紹介させていただきます。
サービスのコンセプトは2つで、「開発者と運用者の目線での環境提供」および、「Webアプリの性能を引き出すソリューションの提供」になります。
こんなことありませんか?
・テレビ番組でサイト紹介されたのに、サーバダウンで機会を損失
・ピークにあわせたサーバを準備しないといけない
オリジンアシストとは?
・コンテンツ配信用のキャッシュサーバです
・お客様サーバの負荷を軽減します
これらにより、安定したアクセスを提供します。
さらに、オリジンアシストはセキュリティ機能(攻撃検知・遮断)も有します。
オリジンサーバーはどのクラウドでも、オンプレミスでも対応可能です。
特徴
・(突発アクセス、サイバー攻撃対策)
・月額固定料金制(データ転送量は無制限、追加料金一切なし)
・簡単に導入・運用(DNSレコードの変更のみ)
こういうときに!
・期間限定のキャンペーンサイト(短期間利用が可能)
・突発アクセスに悩む有名サイト
メニュー
・ライトとスタンダードの2コース。容量と帯域制限の有無で異なる。
・スリーハンズの他サービスとのセット割引あり。
マネージドサービスもやっています。まるっと全部お任せいただけます。
個別要望(キャッシュサイズ、動的サイト)もご相談ください。
まずはお問い合わせを!販売パートナーも募集中です。
Q1.実際どのくらいトラフィック捌けますか?
A1.1台あたり18000リクエスト~2万/sec×2台構成。最大1Gbps回線です。
Q2.オリジンアシストを負荷分散することは可能ですか?
A2.冗長化構成で負荷分散しています。CDNほどの本格的なものではなく、気軽に利用できるサービスとして考えています。
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5.「ブルガリア国の紹介とIT事情」
ブルガリア共和国大使館 商務官 ゲオルギ・コストフ 氏
(左:コストフさん、右:メンバーのアシアル株式会社で働くブルガリアのインターン生のお二人)
今回の会合では、ブルガリア共和国大使館商務官のゲオルギ・コストフさんに
ブルガリア国のご紹介からICT事情まで、お話しをいただきました。
先ずは、コストフさんにお話しをいただき、その後は、以下のような参加者からの質問に答えていただくと言った形で、ご講演を進めさせていただきました。
コストフさんからの冒頭の挨拶として
本日は、このような時間をいただき誠にありがとうございました。
ご参加された皆さんが、ブルガリアと言う国に大変興味を持っていただき、
大変ありがたく、嬉しい限りです。
ブルガリアについて地理的なお話しから、主要産業、貿易、日本との関わり、ブルガリアの大学でのICT教育などお話しさせていただきますのでよろしくお願いします。
【以下、箇条書きでご報告します】
・ブルガリアはどこにある?
黒海の横です。ギリシャの上というとわかりやすいです。北にはルーマニア、ドナウ川が流れています。西は旧ユーゴスラビアです。
ぜひブルガリアに来てください。ブルガリアへはウィーンなどを経由していくことができます。
・ブルガリアの白緑赤の国旗の意味は?
白:平和、緑:自然、赤:勇気
・ブルガリアの基本情報
面積は日本の1/3.人口740万人で東京より少ない。言語はブルガリア語、キリル文字になります。ロシア語に近い。キリル文字はブルガリア語のために作られた文字。
時差は日本からマイナス7時間(今はサマータイムなのでマイナス6時間)。
・ブルガリアの歴史
トラキア人が最初に入ってきました。
ビザンツ帝国やオスマン帝国の支配下にいたこともあります。
中世時代のブルガリアは日本と同じぐらいの面積があったが、戦争の結果今ぐらいまで減りました。
・ブルガリアのイメージ
日本で言うとブルガリアは「ヨーグルト」。明治さんのおかげ。ヨーグルトの歴史は古いです。
2番目のイメージは「バラ」。女性には「バラ」が有名。ローズオイルのシェアで世界7割。6月にはバラ祭りも。ブルガリアのバラは全国的ではなく、「バラの谷」にしかできません。
3番目のイメージは「相撲」。「琴欧州(なると親方)」がブルガリア人。碧山(前頭5枚目)もブルガリア人です。
その他、温泉の数でヨーロッパ2位、日本語が話せる人の人数はヨーロッパ1位です。日本と同じ春夏秋冬があり、秋には紅葉があります。緯度的には北海道ぐらいなので冬には雪も多いです。ブルガリアワインなども特産です。
・ブルガリアの経済について
EU・ロシア・中東にアクセスしやすく、地理的に優位
GDPは+。インフレ率は安定。失業率 9%
安定した政治とビジネス環境
通貨はユーロとレート固定
税率は法人税も個人所得税も10%。失業率の高い地方は期間限定で法人税0%も
・労務費は欧州では一番安い
・低い事務所賃料費と電気・ガス・水道料
・投資促進法により政府助成金が利用可能(製造業、研究開発、教育、ヘルスケア、ロジスティクスなど)
・8万人が海外留学。大学進学率25%
・46%が最低1ヶ国語以上の外国語を習得
・ブルガリアのIT業界について
資格を持ったITスペシャリストの実際の人数がヨーロッパで3位、世界で10位
インターネット高速接続可能です。昨年データでは韓国を上回って世界1位
ICT分野にはおよそ900社
2012年には輸出成長率3.8%
ソフトウェア・ITサービスの売り上げは3.4%上昇
ソフトウェアは海外輸出向け
2010年以降、ICTブームが起きています。国内の15大学がICT専門学部を創設、ハードウェアからソフトウェアにシフトしています。
・ブルガリア政府が現在注力している優先業種
サービス関連
運輸・ロジスティックス
情報技術
ビジネスプロセスのアウトソース
健康医療ツーリズム(温泉は体の治療のために使っており、日本とは異なる)
・産業
運輸機器および機械製造
エレクトロニクス、電気工学
化学産業
食糧、農業
ブルガリアと日本間における貿易の推移
・輸出:電子部品、集積回路(30%)、精油(13.2%)、魚介類(7.6%)
・輸入:自動車・バス(21%)、蒸気タービン(16.7%)←TOSHIBAと三菱から!
・ブルガリアはアウトソーシングの場所として最適です!
<<ブルガリアからメンバー会社にインターンに来ている留学生2名を交えて質疑応答>>
Q1.ブルガリアのIT事情の困りごとや問題があれば教えてください。
A1.仕事が増えて人材不足です。(問題ではないが)Ciscoアカデミーが最近流行ってます。若い人は夜間講座で受講しています。
Q2.日本に期待したいことは?
A2.日本でたくさんの知識を身につけて帰りたいです(留学生)
Q3.ブルガリアおすすめの観光名所は?
A3.ベリクタル、リラ山、バルカン山脈です(留学生)。日本人へのお勧めはリラ僧院。ボヤナ教会、トラキア古墳、ネセバル旧市街です(コストフ氏)。
Q4.ブルガリアの方が「日本」と聞いたときどんなイメージを持っていますか?
A4.「ハイテク」「まじめな仕事」「サムライ」、「ショーグン」「新幹線」「テレビはソニー」です。
Q5.クールジャパン(アニメ、かわいい、ファッションなど)はどうですか?
A5.日本のアニメはよく視ます。ファッションはあまり・・・。ブルガリアでは年2回ぐらいアニメのイベントが開催されています。
Q6.日本の企業がブルガリアに進出する場合、単独でも会社を起こせますか?それともジョイントベンチャーが必要ですか?
A6.自由です。ジョイントする必要はありません。日本の会社の支店でもOKです。ヨーロッパに顧客を持つのなら、ぜひ拠点をブルガリアに持ってほしいです。特に税率面で有利です。
みなさんお疲れ様でした。
コストフさんお忙しい中、本日はありがとうございました。
去年の暮れに大使公邸にて初めてコストフさんとお会いし、今年になって是非ともブルガリアのお話をNCWGでしていただきたいなと思いまして、コストフさんにお願いした次第です。その思いが成就し本日の講演が実現しました。非常にお忙しい中ご協力いただきありがとうございます。
今年度のニッポンクラウドワーキンググループのテーマが、
『Beyond the Clouds!』を掲げて活動を進めていますが、
本日のコストフさんのブルガリアのお話しは、
Beyond the Cloudsするためのいいきっかけになれば、大変ありがたいです。
ところで、ニッポンクラウドワーキンググループとして5年活動を行ってきましたが、この4月の時期にスリーハンズさんにお願いして、山王パークタワーのこの会場をお借りしていただき毎年印象に残る会合が開催で来て、スリーハンズさんには毎年ご支援いただき感謝しています。ありがとうございました。
今日のこの場が、良い意味で“蟻の一穴”みたいになって、ブルガリアとビジネスをやっていくなど、場のための切っ掛けになれればありがたいなと思い、今回の会合を開催しました。
夏までの会の予定は既に確定しておりますので、引き続きみなさんよろしくお願いいたします。
7.懇親会
懇親会も大いに盛り上がり、メンバー・ご協賛の方々との積極的な交流を図ることができました。
さらに音大声楽科を卒業された実行委員によるブルガリア国家の独唱もあり、
実のある、記憶に残る懇親会となりました。
ご参加された皆さん、ありがとうございました。
【NCWG実行委員 報告書作成者】
平田 賀一(NTTスマートコネクト株式会社)
深野 慶 (株式会社IDCフロンティア)
藤田 浩之(株式会社オレガ)