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NCWG設立八周年 年度報告会・特別講演会開催報告

「NCWG設立八周年報告会、特別講演会・パーティ」は、多くの方々の温かいご支援により盛況のうちに開催することが出来ました。
さらに、みなさまから心のこもったお祝いの言葉をいただき、九年目の活動に向けて大変励みとなる周年イベントとなりました。
重ねて深く御礼申し上げます。
誠にありがとうございました。
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【NCWG八周年テーマととして】「クラウドのこの10年、これからの10年」
【日 時】2019年11月8日(金)15:30~21:00
【会 場】関東ITソフトウェア健保会館・会議室(大久保)
【参加者】メンバー、協賛各社、関係者の方々および一般の方々を含めて約100名


【司会者のご紹介】
実行委員 佐々木 泰(株式会社クオリティア)

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<設立八周年 年度報告会・特別講演会・パーティ開催概要>


【開催のご挨拶】
会長 小堀 吉伸

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<第一部> NCWG活動報告及び本年度の活動計画
【NCWG 2019年度活動報告および2020年度活動計画】
会長 小堀 吉伸

関係者皆様のおかげで、ニッポンクラウドワーキンググループは、2019年の11月1日から9年目の活動に入りました。
引き続き9年目も日本のクラウドビジネスの質ともいえる縦軸とクラウドビジネス全体の量としての横軸を広げて行けるように2020年度も面白い試みをやって行きたいと考えていますので、ご支援、ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

早速ですが、先日、正会員による総会を行い、2020年度の役員が決まりましたので、ご報告いたします。

以下の理事監事で2020年のニッポンクラウドワーキンググループの運営を行わせていただきますので、よろしくお願いいたします。

会長 小堀 吉伸(株式会社北斗システムジャパン)
副会長 藤田 浩之(有限会社シェルンコアテクノロジー)
副会長 野元 恒志(有限会社ディアイピィ)
理事/事務局  尾鷲 彰一(株式会社オープンウェーブ)
監事    大澤 武史(株式会社クリエイトラボ)

2020年度の会の活動テーマとしては、
『Beyond the Clouds! 強みをシナジーにクラウドビジネスを昇華させる!』
をテーマとしました。

ニッポンクラウドワーキンググループが関係各社のビジネスシナジーの場となり、参加者個々の強みを掛け合わせることによる相乗効果で、クラウドの利便性の向上と日本のクラウドビジネスのマーケットの拡大、そこから新たな価値の創出に努めることで、結果として、日本から発出するクラウドビジネスモデル=サムライクラウドの価値(実)を高め、次なる状態(ステージ)へと昇華(結実)させるという意味で本年のテーマを決めました。

2020年度の活動にあたり大きな変更事項としては、
会の主活動である4つの研究部会のうちの一つの「クラウドサービス部会」につきましては、2020年度より「宇宙クラウドサービス部会」に部会名を変更し、宇宙関係のクラウドサービスビジネスへ関わることの手助けになるように部会活動の対象を宇宙クラウドサービスへと広げました。
また、会の主活動である4つの研究部会の部会長につきましては、引き続き4人の理事が各部会長を兼任し活動を行ってゆきますので、関係者の皆様には、是非各部会への参加をお願いします。

ニッポンクラウドワーキンググループは、ご存じのように設立以来一貫して、
ご参加いただいている、メンバー、ご協賛だけのクローズドな形で活動を行ってきました。
2020年も引き続きクローズドな枠組みで、活動を行ってゆきますので、
ぜひ関係者の皆さんには、会の活動にご参加ください。

引き続き、2020年度もニッポンクラウドワーキンググループにご参加ください。
よろしくお願いいたします。

※活動報告及び活動計画の内容は、こちらの資料をご覧ください。

【サムライクラウド部会活動報告及び活動計画】
部会長 野元 恒志

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2019年は、大阪会合での部会からの二要素認証に関しての発表をはじめ、全11回部会を開催致しました。大規模障害や、プライベートクラウドにおけるマルチAZ、ソフトウェア開発生産性といったテーマを中心に議論を展開し充実した部会活動となりました。

2020年度は、SAMLを中心にマイクロサービスなどのマッシュアップといった軸はブレずにさらなる最新クラウドテクノロジーも積極的に議題に取り込んで活動していきたいと思います。

【クラウドアプリケーション部会活動報告及び活動計画】
部会長 尾鷲 彰一

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2019年度は、LoRaおよびLoRaWANのThe Things Network についての知識を広めました。
2020年度は実際にLoRaWAN(The Things Network)を用いて、ゲリラ豪雨の観測を行っていく予定です。
クラウドアプリケーション部会の活動内容の詳細は、こちらの資料をご覧ください。

【クラウドビジネス推進部会活動報告及び活動計画】
部会長 藤田 浩之

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クラウドビジネス推進部会 活動指針は下記のとおりです。
1. クラウドを利活用してビジネスに繋げるための、リアルな情報で語り合う場を提供する
2. 様々な方法で、実際のクラウドビジネス創出を促進する
3. “ニッポン”発のクラウドビジネス(サムライク ラウド)の発展に繋げる

前期部会は、勉強会のテーマとして 『シチズンデータサイエンス』を取り上げました。
データサイエンティストの3つの要素は「データ処理」「データ分析」、そして最も重要な要素が「価値創造」で、データサイエンティストになるには、「情報学」「数学的統計学」「専門領域知識」すべてを深く理解している必要がありますが、実際には「情報学」「数学的統計学」を極めたうえで、「専門領域知識」については実際にその領域にいる人とのコミュニケーションによって知識等の補完を行い、「価値創造」を成しえています。
一方、「シチズンデータサイエンス」は、「データサイエンティスト」がテクノロジーの進化によって代替され、専門領域にいる人自らがデータサイエンスを実施し価値創造を成すモデルです。ただその場合、専門領域にいる人もテクノロジーに歩みよる必要があり、ある程度のデータサイエンスの知識が必要となってきます。そのため、勉強会ではシチズンデータサイエンスによる価値創造を目的に「データサイエンス」についての勉強会を開催しました。

勉強会推薦図書として『データサイエンス入門』(岩波新書) 竹村 彰通 著 を取り上げ、また、オンライン参考教材として『社会人のためのデータサイエン ス入門・演習(総務省統計局)』を取り上げました。

今期の部会メインテーマ は『クラウドビジネスに役立つクラウドサービスの研究』です。
クラウドビジネスを成すためにはクラウドサービスの活用が重要です。改めて、さまざまに利活用可能なクラウドサービスについて部会にて情報を共有し、各々のクラウドビジネスの進化に繋がる場を提供していければと思います。

是非部会にご参加ください。

【クラウドサービス部会活動報告及び活動計画】
部会長 小堀 吉伸

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クラウドサービス部会では、セオドア・レベットの『ホールプロダクト』の概念を軸に、クラウドサービスを多くの顧客に利用してもらうためには、「備えるべき機能や特徴とは何なのか」を技術的な側面ではなく「サービス」と「クラウド(サムライクラウド)」の視点から考察し、また参加メンバーからサービス視点での発表を行っています。様々なクラウドサービスを取り上げ、ベストプラクティスのアプローチだけでなく、バットプラクティスからのアプローチで「なぜこのクラウドサービスは、うまくいかなかったのか」ということに焦点を当てながら、部会の中で検討、討論を行ってきました。

2020年度につきましては、
「クラウドサービス部会」から、「宇宙クラウドサービス部会」へ部会名を変更しました。
言葉が難しいのですが、一般的なインターネット側を利用するクラウドサービスは、様々な分野で普通に使われています。そのため、普通に使われているクラウドサービスを検討することも有効なのですが、新たなクラウドビジネスの分野でもある「宇宙」に視点を向けることで、新たな分野でのクラウドサービスを創出できると考えています。

そのため、宇宙ビジネスに着目したのですが、
宇宙ビジネスのイメージとしては、
・「参入ハードルの高さを感じる」
・「宇宙=ロケットのイメージが強い」
・「宇宙の実感が持てない」
などの実感が持てないことや知らないことから起こる障壁感があると考えました。

それを超えるためにも宇宙ビジネスのつながりのある方々との連携を深め、それを宇宙ビジネスへの足場とし、
従来のクラウドサービスの考えを踏襲しながら、新たなジャンルとしての「宇宙クラウドサービス」の概念を固めて実ビジネスへとつなげて行きたいと考えています。

引き続き、関係者の皆さんには、部会への参加よろしくお願いいたします。

※各部会の活動報告及び活動計画の内容は、こちらの資料をご覧ください。

<第二部> 八周年 特別講演会「クラウドのこの10年、これからの10年」
サムライクラウドサポーター
国際大学GLOCOM 客員研究員
NTTコミュニケーションズ株式会社 クラウド・エバンジェリスト
林 雅之 氏

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本日は、クラウドの過去をハイプ・サイクルで振り返りながら、クラウドの今後の10年という視点で見ていきたいと思います。

〇クラウドのこれまでの10年

2010年、クラウドコンピューティングがハイプサイクルでピークとなっており、プライベートコンピューティングは今では考えられないが黎明期という時期となっていました。この時期にクラウド戦略を柱にしていくというメッセンジャーが国内外で増え、日本IBM、NTTデータ、ニフティ、さくらインターネット等、いろんな事業者がこれからはクラウドだと一斉にメッセージを出し始めました。クラウド元年がこの2010年だと考えています。

2011年、クラウドに対する過度な期待からピークがやや下がってきた時期で、プライベートクラウドが少し流行りはじめました。
この時期にAWSが東京リージョンを開設。その後、東日本大震災が発生し、その震災後にいろんなWebサイトがAWSを使って立ち上がったこともあり、改めてクラウドが評価された時期となりました。丁度この時期にNCWGも発足。

2012年、クラウドは幻滅期に入ったが、プライベートクラウドはまだピーク期となっています。ここからいろんなコミュニティやエバンジェリストの存在感で出てきました。コミュニティをベースにビジネスを広げていくというエコシステムも出てきたが、その一方でクラウドのデータが消失し、クラウドは大丈夫かと言われた時期でもあります。

2013年、クラウドは更に幻滅期になり、データサイエンティストというキーワードが流行りはじめました。
MicorosoftのAzureがPaaSのイメージが強かったところからIaaSにシフトを開始。少し遅れていたGoogleがGoogle Compute Engineを提供開始して猛追を開始しました。
クラウドそのものからストレージや仮想マシンに対する信頼性が注目されるとともに、クラウドインテグレータ、クラウドブローカー等から、ビックデータやソーシャルといったものに対してクラウドのテクノロジーが有効であるということに注目された時期です。

2014年、クラウドは底辺に到達したが、その一方でクラウドは着実に認知され、システム公開時に優先的にクラウドを検討するクラウドファーストが認知されるようになり、また、基幹システムでもクラウド化が検討されるようになりました。
その一方でハイパースケールクラウド事業者が一気に力をつけてきて、他のクラウド事業者が淘汰されるのではないかという予測もでてきました。
この時期はクラウド幻滅期ではあるが、次の世代をとらえて積極的にクラウド事業に進出して先行投資をしようという時期で、一方IoTというキーワードがピークになった時期。各社が自社の強みを生かし様々なクラウド事業に進出した時期でもあります。

2015年、クラウドというワードがハイプ・サイクルからなくなりましたが、幻滅期が続いていました。クラウドネイティブというキーワードが使われ始め、クラウドではAWS、MS、IBM、Googleの4強で世界シェアの半分を占めました。
また、経済産業省がクラウドガバナンスのガイドラインを出し、クラウド使用において全ての責任をクラウド事業者に委ねてしまうとコントロールできなくなるという問題が顕在化。サービスの中止や問題への対処、責任をどこで区切るかを事業者が策定するとともに、各種認証を積極的にとり、クラウドのセキュリティや個人情報などの安全性をアピールしだしました。

2016年、クラウドは一番最悪な時期を逃れて底辺を脱しました。Smart Machineというキーワードに注目が集まりましたが、IoTに巻き取られて1~2年でこのキーワードが出てこなくなりました。他にもコンテナ、マイクロサービス、サーバレス等が流行りのキーワードとして注目され、ハイパーコンバージド等エッジコンピューティングも大事ではないかと言われ始めました。

2017年、幻滅期を抜け出してDXが流行り始めました。Googleとアリババが急成長。仮想サーバだけではなくベアメタルサーバーが伸び、プライベートクラウドも本格的に導入される動きがありました。
さらに、企業の基幹システムのクラウドへの移行手段としてリフト&シフトというキーワードが流行り出しました。リフト&シフトは、理想としては、基幹システムをクラウドにそのまま移行(リフト)し、クラウドネイティブな仕組みにシフトし、シフトする際に必要のないシステムを取り除いて基幹システムのコストを削減し、その分を他のデジタル投資にまわすということですが、現実には基幹システムをクラウドに移行することが難しく、まず簡単なアプリケーション単位でクラウドに移行し、ある時期に一気にクラウドに対応したアプリケーションにシフトしていこうという、段階的なクラウドへの移行としてのリフト&シフトが流行りました。

2018年、クラウドは啓蒙活動期に入りました。スーパーコンピュータの深層学習を支える基盤としてGPUを各社が対応し始めました。
また、ハイパースケール事業者のAWSやAzure、日本の事業者もVM Wareと連携するモデルが出てきました。
さらに、政府の情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針として、「クラウドバイデフォルト原則」を発表し、積極的に民間のクラウドサービスを採用していこうという動きとなりました。

2019年、更にクラウド啓蒙活動期に入り、陽の目がでてきました。例えばオンプレミスのERPシステムがクラウドベースのシステムに置き換わる動きがみえてきたり、ネットワーク事業者でもWANなどの接続系が伸び、インターコネクトなどのサービスが伸びました。
また、クラウドネットワークの信頼性が拡大し、マネージドクラウドのサービスも伸び、複数のクラウドをどうマネジメントするかという動きが出てきて、また、DXを支えるのがクラウドだという流れも出てきました。
これまではハイパースケール事業者が新しいサービスを出し、それにイノベーターやアーリーアダプターが勉強して追随するという流れでしたが、アーリーマジョリティーやレイトマジョリティーといった領域では、クラウド事業者がある程度お客様に寄り添ってサービスを提供するという流れが出てきました。この領域では日本のクラウド事業者も世界と競争できる可能性があります。

という事で、過去2010年から振り返って見ると、クラウドは一回ピーク期から落ちていきましたが、今は啓蒙活動期で良い感じに陽の目を浴びており、さらに10年後には安定期になりクラウドが当たり前の世界になることが考えられます。

〇クラウドのこれからの10年

これからの10年については、自分なりにマーケットの動きや政府の動きを中心にまとめました。

クラウドはまだまだ伸びていく中で、共通して言えるのは自律やセルフドライブとなり、クラウドが当たり前になります。様々なデバイスが繋がりアクセラレーティングコンピューティング、フレキシブルコンピューティング、ハイパフォーマンスコンピューティングも進化を遂げていると考えられます。

市場の動向について、クラウドは最近ではデジタルビジネスという事が言われてきていて、さらに言うとAIやロボットなどと連携していく社会になってくのが全体の流れです。
その状況の中で、クラウドの競争環境はハイパースケール事業者がシェアを拡大していきます。他のクラウド事業者は、例えばパブリッククラウドから撤退もしくは縮小し、プライベートクラウドにシフトするなどがありえます。また、クラウドサービス統合や再設計の動き、ハイパースケール事業者との連携の動きも考えられます。
さらに、インフラではなくコンサルやインテグレータにシフトしていく動きや、マネージメントサービスの展開、特化した領域、例えば宇宙などでエコシステムを構築するなどの動きが出てきています。
このように差別化していかないとコモディティ化していく領域では戦えなくなってきています。ブルーオーシャンとして何が残っているかというと、宇宙、Smart City、サプライチェーンといったものが挙げられ、特定の領域を攻めながらクラウドも展開していくという事をしていかなければなりません。

ユーザーニーズの動向としては、これまでは主に情報システム部がクラウドサービスを利用していたものが、ユーザー自身が顧客との関係性や社会パートナーとの関係性でエンドユーザーにサービスを提供する流れがでてきています。
また、データの利活用が増えていることからストレージ系のクラウドサービスの需要が増えており、政府のSciety5.0で様々なデータ基盤を作っていこうという動きも出てきています。

事業者の動向として、海外勢は脱IaaSの動きでAI&データ思考プロセス重視のサービスモデルになってきており、それに対応した基盤を用意しています。この領域では日本の事業者が追随するのは結構難しいと考えています。クラウド事業者は他社を取り込んで、まとめてプラットフォームを活用する動きが強くなります。クラウドはいろんなモノに繋がっているが、考え方として天動説的な考え方はよくない考えで、地動説として考えて太陽をデータととらえ、データ(太陽)を見ながらいろんなサービスを提供していくという事がこれからのモデルだと考えています。例えば、コンプライアンス競争力がある等の重要なデータに対し、これからDXが進んでいって予測できないデータや低コストで良いというデータが出てきた場合、接続形態はVPN、5G、Wi-Fiがあり、クラウドはパブリックでもプライベートどちらでも良くて、場所も分かったほうがいいユーザーもいればそうじゃないユーザーもいて、データそのものを保護していかなければならないという形があれば、データを見ながら、こういった組み合わせモデルを提案するなど、要はデータの最適配置モデルというのをお客様に提案していくことが重要になっていくと思います。

インフラの動向として、5Gのネットワークスライシングという動きが出てきます。モバイル系のネットワークが進化していき、5Gだとエッジとクラウドの連携がしやすくなり、かつ、ローカル5Gではネットワークのトラフィック制御も含めて最適なインフラ環境を作っていく必要があるので、クラウドだけじゃなくモバイル環境もしっかりと整える必要があります。いろいろな周波数があるのでドローンとクラウドの連携や、Smart Factoryとして工場もWi-Fiではなく安定した5Gで対応していく必要があり、こういったローカル系の基盤もどうするか考える必要があります。
車、監視系、映像系がどんどん伸びてきます。自動運転はコネクテッドカーを想定したクラウドインターネットモデルを考えても面白いです。交通システムや製造業でもGPUを使っていこうという動きがでてきています。将来的には量子コンピューティングも含めたアクセラレーテッドコンピューティングやハイパフォーマンスコンピューティング等、クラウドの次を行くスーパーコンピューティング規模の環境などをユーザーが使っていくという動きがでてくると思います。全体の将来図、モデルとしてはいろんなAI機能が点在し、これを最適配置するインフラ環境が適用されていくでしょう。

人間個人の進化の方法として、クラウドによる人間拡張、クラウドや5Gにもっと繋がっていくと人間が進化していきます。クラウドのリソースをリアルタイムに処理しながら、人間自身が拡張していくという事も出てくると考えています。10年後は、クラウドを使ったマインドアップローティングで脳をデジタル化してクラウドにアップローティングし、必要な時に自分のリソースを取ってくるとうい事が出てくる可能性もあります。

まとめ

日常がマーケットと共に拡大していくなかで、ハイパースケールクラウド事業者とどう連携してどう差別化を図っていくかが非常に大きなポイントとなります。
クラウドが啓蒙活動期から正に安定期に向かっていこうという時期の中で、ベースにあるクラウドが安定したうえで、それを超えて何をしていくかがこれから正に重要になってくるので、NCWGか掲げている「Beyond the Clouds!」というスローガンは良いキーワードになると考えています。

※講演の内容については、こちらの資料をご覧ください。

<第二部> パネルディスカッション「クラウドのこれからの10年」
モデレータ:サムライクラウドサポーター 林 雅之 氏
moderator
パネリスト:GMOクラウド株式会社 増田 義弘 氏
富士通クラウドテクノロジーズ株式会社 上野 貴也 氏
株式会社IDCフロンティア 伴 忠章 氏
さくらインターネット株式会社 横田 真俊 氏
富士通株式会社 宮沢 健太 氏
NCWG 副会長 野元 恒志

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クラウドのこれまでの10年、これからの10年をテーマに、非常に興味深いディスカッションを行いました。
パネリストのみなさまの熱量も多く、第三部にも急遽時間を設け、ディスカッションの続きを行いました。

林:
みなさん、こうやってクラウド事業者が集まる機会はなかなかないと思うので、色々とお聞きしたいと思います。
テーマは「クラウドのこれからの10年」で、過去を振り返りながらこれからを考えていきたいと思っています。
最初のテーマはこれまでの振り返りで、話したいことは色々あるのですが、まずは自己紹介をしつつ自己のクラウドでどう戦って来たのかなどをお願いします。

増田:
GMOクラウドの増田でございます。
クラウドホスティング事業を担当してだいたい5年くらいになります。
レンタルサーバーにおいては10数年、その先はここにいる伴さんと同じ会社で一緒に仕事をしておりました。
我々はクラウドのサービスというのは2011年からで後発なんですね。
レンタルサーバーを生業にしておりましたので、スペックでの売り方というのをずっとやってきたんですけど、だんだんスペックだけでは見えない部分での勝負をしなきゃいけない状態になってきまして、例えばお客様のクラウド環境でどのようにビジネスを成功させるのかという中で、例えば一緒のキャンペーンや広告などをやらせていただいて、ソリューションを提供するようになってきたというのがこの10年の流れです。
海外連携ではマネージドサービスをやりだしていて、これは特に自社のインフラだけでなくマルチクラウドでのサービスで、特にアセスメントをやらせていただいて、少し前のAWSの障害のときもそうでしたが、まだアセスメントの余地はあるのかなと考えています。

上野:
富士通クラウドテクノロジーズの上野と申します。
もともとうちの会社はニフティでして、ニフティクラウドを2010年から開始しています。
当時はスマホやアプリが立ち上がってきたタイミングで、クラウドビジネスにとっては非常に追い風でした。
ちょうどAmazonが日本にきたりしてクラウド熱が一気に高まった時期に参戦しました。
ニフティの社員だったんですが、ニフティ社の社員としては激動の10年でして、2017年くらいにプロバイダのニフティがまったくの新規事業としてクラウドサービスを始めまして、ニフティ社内向けのインフラからサービスになっていったという経緯があります。
それでニフティは富士通から売られてしまって、流通大手のノジマさん傘下になって、そのタイミングでクラウドだけが富士通に残った経緯でございます。
ということで、10年を思い返すといろいろなことがあったなという感じです。

伴:
IDCフロンティアの伴と申します。
風邪を引いて声がでないんですけど、今はIDCフロンティアでクラウドの次のビジネスを考えることとデータセンターの2つを見ています。
IDCフロンティアとしては2009年ですかね、実はニフティさんより早く始めてたんですけど、選んだのがMicrosoftのHyper-Vというもので、これがまたLinuxが乗らなくて「どうやって乗せるんだ?」と売りにくかった。
マーケットからするとニフティさんのほうが早いように見えていて大失敗の連続で、ただ社内では新規事業ということでそこそのがんばった10年かなと考えています。
社風もあって、クラウドはエコシステムだ、当時の社長が「これからはエコシステムだったらエコアライアンスをまとめるんだ!」といっていたんですがすべてが矛盾していてですね、天動説を唱える経営者で失敗しました。
そもそもニフティクラウドワーキンググループだったのを「小堀さん、”ニフティクラウドワーキンググループ”だと僕らが入れないので、”ニッポン”にしてくれ」と、ニフティクラウドワーキンググループが出展しているブースまで行ってお願いしたのは僕です。
今考えると正解だったのかなと思うところもありまして、これからも数少ない日本のクラウドとして力を合わせて頑張れればと思います。

横田:
さくらインターネットの横田と申します。
林さんの資料を見て気が付きましたが、そういえば最初に本を書いたのは自分だったなと。
ぱっと周りを見渡すと林さんに上野さんに伴さんと、同窓会みたいな感じがします。
さくらインターネットはですね、2011年に石狩でさくらのクラウドというサービスを作らせていただきました。
私はもともとそこの企画担当をやっておりまして、さくらのクラウドの立ち上げ、その後さくらのVPSという廉価版のサービスの責任者、いまはさくらのクラウド、さくらのレンタルサーバー、さくらの専用サーバー、VPSのサービスを担当する執行役員をやらせていただいております。
競争関係の対応というよりかお客様の対応を多くやってきたことがありますので、海外には負けてしまうものの、我々日本のクラウド事業者も十分伸びていますので、それはそれで良かったと思っています。
8年間を振り返るとお疲れ様という感じなのですが、我々は後発なのですが、日本のクラウドまだまだ頑張っていきたいと思っています。

宮沢:
富士通の宮沢と申します。
富士通はNCWGに去年から協賛しておりまして、一番の新参者でございます。
富士通がクラウドを始めたのは2010年で、その時のプレスリリースを書いたなと思い出しました。
私自身も富士通の中で「これからはクラウドだ」と騒ぎ出したのが2009年くらいで、その頃私はサーバビジネスの戦略とか商品企画をやっていたんですけど、そうやってクラウドに携わったのを覚えています。
私はマーケティングが基本的な担当なので、当時富士通が花火を上げるんで、かっこいいプレスリリース書けと言われて、「10年で1000億」って言ったなーと思い出しました。
自分はその後3年しないで、クラウドから離れてしまったのであんまり実態をわかってないんですけど、よく考えてみるとさきほどのガートナーのハイブサイクルとほぼ同じ流れでビジネスをやっていたんじゃないかと考えています。
花火は上げたんですけど、そんなにうまくいっていなくて、二転三転、サービスの名称は3回変えています。アーキテクチャも3回変えています。
ということで、色々テクノロジーの部分とかビジネスの部分で四苦八苦しながらいまに至っています。
これからも一緒にやっていきたいと思っていますので、よろしくおねがいします。

野元:
ニッポンクラウドワーキンググループ副会長をやらせていただいております、野元でございます。
まずはご登壇いただいたパネリストの方々、モデレータの林さんありがとうございます。
こういったメンバで話していただくのは貴重だと思っていますし、時間は限られているのですが楽しんでいただければなと思います。
NCWGは2011年から8年目で、自分自身もメンバもまだまだ試してみてもビジネスで使っている現場ってそんなにいなかったんじゃないかなと、それがいまやどう考えても当たり前につかっているという状況が生まれていて、特に今年は節目の年になるかなと、色々今日皆さんに伺ってここから先の話につながればと思っています。

林:
自分からも言わなきゃなと思うんですが、過去を振り返るといろんなサービスを出しているんですが、唯一心残りなのが1週間ほど前にクラウド・エヌ廃止しますというプレスリリースを出したんですが、読んだ方いらっしゃいます?
クラウドサービスを廃止しなければいけないということで、実はわたしは初期配属がクラウド・エヌで、その後1年で異動して、クラウド・エヌで十分出きらないままでした。
クラウド・エヌのゆりかごから墓場はおかしいが、最初から最後まで見ていたこともあり、自分の中では一番残念です。
もうひとつ悩んだのが、クラウドサービスを廃止するってことをちゃんとホームページにながして、あえて後ろ向きを前向きに見せるということでやってよかったと思っています。
それでは過去を振り返るだけではなく、これからのクラウドを考えてみたいと思います。
みなさんが注目、注力したい領域としてサービスモデルやテクノロジーなど教えて下さい。

増田:
GMOクラウドグループとしてはIoTを戦略として持っています。
クラウドが中心に来てしまうと良くないという話もあり、お客様よりのソリューションビジネスだったり考えがちなんですが、IoTだとモビリティなどがあります。
車にセンサーをつけて吸い上げて、それをデータ化して、例えば保険の会社に提供することで、乗り方によって保険の料率を変えたり。あとはAIも最近やっておりまして、店舗にカメラを付けて行動分析し、AIの映像分析を使ってビルメンテの会社や工場向けにデータ化するなどデータの活用などに意識をおいて、特化型に近い形をやり始めています。

野元:
それをやられているのは新設の部隊なんですか?これまでにクラウドをやられていたひとがシフトされているんですか?

増田:
やっぱりエンジニアの毛色が違いますよね。運用をやっているエンジニアとインフラを触ってたひと、AIとかすこしスペックが高い人材とはことなるので、新しく人を集めています。

野元:
人材獲得に苦労されたりしていますか?

増田:
そうですね。

野元:
GMOクラウドさんではマネージドサービスを展開していて、これまでの流れとすると新しいサービスのモデルであったりしますが、GMOグループ他社に関係なくマネージドサービスを展開されていますか?

増田:
GMOグループでいうとたくさんのレンタルサーバーの会社やクラウドサービスの会社があるんですけれども、結構バラバラになっている。
マルチクラウドとしてはAWSや海外のクラウドのことが浮かぶんですが、グループ会社の中でマネージドができるものがたくさんあるんじゃないかなと思っています。

野元:
コンフリクトするというよりも、いいとこどりということですか?

増田:
そうですね。僕らの価値は、サーバ運用のノウハウがサーバに対して扱っている価値だと思っているので、形を変えて提供することができるんじゃないかなと考えています。

林:
それでは上野さんお願いします。

上野:
サービスモデルでは、パブリッククラウド中心で始めてましたけども、最近プライベートクラウドの契約も増えてきていてそういった領域も注力しています。
例えばニフクラの仕組みを使って、2ラックでお客様のDCに収めるようなビジネスモデルも引き合いがあって、事業者さんとかホスティングの会社さんのベースをニフクラに変えていただく話も出てきています。
我々はVMwareのパブリッククラウドということで見ていけば、特徴をだしやすいというのがあったんですけど、あんまりVMwareらしさを打ち出せていなかったということがありまして、そういうところをフォーカスしています。
例えばお客様のオンプレのVMからオンラインでマイグレーションしちゃうとかですね、そういったVMwareじゃなきゃできない世界を私達のパブリック、またはさきほどのプライベートリージョンみたいなところで実現していくというようなVMwareとの協業をここ数年やっていて、VMwareのパブリッククラウドでNo1という立ち位置を打ち出している状況です。
テクノロジーでいくとAIは非常に注目しているんですけども、我々も膨大なインフラの業務が教師データとしてありまして、いわゆるクラウドを安定稼働させるいろいろなVMware、ストレージ、サーバ、ネットワークなどの情報を教師データとして回していて、運用ノウハウとかエンジニアのノウハウを手順書なども含めてアルゴリズムする仕組みを進めていて、狙っているのはインフラの自動運転ですね。そこに対してクラウド事業者の我々はそういうデータがいっぱいあるので、学習が早く進みやすいというのがあると思いますので、そういったところをベースにクラウドと質の高い運用をセットにしたビジネスモデルを立ち上げていきたい。
インテリジェンスインフラストラクチャのような世界とか、我々のクラウド自体が優秀なエンジニアが支えている点と優秀なAIが支えているところがあって、人間で見つからない障害がAIで見つかることもあって、クラウドって新規障害が起こるんですけど、いろいろな検知からわかるようになってきている。
自分で運用しているプライベートクラウドとクラウド事業者がAIをベースに運用している場合に運用品質の差が出していけるのではないかと考えています。
あとはそれをベースにお客様のマネージドサービスをAIで展開していくのもあるのかなと思っています。

林:
他社や海外がVMwareで展開していることは驚異だったりしますか?

上野:
驚異というか、これまで基幹の領域はメガベンダーが踏み込みづらかったところをVMwareはやらざるを得ない状況なのかなと思っていて、なので驚異ではあります。
我々はVMwareの世界がシームレスで、彼らはいったんクラウド化してそのあとクラウドネイティブというか、シフトのところは結構壁があるのかなと、VMwareといってもVMwareホスティングについてはクラウドネイティブの世界にすーっと入っていけるんで、クラウドの効果、利便性を享受いただけると考えています。
VMware on AWSとうちを比べていただければ、うちのほうがお客様に価値のある提案をできる場合のほうが多いことはあると思います。

林:
次に伴さんお願いします。

伴:
サービスモデルとしてIDCフロンティアは、強みで差別化できている、勝てるところしか自分たちでやるのやめようと一昨年決めたんですけど、そんな中でさきほどから出ているプライベートクラウドだとかベアメタルだとか日本で勝てそうなところはやるんですけど、それ以外のオブジェクトストレージとかは勝てないだろうと舵をきって去年から自分たちのサービスの中にGoogleのクラウドを持ち込んでいます。
社内では結構抵抗感がありまして、IDCFクラウドにGoogleのサービスを入れるプロジェクト名がプロジェクトスタリオンという名前ですが、完全に種付けされているんですね(笑)。
最初はいやいや感がはんぱなくて、ただやってみたらお客様目線で考えると、部分部分によっては採用するのもよかったのかなと今では思っています。
他にもモデルを変えて、ソフトバンクが出資していますからNVIDIAサービスをどう盛り込んでいくかなどをやっています。
次の5G、AI、エッジとかにも通じると思うんですけど、僕のグループには孫正義という人間がいまして、反省するけど萎縮しないという器用な人なので(笑)、そういう人たちが推進をやっている中で、ソフトバンクグループの中でITインフラをIDCフロンティアに集めるという動きにどう耐えるかというのが僕らのテーマで、耐えて修行していくことによってお客様にいいものが提供できるというのが僕らの取り組みです。

林:
ソフトバンクグループっていろいろなクラウドをやっているが、グループ全体としてIDCフロンティアが担当されているのですか。

伴:
ホワイトクラウドに関しては、サービスの責任者がうちの社長なのでそこは統一化されています。
それ以外になんちゃらクラウドがいっぱいあるんですけど、そのへんは触れると危ないので触れてません(笑)。
日本のクラウドが必要であるとわかるまで触れません(笑)。
そんな感じです。

林:
横田さんお願いします。

横田:
みんな難しい話でよくわかってないんですけど(笑)。
最近見ていると、クラウドの作りが古くなってきたんじゃなかろうかなと思っています。
なんでかなと思っていたんですけど、最近衝撃的な話を聞きまして「AWSはおじさんのクラウド」と聞いたんですね。
え?と思って、「それじゃ何が今はナウいの?」って聞いたら、いまはやっぱりGCPなんですね。
作り方がクラウドネイティブになっているんですよ。だから我々自体のクラウドも単にVMを出すだけじゃなくてクラウドネイティブ的な作り方をせざるを得ないと。
そこのテクノロジーを変えていかないと、ここにいるみなさんは違うと思うんですけど、僕ら日本のクラウド事業者って「これは偽物クラウドだ」みたいな感じで、ただの社内のサーバにVMwareを入れただけをクラウドって言うのを馬鹿にしてたじゃないですか。たぶんそれと同じ運命になると、いますごい危機感を持っています。
なので、いまテクノロジー的にどうクラウドネイティブに対応していくかというのが関心を持っています。

林:
具体的にクラウドネイティブってどういうサービスですか?

横田:
単純にいうとKubernetesですね。Kubernetesが中心になってくると思います。ただそれだけじゃないんですよ。Kubernetesを運用するために色々あるじゃないですか。
どうやってデプロイしてやっていきましょうかとかあると思うんですけど、現状のシステムでそれをやるとちょっとつらいと思うんですよ。
例えば、いまJenkins使わないじゃないですか。今までとはだいぶ技術が変わってきはじめてるんですよ。
いまから1からクラウドを使う人ってAWSを選択しないと思うんですよ。
そこについてはだいぶ危機感を持っていて、次のクラウドに対応するためにどういうふうに我々の考え方とかを変えていくのかを考えています。

林:
宮沢さんお願いします。

宮沢:
我々は日本のSIerという立ち位置が強いので、うちのクラウドが広がらなかったのもSEが使わなかったからというのがあると思うんですけど、いまさらなんですけど金融で勘定系クラウドにしたら、SEから見たら何が本当に必要なのかとか、政府の調達のクラウドの話もありましたけど、日本版FedRAMPをやるんだったら富士通どうするんだ?とか、いままでバックエンドの基幹系をクラウドで支えるのをどうしたらいいんだってのを去年から1年以上かけてSEとクラウドチームのメンバが、どんどんプライベートに近くなってくると思うんですけど、クラウドで本当に既存の基幹系を巻き取れるのかということで、サービスのレベルアップをしようとしています。
そこはガチに我々自身がお客様の基幹系を携わっているので、そこをどうやって外資にとられないために強いクラウドを作るのをやっています。
なので、そこは従来のところをシフトかもしれませんし、そこをどうやって信頼性や責任を担保するのかをやっています。
ただそこは従来のビジネスの延長線なので、そこはきっちりやるんですけども、かたやDXと言われるところは今年の4月に社長が変わりまして、来年の1月にDXの新会社を作るって息巻いていますんで、そこでどれだけ本当にできるのかなってことを、社内的には様子見をしています。
そこの会社はですね、必ずしも富士通のプロダクトを使わないと言っているので、そこでお客様と新しいビジネスをやっていくときに、富士通のクラウドを選んでもらえるのかどうか、そこに対しての要求にどう応えるのかをやっていくんだろなと考えています。
そういう意味でうちはマルチクラウドでAWSもAzureも担いでますんで、そこの人たちに負けないクラウドを富士通が作っていかなきゃ、結局ジリ貧になるんじゃないかということで、2つのパブリックとしての役割、きちんとDXに対応できるところと本当の基幹系を支える両方を追い求めていくんだろうなと思っています。

林:
富士通さんはサービスのブランド統合をしたり事業変化されてますけど、DXの中で昔からZinraiでAI系のことをやられていてそのあたりはいかがですか。

宮沢:
AIも頑張っていますけどね(笑)。
たぶんどんどん組み込み系になると思います。ディープラーニングにせよ部品なので、部品だけ売っても食えないんじゃないかなと言うのが、今の社内の大勢的な考え方です。
なので、部品売りするよりも、例えばパートナーさんのサービスにどう組み込みこんでもらうかだとか、自社のサービスにAIをどう組み込んでいくか、そっちの議論にシフトしています。
テクノロジーの要素は色々持っているんですけど、単品で売ってももう売れないんじゃないの?っていうのが社内的な考え方です。

林:
野元さんはニッポンクラウドワーキンググループの立場でこれから注目されているサービスなどについてお願いします。

野元:
クラウドを基盤と捉えたときに、どうしてもコモディティ化、平準化していて、さっきの横田さんの話なんかだと将来的には僕らプレーヤーみたいなのがインスタンスを見ない世界になってくるだろうなとイメージしています。
そういったときにKubernetesとかが出てくるんだろうなと思うんですけど、同時にプレイヤーがいま考えなきゃいけないことが結構あるなと思っていて、日本ってよく言われるようにリテラシーが若干低い国なので、SaaSを日本全国でやりたいプレーヤーさんが地方に行ったときに無理やり入れることはできても、運用に乗らない、はまらないという話があって、それこそ富士通さんなんかは全国に支店と営業さんがいるので、少なくとも日本の底上げをするビジネス的なエコシステムを作っていかなきゃいけないのかなと、ちょっとテクノロジーからだいぶ離れてしまって申し訳ないんですけど、そういうサービスっていうのがみんなで考えていけたらいいなと思っています。

林:
ビジネスはエコシステムが重要ですよね。
残り10分くらいなので、色々質問をしようと思ったんですけど、まとめて質問しようかなと思っているので、どちらからでもいいので、質問をお願いします。
さきほど野元さんが言われたようにエコシステムもありますし、ちょっと3つまとめて、あぁどうしようかな。4つまとめて、、、4つはきついですよね(笑)。

野元:
もし話足りないようなら、パーティーでもみなさまに出ていただいて

林:
それでは、これからのクラウドはどうなるか、自社としてどう戦っていくかと、それを踏まえてニッポンクラウドワーキンググループさんに期待を込めて話をお願いします。
今度は反対周りでお願いします。

宮沢:
林さんに言われたのとはちがうこと言ってもよろしいでしょうか(笑)。
僕がいまやっている仕事もあるので、実は私はいまメインのミッションはエコシステム係でエコシステムを作れと言われている。ここ2年くらいやっていて、そのベースにあるテクノロジーがクラウドだったりAIだったりするんですけれども、DXの話にもつながってくるんですけれども、いままで富士通ってどうしても全部自分でやるっていうスタイルで、インフラからSIから運用からとにかく全部自分でやりますってたんですけど、これからはそういうモデルはないと社内で言っています。
やっぱり餅は餅屋で、尖った技術を持った方とか、尖ったサービスを持った方って山ほどいるので、そういった人たちとどうやって連携するんだというのがうちの会社の最大の課題で、それを広める仕事をしています。
ひとつは、Fujitsu Techtalkというコミュニティを作って、ニッポンクラウドワーキンググループの会員からも20社くらい入っていただいて、日々その中で技術についての話もしますし、お互いビジネスについて困っていることを連携することもしています。
その中で私はいつも「別に富士通を使わなくていい」と言っています。
ですので、そういったところでつながっていくことが後々お互いいろんなビジネスを作っていくことになるので、ぜひそういったところをやっていきたい。
そのインフラでクラウドは必要で、クラウドがあるからそういうつながりを作れるわけで、正直それが別に富士通のクラウドでなくとも、ここにいらっしゃるみなさんのクラウドでもうまくつながってビジネスを作っていければ、結局みなさんのビジネスは伸びていけるだろうと思っています。
最近上野さんのチームともニフクラも一緒にやりましょうと始めてるんですけど、ぜひ他のみなさんともそういうコミュニティでうまくつながれればいいかなと思っています。
あまり垣根は考えていませんので、ぜひ今日登壇いただいているみなさんも入っていただければなと。
そうするとニッポンクラウドワーキンググループとだいぶかぶってくるので、小堀さんにおこられちゃうかもしれないですけど(笑)、ぜひそういうことをやらせていただきたいなと思います。

林:
横田さんお願いします。

横田:
20年間とおしてデータセンター事業をやっていて、結局リソースをどう提供するのかというところが変わってきて、そこにどう対応するのかが肝だと思っています。
もともとハウジングから始めて、レンタルサーバーやってきて、VPS、クラウドと、次がでてくると思っています。
レンタルサーバ的な話ですと、ぜんぜん新しい考え方とかサービスが出てきておりますので、そういったところにどう対応をしていくのかをみなさんと考えていきたいなと思っているところです。

林:
ありがとうございます。
ニッポンクラウドワーキンググループに対する期待はいかがですか?

横田:
大変失礼いたしました(笑)。
一緒に何年間かやらせていただいているので、またこういったところで一緒によろしくおねがいします。

林:
つづいて伴さんお願いします。

伴:
僕への質問はどれがいいですか(笑)?

林:
どれでもいいんですけど(笑)

伴:
Yahooグループということもあって、人材を守るための働き方改革という名の働かない方改革があるじゃないですか。
でも働きたい人っているじゃないですか。働きたいんだけど40時間以上働いちゃいけないよという世知辛い世の中で、どうやって時間を有効活用させるかというのが僕らの最大の取り組みで、無駄に休みが増えるんですよね。
土曜日が祝日だったら金曜日は休みになる。何してんだと。11/22は僕ら休みなんです。23日が祝日だから。でも土曜は休みじゃないですか。かぶってるから金曜日休みにする。これは働かない方改革ですよね。でも業績とかそこの日に働いている方々と争っていかなくちゃいけないという、すいません、愚痴になってますね(笑)。
ニッポンクラウドワーキンググループについて言いますと、当初から来られている方も多いかなと思いまして、新しいメンバも増えていると思っていますが、おそらく日本のクラウドとして、あと5年から10年持たせないと、日本のクラウドってどういう姿であるべきかっていうのがわかんないままなのかなと自分自身は考えています。
そう考えると、10年後にここにいる方々はちょっと高齢すぎる部分もあるかなって思いますんで、ニッポンクラウドワーキンググループが長続きするように、うちの会社もひとり若手を連れてきてますけど、年齢ある一定以上いったら来るなという意味じゃないですよ(笑)。
若手も連れてきて、世代交代で長続きする団体にして、若い発想も取り入れながら、日本のクラウドの未来を語りたいというふうにしていくのがいいんじゃないかなと、期待でもあり、希望でもあります。

林:
ありがとうございます。
上野さんお願いします。

上野:
エコシステムってかなり驚異でメガベンダはそうなんですけど、最近はAWSの驚異もそうだし、そのエコシステムが驚異っていうのがあって、そういうなかでエコシステムをどう作っていくのかが課題になっている。
我々は先ほども申し上げたとおりVMwareなので、ここは富士通クラウドテクノロジーズのエコシステムにも限界がありますんで、VMwareのエコシステムに乗っかろうという作戦をとっていますんで、VMwareが対応しているいろいろなソリューションだったり、NSXやコンテナ、Kubernetesにもシフトしていきますけど、VMwareのエコシステムに便乗させていただこうかなと思ってますんで、VMwareユーザーの方々がクラウド使うときに「うちのクラウドすごく使いやすい」みたいな、そういう形になっていくと思っています。
あとニッポンクラウドワーキンググループというと、いま私達は特化型のサービスをやってまして、例えば雨量の防災というか、雨が降ったときに地域にどれくらいの災害がもたされるのかというのを、かなり詳細に500m四方くらいの予想精度でやったりする非常に特化型のサービスなんですけど、地方自治体などに引き合いをいただいてすでに九州の方では何県かで使っていただいているんですけど、そういったある領域に非常に詳しい、ある業界のスペシャリストのベンダーさんと我々が組ませていただいて、非常にニッチなんだけど特化したクラウドサービスを展開していくみたいなことを強化してまして、そういったことをいろんなところでやっています。
なので、ぜひみなさんで得意なところがきっとお有りで、そういったところとぜひコラボレーションさせていただいて、新しいサービスを作っていって、それを私達の販売チャネル、富士通グループのチャネルに乗せて展開していくみたいなことができれば非常に広がりがあるかなと思っていて、そういうことでのいろいろなお声がけもぜひこの場を通じてやっていって、そういったところを通じてニッポンクラウドワーキンググループの発展に貢献できればと思っています。

林:
ありがとうございます。
つづいて増田さんお願いします。

増田:
人材のところの話を少しさせていただくと、渋谷にオフィスを構えているんですけど、いま渋谷はすごく開発が進んでいて、この間すごい高いビルができて、うちもセルリアンに入っているんですけれども、もう1拠点グループとしてプラスで西口のビルにも入ります。
実はそういうファシリティの費用がどんどん高くなっていって、ひとりあたりのファシリティに占めるコストがすごく高いんですね。
例えば食事のコストだったりとか、だんだん東京の中心地にいる人たちに対するコストがどんどん高くなっていって、グループ的には当然そういう中心地に集めて付加価値の高い人材を集中して集めていくんですけど、それがどんどん高くなっていくので、我々はそうではなくって、サテライトオフィスやリモートワークをどんどん推進していて、どんどんオフィスに来ないようなやり方をしていかなきゃいけないというのが直面している課題です。
特にクラウドホスティング事業で、新しいビジネスをどうやったら生まれていくのか、生んでいくかみたいな話があってですね、いまの組織を壊していくというか、組織構造を変えていく取り組みなどをやっています。
一般的にTealだとかholacracyと言われる、ひとりひとりが自立して働けるようなところですごく尖った人を集めるような動きができるのかなと、そうするとイノベーションがそこに生まれて、新しいビジネスが展開できるみたいな、そういった取り組みもテスト的にやり始めていたりします。
ニッポンクラウドワーキンググループにはここ数年お世話になっているんですけれども、いろいろな集まりの中でビジネスマッチングや協業が生まれてきていると思うんですけど、そういった領域をテクノロジーを超えた、提案が打ち出せていけるようにお手伝いをさせていただきたいと思います。

林:
ありがとうございます。
最後に野元さんからお願いします。

野元:
いっぱいあるんですけど、時間の関係があるのでパーティで少しやらせていただいてもいいですかね。
なので、みなさんこれだっていうテーマを1つご記憶しておいてください。
僕の方からはニッポンクラウドワーキンググループにいろいろな形で対応いただいて非常にありがたいことで、最初からご参加いただいている協賛企業さんもいらっしゃればメンバさんもいらっしゃれば、あとから入っていただいているメンバさんもいらっしゃって、それ自体が必要とされていることのひとつの証左であると思っているんですが、それに対して我々が何を提供、伝えていけるのかを理事会、実行委員会で毎回話しているところで、今回の記念講演は外部講演者はあえて呼ばずにサムライクラウドサポーターである林さんにお話をしていただいているということで、一つの試みではあるんですけど、いい形が作れていて、こういう価値ある場を作って、先程いただいたご期待に何かを返していければと思います。

林:
ありがとうございます。
もっともっと色々質問をしていきたいのですが、ちょうど時間を過ぎてしまったので、1回ここで終わりたいと思うんですけど、色々大変ためになる話があって、やっぱり皆さんでいろんなことを盛り上げていきたいと思っていて、こうやって価値のある場を提供いただきながら、もっとクラウドを盛り上げていけたらいいかなと思っています。
ということで、パネリストのみなさんに拍手をお願いします。

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設立八周年特別講演会 締めのご挨拶
副会長 野元 恒志

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モデレータを努めて頂いた林さんをはじめ、ご登壇頂いたパネリストの皆さんに改めて御礼申し上げます。8周年となり、この形でのディスカッションを実施したいと強く思っておりましたので、非常に良かったです。みなさんにも届いたものがたくさんあったと思います。

ニッポンクラウドワーキンググループを始めた当初は、ここにいるメンバー企業のみなさんもまだ、クラウド基盤をビジネスで使用するという状況ではなかったと思います。それが今では、クラウド基盤を利用するのは本当に当たり前のこととなりました。そんななかで、協賛企業のみなさんも、クラウドの基盤運営だけでなく、多角的に、サービスを行い、宇宙ビジネスであったり、SaaSプレイヤーとなったりと変化の局面に来ているものと思います。メンバーさんの中でも新しい事業領域への活動を活発に行われています。

NCWGも8年活動し、今後の新しいステージへの転換点を迎えたと感じます。9年目に入りより変化する中で皆さんにどんな場をご提供していけるのか、理事会で議論しています。

9年目に入りますが、理事や実行委員だけでは、限界がありますので、是非みなさんも積極的にご参加頂き、より良いものにしていきたいと思いますので、みなさんのご協力お願い致します。

<第三部>設立八周年パーティ

【司会者のご紹介】
実行委員 横手 広樹(株式会社クリエイトラボ)

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第三部では、6月の大阪開催でもご講演いただいた和歌山大学の秋山先生をはじめ、ご協賛の方々にご挨拶を頂き、大いに盛り上がりました。
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【NCWG実行委員 報告書作成者】
実行委員 大澤 武史(株式会社クリエイトラボ)
実行委員 井口 和彦(株式会社ドヴァ)


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