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第20回ニッポンクラウド ワーキンググループ会合報告

「クラウドの新しい潮流を読む」のテーマで第20回ニッポンクラウドワーキンググループ会合を行いました。

NTTコミュニケーションズ株式会社様に会場をご提供いただき、約40名の参加で活気ある会合になりました。

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

【日時】

2014年2月7日(金)17:00~19:00

【場所】
NTTコミュニケーションズ株式会社

【参加者】
メンバー、協賛各社および関係者の方々を含めて約40名

【発表概要】

1.副会長からのご挨拶

藤田 浩之(株式会社オレガ)

今回は、本年初の会合となります。今年もよろしくお願いいたします。
明日は大雪とのこともありますが、寒い中お集まりいただきましてありがとうございます。
本日のテーマは「クラウドの新しい潮流を読む」ということで、クラウドビジネスを立ち上げる際の新しいクラウドビジネスのアイデアにつながればと思います。
繰り返しになりますが、今年のワーキンググループ目標は『技術交流の“場”』や『情報共有の“場”』など、より質の高い、活気のある『“場”の拡充』を目指し、この会に参加しているみなさんがクラウドビジネスを加速させ、日本のクラウドビジネスを引っ張っていければと思います。

2.新規メンバーのご紹介

■株式会社ブロードバンドセキュリティ 荒井 亮介氏


セキュリティのコンサルティングや、セキュリティ診断、メールのセキュリティなどの事業を行っている、株式会社ブロードバンドセキュリティ 荒井氏より新規入会のご挨拶をいただきました。

■株式会社ねこじゃらし 阿部 芳樹氏


Mac向けのオンラインストレージ、クラウドバックアップなどのクラウドサービスを提供されている、株式会社ねこじゃらし 阿部氏より新規入会のご挨拶をいただきました。

3.「ビッグデータビジネスとデータサイエンティスト人材の状況」

国際大学GLOCOM 客員研究員
サムライクラウドサポーター 林雅之 氏

アメリカでは、ビッグデータのマーケットは投資の活発化、雇用の活発化に期待を持たれています。
2017年には1015億6000万円に達すると予測されています。2012年では206億7000万の実績です。

ビッグデータ解析の活用領域では、ブランドマネジメント、一般マネジメント、採用計画などで利用されています。

データは主に、政府が持っているデータ企業、行政機関が持っているデータがありますが、最近ではパブリックデータなどの公共性が高いデータが注目を集めています。

いつだれがどの商品を注文したかという情報を把握するような利用の仕方はよく事例として紹介されます。

利用技術においては、Hadoop、Erlang、Riakなどのソフトウェアが利用されています。

ビッグデータのビジネスモデルでは、DataProvider、DataBroker、DataIntegrator、DataServiceEnabler、DataConsumerといった事業者、利用者がおりそれらが役割を持ってビジネスが構築されています。

現在、ビッグデータ解析の人材が不足しており大きな問題となっています。
各企業におけるデータサイエンティストの状況は、57.1%の企業が人材を抱えておらず、また、部署はIT部門が一番多いが、専門組織を置いている企業は少なく、まだまだ企業ごとに差がある状況です。
日本にはデータ分析ができる人材が特に少ない状況です。大学において統計学科のような授業がなく、そのようなところが影響していると思われます。
アメリカ、中国は徐々に人材が増加しており、逆に日本は減少傾向にあります。
政府は、日本の再生戦略において、2012年からロードマップでデータサイエンティスト人材の育成を計画しています。
データを解析し、分析し、経営課題に貢献できる人材、また、インフラを支えるエンジニア、膨大なデータを扱うプログラマも必要となります。

将来、マシーンが自動でデータ分析してくれる時代になると予想されています。
2030年には、世界中の全雇用の50%、20億人分の仕事が機械化でなくなり、2045年には、コンピュータの性能は現在の約264万倍の性能にコンピュータの能力が全人類の知能を上回る可能性があるということです。

※発表資料はこちら

Q:ビッグデータというキーワードがはやっていますが、今までのBIなどとどう
違うのでしょうか?
A:ビッグデータは、企業に閉じず、公共のデータなどを扱いもっと広い視野で
データを活用することです。明確なものはなないですが、そういう認識です。

4.「クラウドセキュリティ認証に関しての現状」

BSIグループジャパン株式会社
マーケティング本部 市場開拓担当マネージャー 武藤敏弘 氏

BSIグループはISOの審査機関で、英国王室より1929年に英国王室憲章を授与しています。
いろいろな規格を作っており、BS規格など今までに20000以上作ってきました。ISOの原案となった規格も多々あります。
セキュリティの規格では、ISO27001(ISMS)があります。
日本はとても多くの企業が取得しています。現在4443組織が取得していますが、イギリスでは800組織弱となっています。
日本では、取引条件になることもあり、そういう背景で取得組織が多くなっています。
認証取得組織の数は、世界第3位となっています。
取得のピークの時には、年間700組織以上が取得していましたが、現在は鈍化しており、年間100組織くらいとなっています。

日本では、現在サイバー攻撃への対策を国として取り組んでいます。
PAS555は国際規格として登録されているサイバー攻撃対策のガイドラインで、サイバーセキュリティリスクを減らすためのガイドラインとなっています。
ガイドラインは、ITセキュリティリスクをどうコントロールするかのためのツールでしかありません。
如何にセキュリティリスクを排除し、コントロールするかが重要なポイントです。
2020年オリンピック招致の影響もあり、セキュリティの安全を確保するべく、すべての省庁がセキュリティのための活動を始めています。

リスクは、頻度の高い・影響の大きいリスクをコントロールすれば全体の80%以上を管理することができます。
余計な手間や、余計なお金をかけてもリスクのコントロールは難しいです。
認証をとるために一生懸命やってしまい、認証はとれるがやりすぎてしまい、継続が難しくなることもあります。

クラウド・セキュリティの監査・認証には、STAR認証というものがあります。
STAR認証のは、クラウドセキュリティアライアンス(CSA:Cloud Securithy Alliance)というグローバルな活動があり、そこで認証のスキームを作り、昨年9月に発表されました。
ISO/IEC27001認証審査と同時に審査を実施し、クラウドコンピューティングのセキュリティにおける成熟度を評価します。
STAR認証を受けた組織はクラウドサービスの成熟度のレベルに応じて「ブロンズ」、「シルバー」、「ゴールド」と認定されます。

セキュリティ対策はなかなかやりにくいものです。セキュリティ対策をする人はやりすぎると疎まれ、そのうちあれば当たり前になってしまいます。

適切に、確実に、認証取得をするのはなかなか難しいことです。
認証取得についてご相談、ご質問などあれば是非ご連絡ください。

※発表資料はこちら

Q:STAR認証は、ISOと同時でないと取得できないのでしょうか?また、費用は別にかかるのでしょうか?
A:同時でも取得できますし、ISOを取得していればあとからも取得できます。
費用はその分別にかかり、おおよそ+1日くらい審査に時間がかかります。
現状ではSTAR認証だけでの取得はできません(ISO取得が前提)。

5.部会報告

■サムライクラウド部会報告 部会長  野元 恒志(有限会社 ディアイピィ)

2013年度NCWG、CBA連携部会成果報告書公開しました。
Cloud Service Bus(ESB)を利用したidP、SPのセキュアな接続を実現するCloud Application Desktop
というPaaS環境の検証をしています。SAMLのIdP、SPの接続には本来正式なCAが必要ですが、
プライベートCAでの運用が可能なもの、マルチクラウド対応可能なものを開発、検証中です。

是非ご参加ください。

※発表資料はこちら

■クラウドアプリケーション部会報告 部会長  前本 知志(株式会社 システムフレンド)

1月16日に第一回部会を開催しました。
写真見つかるプロジェクトの検索、閲覧システムを作ることを目的に、1月~3月末まで簡単なものをリリースし、GWくらいに追加機能をリリースしたいと計画しています。
開発は、PHPのCakePHPを利用しています。2月5日にCakePHPの基礎を勉強するための勉強会を開催いたしました。
3月8日(土)に1日かけて開発をしてしまう計画をしています。パソコンを持ってきていただければ参加可能ですので、是非ご参加ください。

※発表資料はこちら

■クラウドビジネス推進部会 部会長  藤田 浩之(株式会社 オレガ)

1月23日に部会を開催しました。
今年の新たな取り組みである、「NCWGクラウドデザインパターン」についてディスカッションを行いました。
各社の事例紹介は引き続き実施していきますが、新たな取り組みとして、「NCWGクラウドデザインパターン」を進めていきます。

次回は、2月20日(木)にソフトバンクテレコム株式会社様で会場で開催予定です。
・近況報告
・クラウド事例紹介/協業事例紹介
・今年の取り組みについて
・ソフトバンクテレコム社からのサービスご紹介
を予定しております。
是非ご参加ください。

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6.「皆様のビジネスを加速させる通信事業者・NTTコミュニケーションズのクラウドサービスについて」

NTTコミュニケーションズ株式会社 第5営業本部 営業推進部門
坂倉 俊介氏

NTTコミュニケーションズでは、BizCITYのブランドで様々なクラウドサービスを展開しております。
キャリアならではのネットワークにつよいクラウドの提供が可能です。
クラウド(Iaas)のラインナップとしては、おおきく2つあります。
・エンタープライズ用のBizホスティング EnterpriseCloud
・ローエンド向け クラウド・エヌ

【Bizホスティング EnterpriseCloud】
VPNと直結可能で、グローバルにも多拠点展開しています。現在8か国10拠点。今年度10か国12拠点(ドイツ、上海)を予定しています。今後インドなども検討しております。
SAP認定プロバイダーとして、SAPに対応したVMも提供しております。
仮想ネットワークを一元的に管理できるUIがあり、VMからネットワークまで一元的に管理が可能です。オンプレミスとの接続もSDNで容易に接続が可能です。
パートナー様と協業する際には、ホワイトラベル機能があり、パートナーのブランドでユーザに提供することも可能です。ロゴをパートナー様のロゴに差し替えるなどができます。

【クラウド・エヌ】
月額945円~の低価格なサービスとなります。
ロケーションを分散し高信頼性を確保しており、Paas機能の提供もしており、さらに拡充も進めています。
ポータル機能があり、サービス監視などが可能です。
AmazonのAWSと比較しても機能的には同等なものを概ね対応しています。
クラウド・エヌではVPNの対応はできませんでしたが、2013年秋より、インターネットVPN、Arcstar両方のVPNに対応しました。
拠点は、APAC圏内に追加展開予定となっています。

※発表資料はこちら

Q:AWSとの比較で、クラウド・エヌのほうが優れているところはありますか?
A:後発のため、AWSをキャッチアップして開発しています。料金について、従
量課金ですが上限額が決まっており、稟議を通しやすいとよく言われます。
また、VPN対応はキャリアならではの柔軟な対応が可能です。
Q:パートナープログラムではこんな所と協業したいなどありますか?
A:特定のどこかとかは考えていません。プラットフォームの提供がメインであるた
め、上に載せるアプリケーションは必要な方にパートナー様と一緒にご提案、ご
提供できればと考えています。

7.会長からの総括

会長  小堀 吉伸(株式会社北斗システムジャパン)

【概要のみ抜粋】

今回の会合開催は、ニッポンクラウドワーキンググループとしての20回目の開催ですが、毎回毎回、内容の密度が濃い会合が開催ができていると思います。

会のメンバーには、基盤の技術者、アプリの技術者など様々な分野の技術者がおりますが、セキュリティ分野についてもさらに引き上げて行きたいと感じています。

クラウドサービスの提供にあたり、当然なことですがより質の高いセキュリティを確保しながら、より良いサービスを顧客に提供していかないといけないと感じています。

会も三年目に入り各部会も充実しておりますので、ご参加されていない方々は、ぜひ参加してください。

スタート時からベンダーニュートラルた立ち位置で会の活動を心掛けてきましたが、ニュートラルだからできること、さらにニュートラルだからこそやるべきことを意識して活動してきております。今年も会合、部会など活発に活動していきます。

今回新たな試みとして、1月28日に第1回実践クラウドセキュリティセミナーを実施いたしました。40人近くご来場いただき大変盛況となりました。
今後もこういった活動をNCWGとしては行っていきたいと思います。

今年に入り、すでに3社新規入会いただきました。今年はメンバー100社計画を進めていきます。また、侍クラウドサポーターの拡充、会合の大阪開催を計画しております。
今年もよろしくお願いいたします。

8.懇親会

懇親会も予定より多くご参加いただき、大盛況でした。
ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。
今年もよろしくお願いいたします。

 

会合報告者 尾鷲彰一(ハマゴムエイコム株式会社)


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