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第54回ニッポンクラウドワーキンググループ会合報告

『メディア利用でクラウドビジネスを昇華させる!』をテーマに、ゲスト講演として千葉テレビ放送株式会社プロデューサーの大林さんにご講演いただき、ニッポンクラウドワーキンググループ第54回会合を開催いたしました。

今回は富士通クラウドテクノロジーズ株式会社さんに会場および懇親会をご提供いただき、活気ある会合となりました。ありがとうございました。

【テーマ】『メディア利用でクラウドビジネスを昇華させる!』
【日 時】2018年10月3日(水)17:00~19:00
【会 場】富士通クラウドテクノロジーズ株式会社 セミナールーム
【参加者】メンバー、協賛各社および関係者の方々を含めて40名

ゲスト講演では千葉テレビ放送株式会社プロデューサーの大林さんにテレビ業界について、PR・マーケティング論、「2次利用マーケティングモデル」についてお話いただきました。「クラウド業界のビジネスで足りないものをどう補うか?」など、とても興味深く、ためになる内容でした。ありがとうございました。

全体

【司会者のご紹介】
実行委員 大澤 武史(株式会社クリエイトラボ)

1.開催のご挨拶

NCWG副会長 野元 恒志

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本日は第54回の会合にお集まりいただきありがとうございます。今回会場を提供いただいた富士通クラウドテクノロジーズさんには、長年会場を提供いただいていますが、今回は新オフィスのお披露目になります。いつもありがとうございます。

今回のテーマは『メディア利用でクラウドビジネスを昇華させる!』で、TV業界という一風変わった立場から千葉テレビ放送プロデューサーの大林さんに、お話をいただきます。これも「Beyond the Clouds!」の一環かと思い、個人的にもお話を楽しみにしています。

NCWGの活動はもうすぐ8年目を迎えますが、実はNCWGの「N」はニフティの「N」でもあります。その時代から数えると9年目になります。楽しみなゲスト講演もある本日は年内最後の本会合になります。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

2.部会報告

クラウドアプリケーション部会
部会長 尾鷲 彰一

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昨年度は「IoTのセンサーデータをクラウドに上げる」ことに取り組みましたが、今年度は「IoTデータをAIを利用して活用する」ことに取り組んでいます。前回の部会では、SonyのNVC(Neural Network Console)を触りながら理解しました。今回は実際にAIを触ってみました。きゅうりとズッキーニの識別、Emailの自動振り分けなどです。それぞれ理解はできましたが、実際に使えるようにはなりませんでした。

来年度は、Melissaを使って、もう少し触ってみようと思います。AppleのSiriのようなパーソナルアシスタントを試作できる、AIプログラミングの専門知識がなくてもできる、無料で試せるサービスもある、などの特長があるようですので自前のスマートスピーカーが作れるか試してみようと思います。

3.ゲスト講演

テーマ「現役プロデューサーが語るテレビ2次利用マーケティング」

千葉テレビ放送株式会社 プロデューサー 大林 健太郎 氏

大林さん

今日は伝え方のお話をします。今日の参加者はB2Bの会社の方が多いと思いますが、テレビ業界の話がなぜ役に立つのか? クラウド業界のビジネスで足りないものをテレビ業界のノウハウで、どのように補うのかという話をしたいと思います。まず、みなさんテレビのプロデューサーとはどのようなイメージしょうか? 私はよく「ピンクのマフラーを巻いていないプロデューサーです」という自己紹介をします。また、「よく六本木で焼肉を食べているのではないの?」といった聞かれ方もします。この皆さんが抱いているイメージとの「ギャップ」を示すことが重要だと思っています。このようなことを踏まえ、今日は、

1.テレビ業界について
2.「メディアに取材される方法」
3.PR・マーケティング論
4.「2次利用マーケティングモデル」について

のお話をします。

最初にテレビ業界の話をしますが、テレビ業界は実は保守的な業界です。なぜならば免許事業であり、考査/審査があるからです。また、社員が業務に直接携わらないという特徴もあります。テレビ番組の実際の制作は制作会社の人間、テレビ営業は広告代理店が営業を代理、テレビニュースは記者クラブから発表のものを利用するなどです。そういう意味ではテレビ局員は企業と直接関わります。テレビ局は「キー局、準キー局」「地方系列局」「独立UHF局」に分類できますが千葉テレビは「独立UHF局」です。「キー局、準キー局」は視聴率優先、「地方系列局」は問題がないことが優先、「独立UHF局」はお客様が優先という傾向にあります。また、雑誌、本は考査/審査がテレビ業界に比べゆるい傾向にあります。それは言論の自由があるからです。雑誌、本では「具体的な提示」ができますが、テレビではできません。

次に「メディアに取材される方法」ですが、現場には「番組現場」と「報道現場」があり、どちらも常にネタを探しています。どちらかといえばやわらかい「番組現場」のネタは制作会社やリサーチ会社が探しており、かたい「報道現場」のネタはニュース報道の場合は主は発表記事で記者クラブを活用したり、公(行政)と絡むネタも重要です。その場合は営利モノはNGになります。ターゲットに「何を言うか」「どう言うか」「誰が言うか」が大事になってきます。具体的に取材される方法としては、1. ターゲットをいかにして絞るか(特異性) 2. どう言うか(伝え方)3. メディア履歴を利用する、です。

続いてPR/マーケティング論ですが、まず固定観念を崩すと笑いがおきます(ギャップ)。いわゆる「wonder」「おや? なぜ?」です。「ギャップ」と「リピート」が大事です。また、「先出しじゃんけん」「モノではなくストーリーで売る」ことも大事です。この辺は、コピーライターで湘南ストーリーブランディング研究所代表の川上徹也氏が上手です。具体的な例では、千葉ロッテマリーンズの里崎智也元捕手が、かつて「史上最大の下剋上をみせる」と言い、その後「下剋上アゲイン」と言いました。この「下剋上」という言葉はいまでは、当たり前のように使われるようになりました。この手法は、サービスの実態が見えにくいものほど活きてきます、法律事務所やクラウド業界などが当てはまります。

現代マーケティングでは、インスタグラム、FacebookやCRMなどすぐにツールの議論になりますが、ツールではなく、その中身が重要です。「ネタ作り」ができないと発信できません。「ネタ作り」が上手になること、これからは「ライティング能力」が重要になってきます。そして、それを情報配信し、オウンドメディア化する。その延長線上がメディア取材につながります。まだ、Webマーケティングが上手い人も取材されます。なぜならば、20代のADはGoogleやインスタグラムでネタを探し、調べるです。また、「商品の説明」を「お役立ち情報」に変換して伝えることも有効です。なぜなら「営業くささ」「宣伝くささ」が消えるからです。

PRでは公との関係、ブランディング、信頼性の向上(実体作り、抵抗心理の除去)が大事です。ダイレクトマーケティング(以下DM)ではレスポンス、反響、何度も言うことリストを取ること「顧客名簿」が重要でした。ただ、メディアはDM(数学)よりPR(国語)であり、マーケティングの海の着火剤です。紙媒体で信用を作り、テレビで話題を作り、Webで拡散するのが理想です。皆さん苦労されていると思いますが、採用も同じです。

最後に「2次利用マーケティングモデル」についてお話します。2次利用マーケティングモデルとは、言わばPRとDMをくっつけたもので、テレビの信用と話題を利用した「動画マーケティング」です。テレビで取り上げられた後の施策のほうが圧倒的に重要です。PRには、「お金がかからない」「レバレッジが効く」というメリットがありますが、「KPI設定不可」「時期を定められない」「言いたいことが自分で決められない」「2次利用できない」などのデメリットがあります。また、マーケティングにおいては「新規開拓」より「既存顧客よりの口コミ」がより重要です。人間の4番目の欲と言われる自己顕示欲、承認欲求(from SNS)を利用します。

テレビ放送された素材は一般的には、原則2次利用は不可です(局や番組によって対応が異なります)。出演されている有名タレント、BGMやオープニング曲はなおさら権利対象です。ただ、そんな中でもわずかですが、テレビ映像の2次利用、しかも芸能人の肖像権の2次利用が可能な番組があります。千葉テレビの「ビジネスフラッシュ」「ナイツのHIT商品会議室」なども2次利用が可能な番組です。テレビ映像の2次利用をしてぜひUSP(Unique Selling Proposition)を構築してください。

[質疑応答]
Q. そもそもDMが不得意な会社にアドバイスをお願いします。
A. まず、自社のサービスの価値に気づくことが大事です。そうすれば情報配信ができ(ブログなどで)、情報の出し方を覚え(伝え方を覚える)、「伝える内容」がわかります。また、ジョイント・ベンチャーなども有効だと思います。あと、2次利用マーケティング番組に出てください。

Q. 千葉テレビはどうすれば見ることができますか?
A. 3チャンネルで見ることができます。アンテナを高くして千葉に向けてください。また、すべてホームページから見ることができます。そのため、2次利用マーケティング番組を利用しているのは千葉県だけではなく全国の会社が利用しています。

※講演資料はこちら

4.富士通クラウドテクノロジーズ社からのご紹介

富士通クラウドテクノロジーズ株式会社 取締役クラウド事業本部長 上野 貴也 氏

本日の会合に会場をご提供いただいた富士通クラウドテクノロジーズよりニフクラのご紹介とサービス向上のための取り組みについてご紹介いただきます。

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富士通クラウドテクノロジーズではクラウドサービスの競争力を高めるための課題として下記の点を意識しつつ、
「運用効率を高める」「運用効率を高める」の二点に注力しています。

・HWを安く買う
・SWを安く開発する
・運用効率を高める
・HW稼働率を高める

その中での取り組みとして

・Site Reliability Engineering(SRE)
・ChatOps
・AIOps
・Infrastructure as code
・徹底した運用の自動化

があります。

システム運用部門の働き方改革でもありますが、社員が少ない中での自動化を徹底化させていくことで
エンジニアは価値創造型エンジニアへ転換していくことができます。
また、自動化を徹底させることでサーバー台数を爆発的に増加させることができます。

AIOpsの取り組みにより、お客様に影響が出る前に予防交換することが可能となり、
故障による停止が激減。品質向上、スピードアップ、コストダウンを実現しました。

これらにより、現時点で運用作業の85%強を自動化することに成功しており、
夜間の緊急対応を大幅に削減することができました。

システム運用は今大きな転換期。
クラウド導入は運用変革のチャンスです。
優秀なIT人材の確保はこれからの企業の生命線となります。

運用自動化、ChatOps、AIOpsの取り組みを通じて、システム運用部門の働き方改革を!

Q. Slackを導入するにあたり、ハードルは高くありませんでしたか
A. もともとエンジニアと営業とサポート部隊のコミュニケーションが課題としてあった。その点、かなり改善された。また、社内のコミュニケーションツールとしても定着した。

Q. Slackを導入したことにより、メールの位置付けはどのようになりましたか
A. お客様との重要なやり取りはメールのままだが、社内のコミュニケーションツールとしてSlackが浸透した。

Q. 稼働しているサービスをオンラインでマイグレーションを行う場合など、システム上いくつか制限が発生するが、今後はどのようになっていくのか
A. 今後、制限を取り払って便利に使えるようにしていきたいと考えています。

5.会長からの総括
会長 小堀 吉伸

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皆さん、お疲れ様でした。
本日お話しいただいた千葉テレビの大林さん、大変有意義なお話しをありがとうございました。また富士通クラウドテクノロジーズの上野さん、今年も興味深いお話しをしていただき、本当にありがとうございます。

今回は、クラウドと言うよりは、我々が普段あまり意識しない、テレビメディアを起点に如何に自社をメディアへ露出して行くかと言った戦略やマーケティングのお話しをしていただきましたが、本年度のテーマでもあるBeyond the Clouds!するための情報としても大変ありがたかったです。

今回の会合が今年度最後の会合となります。今年度は、衛星データの利活用など宇宙ビジネスからクラウドビジネスを捉えて行くと言った内容で会合を進めてきました。大変、有意義な会合を開催させていただき、ご講演いただいた方々、ならびに会場提供いただいたご協賛の皆さんには、大変感謝しております。ありがとうございました。

来月の11月からNCWGとして8年目の活動に入りますが、今年度は、活動開始から7年目でも21社目のご協賛にご支援をいただけたので、この7年間の活動を見ていただけていたのだと思い、ご期待に応えられるように、さらに来期もクラウドビジネス創りにいい意味の面白いことをやって行きたいと考えています。

引き続き来年度も会合および部会活動、ならびに他団体さんとの強固な繋がりなど行いかながら、少しでも設立時の会の趣旨である、日本から発出するクラウドビジネスモデル(サムライクラウド)を結実させ、日本のクラウドビジネスの枠を少しでも広げられるように努めて行きたいと考えていますのでよろしくお願いします。

最後に、本日会場をご提供いただいた、富士通クラウドテクノロジーズさんには、設立時から様々なご支援いただき大変感謝しております。本日は、この後の懇親会もご用意いただき、大変ありがたいです。ありがとうございます。

皆さん、本日は、お疲れ様でした。来期もよろしくお願いします。

 

7.懇親会
懇親会についても大いに盛り上がり、メンバー・ご協賛の方々との積極的な交流を図ることができました

 

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ご参加された皆さん、お疲れ様でした。

【NCWG実行委員 報告書作成者】
佐々木 泰(株式会社クオリティア)
三上 知親(株式会社エイチ・ピー・エス)


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