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2014年5月8日開催 第16回クラウドビジネス推進部会報告

2014年5月8日(木)に第16回クラウドビジネス推進部会を開催いたしました。
今回は株式会社シーイーシー様に会議室の提供をいただきました。
ありがとうございます。

【部会風景】

【部会内容】
1.部会長あいさつ
みなさま、本日はお集まりいただきありがとうございます。
本日はいつものメンバーに加えて、クラウドビジネス推進部会への参加が初となる方もいらっしゃいますので、部会の活動指針について改めてご説明いたします。

クラウドビジネス推進部会は、「クラウドを活用したシステムおよびビジネス連携によるクラウドビジネスの創発」を指針に活動しております。部会に集まって発表を聴くだけでなく、メンバー同士で、あるいはメンバー・協賛さんとともに、相互の強みを活かしてこの部会から部会発のクラウドビジネスを生み出していってもらいたいと思っております。
協業によりビジネスを創るにはあまりオープンにはできないようなリアルな話もしなければならないでしょう。そのような情報も可能な限り部会にて取り扱い、クラウドビジネスの創発に寄与していきたいと思います。

具体的な活動内容としては、定期的に部会を開催し、「協業事例」の発表や、「クラウド事例」の発表、クラウド基盤の「検証報告」など様々な情報を共有するとともに、相互に積極的なコミュニケーションを図ることによって活発なビジネスの場を形成し、日本のクラウドビジネスを推進していきます。

これまでも定期的に部会を開催してクラウドビジネスに関する多くの最新の情報を共有してきましたが、残念ながら明確な成果として残すことができませんでした。そんな反省もあり、今期の成果として、部会で発表いただいた内容や部会にて共有した情報を纏め、「クラウドビジネス促進のための提言!」という形でこの部会から発信していくことを目標に進めてまいります。みなさまにも是非ご協力いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

2.近況報告(参加者の自己紹介及びクラウドに関する取組を報告)

参加者の方々に自己紹介頂くとともに、クラウドビジネスへの取組み状況について発表していただきました。

・株式会社エイチ・ピー・エス 三上氏
現在、スタートアップのシステム開発のフォローを行っており、間もなくリリースとなります。
面白い案件なので、リリース後に是非クラウドビジネス推進部会で発表させていただきたいです。

・ハマゴムエイコム株式会社 尾鷲氏
2011年の1月より、新規事業の企画、開発を行ってきております。
オープンソース主体のソリューションである、AdvancedCloudを立ち上げました。
現在は、AdvancedCloudの1つである、オープンソースのERPであるADempiereの顧客への導入作業(開発)を行っております。

・和丘株式会社 渡邊氏
OSSのCRMであるSugarCRMやERPのADempiereなどOSSを主としたシステム開発を主の事業としております。OSSのクラウド活用をどうやって進めるかを考えていきたいです。

・NTTコミュニケーションズ株式会社 清水氏
クラウド環境の代理店ビジネスパートナー様の拡大を担当しております。
クラウドビジネス推進部会で、ビジネスのアイデアを模索したいと考えております。

・株式会社スカイアーチネットワークス 清水氏、浅尾氏
ホスティング、サーバの運用管理を主に14年間にわたり事業を行ってきております。
他社のクラウド環境の運用代行なども行っております。

・株式会社ブロードバンドセキュリティ 荒井氏
WEB上のセキュリティ対策を中心に、セキュリティ診断やコンサルティングサービスなどを提供しております。総合的にセキュリティに関してサービスを提供しております。
セキュリティ関連でクラウドに関わり、日本のセキュリティを守っていきたいです。

・株式会社北斗システムジャパン 小堀氏
クラウドビジネス推進部会はクラウドのビジネスについての事例紹介や提案などを行える場なので、事例や提案を活発に出していただき、ご意見をいただき各社のビジネスのブラシュアップや、各社間での協業などにつなげ、クラウドを盛り上げていければと思います。

・日本クラウドファイリング株式会社 竹内氏
本日、弊社の事例を紹介させていただきます。
皆様と一緒にクラウドビジネスを盛り上げていきたいと考えております。

・株式会社マキシマイズ 渡邊氏
クラウドビジネス推進部会の副部会長を務めさせて頂いております。
クラウドだからこそ解決できた課題のモデル例など、クラウドのビジネスを推進するのに役立つ事例をお持ちの方、 次回以降の会合で是非ご発表頂き、情報を共有頂ければと思っております。
クラウドビジネス推進部会での事例発表をご希望の方は是非ご連絡下さい。 

・株式会社サテライトテクノロジーズ 小池氏
本日、弊社の事例を紹介させていただきます。
受託開発からインフラ構築まで幅広くビジネスを行っております。
皆様と一緒に日本のクラウドビジネスに貢献していきたいと考えております。

・株式会社オレガ 藤田氏
クラウドで利用するストレージのアプリケーションを開発、提供しています。
ニッポンクラウドワーキンググループの協賛企業様との協業も活発に行っております。

・株式会社シーイーシー 山崎氏、小林氏
ソフトウェアの開発会社から始まり、今現在では、データセンター事業、クラウド基盤の提供まで行っております。データセンター、クラウド基盤については、ネットワーク運用まで含めてご提供させていただいております。

3.メンバー発表

「電子カルテシステム ~SBCのシステム設計と課題~」
株式会社サテライトテクノロジーズ 小池 秀明 氏

今回の案件の病院では、以前からクラウドでシステムを利用しており、5年目となるためリプレースをしたいという内容の案件でした。
病院のシステムでは、「人命になにかあってはいけない。」、「レントゲンなどの画像の解像度が鮮明でなければならない。」などの課題があります。
ドクターは、院内の回診などあるためいろいろな場所での、診察が必要となりますが、そのため院内のあちこちに端末が配置されており、病院施設はIT依存度が高くコンピュータの塊のようになっています。そのため、保守、メンテにコストがかかり大変であると伺いました。
また、情報端末が多いため情報漏洩のリスクも高く、また、人命に何かあってはいけないため、システム停止による業務停止や、またレントゲンなどの画像の劣化による誤診などの問題もあるため課題が多いです。
そういった中で院内システムについて何年か研究した結果結びついたのが、SBC(Server Based Computing)だったとのことです。医療機関では、いかにそいういった課題をクリアし、クラウド化するかが命題となっています。クラウド化することにより、医療機関間でのシステムの共有利用をすることにより全体としてのコストダウン、税金の節約につながります。このような課題を持つ、院内システムのクラウド化はまだまだこれからの分野なのでこれからが楽しみです。
今回のシステム構築では、従来のクラサバ構成(EXCELをサーバからダウンロードしてローカルで編集し、サーバに保存するなど)からリモートデスクトップに似た、サーバからアプリケーションの画面自体をクライアントに転送する仕組みへのリプレースが主でした。GO-Globalという製品を利用しました。同製品は、リモートデスクトップのように画面全体を画像としてクライアントに転送するのではなく、アプリケーションで表示される部分のみを画像としクライアントに転送する仕組みです。
特徴として、
・データがクライアントに残らない。
・クライアントのアプリ管理がいらない。
・旧PC(スペックが低い)でも利用可能。
・壊れても、取り換えればクライアントに情報がないためすぐ使える。
という特徴があります。また、どこの場所でも、どのデバイスでもユーザ毎の環境を利用することが可能で、セッションを保持しているため、デバイスを切り替えても作業中の状態を復元することができます。そのため、病院のシステムの課題に対し効果があります。
システム構築側としての課題としては、
・サーバのサイジング
・AD連携
・ICカードなどと連携したシングルサインオン
・アプリケーション毎の動作検証
(アプリケーション毎に参照する同一のDLLのバージョンが違うなど)
・USBやプリンターなどのI/Fの問題
(クライアントPCにUSBを接続してもアプリケーションが認識できないなど)
などがあり、導入するにはノウハウが重要となります。
医療機関では利用しているアプリケーションが多く、今回の案件では60個くらいのアプリケーションの移行が必要でした。アプリケーションをデバイス毎にインストールして利用するクラサバの形態からクラウドを利用したSBC形態にしていくことで、デバイスや場所を問わない、従来のITビジネスとは違うクラウドのビジネスモデルだと感じました。

Q.何人くらいの方が利用しているのでしょうか。
A.32Gのメモリを搭載したサーバ、1台あたり15人が利用しており、
全体で1200人くらいが同時に利用しています。トータルで80台
くらいのサーバが稼働しています。
Q.医療業界ではカルテは同一フォーマットなのですか?
A.フォーマットは統一されておらず、そのため電子カルテのアプリケー
ションはベンダ毎に出力形式が様々です。
Q.リモートデスクトップだと回線の状況などにより、動作がもっさりし
がちですが、Go-Globalではどんな感じですか?
A.Go-Globalでは、画像をクライアントに転送する仕組みではなく、クラ
イアントに描画処理の命令を送る、APIラッピング方式のため動作がも
っさりすることはほとんどありません。
Q.カルテのデータは院外に持ち出し禁止とかルールがありますか?
A.過去はありましたが、国の施策としての病院システムのクラウド化に
向けて制度が緩和されました。

サテライトテクノロジーズ(発表資料はこちら

「CLOUDFILINGシステム」
日本クラウドファイリング株式会社 竹内 直一氏

クラウドのファイリングシステム、「CLOUDFILING」の事例紹介になります。
CLOUDFILINGでは、ファイルの実態をダウンロードせずに、画像として閲覧することなどができ、セキュアにファイルを管理することができるファイリングシステムです。
CLOUDFILINGは、元々クラサバのシステムで親会社である、株式会社サピエンスで開発しております。親会社の方では開発力は強いのですが、マーケティングが弱く、営業力を保管するために、当社を設立し、営業、サポート、コンサルティングを行っております。
クラサバですと、サポートが大変ということがあり、WEB化をしたのですがクラウドの時代ということもあり、クラウドとしてのサービス提供を現在行っており、また名称についてもCLOUDFILINGに変更しました。オンプレミスとしての構築も可能です。
データには、EXCELやWord、画像などの非構造化データと、データベースのデータなどの構造化データがあります。CLOUDFILINGは、その非構造化データを管理するシステムです。非構造化データの管理はファイルサーバなどでよく行いますが、管理が煩雑であったり、データの肥大化、セキュリティ、共有がしずらい(アクセス権限など)といった課題があります。
CLOUDFILINGでは、元のファイルを画像に変換して参照する仕組みのため、ウェブブラウザさえあれば閲覧可能で、個別のアプリケーションは必要ありません。また、FLASHなどを利用しておらず、HTML、JavaScriptで画面を開発しているので、iPad、Android、Windows、Mac問わず、ブラウザさえあれば利用可能です。
画像は高解像度(写真などであれば元の解像度)で保管しているため、細部までズームしてもきれいに参照することができます。細かく、大きい図面も細部まで見ることができます。また、ファイル中の文字を抜き取って、検索用に管理しているため全文検索も可能です。本などについては、OCRにかけて文字よ抜き取り管理することが可能です。全文検索で検索したキーワードの部分が、画像上でハイライト表示されるところも特徴です。
ファイルをメールで共有する場合、メールの添付ファイルとして送信すると思いますが、CLOUDFILINGでは、ファイルのURLをメールに記載して送れば、URLから参照することができセキュアです。また、ファイルの画像には、付箋を貼り付けることができ、情報共有も効率よく実現できます。
リリースから今まで
・SalesForceのChatterとのOAuth認証連携、Chatterへのコメントと画像の連携
・ワークフロー機能の追加
・オンラインWEB会議(画像を各自参照してのWEB会議)
・手書きでのコメント付け
などを行ってきました。
お客様の要望はいろいろと多くあり、他社のサービスと連携してよりよいサービスをお客様にご提供できればと考えております。特にSalesForceもそうですが、クラウド上のサービスとの連携が今後重要と考えています。OEMでのご提供も行っておりますので、お声掛けください。

Q.メールにURLを記載して送信した場合に、だれでも見れてしまうので
しょうか?
A.ユーザID/パスワードで管理することが可能ですので、見れなくす
ることもできますし、ユーザID/パスワードを要求しない設定で公
開すれば、見れるようにすることもできます。
Q.高解像度の画像だと処理が重かったり、全文検索では検索に時間がか
かるなどあると思うのですが、処理性能はどのような感じでしょうか。
A.まず、画像については、画面に表示する部分だけを持ってきて表示し
ており、はみ出た部分については、表示する際に持ってくる仕組みに
なっているので、WiFi環境でも充分に使えます。検索については、画
像の中の文字、および文字の位置をデータとして管理しているため、
PDFの検索のように全文を頭から検索するのではないため高速です。
Q.月額/1ユーザの料金体系のようですが、BtoCのような不特定多数が
参照する場合はどのような料金体系になりますか?
A.カタログ販売のサイトのようなBtoCの場合、都度お見積りさせていた
だいております。

日本クラウドファイリング(発表資料はこちら

4.株式会社シーイーシーからのサービスご紹介

『BizVisonPLUS、データセンターサービス、自社製品のご紹介』
株式会社シーイーシー 山崎 敏広氏

弊社では、4つのサービスを提供しております。
・スマートデバイスなどのデバイス自体のテストなどを行う品質検証サービス
・データセンター、IaaSなどをご提供するIT基盤サービス
・業務を支援する各種ソリューションサービスをご提供するビジネス支援サービス
・金融業/製造業/医療分野などでのシステム構築サービス
今回のご紹介では、IaaSのサービスであるBizVisionPLUS、データセンターサービス、自社製品のSmartSESAMEについてご紹介いたします。

■BizVisionPLUSについて
BizVisionPLUSは、VMWareを利用したIaaSのサービスで、Public、Privateの2種類があります。
Publicでは、ラインアップとしてライトとプロがあり、プロはvCDコンパネ付きとなっています。 Privateでは、カスタマイズのご要望にもお答えいたしますので、SI素材としても使えるサービスとなっています。弊社ではサポートに力を入れており、Public、Private共に手厚いサポートが売りとなっています。

■データセンターサービスについて
センターは、東京2拠点、神奈川2拠点、大阪1拠点、大分1拠点の6拠点ございます。ネットワークは、国内最高クラスのMEXを採用しています。ITILに準拠しており、24時間365日の運用に対応しています。
DCスターターパックというデータセンターのご利用をご検討のお客様に、初期費用を抑え、導入しやすいサービスをご提供しております。

■自社製品のSmartSESAME SecurePrintについて
SmartSESAME SecurePrintは、ICカードを活用したシステムで、ICカードでプリンターの印刷を制御するソリューションです。パソコンからプリンタに印刷をした際に、SecurePrintを利用すれば、プリンタでICカードをかざすまで、プリンタから印刷物が出力されません。そのため、印刷物の取り忘れなどによるセキュリティに効果があります。また、ICカードは出退勤の打刻などにも使えるので、ICカードを活用した幅広いソリューションをご提供可能です。

Q.ネットワークの利用量は、流量による従量課金でしょうか。
A.違います。固定の料金となります。
Q.DCスターターパックはどこの拠点で利用可能でしょうか。
A.基本的にはどこでもご提供可能だと思います。
Q.BizVisionPLUS Publicでは、センターの選択は可能でしょうか。
A.拠点の選択はできません。
Q.病院では、院内にサーバを置いているところが多いですが、小池氏
の電子カルテなどと協業し病院クラウドなど提案していくことも
面白いですね。
A.是非、提案していきたいと思います。

シーイーシー(発表資料はこちら

5.連絡事項
・6月6日の第23回ニッポンクラウドワーキンググループ会合のお知らせ
(こちらをご参照ください。)
・7月11日の第24回ニッポンクラウドワーキンググループ会合のお知らせ
(こちらをご参照ください。)

【参加メンバー・協賛企業】
株式会社エイチ・ピー・エス
NTTコミュニケーションズ株式会社
株式会社オレガ
株式会社サテライトテクノロジーズ
株式会社スカイアーチネットワークス
日本クラウドファイリング株式会社
ハマゴムエイコム株式会社
株式会社北斗システムジャパン
株式会社ブロードバンドセキュリティ
株式会社マキシマイズ
和丘株式会社
株式会社シーイーシー
(50音順)
計12社14名

【クラウド活用パターン発表者募集!】
「こんなメリットがあるからクラウドを導入したという事例」、「クラウドのメリットをうまく引き出した活用モデル」など、クラウドのビジネスへの有効活用事例や活用パターンについてご紹介頂ける方を募集しております。メンバー各社のクラウドビジネス活性化のために情報共有頂ける方は当部会運営メンバー(藤田、尾鷲、渡邊)まで是非ご連絡下さい。

【注意事項】
NCWGクラウドビジネス推進部会への参加については、NCWGメンバーおよびご協賛各社の方々、ならびに特別に参加を認めた方々の限定参加となっております。ご了承ください。またこの機会にニッポンクラウドワーキンググループへの参加をご希望される方は、こちらからお問い合わせください。

http://ncwg.jp/inquiry


クラウドビジネス推進部会は、サムライクラウドのアプリケーション連携をどの様にビジネスに組み込んでいくかを検討しながら、「アプリケーション」だけでなく「サービス」や「人」の「連携」をキーワードに、連携による創発から生じるクラウドサービスのメリットを活かしたビジネス提案を行って参ります。

(部会報告作成 クラウドビジネス推進部会 副部会長 尾鷲 彰一)


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