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2014年7月18日開催 第17回クラウドビジネス推進部会報告

2014年7月18日(金)に第17回クラウドビジネス推進部会を開催いたしました。
今回は株式会社リンク様に会議室の提供をいただきました。

部会ではリンク様にて農系事業として推進されている岩手県なかほら牧場の山地酪農のジャージー牛の牛乳をご提供頂き、和やかな雰囲気の中、活発な議論が交わされました。
会場ご提供頂きましたリンク様、ご参加頂きました皆様、ありがとうございます。

【部会風景】

【部会内容】
1.部会長あいさつ

本日はクラウドビジネス推進部会にお集まりいただき、ありがとうございます。

まず本部会の主な活動について簡単にご説明いたしますと、1つ目は「協業促進」です。部会ではメンバーおよび協賛各社との協業事例を発表いただき、「連携」による付加価値や、あまり表には出にくいその実のところを知る機会を作ることで、次なる協業ビジネスの創出に繋げています。
2つ目はクラウドビジネスの事例および相談など、部会参加者でディスカッションしながら情報を共有する機会を作ることで、各社のクラウドビジネスの活性化に繋げています。
3つ目は、協賛各社から提供される、各種クラウドサービス(IaaS等)のメンバーによる検証、および検証結果のフィードバックです。検証結果をメンバーで共有することによって、様々なビジネスで個々のビジネスに適したクラウドを選択でき、また活用できるようにしていきたいと考えています。

このような内容で2ヶ月に1度のペースで部会を開催しておりますが、今期の部会活動の成果目標としては、部会での発表やディスカッション等で得られた情報をもとに、クラウドビジネスをより加速させるために、どのようにクラウドを活用し、またそこに存在するクラウドビジネスに関わる課題をどのように解決するかといった内容を、「クラウドビジネス促進のための提言」として纏めたいと思います。

まだアイディアベースですが、ソフトウェアベンダー/システムインテグレーターをターゲットとしたクラウドのクラウドビジネスへの活用として、「クラウドを活用することで、ビジネスを“速く”“広く”展開する」ということを考えています。

クラウドならば、ビジネスを“早く”“広く”展開することができます。

1つには、納期短縮です。クラウドはハードウェアと異なり必要なインフラを調達しやすく、ラッキング等も不要です。それにより圧倒的な納期短縮が実現できるはずです。

もう1つには、評価の効率化です。エンドユーザーによる購入前の事前評価は、製品、サービス、システムの具体的な機能と運用イメージを掴んでもらい、エンドユーザーが抱える課題を解決できるかを判断するために重要です。クラウドならばハードウェアの台数制限がなく短期利用も可能なため、他の評価ユーザーの評価終了を待つ必要がなく、すぐにでも貸し出せます。またソフトウェアのみの評価であってもクラウドでの提供ならばエンドユーザー自身にセットアップ等の作業を強いる必要が無いため、購入までの判断を短縮することが可能なはずです。

このように、クラウドを活用することによって、評価・購入判断の短縮、納期の短縮により、ビジネス的なキャパシティを上げ、ビジネスをスケールすることが可能です。

クラウドを活用してビジネスを考える場合に挙げられるのがSaaS化ですが、自社のみでサービスを展開するには敷居が高いと思います。特にソフトウェアベンダーにとって自社のみでサービスを提供することは、システムの監視やインフラを含むサポートなど、これまでのビジネスの拡張を伴うために人員を含めて大きな取り組みになります。
さらに自社でのみ展開した場合、クラウド活用によるビジネス的なキャパシティがあるにもかかわらず、潜在顧客へのアプローチが限られ、また顧客を開拓するために投入できるコストが限られてしまいます。

これらのことを考えると、クラウドビジネスを“早く”“広く”展開するには、SaaS化に拘らず、またビジネス展開において不足するスキルや役割を補うために、今まで以上に協業による展開が重要になってくるのではないでしょうか。

これまでのソフトウェア(パッケージ)のビジネスを考えると、「ソフトウェアベンダー」→「ディストリビューター」→「システムインテグレーター」→「エンドユーザー」といった流れがあり、役割が分担されていました。クラウドを活用したソフトウェアの展開でも、この流れを利用できると非常にスムーズのように思います。ただし、クラウドで展開するには普及を妨げる様々な問題があり、解決する必要がでます。

各役割別の仮説を含む状況や問題を下記に挙げます。

エンドユーザーにとって、クラウドは価値ではありません。求めているのはソリューションです。日本ではここにSIベンダーのビジネスが密接に絡んでおり、また、特に地方のエンドユーザーは地域に根差したSIベンダーによる手厚いサポートを求めています。

SIベンダーにとってはこれまでと同様にハードウェアを売りたいといったこともあり、エンドユーザーへのクラウドを含めての提案はまだまだ限定的です。

ディストリビューターにとっては、物売りが軸のため、システムが月額課金等には対応していないことから、インフラを含むクラウド商材を扱いにくいといった問題があります。

ソフトウェアベンダーにとっては、各クラウドの表向きの仕様が似たようなものであっても実際には挙動等が異なり、安定稼働させるためのノウハウが求められるケースや、特定のクラウドベンダーの機能およびサービスに依存した場合、ロックインされ展開が限定されるといった問題があります。

「クラウドビジネス促進のための提言」では、上記問題や仮説を深掘りするとともに、それらの問題を具体的にどのように解決していくのがよいか、皆さんにも意見を出してもらいながら、纏められればと思います。

前ふりが長くなりましたが、第17回クラウドビジネス推進部会を始めたいと思います。

部会長あいさつ(資料はこちらから

2.近況報告(参加者の自己紹介及びクラウドに関する取組を報告)

参加者の方々に自己紹介頂くとともに、クラウドビジネスへの取組み状況について発表していただきました。

・株式会社オープンウェイブ 尾鷲氏
従来は前職のハマゴムエイコムとして参加させて頂いておりましたが、2014年の7月に独立して新会社を設立し、今回より株式会社オープンウェイブとしてクラウドビジネス推進部会に参加させて頂いております。
自由度の高い身軽な立場になりましたので、これまで挑戦できなかった様々なビジネスにチャレンジしていきたいと思っております。

・NTTコミュニケーションズ株式会社 清水氏
クラウドビジネス推進部会には今回で2回目の参加となります。部会を通じて協業パートナーを発掘したいと考えております。

・株式会社リンク 内木場氏
本日は弊社ベアメタルクラウドについて発表させて頂きます。サービスがどの様に役に立つのかなど、是非ディスカッションさせて頂ければと思っております。

・有限会社ディアイピィ 野元氏
サムライ部会の会長をしています。クラウドビジネス推進部会についてはオブザーバ的に参加させて頂いております。

・株式会社シーイーシー 山崎氏
今回の発表のリンク様と同じく、データセンター事業、クラウド基盤の提供等の担当をしております。NCWGを通じた協業を実現すべく、和丘様、ダイアゴナル様など、会を通じて知り合った会社と個別にお話しを進めています。

・株式会社アルティネット 宮原氏
クラウドビジネス推進部会には2回目の参加です。本日のニッコム小島さんの発表内容に非常に興味があり参加致しました。弊社はコンシューマ向けのウェブサービスを提供するお客様のシステムを開発運用しており、少数のクライアントと深くお付き合いしてきましたが、”Web of Things”と呼ばれるWebサービスの新しい形として、Webサービスがリアルの世界の物として提供されることについて、新たなテーマとして強い関心を持っています。

・株式会社北斗システムジャパン 小堀氏
NCWGの運営の枠組みを新たにすべく実行委員制度としてメンバーの皆様、協賛メンバーの皆様にも会の運営に参加頂く事を進めております。個別には運営委員より皆様にご相談させて頂くと思いますが、よろしくお願いいたします。
また、今年はNCWGを通じた協業モデルを前面に押し出していきたいと考えており、ホームページへの協業紹介コーナーの新設を検討するなど、取り組みを進めています。

・株式会社マキシマイズ 渡邊氏
クラウドビジネス推進部会の副部会長を務めさせて頂いております。
近況としては、当社取扱いのクラウドサーバ移行/テンプレート設計ソリューションであるユーシェアソフトUForgeの新バージョンを国内向けに次週正式リリース致します。ビジネス協業という意味では、UForgeを活用した協業をメンバーの皆様、協賛メンバーとの皆様と進めたいと考えております。

・株式会社オレガ 藤田氏
クラウドで利用するストレージのアプリケーションを開発、提供しています。
ニッポンクラウドワーキンググループの協賛企業様との協業も活発に行っております。

・株式会社ニッコム 小島氏
NCWGのサムライクラウドではビギナーですが、サーバや組込み分野に長く携わってきました。NCWGへの参加を通じてクラウドのバックボーンの仕組みを理解したいと思っています。

・株式会社ムービット 谷地田 氏
弊社で提供しているアプライアンスをクラウド向けにも用意を始めています。本日はcloudStack向けのアプライアンステンプレートについてご紹介させて頂きます。

3.メンバー発表

「すぐ使えるCloudStack対応インターネットサーバーのテンプレートのご紹介」
株式会社ムービット 谷地田 氏

本日は”サーバのコストを1/3に圧縮”と題して、インターネットサーバーのCloudStack対応テンプレートをご紹介させて頂きます。

●まず、今回CloudStack対応テンプレートを作成、提供した背景についてお話しさせて頂きます。
-CloudStack(正式にはApache CloudStack)とはクラウド環境を構築運用するための製品でIaaS基盤として利用できます。代表的なIaaSとしては、AWSのほか、OpenStack、Citrix CloudPlatform(商用)≒CloudStack(オープンソース)、IBM Softlayer等があります。
-弊社でCloudStack用のテンプレートを開発した理由は、国内の多くの事業者がCloudStackを採用しているためです。事業者毎の違いとしては、ハイパーバイザーが異なる事があります。弊社テンプレートについては各ハイパーバイザーでの動作をテスト済みです。
-CloudStackでクラウド環境を構築運用できますが、クラウド上で利用する対応テンプレートについては通常はサービス事業者側でCentOS 6.x、Red Hat 6.x、Windows等、OSのみがインストールされたテンプレートを提供しています。カスタムテンプレートについては自前で用意するか、或いはマーケットプレイス、メーカー提供テンプレート、野良テンプレート等のテンプレートを入手して利用します。
-今回弊社では、CloudStack対応のテンプレートとしてKVM/Xen/VMware3種類のイメージを用意しました。必要なソフトウェアがすべてインストール設定済みですので、インポートするとすぐにサーバ起動できます。

●次に弊社がテンプレートとして提供しているPowered BLUE 860 VMについてご紹介させて頂きます。
-Powered BLUE 860 VMの一番の特徴としては、1)Web/Mail/DNS等のサーバ、2)メール添付ファイルのZIP暗号化、ダウンロード、大容量ファイル送受信の機能、3)プライベートCA/SSLクライアント認証/リバースプロキシの3種のサーバ機能をオールインワンで1台のサーバに集約して運用できることです。
-エントリクラスのライセンス提供形態としては、1)なめらかタイプ:月額3,600円、2)Powered Blue VM:初期4万円、月額5,000円、の2種類があります。
-管理画面については、GUIでかつ日本語化されている点、及び直観的なわかりやすいユーザーインターフェイスである点が特徴です。
-ソフトウェア機能には(基本)と(オプション)とがあります。通常のWEBサーバやメールサーバとしての運用のための機能は基本機能でカバーされます。メールの2重配送屋添付ファイルのZIP暗号化、Private CA機能、SSLクライアント認証、リバースプロキシなどの付加価値機能はオプションになります。
-テンプレートの動作環境としては、CloudStack、アマゾン(EC2/EBS)のクラウド環境、VMware、Hyper-Vの仮想環境、またOSはCentOSとRedHatに対応しています。

●最後にデモを交え、適用シーンをご紹介させて頂きます。
1)ログサーバ機能:ログの送信・転送・受信の3機能を装備しています。中継サーバとしてログを暗号してクラウド等のリモートサーバへ送信することができます。送信時の送信キュー対応による一時保管をしますので、ロストしません。また、送信したログを解析・検索するログアナライザーが提供されています。
2)WebMail:メール添付ファイルのZIP暗号化、Webダウンロードリンク対応、大容量ファイルの送受信、に対応しています。また、SSLを有効にしているので証明書が無いとアクセスできない様にコントロールできます。
3)Private CA + SSLクライアント認証:Private CAとWebサーバを1サーバ上で動かせます。SSLクライアント認証とリバースプロキシも同一サーバ上で動かせるため、社外からのアクセス時はSSLでなければアクセスできないといった制限をかける運用が可能です。

Q.たくさん機能があるが、それを一度に捌くための性能はハード側に依存するのでしょうか。
A.64ビットなのでソフト的には問題ありません。ネックがあるとするとハード的なところになります。管理画面のモニタで動作状況を確認できます。
Q.パッチやバグ対応などを自動で適用できますか?
A.実際にはOSパッチが多く、OSアップデートで対応します。
Q.マニュアルはありますか?
A.オンラインでpdf版マニュアルを提供しています。CloudStackもそうですが、Apple/Mac的な使い易いインターフェイスで、ユーザーにやさしい。。
Q.想定ターゲットユーザはどんな会社ですか?
A.2,000~3,000名の会社などで使われている。本日の資料でご紹介した初期費4万円、月額5000円のエントリ版はハードディスクの容量が小さい。
Q.コスト試算を掘り下げて説明してほしい
A.料金体系は概ねハードディスク容量のみに依存します。

ムービット(発表資料はこちら

「スマートフォン、センサーなどとクラウドの連携事例 UWB(Ultra Wide Band)を用いたRTLS(Real Time Location System)のご紹介」
株式会社ニッコム 小島氏

NICT(独立行政法人情報通信研究機構)によるUWBを用いたRTLSの実証実験に参加しましたので実証実験の内容についてご紹介させて頂きます。

●まず弊社の会社紹介と今回の実証実験の概要についてご紹介させて頂きます。
-弊社ではここ10年くらい携帯業界の仕事をしています。スマホが流行る前から海外勢symbianなど組み込み系の仕事をしており、北欧の屋内位置把握システムなども扱っています。
-今回は2013年9月頃から開発、2014年3月に実証実験を行いました。技術の発達によりスマートフォンがゲートウェイとして安くいろいろなものを繋げる様になり、データを集めて処理する先はクラウドを利用できる様になりました。今回の実証実験の裏には様々な思いがあり、ビジネスアイデアについても様々な議論がなされています。

●次に今回の実証実験で利用されているUWBとその特徴についてご紹介させて頂きます。
-UWB:広い帯域を弱い出力で使うのがUWBの特徴です。ここ最近、IEEEで規格化され、商用利用が始まろうとしています。日本ではまだ利用が進んでいませんが、海外ではUWBを利用したビジネスを展開する会社も出てきています。
-UWBによる位置測定:UWBによる位置測定は3点測量です。具体的には電波遅延で位置を測ります。屋内で数十cm単位で非常に高精度に位置を測定できるのが特徴です。

●最後に実際の利用シーンを想定した今回の実証実験についてご紹介させて頂きます。
-今回は商業施設と物流倉庫で実証実験を行いました。
-デバイスとしては移動機と固定機の2系統になりますが、移動機にはスマートフォンと一緒に利用するコンパニオンデバイスと、単独で利用可能なスタンドアロン型デバイスの2種類があります。また、固定機については無線でなく、LAN回線で設置しています。
-今回システムの特徴として、1秒に3回という高頻度で測定できる点がありますが、サーバに対して高速に書き込みをしていかなければいけないので高性能なサーバを利用しています。また、位置飛びや電波が一つしか来ていないなど不正確なデータについてはサーバ側でデータクレンジング処理を行っています。
-実際の店舗での利用シーンとしては、屋内での位置測定だけでなく、GPSと連動して店舗までナビゲーションするシナリオも考えられます。また、位置連動の広告を配信したり、クレジットカードの利用可否を位置で制御することもできます。これら機能を使って、サイネージ広告、AR連携、スタンプラリー等のイベントを実施可能です。また、顧客の回遊情報をログとして管理し、顧客の導線を踏まえた店舗設計などに活用できます。富士通は、視覚障がい者の方を誘導するナビゲーションシステムを作成しました。
-倉庫での利用シーンとしては、作業者の動きをログとして記録し、三次元の画像表示で可視化することで作業者の作業効率化に利用できます。それ以外には倉庫内でのフォークリフトの安全管理などへも適用可能です。

Q.iビーコン屋内位置把握とUWBの精度の違いについて教えてください?
A.UWBの方が精度が高いです。iビーコンは3段階(遠い、普通、近い)しか取れないはずです。
Q.iビーコンの発信側装置に比べてUWBの基地局は大きい様に思いますが、利便性の面でiビーコンに比べて不利ではないでしょうか。
A.iビーコン、UWBそれぞれ得意不得意があるので、適材適所で用途を見つける必要があると考えています。
Q.iビーコンはiphone/androidに移動機側が端末に埋め込みになり、発信機側も電池無し、特別なネットワーク不要で3年くらい持つ様に聞いており、アプリケーション開発という意味では手軽になるのではないかと感じています。UWBはネットワークや電源が必要と思いますが、実用性に関して如何でしょうか。
A.医療関連や作業工程の位置管理など、既に海外ではUWBが商用で実用化され、実際にUWBを利用してビジネスをしている会社もあります。また、UWBだと3次元も取れるなどの特徴もあり、倉庫作業のモニタリングや書籍のナビゲーションなど、iビーコンでは実現が難しい適用シーンも考えられます。UWBに限らないですが、新しい技術のビジネス適用について日本はスピード感が遅い様に感じています。

ニッコム(発表資料はこちら

4.リンク様からの新サービス紹介

『いま知っておくべき注目ワード「ベアメタルクラウド」とは?』
株式会社リンク 内木場 健太郎氏

●はじめに弊社の概要をご紹介させて頂きます。弊社では様々な事業を展開していますが、いくつかをご紹介させて頂きます。
-at+link:18年間ホスティングサービスを提供しています。ユーザー数は2500社です。延べ2万台くらいのサーバをお預かりしてきました。
-BIZTEL:クラウド型テレフォニーサービスを提供しています。主にコールセンタ向けで利用されています。小規模から大規模まで多くのコールセンタでの利用されています。
-PCI DSS Ready Cloud:クレジットカード業界に特化したセキュリティプラットフォームを提供しています。
-中洞牧場の牛乳:「幸せな牛の牛乳」というコンセプトで山地酪農のジャージー牛の牛乳を生産・製造・販売しています。

次に本日のメインテーマである弊社の「ベアメタルクラウド」サービスについてご紹介させて頂きます。

●まず「ベアメタルクラウド」とは何かをご説明させて頂きます。
-「ベアメタル」とは「むき出しの金属」という意味で、OSの入っていない物理サーバの事を言います。
-「ベアメタルクラウド」とは、コントロールパネルから物理サーバをセルフサービスでプロビジョニングできる、物理サーバ型のクラウドサービスです。

●次に弊社の提供する「ベアメタルクラウド」の特徴についてご紹介させて頂きます。
-SOFTLAYERとの比較:
・ベアメタルクラウドの提供で有名な会社にIBMが買収したSOFTLAYERがあります。SOFTLAYERはベアメタルサービスが主力サービスで、1~4時間ぐらいでプロビジョニングできます。
・一方、弊社の「ベアメタルクラウド」サービスでは、15~20分でSOFTLAYERよりも格段に高速にサーバをプロビジョニングできます。尚、純国産企業で「ベアメタルクラウド」サービスを提供しているは弊社のみと理解しています。
-サービス体系:
・料金体系:初期費用ゼロで、1日単位で利用できるシンプルな料金体系としています。物理サーバを1日単位でレンタルできるのは画期的とのことでご好評頂いています。
・豊富なラインアップ:Xeon E3、E5系ベアメタルのほか、ハイIOPSモデルなど、様々なリソースをご用意しており、自由に選択頂けます。
-サーバ提供形態の変遷:
・弊社は当初、19,000円での専用サーバ提供からスタートいたしました。
・その後、クラウドの登場により、「コスト」、「リードタイム」、「サイジング」といったメリットが得られるようになりました。
・今回のベアメタルクラウドの提供で、クラウドのデメリットである「規模が大きくなった場合にコストが割高になる点」、「パフォーマンス不足である点」などを解消できると考えています。
-パフォーマンス面:
・ベアメタルクラウドの特徴として「迅速なデプロイ」と「仮想化オーバーヘッドの解消」の両立があります。
・技術評論社にて実施頂いたテストでは、弊社「ベアメタルクラウド」ではAWSの同価格帯サービスの5倍の性能を得られるとの結果が得られました。
・また、やはり技術評論社にて実施頂いたテストで、ベアメタルと仮想環境の比較で約6.2%の性能低下があるとの結果が得られました。

●続いて「ベアメタルクラウド」コントロールパネルのデモをご覧ください。
-サーバ作成:コンソールからベースイメージとマシンタイプを選んで作成ボタンを押します。選んだサーバがネットワークに接続され、インストールが実施されます(15~20分)。物理サーバ以外にKVM仮想サーバも利用できます。直観的なインターフェイスで利用できるため、マニュアルをご覧いただく必要はほとんどありません。
-監視機能:障害の監視機能を標準で提供しています。物理サーバのハードウェアのステータス(メモリ、ディスク等)をモニタリングできます。
-バックアップ・リストア機能:バックアップ、リストアがコントロールパネルから設定できる様になっています。障害対応の他、バックアップからの複製によるスケールアウトも可能です。
-自動復旧:6分半~8分pingで停止が確認された場合、バックアップから自動復旧する設定もできるようになっています。

●最後にパートナープログラムについてご紹介させて頂きます。
-弊社ではパートナー経由での販売や紹介などパートナープログラムを進めています。
-協業形態については様々なプランをご用意していますが、弊社で用意しているプランに限らず柔軟に対応可能ですのでご相談下さい。

リンク社からのご提案「クラウドは海外物が主流になってしまいましたが、ベアメタルは日本のものを使ってみませんか?」日本のみなさんとは日本語で日本のスタイルでビジネスをしましょう。

Q.ハードウェアのリソースを変更可能ですか。
A.様々なリソースを弊社で用意していますので、そこから選んで利用頂けます。一旦複製を作成することで、異なるスペックの物理サーバに移行頂くことが可能です。
Q.カスタムのOSパッケージを選択できますか。
A.一旦作成してカスタマイズしたマシンのバックアップを利用することが可能です。
Q.バックアップから起動すると同じIPアドレスがバッティングしてしまうのではないでしょうか。
A.古いサーバは廃棄扱いにする様に処理しているためバッティングせずに起動できます。
Q.Windowsサーバを利用できますか。
A.現在準備中です。

リンク(発表資料はこちら

5.連絡事項
・8月1日のNCWG暑気払いの会のお知らせ
(こちらをご参照ください。)
・9月3日の第25回ニッポンクラウドワーキンググループ会合のお知らせ
主催:株式会社シーイーシー

【参加メンバー・協賛企業】
株式会社アルティネット
NTTコミュニケーションズ株式会社
株式会社オープンウェイブ
株式会社オレガ
株式会社シーイーシー
有限会社ディアイピィ
株式会社ニッコム
株式会社北斗システムジャパン
株式会社マキシマイズ
株式会社ムービット
株式会社リンク
(50音順)
計11社15名

【クラウド活用パターン発表者募集!】
「こんなメリットがあるからクラウドを導入したという事例」、「クラウドのメリットをうまく引き出した活用モデル」など、クラウドのビジネスへの有効活用事例や活用パターンについてご紹介頂ける方を募集しております。メンバー各社のクラウドビジネス活性化のために情報共有頂ける方は当部会運営メンバー(藤田、尾鷲、渡邊)まで是非ご連絡下さい。

【注意事項】
NCWGクラウドビジネス推進部会への参加については、NCWGメンバーおよびご協賛各社の方々、ならびに特別に参加を認めた方々の限定参加となっております。ご了承ください。またこの機会にニッポンクラウドワーキンググループへの参加をご希望される方は、こちらからお問い合わせください。

http://ncwg.jp/inquiry


クラウドビジネス推進部会は、サムライクラウドのアプリケーション連携をどの様にビジネスに組み込んでいくかを検討しながら、「アプリケーション」だけでなく「サービス」や「人」の「連携」をキーワードに、連携による創発から生じるクラウドサービスのメリットを活かしたビジネス提案を行って参ります。

(部会報告作成 クラウドビジネス推進部会 副部会長 渡邊 哲)

第23回ニッポンクラウド ワーキンググループ会合報告

「クラウドに集うエンジニアたち」のテーマで、第23回ニッポンクラウドワーキンググループ会合を開催しました。

今回はニフティさんに会場のご提供から懇親会までもご提供いただき会合を開催することができました。
あいにくの大雨にもかかわらず50名を超えるメンバーの皆様に参加頂き、今回も活気あふれる会合となりました。

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

【日時】
ニッポンクラウドワーキンググループ第23回会合
2014年6月6日(金)17:00~19:00
【場所】
ニフティ株式会社
【参加者】
メンバー、協賛各社および関係者の方々を含めて約50名以上

【発表概要】

1.副会長からのご挨拶

藤田 浩之(株式会社オレガ)

今回は1年ぶりにニフティさんに会場のご提供を頂きました。また、懇親会についてもスポンサーをして頂きました。この場をお借りして御礼申し上げます。元々ニッポンクラウドワーキンググループはニフティクラウドワーキンググループとして活動を開始し、1年ほど活動していたこともあり、ニフティさんでの会合には里帰り的な雰囲気もあります。1年ぶりのニフティさんでの会合ですが、本日の会合では“変わっていないなあ”と懐かしむのではなく、1年でこんなに“変わったなあ”、サービス等が“良くなったなあ”と感じさせてくれることを期待するとともに、私たち自身も常に変化し成長し続ける様に、活発な活動を今後も続けたいです。

さて、今回の会合のテーマは「クラウドに集うエンジニアたち」です。皆様は日頃より様々な形でクラウドへの価値提供に取り組んでいらっしゃることと思いますが、本日は特にエンジニアに視点を当てた会合になります。

写真見つかるプロジェクトではエンジニアが集まることによって、東日本震災の写真のデジタルアーカイブ化と検索機能を実現しています。私は直接的には今回の活動に参加できておりませんが、一人のエンジニアとして素晴らしい活動だなあ、と頭が下がる思いです。

また、リクルートキャリアさんからは、「コーディング力」を核としてエンジニアが集まる場をクラウド上に用意し、優秀なエンジニアと採用する側の企業との接点としよう、という非常に面白い取り組みであるCodeIQのご紹介を頂きます。

2.新規メンバー/協賛のご紹介

■株式会社インフォザイン 松田 孝 氏

今回、NCWGに参加することになりました、インフォザイン松田です。
弊社、2001年設立で、メインプロダクトはWeb用CMSです。出資元である内田洋行経由で、自治体と教育機関向けに販売しています。他に、ECMS製品の開発者向けトレーニングや、各種アプリケーションのUI改善サービス等を提供しています。このように、サービス提供側という観点ではNCWGに参加する資格はないのですが…各種クラウドサービスを積極的に使っているということで参加をお許し願えれば幸いです。
クラウド、いろいろな定義はあるのですが、特定組織の外に情報システムが置かれることで、組織や企業を超えた業務連携が可能になることに特徴があると考えます。この組織を超えたビジネス統合をさらに意義あるものにするためには、各クラウドサービス間のコンテンツ、データ、業務フローもつながらなくてはなりません。
クラウドサービスはAPIが用意されていますので、開発を行えばこれは可能です。しかし、現場部門がトライアルエラーを気軽に行うには「開発」がないシンプルな連携手段が必要になります。現場利用者がクラウドサービス間とユーザの連携を設定するためのダッシュボードサービスにはビジネスニーズがあると考えており、会員皆様とご協力して、B2Bに特化したサービスを立ち上げていきたいと考えてます。
ご指導よろしくお願い申し上げます。

■サイオステクノロジー株式会社 杉崎 道夫 氏

ニッポンクラウドワーキンググループには前職時代から参加させて頂いておりましたが、今回ご縁合ってサイオステクノロジー社に転職することとなり、サイオステクノロジーとして改めて参加させて頂くこととなりました。これまで同様よろしくお願いいたします。サイオステクノロジーでは、レッドハットを中心としたオープンソース関連ビジネスのほか、子会社でGoogleカレンダーなどGoogle関連のクラウド事業を展開しております。ご興味の方は是非お声掛けください。

なお、今回はご欠席のため残念ながらご紹介できませんでしたが、下記会社にも新規メンバーとして加わっていただいております。また、新規のご協賛としてさくらインターネット株式会社が加わっております。

<新規メンバー>
■株式会社FLAMA
■株式会社ベッコアメ・インターネット

<新規協賛>
■さくらインターネット株式会社

3.メンバー発表

■「クラウドで行うITエンジニア採用サービス「CodeIQ」のご紹介」
株式会社リクルートキャリア
ネットビジネスインキュベートグループ/CodeIQ
フロントセールス 石原 道隆 氏

●クラウドシステム導入に至るまでの経緯:
リクルートでは様々なWEBサービスを運営し、膨大なデータ管理、開発を行っています。
それぞれのWEBサービスにおいて、ソーシャルメディアの活用、ゲームアプリの開発が進んでいますが、都度サーバを購入して対応していたり、マルチデバイス化の加速などの要因から、現状のインフラ体制では、スピーディな対応が困難で、コストも増加してしまうといった課題を抱えていました。その解決策として、一部クラウドを導入するという結論に至りました。

クラウドを導入した結果
1)サーバを多くのユーザーで共有することができるようになりコスト削減。
2)サーバ調整の時間が数分になり、ビジネスの立ち上げスピードが加速。
3)必要なときに、必要なだけ利用できる仕組みを実現。
上記のように課題を解決することができました。
クラウドサーバの利用以外に、日々の営業管理ツールとしてクラウドサービスを導入しています。

●CodeIQのご紹介:
CodeIQとは?リクルートキャリアが運営する、コードから採用活動を開始するITエンジニア採用サービスです。2012/6にサービスローンチしています。WEB上の問題に対して実際にコーディングしてもらうことでエンジニアに解答してもらい、コードを見てエンジニアをスカウトするという点が大きな特徴です。マスコットキャラクターの名前は”キュラゲ”です。企業におけるエンジニア採用の課題を解決することがCodeIQの狙いです。

何故、企業ではエンジニアの採用に失敗するのでしょうか?
『採用担当』の悩み:
1)エンジニアに人材要件を聞いてもよくわからない
2)面接でどこを見ていいのかわからない
『現場エンジニア』の悩み:
1)人事が見ている観点がわからない
2)コードがどの程度かけるかわからない
エンジニアのスキルがよくわから無い点が採用を困難にしていることから、実務スキル可視化する手段としてコードを書いてもらうという結論に至りました。

次に、CodeIQの現在の利用状況やサービスの特徴、実績等をご紹介します。
現在のCodeIQの利用状況は以下の通りです。
-ユーザー層は、ギークエンジニア(職業エンジニアは少ない)、技術志向(マネジメント志向は少ない)、ユーザーの大部分が社会人です。
-多種多様なコード問題を1週間ごとに40-50問の問題を更新しています。
-「ウチに来ない問題」(企業が採用を誘う問題)に挑戦した転職希望者のコードを企業の採用責任者がレビューし、解答結果を見て、スカウトメールを送付、挑戦者が希望をすれば、採用企業のエンジニアと面談という流れになります。

採用企業から見たCodeIQの特徴は、優秀なエンジニアにいち早くアプローチできることです。問題に回答するエンジニアには、転職に無関係にcode問題を楽しんでいる層、転職を意識し始めた転職ニーズ顕在層、転職したい転職ニーズ顕在層がありますが、優秀なエンジニアは「転職市場に出現している期間が極めて短い」と言われています。CodeIQであれば応募してこない人にもアプローチ可能ですので、転職ニーズが顕在化する前の段階から、早くアプローチできるというメリットがあります。また、採用活動においては、コードレビューを入口にするため、現場エンジニアが主、人事はサポートといった体制となります。

ある企業における具体的な数字の例として、従来比で以下の様な実績を上げています。
-従来採用:434人書類選考。200人面接。10人内定。
-CodeIQ利用:18人面談。6人面接。3人内定。
非常に効率的な採用活動が実現できているものと思っています。
上記はうまくCodeIQを活用していただいている事例ですが、一般的にも転職希望者が提出した解答コードのうち50%弱に企業様からスカウトが飛んでいます。

採用のプロセスとしては以下の様な流れです。
1)採用戦略会議をエンジニアを交えて開催
2)解答レビュー
3)エンジニア同士で面談
4)面接
5)内定

CodeIQでは現在、約6万人が問題に挑戦しております。ユーザーの属性としては
1)ネットからの流入:暇さえあればCodeに挑戦しているITエンジニア層(おたく系)はこの方法で集客しています。
2)IT勉強会・カンファレンス:勉強会、イベントで新しい知識を習得しているITエンジニア層(コミュニケーション系)はこの方法で集客しています。

最後にユーザーの声をいくつかご紹介します。
-エンジニアの声:本気で転職を考えていたわけでは無い。自分でもはっきりわかるくらい能力が落ちており、恐怖を感じ、スカウトを承諾しました。
-採用側の声:CodeIQを通じて採用した方は、自信を持っており、モチベーションが高いと感じています。入社後も活躍して頂いています。

昨今ITエンジニアの採用が難しくなっているにもかかわらず、書類選考での減点方式による採用窓口が多く、実務能力の高いエンジニアを取りこぼしている可能性が高いのですが、CodeIQは、コードを入口とした加点方式の採用方式となっており、実務能力の高いエンジニアを効率的に発掘、アプローチすることが可能です。

■「写真みつかるプロジェクトXクラウドApp部会 活動のご紹介」
umegrafix.LLC
代表社員 梅野 隆児 氏
株式会社システムフレンド
システム開発部部長 前本 知志 氏

■umegrafix.LLC
代表社員 梅野 隆児 氏

「写真みつかるプロジェクト」の代表代行をしている梅野と申します。フリーランスのデザイナーです。「写真みつかるプロジェクト」は、東日本大震災で流れてしまった写真を如何に持ち主に返すかというプロジェクトです。フリーランスや企業に勤めるエンジニア、カメラマンなどが自然発生的に集まってきて始まったプロジェクトで、過去2年ほど活動してきました。

本日はプロジェクトの経緯とこれまでの活動についてお話ししたいと思います。
●プロジェクト発足の経緯:発足の経緯は3/11の東日本大震災です。津波で人命、資産などたくさんのものが流されてしまいました。被災地でたくさんの写真が見つかり、拾い集めて、洗って、デジタルデータにしたボランティアの方々がいらっしゃいました。そして、かなりの量のデータが自治体に持ち込まれるようになりました。今回のプロジェクトで我々が関わった自治体は宮城県石巻市です。「写真みつかるプロジェクト」は、「石巻写真プロジェクト」がきっかけとなり副次的に生まれました。「石巻写真プロジェクト」では、2011年夏以降、集まってきた写真を洗って干して乾かして画像データ化するという作業をひたすら行っていました。「石巻写真プロジェクト」に「写真みつかるプロジェクト」の発起人となった人間がかかわるようになり、80万枚分のデータをどのように被災者に返したらよいのか?エンジニアのスキルを利用できないか?といった観点から「写真みつかるプロジェクト」のアイデアが生まれました。そしてアイデアに賛同するデザイナー、エンジニア、クリエイターなどが集まり、プロジェクトが発足しました。

●「写真みつかるプロジェクト」で何を作ったのか:
何を作るべきかについて、みんなで集まって考えた結果、以下の様になりました。
1)写真を切り出すシステム:画像中の複数写真を1枚ごとに切り出す
2)タグ付けするシステム:写真にタグ付けする
3)検索・閲覧システム:市民が検索・閲覧できる
4)クラウドインフラ:KDDIウェブコミュニケーションズ社に提供頂きました。

次にこれまでの活動内容についてお話しします。
-検索システムについて、1年半以上の間、発起人が作成した仮システムでサービス提供していましたが、2014年4月より新システムの提供を開始できました。
-タグ付けシステムについて、当初は夢想的な考えで開発をスタートしました。具体的には、80万枚もの写真のタグ付は自分たちでは無理なので、ソーシャルでやろうと考えていました。しかしながら、プライバシー問題から、石巻市としては不特定多数の人に写真を晒すことは無理とのこととなり断念しました。東京にいて日々「ネット漬け」状態の我々メンバーと石巻市の方々とでは、ネットに対する意識のギャップが大きく、ソーシャル利用の意義について理解を得にくかったです。
-「切り出し」「タグ付」の両システム開発については、メンバーのモチベーションが下がり、結局ある特定のメンバーがほぼ一人で開発したため、その方に高負荷がかかってしまいました。
-システムを利用した「切り出し」「タグ付」作業については、石巻ICTセンターの生徒さん約30人延べ4か月で実施してもらいました。
-出来上がったデータをどのように検索・閲覧してもらうかが、次の課題としてあがりました。仕組としてはクラウドでどこからでも閲覧できますが、やはりプライバシーの問題があり、現状は石巻市役所のみ閲覧する運用をしています。
-写真検索システムについて、1年半以上ColdFusionベースの仮システムで提供されていましたが、ColdFusionエンジニアを確保するのが難しいことから新規開発しかないとの話となり、前本さんを中心にNCWGでphpベースで新規開発し、2014年4月から新システム提供開始しました。

あらためて、前本さん始めNCWGクラウドアプリケーション分科会の皆様に心よりお礼申し上げます。

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■株式会社システムフレンド
システム開発部部長 前本 知志 氏

「写真みつかるプロジェクト」に関する話の後半として、実際のシステム開発の話と、ITボランティアによるプロジェクトにおける「あるある」的な話をできればと思います。

<プロジェクト参加のきっかけと活動の経緯>
-Mashup Award7受賞者の連携で今回のプロジェクトを知り、参加することとなりました。
-2012年夏:少数の開発者でβ版公開。マニュアル整備などに協力しました。
-2012年秋:本格開発開始⇒開発チームに参画⇒第一次頓挫
-2013年春:少数精鋭でリブート⇒開発チームに参画⇒第二次頓挫

今回プロジェクトではの二度の停滞がありましたが、ITボランティアのデメリットという観点から、振り返りたいと思います。
<第一次頓挫の原因>
様々な意見が乱立してしまい、ジャッジが出来なくなったことが、停滞の一つの原因だと考えています。意見の乱立については、善意からとはいえ口を出すが手は動かさない人が増えてしまった結果だと思っています。また、ボランティアでのプロジェクトということもあり、ジャッジ役を務めるリーダーが不在となってしまったことも原因だと思います。
もう一つの観点として、ボランティア活動であることから、本業が忙しくなると進まなくなってしまうことも原因と感じています。
<第二次頓挫の原因>
第二次開発では、第一次開発の頓挫の経験を踏まえ、少数精鋭でのプロジェクト推進を目指しました。しかしながら少数精鋭のメンバーはもともと忙しい人が多く、集まった時は進むが、なかなか集まれないという問題が発生しました。結果的に第二次の開発頓挫してしまいました。

最後に、今回感じたITボランティアのメリットと、クラウドApp部会としての意義をご紹介します。

-参加コストが低い。
-異業種の方との人脈拡大できるきっかけとなる。
-アウトプットや共同作業を通じたスキルチェックでビジネスパートナーを獲得。実際に今回のプロジェクトで知り合った方にビジネスでのプロジェクトでもご一緒頂いています。
<クラウドApp部会としての振り返り>
-若い開発者、プログラム経験の無い方にも参加頂区ことが出来ました。
-社会的にも意義がある取組みに参加できました。

Q&A
質問:月にどの程度の作業をしましたか?
回答:ボランティアということもあり全体の作業量はしっかり管理していないのですが一人に負荷がかかった事もあり、その方は1か月分ほどは丸々作業をしていたのではないかと思います。

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4.各部会からの活動報告

■サムライクラウド部会 部会長  野元 恒志(有限会社 ディアイピィ)

●サムライクラウド部会でも熱い活動を行っています!!
-オープンソーシャルハッカソンを6/9に川崎(日立東日本ソリューション社)にて開催予定。現在6チーム17名が参加予定です。
-参加者にはOpenSocialガジェットを既に配布済みで、着々と準備も進んでいます。
-結果は個人的にも楽しみにしております。今後の会合で結果を発表しますので、乞うご期待!
●また、秋口に向けてクラウドアプリケーションデスクトップに関する活動も並行して進めています。

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■クラウドビジネス推進部会 部会長  藤田 浩之(株式会社 オレガ)

●5/8シーイーシー社会議室で開催:
-サテライトテクノロジーズ小池さん:電子カルテシステムのクラウドサービス。オンプレミスでのデスクトップ・アズ・ア・サービスの紹介。情報漏えい対応、冗長化対応など、クラウドを活用したビジネスのモデルケースとしてご発表頂きました。
-日本クラウドファイリング:同社ファイリングシステムを紹介頂きました。かなりきめ細かに作り込まれており、SalesForceとの連携事例についても発表がありました。同社システムをNCWGでも活用できればと考えています。
-シーイーシー:同社BizVisionPlusをご紹介頂きました。手厚いサポートが一番の特徴とのことでした。
-発表資料をWEB上に掲載しておりますので、ご興味の方は是非ご覧ください。
●次回予告:7/18に第17回クラウドビジネス推進部会を株式会社リンクにて実施予定です。
●NCWGメンバー向けIaaS検証環境のご案内
<検証環境をご提供頂いているサービス>
-ニフティクラウド
-BIGLOBEクラウドサービス

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■クラウドアプリケーション部会 部会長  前本 知志(株式会社 システムフレンド)

●次回予告:6/28(土)10時から「写真みつかるプロジェクト」の写真閲覧システムのバージョンアップをハッカソンとして予定しています。

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5.ニフティ社からの各種ご紹介

■「ニフティクラウド・アップデート」
ニフティ株式会社
クラウド本部 クラウド事業部
マーケティング部課長 新井 直樹 氏

<改めてニフティクラウドのご紹介>
-2010年からオンデマンドでITリソースの提供
-2014年4月で3,000契約の実績
●ニフティクラウドのこだわり:
1)性能、品質面で安心できる基盤を提供
2)利用者視点でわかりやすいセルフサービスとサポート
3)従来ITとの組み合わせをしやすい仕組み
4)パートナーとともに成功する
●アップデート回数:毎月の様にエンハンスをしています。
2011年:28回、2012年:20回、2013年度:28回
●利用動向:当初ゲーム関係でのご利用がが多かったのですが、企業の利用が増えており利用者層が大きく変わってきたと感じています。最近では金融機関での利用ケースも出てきています。「クラウドファースト」、顧客側でセキュリティの不安を乗り越える等、クラウドを積極的に活用する流れが出来ている様に思います。

<ニフティクラウドの進化のベクトル>
パブリッククラウドでインフラ提供をするだけでなく、用途特化型サービス、既存ITとの連携など、各種のエンハンスを進めています。
●用途特化型サービス:
スマートフォンのバックエンドに特化した「モバイルバックエンド」サービスを提供しています。クライアントサイドの開発でカバーできないサーバサイドの仕組みを簡単に実現できるサービスとして提供提供しています。現状の利用者はゲーム系が多いですが、企業における情報系の業務アプリなどでもプッシュ通知の仕組みとして利用検討して頂いています。無料からの利用が可能なサービスです。
●適材適所:
パブリッククラウド+顧客カスタマイズ(占有物理サーバ、IDSなど)の組み合わせで利用可能な柔軟なサービスを提供しています。具体的には2014年5月占有コンポーネントサービスを発表しました。昨年時点で一部パートナー、顧客向けにはすでに昨年より個別提供しています。
用途例)
-OracleRACのライセンスを継続利用したい。
-占有ストレージを利用したい。
●自動化、省力化:
2013年12月より、RDS、メール等の機能をサービス化したメニューや、システム構成を自動構成するサービス等を提供開始しています。DNS機能による東西データセンターのDR利用など、利用事例も出てきています。
●安心、安全:
安心、安全についても以下の様な多くの取り組みをしています。
-SLAの改善:当初の99.95%から99.99%に改善しました。
-データセンター:東日本大震災の際にも止めずに稼働した実績があり安心です。
-内部統制の基準:SOC2など各種監査基準に対応しています。
-トラブル時のサポート:サービス開始当初はオンラインのみでサポートサービスをしていましたが、現状は24/365で常にエンジニアが待機しており、電話サポートも含め無料で提供しています。クラウド側で何が起きているか見えにくいという不安を解消するために手厚いサービスを提供しています。
●ビジネスプラットフォーム:インフラ提供だけでなく販売のための「バックエンド」「販売」を支援しています。
-バックエンド支援の例:各パートナーのSaaSサービスを支援するため、課金サービスなどを提供しています。
-販売支援の例:ハコクラ=「箱」に入ったクラウドの略です。現状22タイトルあり、流通パートナー向けにISVの製品を箱に入れて流通で販売するスキームです。箱にワンタイム利用のID/パスワードが入っており、箱にすることで流通網の部分を含めて支援します。
●クラウドビジネスのエコシステム:お互いの得意分野を活かして日本のクラウドを盛り上げたいというのがニフティクラウドの考え方です。

Q&A
質問①:DBのサービスについてどうしてもアマゾンRDSと比較してしまうが、ニフティクラウドでもリードレプリカは使えますか。
回答①:用意しています。
質問②:メール送信について、携帯キャリアや一般企業向け配信でもスパムボックスに入ってしまうケースが多いが、スパム等のコントロールをできる仕組がありますか。
回答②:極力スパムとしてはじかれない様にケアしています。例えばドコモ向けに1時間何万通も送れる仕組みがあります。このあたりはアマゾンの仕組みとはやや異なると思います。
質問③:ハコクラについて、ターゲットとなるソフトウェアの層はどういったところですか。価格で言うと月額5000円、1万円、2万円などは取り扱いの対象ですか?
回答③:現在22タイトルありますが、基本的には中小企業に使い易いサービスを目指しています。価格については数千円~数万円/月まで幅広くあります。
質問④:モバイルバックエンドについて、サーバ側にカスタマイズをしたり、他のサーバのサービスと連携した利用もできますか?
回答④:APIを介して、他のサーバーやクライアントと連携してプッシュ通知や会員管理などの機能を制御することが可能です。

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6.会長からの総括

会長  小堀 吉伸(株式会社北斗システムジャパン)

●あいにくの雨にもかかわらず多くの方に参加頂きありがとうございました。
●クラウドアプリケーション部会の「写真見つかるプロジェクト」では有志が集まりPHPでプログラミングを行っています。以前もお話ししましたが、40歳からのおやじプログラマープロジェクトと題して、若手に限らず幅広い参加者を募集していますので、我こそはという方は是非ご参加ください。
●ニッポンクラウドワーキンググループでは、現在、サムライクラウド部会、クラウドアプリケーション部会、クラウドビジネス推進部会の3部会体制を会のドライビングフォースとして活動を行っています。設立から三年目を迎えても新規メンバーの参加やさらに新たなご協賛のご支援もあり、盛況に活動を行っています。運営面で人的リソースは厳しいのですが、より活動を活発に行うにあたり、今後はクラウドサービスの視点から新たな部会など立ち上げたいと考えておりますので、積極的に関わりたい方は是非とも手をあげてください。

7.今後の活動等のご案内

■NCWG支援セミナーの実施:新しい試みとして通常の会合とは別に各クラウド事業者様から実ビジネスに直結する営業的な情報提供を含めてご紹介頂くセミナーを、先日より始めています。メンバーの皆様のビジネス拡大ための場として是非ご活用ください。
3/14 第1回 GMOクラウド新パブリッククラウドサービス説明会
6/26 第2回 IDCF主催『NCWG支援セミナー』

■ニッポンクラウドワーキンググループ第24回会合 大阪開催
7/11 ニッポンクラウドワーキンググループ第24回会合
7/10 カゴヤ・ジャパンデータセンター見学会

■9/3 ニッポンクラウドワーキンググループ第25回会合
主催:株式会社シーイーシー

■8/1 ニッポンクラウドワーキンググループ暑気払い
場所:神楽坂イカセンターはなれ

8.懇親会風景


会合後の懇親会についてもニフティ様にご提供いただき、大いに盛りあがることができました。ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。

会合報告者 渡邊 哲(株式会社マキシマイズ)


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